「自然再生区のヨシ原で植物を観察しよう」第1回霞ヶ浦自然観察会

 

日程:202356日(土)晴れ 強風

日程:202257(土)身近な植物を観察しよう
日程:2022521(土)霞ヶ浦にはどんな魚がいるのだろう
日程:2022618(土)曇り 梅雨の中休み
日程:2023318(土)小雨(一日中雨)身近なコケを観察しよう

 

草の上に置かれている

中程度の精度で自動的に生成された説明

黄色い穂状の花を咲かせたヤナギトラノオ
ヤナギトラノオ(柳虎の尾)サクラソウ科

 サクラソウ科の仲間だが、サクラソウ(大利根橋に下に群落)とは似ておらず、近縁種のイヌヌマトラノオのような花穂でもない。イヌヌマトラノオと同じように湿地や沼地に生える。名前は葉がヤナギのように細いことから。観察現場にヤナギ群落がある。尾瀬でも生える場所を知らないと、草の中に隠れてしまい通り過ぎる人が多い(笑)。

 

 

 

日 時 202356日(土)930分〜1230分 

観察地 霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎自然再生事業区H区周辺(霞ケ浦環境科学センター下)

先生(案内) 小幡和男 「茨城県霞ケ浦環境科学センター」

       二階堂春恵

       例年、筑波実験植物園のイベントで

         植物と虫のかかわり講座の講師ご担当

           予定:2023/7/2(日)

           申し込み・問い合わせ先:029-851-5159

集合場所・時間 霞ケ浦環境科学センターエントランスホール 9時〜920分※今回は土浦駅からのバスによる送迎はありません

募集人数 30人(小学生以上、小学生の場合は保護者同伴)

参加費 無料

持 ち 物 飲物、長靴、帽子、雨具、汚れても構わない服装、筆記用具、保険証など

今回は土浦駅に向かいは無いので「茨城県霞ヶ浦環境科学センターに集合」

土浦協同病院から茨城県霞ヶ浦環境科学センターまで徒歩約25

 JR常磐線の土浦駅又は神立駅から毎日土浦協同病院行きのバスが運行、予定時刻に合わせ利用。帰りも霞ヶ浦環境科学センターで時刻に合わせ利用できます。今日は神立駅からの往復でした。参加者の99.9%自家用車ですね!(土浦駅にお迎えの時は、お迎えを!)

 

 

 

 今回は土浦駅からのバスによる送迎はありませんので、JR牛久駅から常磐線、牛久駅723発勝田行き神立駅740に乗る「この後の745に乗ると87分着」、神立駅で降りると神立駅東口から千代田神立ライン「720,815955・・・」発の土浦協同病院行きに乗る、土浦協同病院830。信号に戻り、左折、霞ケ浦方向に進む、霞ヶ浦環境科学センターの信号を左折、ナシ園を見送り、茨城県霞ヶ浦環境科学センターに着く。

 集合時刻前に正門を入ると無人、裏庭方向に人の影、今回の参加者が散歩中、上池・四阿回りの散策中。

 開始時刻になって、敷地内の植物観察を行い、その後、霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎自然再生事業区H区周辺(霞ケ浦環境科学センター下)へ徒歩で向かう。

 

 開始前の散策で見つけた!

 

左:ショウブ(菖蒲)サトイモ科           右:ジョウロウスゲ(上臈菅)カヤツリグサ科

 

 裏庭の上池に貴重な花、2株が花を付ける、菖蒲湯の菖蒲の花です。アヤメや菖蒲園でおなじみのハナショウブとは全く別物でサトイモ科でセキショウなどに近い。昨年の観察会でも咲いており、今年も元気そうです。

 5,6歩先の池にジョウロウスゲの大きな株、雌しべが付き、その上に一本の雄しべ。後で霞ケ浦湖畔で群落に出会います。

 

 

左:イグサ(藺草)イグサ科          右:トチカガミ(鼈鏡)トチカガミ科

 

 イグサはこのこの後でフトイと先生が差をご説明される。トチカガミは常連の参加者が見つけ教えてくれる、透き通る白い花で花期は810月。

 

 

左:ヨシ,古くはアシ(葦) イネ科          右:キショウブ(黄菖蒲)アヤメ科

 

 ヨシとセイタカヨシが並んで生え、これも先生が後でご説明。ヨシはアシとも呼ばれている。

 キショウブはとても奇麗ですが、先生にお話ですと在来種との競合・駆逐等で問題の花だそうです。

 環境省は「要注意外来生物」の一種として「栽培にあたっては、逸出を起こさない」「既に野生化している湖沼等があり、在来種との競合・駆逐等のおそれがある場所については、積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる」として警戒を呼びかけている。また、日本自然保護協会、日本野鳥の会、世界自然保護基金では生態系に与える影響や侵略性が高いとしている。 観賞用に栽培されているハナショウブには黄色系の花がないため、その貴重性から重宝されたが、湖沼や河川などへの拡散が問題となっている。霞ケ浦湖岸でも咲き、とても目立ちますが?

 

 

左:カキツバタ(杜若)アヤメ科               右:フトイ(太藺)カヤツリグサ科

 

 カキツバタ、「いずれがアヤメかカキツバタ」とは、見分けの付けがたいことを言うように アヤメとの区別は難しい。先生から違いを聞かされてたが、これらにカマヤマショウブ、ハナショウブ、ノハナショウブなどショウブが加わるともー駄目です。私は登山が好き、アヤメとの大きな違いは、カキツバタは水辺に生えるが、アヤメは水がない山地や草原にも生え、外側の花びらに黄色い模様がある。またアヤメより葉が広い・・・尾瀬のアヤメ平四季の里公園を思いだす。

 

そろそろ開始時間で室内へ、定員は超えている

 

 先生のお話、先生に案内で外に出る、敷地内を案内されて、霞ケ浦の目的地へ・・・・強い風が益々強くなるが・・・・青空が出て暑い・・・。

 

 

左:アサザ(阿佐佐)ミツガシワ科      右:上池の密集地

 

 アサザは筑波実験植物園の池にも移植されている、霞ケ浦のアサザは水質を浄化することから、この植物園に接する霞ヶ浦では、アサザプロジェクトというボランティアによる繁殖拡大活動が続けられている、従って私達も今回はここで観察するのみ、このアサザは霞ケ浦から移したものでは無いとの事!

 アサザは「異型花柱性」という独特の繁殖様式を持っている。花柱(めしべ)が長くて雄ずい(おしべ)の短い「長花柱花」と、反対に花柱が短く雄ずいが長い「短花柱花」を持つ個体が存在する。そして、異なる花型を持つ花の間で花粉がやり取りされないと正常に種子繁殖を行うことが出来ない。そして「1つの花は1日でしぼみます」と先生のご説明。

 昔、霞ケ浦湖畔で子供たちを連れ、可愛く水面に黄色い花を咲かせる水草で6月ころから鑑賞に出かけたが、準絶滅危惧種。霞ケ浦は北浦と併せて日本最大の生育地だった。例年なら6月ごろ開花し、8月から9月までのほぼ2カ月間満開となって群落一面にかれんな黄色い花を咲かせる。1996には霞ケ浦で10カ所の群落が確認されていた、2000には4カ所に減少、その後一時的に回復したが再び減少。孫は幼い時に連れて行ったが今は無理ですね!

 

 

左:セイタカヨシ(背高ヨシ) イネ科          右:ミコシガヤ(神輿茅)カヤツリグサ科 

 

 セイタカヨシは枯れた幹に新芽が出てくる、ヨシ同様に水辺に大きな群落を作って見られるものではあるが、ヨシよりは陸側の乾燥した場に多く、水中に生えるのを見ることは少なく、ヨシ群落に連続してそれより陸側に出現する。ヨシとの区別は意外に容易で、大きさや形は互いに似ているものの、本種の葉が硬くて斜めに立ち上がって伸びるのに対し、ヨシの葉は普通は途中から垂れ下がること、また本種に比べてヨシの花序は小さい(せいぜい40a)事などから、見慣れれば遠くからでも判別できるという。

 ミコシガヤ(神輿茅)、これから向かう霞ケ浦湖畔に大きな群落がある、一口で言うと「立派なカヤツリグサ」です。多年草。雌雄性の小穂を非常に密につける。小穂には包葉があるが、特に最下の包葉は長く伸びて、全体の様子がお神輿(みこし)に見えることからこの名がある。葉の先は次第に細くなり糸状。【参照】2022/6/18 「自然再生区のヨシ原で植物を観察しよう」。

 

左:アゼナルコ(畦鳴子)カヤツリグサ科  右:そろそろ・・・現地へ向かう

 

 アゼナルコは細長い小穂をぶら下げるようにつける。特に頂小穂「一番先」が雄雌性であるという特徴を持つ。先端の頂小穂は先の方約半分が雌花で根元側半分が雄花、雌雄性。それ以外の小穂は雌性。和名は、垂れ下がる小穂を鳴子に見立て、畦に出現することから。霞ケ浦湖岸でまた出会います。

 先生は案内人、そろそろ現地に向かわないと・・・・・時間が過ぎてしまう。

 

 観察地「霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎自然再生事業区H区周辺(霞ケ浦環境科学センター下)」の観察

 

 

左:レンコンの代掻き             右:レンコの子供を並べている

 

 茨城県霞ヶ浦環境科学センターから霞ケ浦に向かって県道118号に下る、途中でスズメノエンドウとカラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)を見つけ、差をご説明、カスマグサは無く、現地で探すことになる。カラスノエンドウは花の柄が無く、スズメノエンドウは花の柄が長く、さやの種が2個、カスマグサは種が多くなる、カラスノエンドウは更に種も大きく、数も多い。

 県道118号を横切って左折後にレンコ畑の通りに入る。

 ここで、ウキクサ・コウキクサアメリカオオアカウキクサの説明、先生はウキクサをレンコ畑から救い出す、勿論手が泥だらけ。ウキクサは根が数本、コウキクサは根が一本、アメリカオオアカウキクサは葉が赤みを帯びている。

 レンコンの代掻き姿と代掻き後に植えたレンコ畑が見え、昨年掘らない芋から目を出した畑も見える。

 

 

左:アシカキ イネ科    右:ガマ(蒲、香蒲)ガマ科

 

 レンコン畑に生えて困るアシカキ、ガマの群生・・・・が密集する。

 

 

左:カズノコグサ(数の子草)イネ科  右:マコモ(真菰)イネ科

 

 カズノコグサの由来は、花穂を見ると容易にカズノコと想像できる。花穂は多くの小穂(しょうすい)からなるが、特に小穂が花軸から横に開く前の状態はカズノコのイメージにぴったり。花は小穂に先に咲いている。

 先生がレンコン畑に飛びこむ、マコモを引き抜きタケを探しているらしい「見つからない・・・」と、イネ科の多年草で緑色の葉を何枚か剥ぎとっていくと、中から真っ白な可食部分が現れ、これをマコモダケと言うそうです。マコモタケの食感は、タケノコに似たふくらみを持ち、乳白色の茎は柔らかく、その淡白な味はどんな料理にも合い、主として中華食材として利用、和食やイタリアン、フランス料理などの食材としても利用されていますね!

 

 

マコモ

 マコモの根にマコモタケができる、マコモダケはマコモの茎のことで、マコモ粉末はマコモの葉から作られています、どちらも栄養が詰まっています。

 マコモの根本に強風の為か赤色のウキクサが流れ集まっていました。

 

左:アカツメクサ(赤詰草)マメ科              右:カスマグサ

 

 霞ヶ浦環境科学センターから霞ケ浦湖畔まで約15分、先生の案内があり1時間ほど。風はやまずこれからどんどん強くなってくる予報だが青空も見え、天候は晴れ!

 アカツメクサ・シロツメグサ・コメツブツメクサが群生している。シロツメグサは地面に根を伸ばすが、アカツメクサは上に伸びるだけ。同じマメ科のコメツブツメクサは可愛い花を咲かせ大群落。参加者の帽子も人それぞれですね。

 「ツメクサ(爪草)」はナデシコ科ですね!シロツメグサ のツメクサは「詰草」の意味だが、これは、細い葉が鳥の爪に似ているというので「爪草」。高山植物の イワツメグサ や タカネツメクサ  と同じ仲間。

 霞ヶ浦環境科学センターの近くではカスマグサが無かったがここに来てスズメノエンドウと並んで生えていました。カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)とスズメノエンドウの中間ですね。

 

 

左:ツルマンネングサ(蔓万年草)ベンケイソウ科              右:ミコシガヤ(神輿茅)カヤツリグサ科 

 

 ツルマンネングサは繁殖力が強く、節目が地面に接しているとそこから発根し地面をとらえながら地を這うようにしてつぎつぎと殖えていく、花は黄色でとても美しい。このため踏み荒らしや暴風雨などで個体がズタズタになると、かえって増殖し個体数を増やす結果となるため一度路肩などに定着するとそこから急速に増えていく、昨年もここに生え、年々広がっている。

 

 

左:コモチマンネングサ(子持ち万年草)ベンケイソウ科    右:イグサとフトイの花の差

 

 コモチマンネングサとツルマンネングサが並び、更にヨコハママンネングサが広がっていました。

 

 

左:オオフサモ               右:黄色で可愛いが・・・キショウブ

 

 オオバナミズキンバイやオオアサモ、ミズヒマワリは特定外来生物です、ここはちょっと覗くだけ・・・・・。

 

 

左:アゼナルコ     右:ヤナギトラノオ(柳虎の尾)サクラソウ科

 

 今回の「霞ヶ浦の自然再生区では、湖岸の土砂が流れないように堤防を築いたり、霞ヶ浦の湖底にあった土砂を入れたりして、湿地の植物が生育できる環境をつくり、自然を再生する試みがなされています。そこに再生したヨシ原で、絶滅危惧種に指定されているヤナギトラノオなどの湿地の植物を観察します。ヤナギトラノオ(柳虎の尾)サクラソウ科」の現地へ着いた。

 霞ヶ浦環境科学センターからのメールや今回の工程説明で先生から「花が咲き、実になて・・・・・」とご説明があって、ドキドキしながらここへ。

 尾瀬でもそうだが草むらで見つけられないが、今回は先生が直接ご案内、、、、とても可愛く奇麗な花を見せている、見頃です。

 

 

ヤナギトラノオ                 左:花 ブラシ状の花 右:実ができてきた!

 

 そっと回りを開け、撮影!

 

ヤナギトラノオの先頭

 

 ヤナギトラノオの先頭は葉で覆われ花は良く見えない、、、、サクラソウ科?。

 

 

左:再生したヨシ原から霞ケ浦              右:作業道

 

 再生したヨシ原から望む霞ケ浦、堤防が作られ、再生地を波から防いでいる。先生らはここに訪れ観察と保護活動を続けておられる

 

 

左:セリ(芹)・ドクゼリ(毒芹)セリ科    右:マルバヤナギ(丸葉柳)ヤナギ科 別名:アカメヤナギ

 

 セリとドクセリが並んでいる、ドクセリは奇麗な白い花を付けている。葉の違いなど理解し、ドクセリには注意!

 マルバヤナギ、ヤナギの仲間は細長い葉のものが多いのですが、マルバヤナギの葉は葉幅が広めで、表面に光沢があります。また新葉は赤みを帯びた色をしており、アカメヤナギの別名でも呼ばれます新葉のつけ根に丸い托葉が目立つのも特徴のひとつです。

 二階堂先生のお説明によると「昔はここでアカメヤナギと説明・・・私が変えたよ・・・」とのこと、昔を思い出し益々記憶の悪くなった私もマルバヤナギの高い木を見上げ、新葉と違い「マルバヤナギ」だなと実感する。

 先生も二階堂先生も、ヤナギの群生地でマルバヤナギ以外の〇〇ヤナギをご説明・・・・もー私の感度は鈍くなってウンウンとうなずくだけ。。。となる。

 

ヤエムグラ アカネ科

 

 再生したヨシ原離れ土手の前で身近に生えるヤエムグラを見つける、でも隣に6枚の葉を見つける、見た目も大きく違ってくる、二階堂先生はクルマムグラで花が咲かないと・・・・。

 葉が4枚、6枚・・・と並んで咲き、、、、ヤエムグラヨツバムグラホソバノヨツバムグラ、キクムグラ、キヌタソウ、クルマムグラ、キバナノカワラマツバ、カワラマツバ、オククルマムグラ、クルマバソウ、オオバノヨツバムグラ等の種類が有るそうです、ここでの種類は次回に確認?

 カナムグラ(鉄葎)はクワ科で無関係です、ホップ(ホップ)もクワ科。

 

 再生したヨシ原を抜けると「これで今回の自然観察会は終わりです・・・・解散はセンターに戻って・・・」との事で来た道を引返す、県道118号からセンターには坂道、自然観察会を重ねるにツライ坂、裏の石段を登らず表に回る。

 1250だ、次の土浦協同病院発のバスは土浦駅行きは1315神立駅行き1340が有る。ゆっくり歩いても神立駅行きに乗れる。

 途中誰もいない畑だが今年も「キャッサバ」が植えられている、この芋はタピオカの原料で日本におけるキャッサバの生産量は少ないがこの地で栽培が始まっている。

 のろのると歩いても土浦協同病院信号で土浦駅行きのバスにすれちがう(笑)1340発のバスには充分間に合う。乗れば1355に神立駅着、JR神立駅1402に乗れば土浦駅で乗り換えるが、JR牛久駅1425着・・・・。

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