「妙岐ノ鼻と和田公園で霞ケ浦を観察しよう!」
第6回霞ヶ浦自然観察会 萱葺き屋根・シマガヤ・カドハルイ
日程:2023年9月16日(土)晴れ 真夏日
日程:2014年5月24日 (土)妙岐ノ鼻 ヨシ原と多様な湿性植物
日程:2022年5月7日(土)身近な植物を観察しよう
日程:2022年5月21日(土)霞ヶ浦にはどんな魚がいるのだろう
日程:2022年6月18日(土)曇り 梅雨の中休み
日程:2023年3月18日(土)小雨(一日中雨)身近なコケを観察しよう
日程:2023年5月6日(土)晴れ 強風自然再生区のヨシ原で植物を観察しよう
日程:2023年5月20日(土)曇り後晴れ 強風 妙岐ノ鼻と和田公園で霞ケ浦を観察しよう
日程:2023年8月19日(土)快晴 台風6,7号が去り、暑い日が続く水草を観察しよう
妙岐ノ鼻 和田公園 |
日 時 2023年9月16日(土)10時〜14時 場 所 妙岐ノ鼻及び和田公園(稲敷市浮島) 講 師 松木 礼さん(茅葺き職人)、村野光男さん(茅刈り職人) 案 内 小幡和男先生(茨城県霞ケ浦環境科学センター 環境活動推進課) 集合場所・時間 妙岐ノ鼻駐車場9時30分〜9時50分※定員20名の範囲で、バスによる送迎を行います。(往路:土浦駅東口8:00発、霞ケ浦環境科学センター8:20発、妙岐ノ鼻9:40着、復路:和田公園14:00発、土浦駅15:00着、センター15:20着の予定) 募集人数 30名(小学生以上、小学生の場合は保護者同伴)、うちバス利用の定員は20名 参加費 無料 以下省略 |
稲敷大橋から妙岐ノ鼻
左:妙岐ノ鼻 奥は霞ケ浦 右:妙岐ノ鼻駐車場
この駐車場で講師 松木礼さん(茅葺き職人)、村野光男さん(茅刈り職人)とここに直接集まった参加者が集合。この駐車場には私達のみ、時々和田公園と結び道路を車やサイクリングの人が通過する。青空が広がって暑い猛暑になりそうです。
左:2023年5月20日 野鳥観察でしたが今日は一匹の見えない
右:講師が持ち込んだカヤ
カヤ:ススキ、シマガヤ・・・二階堂さんが確認中
案内の小幡先生と二階堂さんがこのカヤの束を確認中・・・・・ススキやイネ・小麦は私は解るが、以外はお二人は知っている!
今日ここで観察予定のカヤ
左:アキノノゲシ(秋の野芥子)キク科 右:イボクサ(疣草)ツユクサ科
二階堂さんが、草藪で見つけたイボクサ、花弁は3枚、極小さく撮影は難しい!
アキノウナギツカミ(秋の鰻攫) タデ科
二階堂さんから多く特徴をお聞きしましたが、アキノウナギツカミ(秋の鰻攫)としておきます(笑)。
左:オオニシキソウ(大錦草) トウダイグサ科 右:ネズミノオ(鼠の尾)イネ科
ニシキソウはコニシキソウとそっくりの北アメリカ原産の帰化植物。コニシキソウは葉の中央に黒斑があり、ニシキソウには黒斑がない。いずれも雑草としてどこでも見ることができる。オオニシキソウは背丈が20〜50aあり直立する、写真はオオニシキソウですね!
9:50頃に講師 松木礼さん(茅葺き職人)、村野光男さん(茅刈り職人)のお話が始まる、茅葺き職人と茅刈り職人のお話は初めてであり、全てが初耳のお話でした。村野光男さんは茅刈りシーズン以外が別の仕事をされ、茅刈り職人はシーズンのみ。松木礼さんは茅葺き職人を初めて日本中を回っているまだまだお若い人で今日も茅葺き職人の中をわざわざここに来られたそうです。
茅葺き職人・茅刈り職人のお話
信州が実家の我が家、1949(昭和22)年生まれでしが、中学生頃まで茅葺きの家で生活。松木さんのご説明の通りカヤは水を通しにくく、夏は涼しく・冬は暖かい、梅雨を知ったのは東京に出てから。茅葺きの家が激減、ここ妙岐ノ鼻のカヤは今や村野さんのみ、彼は昭和26年生まれで茅刈り職人の後を継ぐ人はいないそうです。
左:松木さんの示したハナショウブ 右:村野さんの示したクジ引き票
松木さんがカヤから取り出したハナショウブ、茅葺き作業をする前に良く見つけるのだそうです。
一方、村瀬さんが見せてくれたクジ引き票。これは妙岐ノ鼻で茅刈り職人の争いが起きないように、区画を分け、平等になるよう定期的にクジを引き、作業場を決めたそうです。霞ケ浦に囲まれた広大な妙岐ノ鼻は場所によって品質が大きく変わっている。
小幡先生が作られた押し花
カドハリイ、シマガヤ・・・・は妙岐ノ鼻で見ることは可能だが、大雨の後など入れない(先日大雨で今日も入れない)、しかも貴重な植物、茨城県霞ヶ浦環境科学センターでは許可を取り集めた姿を押し花で見せてくれた。
妙岐ノ鼻で村野さん後継ぎの「茅刈り職人」がいない、茨城県霞ヶ浦環境科学センターでの自然観察会・・・・続けて欲しいものです。
左:シナダレスズメガヤ(撓垂雀茅)イネ科 右:ヨシ(葦)イネ科
講師のお話後、新しくなった遊歩道に向かう、シナダレスズメガヤが生え、日本に入り、各地で広がり帰化植物として定着。
面積約50haの妙岐ノ鼻、ヨシが主体で広がっている。「シマガワ」と呼ばれ高い評価を得て偕楽園の好文亭をはじめに、この地域の文化財の屋根の葺き替えや修繕に利用される。とても貴重なものです。ここにカドハリイ(カヤツリグサ科)は2022(令和4)年1月24日より国内希少野生動植物種に指定され、カドハリイは、国内では妙岐ノ鼻以外での生育が確認されておらず、環境省及び茨城県のレッドデータブックにおいて「絶滅危惧1A類」に指定されている、貴重な植物です。
左:ツルマメ(蔓豆)マメ科 右:カヤツリグサ(蚊帳吊り草)カヤツリグサ科
ツルマメは大豆の原種といわれている。多くの植物に絡みつきます。
ススキとオギ
左:スズメウリ(雀瓜) ウリ科 右:メドハギ(筮萩)マメ科
スズメウリに小さい瓜、ウリのように美味しいと回りの参加者。
小幡先生はメドハギの茎から葉を全部落とし、「駅占い」が使う棒の代用にしたことからこの名がついたと見せてくれる。「駅占い」を知らない人が多いネ・・・。
左:スズメノヒエ(雀の稗)イネ科 右:コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)キョウチクトウ科
遊歩道を沿いに進むと、大きく右にまがって藪に囲まれた散策路(舗装の道)に入る、多くの植物が生え、時々この植物を避けて歩くことになる。
前に進むお姉さんがカメラを向ける、可愛い小花でカメラに良く映らない、葉がカモメの翼に似ることからコバノカモメヅルと呼んでいる。
左:シロバナサクラタデ(白花桜蓼)タデ科 右:ナガエツルノゲイトウ ヒユ科
シロバナサクラタデはここに多く咲くが、サクラタデは無いようです。
ナガエツルノゲイトウは豊かな農地を守るために侵入・定着を防ぐ特定外来生物だそうです!
南米原産の多年草(国内の系統は種子をつけない) |
左:アメリカタカサブロウ(亜米利加高三郎)キク科 右:キンガヤツリ (金蚊帳吊) ヤツリグサ科
アメリカタカサブロウとタカサブロウの比較:タカサブロウと比較すると、アメリカタカサブロウとの最大のちがいはタネのかたちです。
タネの左右に翼があり、ずんぐりしたかたちになります(アメリカタカサブロウは翼がなくて細い)。 またアメリカタカサブロウと比較すると、葉の幅が広く、色もやや黒ずむ傾向があるという。参加者の人にお聞きするとタネを比べれば・・簡単に解るようです・・・近くの田んぼに両方生えていたが良く見たいと思います。
キンガヤツリカ:二階堂さんのお話しですと小穂は今のところまだ黄金色ではないが、黄金色を帯びて来るそうです。彼女は霞ケ浦周辺の植物の観察を続けている!
左:ツルボ(蔓穂)キジカクシ科 右:コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)キョウチクトウ科
この時季になると、近くの公園や墓地の草むらで小さな群落を見せるツルボ。ツルボは春に葉が出てきますが、花を咲かせることなく夏には地上部が枯れてしまいます。そして、9月になって葉が出てきますが、この時期に花穂も出てきて花が咲きます。
再びコバノカモメヅルを見つけるが見逃すほどの細長い花弁で星型をした花を咲かせています。ここに生える事を知らないと見逃してしまう、指で触れずに撮影したい者です、触れないと観察にならないかも知れませんが少ない場合は他の参加者が実物を良く確認できません、カメラを向けている時に手を足す人もいる、これには驚く(笑)。
5,6bの桟橋の霞ケ浦に飛び出した吊り橋は撤去され、10人程が留まる広場があるだけでした!
妙岐ノ鼻の集合の駐車場に戻ってくる、トイレなどに寄り、バスにて次の和田公園へ、まもなく和田公園の駐車場に着く、12:00 お昼時間、バスに中か公園のベンチかを選ぶ、天気予報は良く辺り真夏日で熱中症の危険がある・・・・12:30には植物観察が始まる。
(霞ヶ浦自然観察会 第4回 妙岐ノ鼻 ヨシ原と多様な湿性植物):ハマヒルガオやハタザオ・ハマエンドウ・ハマアオスゲ・・を見つけ、花も咲いていました・・・・・今日は9月、刈入れの直後でどうだろうか?
左:5年生のカメラマン 右:ハマヒルガオ(浜昼顔)ヒルガオ科 和田公園2014/5/24
木製の橋を通過、公園には東屋、公衆トイレがある、三連休でキャンプ中の数組・・・・松林に入り、海岸植物を探す。刈入れの後だがハマヒルガオの姿を見つけるが美しく可憐な花は咲いていません。
ハマエンドウ(浜豌豆)マメ科 和田公園2014/5/24 鹿島灘海浜公園 2017/10/10
続いて刈入れのカマが入り難い松の根本にハマエンドウを見つける、花は見られない。白馬岳 オヤマノエンドウ 2005/6/18-19
松林で他を探すが見つからない・・・・。
和田公園の湖岸に降り・・・・・最後の観察場所
昭和38年(1963)に常陸川水門が完成すると飛躍的に海水の流入が激減した事で塩分濃度も低下しましたが、逆に湖水の攪拌能力も低下し、水質悪化や生態系の変化の原因になった。常陸川水門は今日通過した国道51号から潮来を経て外浪逆浦、ここから常盤川が流れだし利根川と合流地点に位置している。
霞ヶ浦自然観察会 第2回 「常陸川水門付近の湿性植物〜水位調節と植物の変遷」2015/4/25はこの常陸川水門で観察会を行った、この時期から今日まで8年が過ぎ、和田公園の環境も大きく変化していることを思い知る。
松林の東屋に戻り、小幡先生のお話をお聞きし、現地に来られた参加者と別れ、和田公園を後にする。帰路は国道125号に出て、土浦駅経由で茨城県霞ヶ浦環境科学センターに向かう。私を含め5,6人が土浦駅で下車。
HP:わたしの天気予報