霞ヶ浦環境科学センターイベントin2014 妙岐ノ鼻 霞ヶ浦自然観察会 第4回 |
日程:2014年5月24日 (土)
ハマヒルガオ(浜昼顔) ヒルガオ科
海岸植物 葉が厚く光沢
畑の縁のヒルガオは地中に白い地下茎を伸ばし雑草扱い!
霞ヶ浦環境科学センターイベント:霞ヶ浦自然観察会 第4回
2014年5月24日 (土)
内容:ヨシ原と多様な湿性植物
場所:稲敷市 浮島
徒歩:14,733歩(自宅から徒歩+電車も含む)
「春の魚とフナの産卵観察」平成24年度第1回 霞ヶ浦自然観察会に参加は2012/4/28
「春の用水路で産卵期の魚の観察」平成26年度第2回
霞ヶ浦自然観察会に参加は2014/4/26
「霞ヶ浦で繁殖する鳥たちの観察」平成26年度第3回
霞ヶ浦自然観察会に参加は2014/5/10
稲敷市ホームページによると:
専用バスは霞ヶ浦環境科学センターを発し、JR常磐線土浦駅東口乗車の私達を乗せ、7:35発。国道125号を走り、小野川を新古渡橋で渡り、柏木交差点を左折しR206、稲敷大橋を目指し、稲敷大橋西から左折、直ぐの妙岐ノ鼻の駐車場に入る、東京ドーム約10個分もの広大な湿原が広がる、トイレもあり、野鳥観察小屋もある。 野外講座―2013/7/10 霞ヶ浦環境科学センター第04回 湖岸に夏のヨシ原の植物と財産区
バスから下り直ぐに目に付く植物、「白くないのに」と聞くと参加者が「シロバナマンテマは赤くないマンテマで白に近い薄いピンクの花」とのこと、参加者の皆さんは知識者が多い! 全員トイレ等の準備を終え、簡単な挨拶を行い、早速、ヨシ原に降りる、周囲にイネ科の植物生え、講師の福田先生の説明が始まる。オオヨシキリの鳴き声は止まないが姿は見えない、野鳥の宝庫とは言ってもバードウォッチングと植物観察は両立しないようです。
コウゾリナとブタナが並んで競い合う、コウゾリナは茎や葉にある剛毛が剃刀のように鋭いことから、カミソリナからコウゾリナとなったものだが、毛に触るとザラザラはするが、カミソリのように良く切れない。ブタナ(豚菜
キク科)は葉全体に粗い毛が密生していて、根生葉だけからなり、花茎の途中にはつきません。
チチコグサモドはキチチコグサに似ているのでこの名がある、花はチチコグサでは茎頂につくが、本種は上部の葉のわきにつく。 オギはススキとそっくりで私には同じに見える。しかし、先生によるといくつかの違いがあるのだそうです。まず、ススキは一つの株根から多数の茎がまとまって出るが、オギは根が横に伸びるため、一本ずつ並んで出る。図鑑によると、茎に竹の様な節があり、小枝が出る。穂先にある小穂の綿毛がオギのほうがずっと長く、色が純白で、銀色に見える。散歩道の牛久沼周辺は?
オヤブジラミは花柄が長いと先生、たぶんヤブジラミとの比較と思う。つくば市城山の散歩道にもあるが、ヤブジラミと思っている。
アゼナルコは頂小穂が雌雄性で、先端に雌花で基部に雄花をつけるとのこと、下方のものは雌性で柄があって垂れ下がり、苞は葉状で無鞘。雌鱗片は淡緑色で褐色を帯び、先は凹み長い芒がある。芒の縁は刺がある。果期は5〜6月。別名:アゼナルコスゲ。 先生の説明ではハナムグラは絶滅危惧、とは言え、妙岐ノ鼻では妙に多く生えている、調べてみると、絶滅危惧が軽い方向に変更されたようです(私には専門すぎる)、5月下旬から6月上旬の田島ヶ原サクラソウ自生地では普通に見られるように保護活動が進んだのだろうとのこと。ここヨシ原は見頃で今日お主役です。
ヤエムグラ(八重葎)は散歩道の雑草、家近くの荒れ地に多く、茎はやわらかく4稜があり、稜の上に並んだ下向きの刺でほかのものにひっかかり、葉は6〜8個が輪生しているように見え、先端は刺状にとがり、縁と裏面の主脈には逆向きの刺がある。茎の先や葉腋から花序をだし、黄緑色の花をつける。果実は2分果からなり、分果には種子が1個入る、この表面にはカギ状の毛があり、衣類に絡みつく。
コウヤワラビはイヌワラビに似て中軸にひれ状の葉がある、名前は高野山で発見されたが広く分布する。ワラビと同様に新芽は山菜として食用になるとのこと、5月末〜6月初旬に新芽が出る。 イヌワラビの仲間にイヌワラビ、ヤマイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、カラクサイヌワラビ、ホソバイヌワラビ、タニイヌワラビと多い、この仲間の共通点は、2回羽状複葉で草質の柔らかいシダだそうです。
オオジシバリの黄色い花も可愛いけど、冠毛姿も可憐です、新緑のヨシ原で注目! ヨシ原にもヤナギ科は生えている、タチヤナギ(立柳)、オノエヤナギ(尾上柳)、アカメヤナギ(赤芽柳)、カワヤナギ(川柳)など迷ってしまう。
ノイバラは筑波山でも咲いているが、ヨシ原のノイバラは凄い!
ハンゲショウは6月下旬〜7月上旬にかけて、茎の頂点から15cm前後の花穂を伸ばし、花びらを持たない白い小花をたくさん咲かせます。花が咲く頃、花穂のすぐ下の葉っぱの付け根に近い部分から先端にかけて白い斑が入ります。白い斑の入る面積はまちまちですが、たいがい先端の方は緑色を残したままになります。下の写真は見頃を少し過ぎていますが、花が終わると白い斑が消えるそうです!
オヘビイチゴはキジムシロ属でヘビイチゴがヘビイチゴ属と異なる、葉は5小葉で上部は3小葉、1小葉もある、茎の上部に集散上に花が付く。キジムシロ属はキジムシロ、ミツバツチグリなどで花のあとはイチゴ方の果実にならない。 尚、キジムシロは5〜9小葉で奇数羽状複葉で頂小葉が最大、ミツバツチグリは3小葉。
ミコシガヤは花序の基部に長い葉状の髭(長い葉状苞)が特徴です、雄花が上部で雌花が下部に付く。
コバンソウとヒメコバンソウ(姫小判草)はイネ科、すぐ近くにヒメコバンソウが生えていたが撮影忘れ!茎の上部に円錐花序を形成する。花序は数個の枝をまばらに出して、この枝に大型の小穂が垂れ下がってつく、淡緑色から黄褐色に変わって光沢があり、小判のような形をしている。ヒメコバンソウの花は茎の上部に円錐花序で、枝が細く、斜上し、枝の先に小穂が垂れ下がってつく、小穂は4〜8小花からなり、卵形から三角状卵形、淡緑色、ときに紫色を帯び、やや光沢がある。 ケキツネノボタンは毛が多いキツネノボタン、毛の多いヤマキツネノボタンもある。痩果(そうか)の先がほとんど曲がらないことが、キツネノボタンとの違いだそうですが今日は比較するキツネノボタンは生えていなかった!
カズノコグサは水田周辺によく生える比較的小柄なイネ科、春に出る穂は葉より上に伸びて出て、左右に交互に枝が出る、下の方の枝ほど長く、その基部はさらに枝を出すこともある。写真のものは出たばかり、最初はどの枝も主軸に沿う形で上に向かい、成熟するにつれてややばらける、それぞれの軸には小穂が片側によって二列に並ぶ。成熟すると数の子によく似てくる。 ノウルシは4〜5月に咲くトウダイグサ科、写真は咲き終わり果実になっている。和名の由来は、茎からウルシに似た白乳液が出ることからきている。この白乳液には有毒なユーフォルビンが含まれ、かぶれ、皮膚炎、嘔吐、下痢などを引き起こす。準絶滅危惧(NT)に登録されている。取手市の利根川沿いのノウルシはサクラソウと同じ頃:見に行くならココ。
シロネは地下茎から直立して高さ1m前後になる、ヨシ原でも存在ありと立派。土中あるいは地表を這う地下茎があり、群落を形成する。茎は四角で節には毛がある。葉は長さ8〜15cmでながく、縁には鋭い鋸歯がある。表面は無毛であり、裏面には中脈上に毛がある。裏面の腺点は目立つ。ゴマも背が高く綺麗な花を付け雰囲気が似ている。 ミズオトギリがヨシ原に群生していた、茎は円柱形、高さは30〜80cmとなり、茎の基部は赤紫色を帯びることが多い。葉は対生し、長楕円形、先は鈍頭、柄はなく茎を抱くこともある。脈は裏に隆起し、葉の面には大小の明点が多数あり、縁にも明点がある。秋には紅葉する。花は茎の先や葉腋に数個つき、淡紅色で直径約1cm。午後3時頃から開き夕方にはしぼむ。花期は8〜9月。 2013/7/10の観察会ではミズオトギリはつぼみ、今回見つけられなかったミズチドリは咲き終わった直後でした。
オニナルコスゲを検索すると「カヤツリグサ科スゲ属。静岡県始め、各地で絶滅危惧種に指定されているそうです。この植物が浮島ヶ原自然公園に生えていると知り、山渓ハンディ図鑑1(野に咲く花)を見たところ載っていませんでした。ところが、同じ図鑑2の(山に咲く花)に載っていました。」が見つかる、ヨシ原の後霞ヶ浦の浮島に行きます。それにしても福田先生の植物追跡は凄い、長靴でも埋まってしまうような湿地帯へ平気で入り込む、私はこの一枚を撮影、靴は自宅まで乾かない泥まみれ!筑波山に数日後履いて行くと横に大きな穴が捨てるしかない! セキショウは日本に自生するショウブ科、端午の節句に菖蒲風呂に入れる「ショウブ」くらいしかない小さな科でセキショウは薬草としても古くから利用されてきた。サトイモ科に属していましたが、かなり違う性質なのでショウブ科に分けられた経緯があるそうです。
日本では琵琶湖に次いで2番目の大きな霞ヶ浦、ヨシ原は約50ヘクタール、1ヘクタールは10,000
m2だから100m*100m*50個となる。オオセッカ(日本で2,500羽程)、コジュリン、南から飛来するオオヨシキリなどヨシ原の環境で子育てをしている、鳴き声はうるさいほど聞こえるが姿が見えないオオヨシキリがヨシの穂先に出た、頑張ったが前のヨシの葉で短時間撮影は無理で失敗、今日の植物観察会は貴重な花を見ることができました。空から見ればヨシ原が霞ヶ浦に突き出し、妙岐ノ鼻である。 バスに乗り込み、浮島和田公園に向かう、ここで昼食、のんびりキャンプを楽しむ家族で賑わうが、彼らは植物観察には興味はない!
ヤセウツボはマメ科などの植物に寄生、シロツメクサに寄生する姿を見ますが、ここでは決まってシロツメクサばかりではないようです。寄生主にはマメ科、セリ科、キク科などがあり、寄生根で養分を吸収している。
ハルガヤ、今はこんな感じで、検索すると青々とした美味しそうな姿、牧草として導入されたそうです。 ノイバラとおなじ野生のテリハノイバラ。葉に光沢があることが名前の由来。日本ではノイバラに次ぎ多い野生のバラで、ノイバラはわずかに赤みやクリーム色がかった花も結構多いが、このテリハノイバラは純白。 名前の通りハタザオで草丈40〜120a、花は茎頂に小さい花をつける。とても可愛く、花弁は黄白色で長さ5〜7_。果実は平たい線形で、茎に密着してつく。種子は2列に並ぶ。茎は直立し、全体に粉白色を帯びる。風は吹き、今日一番撮影者が苦労するハタザオでした。アブラナ科で花はタネツケバナと同じ十字型。
福田先生「スカシユリがここに生えていると聞くが場所が不明だった、、、、」と喜ぶ、私は背が高くビックリ、海岸では風が強く環境が悪いのだろう。 ブタナ、豚菜ですね、「豚のサラダ」と訳されたようです、タンポポに似て別名:タンポポモドキ、花茎は硬く、途中で数本(1〜4本)に分枝し、それぞれの茎頂にタンポポに似た頭花を1個つけ、花期は長く、5月ごろから咲き始め、環境によっては12月初頃まで開花する。タンポポ同様畑に生えてしまうと根が深く駆除が大変!
散歩道年中見かけるが、春になるとさらに注目!スイカズラに花、今朝散歩の時は白、明日は黄色かなと、また出かける。中国では「金銀花」と呼ばれ、「忍冬」とも書くから別名:ニンドウ。
ウラジロチチコグサはチチコグサより背が高く、葉の幅が少し太く波打っている。それに名前のように葉の裏が白い(右の写真)。在来種のチチコグサは、茎葉は少なく根生葉も茎葉も細長く茎頂だけに花をつけますが、チチコグサモドキでは、茎にヘラ型の葉が多く付き茎頂だけでなく茎葉の腋にも花をつける。タチチチコグサは葉が線形で細く茎葉も細くチチコグサよりも多くつけ茎頂に数段にわたって花をつける。ウラジロチチコグサは、根生葉も茎葉も長楕円形で葉裏が驚くほど白いのが特徴です。花期に根生葉が残り、花穂が長く、基部の苞葉や葉はやや小さい。ウスベニチチコグサはウラジロチチコグサによく似ていますが花が赤味を帯び苞葉が少し長く、花期には根生葉はありません。
マツヨイグサは夕方を待って咲くから待宵草と名付けられた。花がしぼむと黄赤色に変わる。コマツヨイグサは海辺や河原など生え、茎は立たずに這う。オオマツヨイグサは黄色の大輪で散歩道に多い、メマツヨイグサ(アレチマツヨイグサ)は葉は細くて、ギザギザがないと言う、見つけたら区別してみたい。
ハマアオスゲはアオスゲ似ていて海岸の砂地に生えるため、ハマアオスゲといい、スナスゲとも呼ばれる。地下匐枝を出して広がる。 ハマエンドウはマメ科、エンドウと名がつくエンドウ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、オヤマノエンドウ(御山の豌豆)などがあり、オヤマノエンドウに会いたい場合は八ヶ岳、白馬岳へ、同時にツクモグサに出会えます。
私の耕す畑の生えるのがヒルガオ、ハマヒルガオは代表的な海岸植物、霞ヶ浦が昔海!砂の中に白色の地下茎を長く伸ばして増える、葉は基部が深い心形、ヒルガオと違って厚く光沢がある。畑のヒルガオを抜くと白色の地下茎がついてくる、根気強く抜いてゆくしかない!
ハマヒルガオ同様私の好きな花である、7月また会いたいものです。
タチチチコグサ、チチコグサの説明はウラジロチチコグサを参照。
キシュウスズメノヒエ(紀州雀の稗)はヒエガエリ(稗返り)? イヌドクサはトクサに似るが、茎は3〜5mmと細く、時に分枝し、茎の下部の節から輪生する枝を出す。長さ1〜2cmの胞子嚢穂を茎の先端部につける。確かに細くトクサ科とは思いませんでした。
ギョウギシバは花期の時期に見たいものです。 オオニワゼキショウはニワゼキショウと共にヨシ原の入口に群生していたが、このような砂場にも生えているので、ここの写真を掲載。オオニワゼキショウはニワゼキショウに比べ、より背が高くなるが、花は小さめで、花は淡青色。内花被片と外花被片の大きさが異なる。さく果はやや大きい。果実はニワゼキショウより大きいので解かる。花期は5〜6月。
ミズヒマワリは外来生物法による特定外来生物に指定され、栽培及び移動が規制されている。ミズヒマワリの花期は9-10月で、茎頂部に白色の頭状花序を咲かせ綺麗で可憐ですが!
ノヂシャはヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や土手などに生える。参加者が見付け「ミツマタのように分枝、、、」と言う。冬はロゼットを形成する。茎は4稜で稜上に白い毛があり、二又状に数回分かれ、葉は対生し、長倒卵形〜長楕円形で、やわらかい。上部の葉は無柄で粗い鋸歯。葉のふちには細かな毛が生える。枝先に淡青色の5裂した筒形の小さな花を10〜20個をかためてつける。別名:ノジシャ。花期は5〜6月。 オヘビイチゴはイチゴ形の果実を付けない、写真はヘビイチゴとオヘビイチゴが共存している、5小葉はヘビイチゴには付かない。
イボタノキは雌雄同株、両性花。5〜6月に本年枝の先に総状花序を付け、白い小さな花を多数付ける。花冠は筒状漏斗型、先が4裂する。果実は、楕円形で11〜12月に熟して黒紫色になる。ネズミモチ(鼠黐)もモクセイ科で花も果実も良く似ている。 トベラは海岸に多く生え、節分に、魔よけのために枝を門扉に挿したことに由来する名で学名もトビラ。葉は互生し、枝の上部に集まる。葉身は長楕円形で革質、表面は光沢がある。縁は全縁で、しばしば内側に巻く。枝、葉、根に臭気がある。春に新芽を吹き、先端に花序を付ける。この時の芽の数だけ枝分かれする。雌雄異株。6月に本年枝の先に集散花序を出し、芳香のある白い花を、上向きに多数開く。後に黄色になる。朔果は球形で、秋に灰褐色に熟して3裂する。中から赤い、粘った種子を出す。変化のある植物ですね。 ヨシ原でノハナショウブ(野花菖蒲 アヤメ科)を探したが見つからない、ハナショウブの原種だそうです。ハナムグラは見頃で絶滅が心配されましたが数多く感動。今日の観察場所は植物の成長に合わせ頻繁に足を運ぶ必要がありますね。 次回は2014/6/15 水郷県民の森で「初夏の里山の植物と生き物の観察」、参加募集60名(内現地集合が25名) |