甲武信ヶ岳 (標高2475b) 木賊山(標高2469b)西破風山(標高2318b)雁坂嶺 (標高2289b)

 

 

シャクナゲの見頃の時期に、十文字峠に一泊し、翌日甲武信ヶ岳に登って、千曲川源流の美しい西沢を下った。

甲武信ヶ岳へのコースは、雁坂峠から、戸渡尾根から、奥秩父主脈縦走として、さらに笛吹川東沢からと魅力のタップリの登山道がある。今回は、笛吹川東沢を登って見ようと計画したが、晩秋の11月沢登りは冷たいとのこと、また雁坂峠を登るとアプローチが長く、甲武信小屋につく前に暗くなり、薄暗い東破風山・西破風山間の稜線歩きは危険と言う、結局、一番安全な戸渡尾根を登ることになった。冬の甲武信ヶ岳

 

日程 2003112223日(土・日) 快晴 

コース : 戸渡尾根を登って雁坂峠経由で西沢渓谷へ
第一日目:つくば市城山=(車)⇒2:00西沢渓谷入口6:20−(0:30)−>6:45近丸新道入口6:45−(0:45)−>7:30ヌク沢−(1:15)−>1869b峰9:10−(2:15)−>11:00稜線−(0:10)−>11:40木賊山−(0:10)−>12:00甲武信小屋山頂往復(登り10分下山5分) 

第二日目:早朝甲武信往復、甲武信小屋6:45−(0:15)−>7:00稜線−(0:5)−>7:30笹平−(0:50)−>8:10西破風山−(0:30)−>8:40東破風山−(0:50)−>9:40雁坂嶺−(0:30)−>10:00雁坂峠−(1:30)−>11:28ナメラ沢入口−(1:20)−>12:05広瀬トンネル−(0:30)−>12:40西沢渓谷入口=(車)⇒つくば市城山

 

一日目:西沢渓谷入口バス停の近くに駐車場は多い、西沢渓谷入口の駐車場は観光客で混むので登山者は入口と国道140号を挟んで反対に大駐車場があるからそちらに停めよう、車の出し入れもこちらの方がずっと便利だ、登山者用」と案内表示もある(ただ裏側の看板に西沢渓谷登山者とある?甲武信ヶ岳とは書かれてはいない)。

 

6:20駐車場を発し、国道を渡って西沢渓谷入口へ、笛吹川の左岸沿いを緩やかに遡る、ナレイ沢橋6:40を渡り、鶏冠山林道入口に戸渡尾根(近丸新道)入口6:45があり、登山届のポストも立っている、取り付くと、いきなり急登、だが数分で軌道跡の道になって、このまま甲武信ヶ岳まで行けるはずは無いがしばらくは嬉しい散歩が楽しめる、ところどころレールがぶら下がって歴史を偲ばれる。

 

7:05 再びきついカラマツ林の登り、みごとなカラマツだがすっかり葉を落としている、ここも数分で通過し、軌道跡になって、カラマツが無くなって頭上にこれから登る稜線が見えてくる、強風がやまず、沢の音と風の音が競演、笹が多くなって歩き易い登山道だが笹の葉の先が目の位置にあって、うっとしい、目に入らないように気をつける必要がある。

7:25 沢を渡る、黒金山が美しく見えるところだ、二つ目の沢を渡る、ここはナメ沢で美しい、急に目の前に綱が現れ、左に大きくカーブし下ってヌク沢に出る、大きな堰堤があって、河原は広く、心配していた橋はしっかり建設されて、まったく問題は無い。

橋を渡って、少し沢を下って枝沢に甲武信ヶ岳への標識がある、狭い岩場の入口で、このまま戸渡尾根に続くのかなと心配になるが、すぐ歩きや易い道になる、樹林帯を登る、強風が吹き木々をゆするが笹がその風を防いでくれる、ヌク沢から10分、ようやく日が差し、気分的に暖かになって、ここで一休みしていると、二人の男性が追い抜いて行く 8:10

岩が多くなって急登は続く、富士山がこの辺で見えてくるだろうから、振り向きながら登る、木々の間に大きな富士山が澄み切った青空に姿を現す、黒金山もさらに大きくなって、笹のトンネルを抜けるが、富士山を写すようなポイントはなかなか見つからない、美しい姿なのに残念、人の目はデジカメを以上の性能を実感。

雑木林の隙間からそのポイントを見つけながら登る、あった、でも枝がちょっと邪魔になる。

 

進入禁止(硅石採掘場跡への道かな?)を見て、左に曲がって急登すると、若い男女の姿が見え徳ちゃん新道の分岐に到着。

シラビソに覆われて暗いところだ、そこから下って数十b進むと破風山の稜線が美しく見える、シャクナゲだらけのピークがしばらく続く、戸渡尾根の厳しさを味わう。

強雨風がすっかりおさまって、また急登、シラビソ・コメツガの林になって、大木の枝越しに富士山がとっても美しい、この後、次々と撮影ポイントが現われる、だがここは一番きつい登りだ、一人のおじさんが追い越してゆく、もっとゆっくり展望を楽しんだらと思うが?人それぞれの登山スタイルがある。

山道脇に展望ポイントがあって、広瀬湖も見えている、今度は小さなガレ場、中規模のガレ場と続き、展望が益々広大になって、楽しみながらゆっくり登って行く。

やがて戸渡尾根最後部に到着、大きなガレ場、このコース最高(最大)の展望台である。2350bのピークだ 11:20、展望は素晴らしい、眼下に広瀬湖、富士山と手前の山々が美しい。

シラビソの林に入り、しばらく行くと三差路を過ぎ、途中で見送る鶏冠尾根は侵入禁止の標識を見る。

まもなく、木賊山(標高2469b)、ガレ場の斜面を下れば甲武信小屋だ、14:00からチェックインとのこと、小屋の主人山中徳治(徳さん)さんが笑顔で迎えてくれる、十文字峠のおばあちゃんを思い出す。

先ずお茶を頂き一休み、甲武信ヶ岳山頂へ今日中に登っておきたい、小屋から20分ほどで山頂です、小屋から出てすぐ富士山の展望、シラビソの林に入り、直登禁止の綱少し迂回し、肩に飛び出す、この肩は富士山展望に最適、すぐに甲武信ヶ岳(標高2475b)山頂。

目の前に国師ヶ岳、朝日岳、金峰山(五丈岩がくっきり見える)の主脈が長く続き、その向こうに、北岳、間ノ岳、農鳥岳が浮かぶ、そして八ヶ岳、蓼科山と続く、浅間山はさらに右奥で山頂は雲がかかっている、八ヶ岳の手前には御座山が大きい、その手前が天狗山&男山。

振り返ると両神山がゴツゴツした峰を見せている。展望をゆっくり楽しみ、甲武信小屋に戻る。

小屋でちょっと仮眠してから、夕焼け小焼けを見に再び山頂へ甲武信ヶ岳の肩のところで下って来た女性二人。

「あれ夕焼けを見ないで下るの?」彼女ら半信半疑で冷たい風の中、付き合ってくれた、金峰山に日が沈む時、彼女らには信じられない光景が富士山を取り巻いて展開、ここに立っていた人しか味わえない自然が演じる光景だ。

甲武信小屋が甲武信ヶ岳山頂と近く、金峰山小屋と金峰山、雲取山荘と雲取山ではちょっと無理ですね!

夕食は徳さん自慢のカレーライス、ちょっと辛く甘味が舌に残る独特なもの「美味い!」米はコシヒカリを使っているそうだ。十文字小屋の食事も、ここも一級料理!

昨夜の集いは山小屋恒例のビデオ鑑賞、外の出ると埼玉の夜景、流れ星が一筋、寒い!今夜は一人一枚の布団、ちょっと空いてはいる、思い切り遊んだ、、、、朝まで熟睡。

 

二日目:予定6時朝食だが、小屋では5:30には準備ができたと声をかけてくれる、山小屋の朝30分は登山者・小屋番の人に取って大変貴重な時間だ、お腹いっぱい暖かいご飯を頂き、今回三度目の甲武信ヶ岳山頂へ向かう、5:50、日の出は6:25予定、まだ時間はタップリだが日の出「直前」が最高なのだ、木賊山の左から日が出そうだ、風が強い、5:55一人の若者カメラマン、昨夜も最後まで写真を撮っていた彼だ!

八ヶ岳、金峰山連山、南アルプスが輝く、一番標高の高い峰から輝く、まもなく日の出だ、6:20

大勢登って来る昨夜の二人の女性も笑顔だ、まもなく登山者顔に日が差し、静かな夜明けを迎える。

甲武信小屋に戻って、弁当を頂き、小屋の方々と別れてスタートする 6:45

山頂から見た破風山方向にガスがかかっていた、早めに行かないと展望が無くなる。昨日通った木賊山は巻いてゆく、シラビソの林、道はしばらく平らで散歩気分、左側に甲武信ヶ岳大きく見える、先行した二人連れがなにやら騒いでいる、樹氷のような風景越しに富士山が見えて歓声を上げたらしい。

賽ノ河原の一歩手前に下り坂だ、どんどん下ると賽ノ河原で、大きな岩が立ち素晴らしい展望。まだまだ下る、笹平避難小屋(破不山避難小屋)の前に着く、笹原で笹越しの富士山が一段と見事。

一度小さなピークを越え、下って、本格的な登りになって、甲武信ヶ岳、三宝山の右奥に浅間山が見える両神山の奥の白い峰々は谷川岳連峰だろうか?

足元は霜で冬化粧、樹氷の木々が美しい、西破風山(標高2318b)破風山は破不山とも呼ばれている。

岩場の連続、ガスに覆われ、展望は無くなった、東破風山で雁坂から登ってきた登山者に会う雁坂は富士山が美しいという、枯れ木の多い林をどんどん進む、左側は樹林に覆われ展望は無いが晴れている、富士山側は視界ゼロ、雁坂嶺(標高2289b)を過ぎた所で昨夜雁坂小屋に泊ったというご婦人、ガスでがっかりのご様子、こちらから「甲武信ヶ岳晴れていますよ」と告げると急に元気になって破風山へ向った。

急降下で、まもなく明るい場、雁坂峠が見えてくる、笹原をどんどん下って雁坂峠

峠は今回コースの最後のポイント、水晶山の肩腰に一瞬富士山が姿を現す。

水晶岳(標高:2158b)の右肩に見えると信じて見ないと気づかない、上の写真ですが!

雁坂峠は南アルプスの三伏峠北アルプスの針ノ木峠と共に日本三大峠の案内版が建てられている。昔を偲ぶ峠道を緩やかに下る、笹原を下って行く、最初はジグザグだが。

一度沢を渡ると破風山の裾野を巻くように進む、今度は沢に降りしばらく河原を歩く、沢を渡渉し反対側へ、沢から離れたと思うとすぐまた沢、ここが「くつきり沢出合」で峠沢とクッキリ沢の二つのが合流する、クッキリ沢を渡って、大きく沢から離れ、笠取山側を行くと、ザレ場(崩れ)を数箇所通過ナメリ沢入口の標識が出てくる、確かな踏み後はある、左に大きく巻き、沢の反対に出て、沓切沢橋へ着く。

踏切沢橋から舗装道路、この道は雁坂トンネルを山崩れから防ぐ堰堤建設の道路だったのだろう。この広い道を下って行くと雁坂トンネル料金所の駐車場(トンネル入口に向って右側)の上部に着くが駐車場に降りず、その先に進むと国道に下る道があったがさらにそのまま先へ進むと、笛吹小屋キャンプ場が眼下に見える。

舗装道路をさらに先に向かい、大きく右折し国道へ出る、橋を渡ってすぐバス停、どうやら、雁坂トンネル料金所で国道へ下って広瀬トンネルを抜ける方が少しは近いようだが、5分の差は無いだろう、むしろ私が歩いた方が車は少なくのんびり歩けると思うのだが!

すぐに道の駅「みとみ」です、観光客で混んでいる、止めた駐車場は「こんにゃく館」でこんにゃくを使った製品が沢山売られている、もちろんラーメンもこんにゃく製、うどん定食(うどんはこんにゃく製ではない)など、お腹が好き早速うどん定食を頂く。

自宅から行きは国道16号で八王子をへて国道20号で勝沼から国道140号に向かって来たので、帰りは車の向きを変え、雁坂トンネルを抜け大滝村へ、峠は紅葉真っ盛りで見頃、秩父から川越に抜け、国道16号で帰路に着く。

 

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