日本アルプス「南アルプスの美しい山」
    塩見岳(標高3,047b) 蝙蝠岳(標高2,865b)

 

コース 日程:2003957

 


塩見小屋から塩見岳
西峰(標高3047b)東峰(標高3052b)

コース

塩見岳へのコースは @塩川土場から A 鳥倉林道から B 大曲からな塩見新道からC 縦走で北岳から D 田代入口から転付峠経由からと何本もある。今回は「A鳥倉林道から」を選択し、塩見小屋に2泊と予定したが2日目は早朝にガスで覆われてしまい、蝙蝠岳を断念し下山。

4:48車止ゲート「鳥倉登山口駐車場」5:10−(0:30)→6:00塩見岳登山口−(2:00)→8:20塩川分岐−(0:30)→8:50三伏峠−(1:30)→10:40本谷山−(2:00)→12:40塩見小屋13:00−(1:30)→14:00塩見岳−(0:30)→15:40塩見小屋(一泊)5:25−(2:00)→7:50三伏山−(0:05)→8:08烏帽子岳分岐−(0:02)→8:10三伏お花畑−(0:05)→8:30三伏峠−(2:00)→11:30車止ゲート「鳥倉登山口駐車場」

日本三大峠

北アルプスの針ノ木峠

南アルプスの三伏峠

奥秩父の雁坂峠

中央高速から登山口まで:諏訪IC=(国道20号)⇒茅野市=(国道152号)⇒高遠町=(国道152号)⇒美和湖(戸台口:北沢峠行きバス発着所)=(国道152号)⇒市野瀬(塩川土場ここから)=(国道152号)⇒大鹿トンネル(松川ICへ)手前を左折⇒大鹿村役場を通過⇒約1b鳥倉林道標識から左折=(鳥倉林道)⇒車止ゲート−(林道歩き)→塩見岳登山口

第一日目

中央高速八王子IC 24:35から乗って諏訪IC 2:05で降りる、アサヨ峰のときは諏訪南ICで降り失敗した。国道20号を茅野に向かい「高遠」の標識に従う、夜景の綺麗な急坂を登れば杖突峠だ、高遠に下って、大鹿へ向う、美和湖の道の駅「南アルプスむら長谷」 2:52、戸台口を過ぎ、市野瀬辺りから、一台がやっと通過できる狭い道、秋葉街道、これでも国道である、戸倉山登山口 3:10 の標識を過ぎ、大きく何度かカーブし、駒ヶ根分岐の中沢峠に着く、さらにその先、分机峠 3:14 ここから下る、民家も見えない。大鹿中 3:35 の大きい建物を左に見てほっとする、この後が大変!大鹿村役場の案内も有るが、鹿塩辺りで消えてしまう、鹿塩バス停に「鳥倉林道」はここを登るよな標識、入って見たがあまりにも急坂で案内も解らないし、大鹿村役場を確認してからと、正解!国道152号へ戻る、大鹿村役場はさらに約2`先の大鹿トンネル手前の信号を左折、大鹿トンネルを抜ける直進道は中央自動車道松川ICの松川インター線であり、従って松川ICから走って来た人は右折である。

1,2`先に行くと左に大鹿村役場が見え、さらに1,2`行くと「鳥倉林道」の案内がある、左折する 4:18、パン屋の看板、ここは急坂、100bほど登ればこの急坂は無くなって走りやすい、舗装道、夜間でも怖くは無いが腕に自信の無い人は夜明けまで国道152号で待った方が良いでしょう。

30分、5:10 十数台の車が停まっている、鳥倉登山口駐車場に着く、一番良い場所が空いていた、仮説のトイレ(綺麗でトイレットペーパあった)も有って、とても明るい駐車場です、管理の大鹿村に感謝し、今日は長い工程だ、さっそく準備後、ゲートを抜け歩き出す。

10分程行くと「越路橋」、ここを過ぎると左の岩場にウメバチソウの群落があって、写真を撮る口実で休みながら行く、だんだん急坂になってちょっと苦しいが、振り向くと駐車場が小さくなって、まもなく未舗装になって、駐車場が見えなくなる 5:45

道は平坦になって、目の前に広場が現われ、登山届ポストの有る、豊口山登山口(豊口山 2231b)です。6:00

いきなり急な坂をジグザグ登ることになる、カラマツ林で当然展望は無い、駐車場で仮眠を取らず歩き出したことにちょっと反省したが、やがて背の高い花が沢山咲く峠のような場所に着く、軽い食事をとる、急に元気が出てきた、一人の男性が急ぎ足で追い抜いて行く、塩見岳を日帰りすると言う、確かに時間だけ考えれば可能な数字だが、南アルプスの中央部にある明峰で、そう甘くは無い。

道は思った以上に整って歩き易い、やがて、山の左斜面の道に変わる、4/10という看板が出てくる、鳥倉登山口1`・三伏峠2`地点、途中壊れかけた梯子が幾つか有って、ガケ崩れを通過、美味い水場もある、水場から数歩の位置にテント1個分の場所がある、ジメジメして最近、ここのテント場で夜を過ごした人がいたかどうか?


南アルプスの主峰が見えてくる

木々の間から中央アルプスの峰々が見えてくる、青空が広がる、男性二人が下山、「三伏峠の先で北アルプスの槍が美しい、、」という、沢を幾つか横切って、崩れたところも横切って、やや平らになったところが、塩川からの登山道が合流する、大きく右にカーブし、石で整えられた登山道になって、鳥倉からの山道とちょっと雰囲気が異なる、今度は左に大きく曲がって、急な坂になる、数回曲がりを経て、目の前が大きく開ける、目の前に本谷山、その奥に塩見岳が美しい。

三伏峠まで行くと展望が無いので、ここで一服するのが良い、大きなカールを持つ仙丈岳、その奥に白い峰を突き上げる甲斐駒ケ岳が印象的だ

本谷山の右奥に北岳、間ノ岳がその手前が塩見岳と素晴らしい光景である。


美しい塩見岳がようやく見えてくる

尾根を登って平らな道、ここも展望は良く、手前に三伏山、鞍部を挟んで本谷山(標高2658b)、その間に烏帽子岳(標高2726b)もちょっと見える、すぐ三伏峠小屋の脇に出る、三伏峠は日本一高い峠(標高2607b)だと言う。

三伏峠小屋では工事中でなんとなく落ち着かない、先を急ごう、テント場から塩見岳が見える、本谷山が大きい、あの山を越えるのか、ちょっと下ると烏帽子岳との分岐

そして登り返せば、三伏山展望はバツグン、なんといっても塩見岳の雄大さには感激北アルプス、中央アルプスが一望でき、南アルプスの主峰:仙丈岳・甲斐駒ケ岳が立派である。北アルプス、中央アルプスには雲が覆い始めた、南アルプスはまだ快晴だ。

ハイマツの繁みを下り鞍部へ、三伏小屋からの道が合流し、なおも下る。昨日の大雨(激しい雷)でぬかっており休憩場が無い、本谷山の鞍部の木陰の根に腰を降ろしコーヒータイムとする、ここから中腹までお花畑が続く、登り坂だ。

トリカブト、ウメバチソウ、マツムシソウ、タカネヒゴダイ、ハハヨモギ、タカネナデシコ(数株)、ニガナ、アザミ、キリンソウ、オヤマリンドウ、ミヤマホツツジ、ミヤマトウキ、シナノオトギリ等沢山咲いている。特にトリカブト、ウメバチソウ、マツムシソウは可憐で美しくかつ見頃だ。

本谷山に登ると塩見岳はまた一段と優雅で美しい仙丈岳・甲斐駒ケ岳も立派で何処から見ても美しい


青空に良く似合う 塩見岳

枯れた木々が立ち、また花期なら楽しめるシャクナゲ大群落を通過、このシャクナゲ林を過ぎるとヤブに囲まれた狭い道になる、さらに緩やかに下って、幾つか展望のあるピークには出るが、ほとんど長い下りだ。やがて鞍部、ヤブから開放される、枯れ木の大木の林床に着く、塩見岳の山頂から天狗岩を通るルートが見える、下山者に聞くと塩見小屋はこちら側からは見えないらしい。ここからしばらく平坦で美しく神秘的な樹林帯(シラベ)を行く、涸れた沢に出て、そこからはジグザグの登りが始まる、この辺りが権右衛門沢の源頭部だろうか。


シラベの美林

まったく展望は無い薄暗い樹林帯を約15分登りつめると、手作りの石のベンチ、ありがたい!これまで雨でぬれていてゆっくり座れるところが無かった。

そこからすぐ、塩見新道が合流、稜線に出て、視界は広角に広がって、風景は一変、右の立派な山が権右衛門山で、塩見岳からの縦走路上にくっきり見える、振り返ると、本谷山から三伏山、その向奥に赤い屋根の三伏峠小屋が見える、よくも歩いてきたものである。すっかり森林限界を超え、ハイマツ帯に変わる、小屋はまだ見えてこない、急な坂が何時まで続くのかと思う頃、突然、頭上のハイマツ帯の上に塩見岳の天狗岩と山頂がポット現われる。

まもなく塩見小屋が見え、塩見岳の全体が雄大に目の前に飛び出す、一言では表現できない、男性的な姿である。

塩見小屋
現地:10:0014:00090-3440-0998

塩見小屋は三伏峠より展望はバツグン、
ただ、お花畑を楽しむなら三伏峠小屋。

塩見小屋から塩見岳山頂
(東・西の峰間は数10m
へは登り1時間下り30分、約2時間で
往復可能、従ってここに泊ることにすると
その日と翌朝と山頂に登るチャンスが2
天候を判断、あるいは朝日・夕日に輝く
光景を味わえる。

小屋は標高2760b、ご主人は朝晩の
食事中登山者と接する機会を大切に
しており、食事の世話は奥さん、
窓口は若者(息子?)が笑顔で対応
とっても家族的で、マンモス小屋
以上の魅力だ!

塩見小屋で受付、トイレの使い方(これは良いシステム、ビニールに仕掛けがあって一回毎に捨てて行く、使用後は袋を閉めるため小屋の周りに広がる「アノ」臭いは全く無い)の説明等を受ける。

山頂往復は約2時間、夕食にはタップリ時間がある、山頂に行くよう勧められる、もとよりそのつもりである、登れるときに登っておくのが鉄則である、明日はどんな天候に成るか誰も決められない。

雨具も持つように言われた、昨日は3時から5時の間に激しい雷が塩見を襲ったと言うが、水とアンパンを持って、雨具は持たない(ちょっと反省)、ハイマツ帯の稜線に出て、小屋から尾根に出て、尾根を大きく下る、岩稜を登り返す、右斜面の美しい天狗岩を登る、なかなか手ごわい登りだ、5,6人が下ってくる満足な笑顔だ。

 

天狗岩の巻き道を越えるのに約20分、鞍部まで下って、再び岩登り、先行した男性が私を待っている、不安定な岩場だから仕方が無い、声を掛けゆっくり登る、私の方は写真撮りもあって忙しい。


美しい斜面の上に、登山道が続く

岩場を登り切ると稜線で、数分で塩見岳西峰(標高3047b)に立つ、午前中ほどの展望は無い、彼の到着を待って東峰(標高3052b)へ行く、その間約30b。東峰に立った瞬間、富士山が雲の中から姿を現す、大きい、しかも高い位置に浮かび上がる富士山を見る為にここまでやって来た、満足の絵巻だ。


カメラに納めたが、期待通りに写らない
デジカメ技術は自然に追いつかない
富士山と蝙蝠岳

目の前が蝙蝠岳(標高2865b)で美しい、遠くに荒川三山と赤石岳(標高3120b)、上河内岳(標高2803b)は目の前、残念ながら白峰三山は雲の中に隠れてちょっと寂しい。

山頂からガスが演じる富士山との競演をしばし見惚れシャッターを押し続ける。二軒小屋方面に流れ込む渓谷も美しい、慎重に西峰(三角点あり)に戻って、展望を惜しみながら下る、ハイマツに覆われた左斜面が美しいが、右は厳しい岩の斜面である。


塩見小屋に戻って、美しい双耳の塩見岳

西峰からは両手を使って慎重に下って、鞍部から天狗岩中腹へ登り返す、後は慎重に塩見小屋まで引返す、部屋は私を含め単独者3人+友人組7人(ツアーでは無い)の10人。17:00から夕食、夕日に輝く塩見岳をみんなで楽しみ、18:30には熟睡(こんなに早く寝るなんて!などブツブツ言った人から、快い疲れが睡魔を呼ぶ、翌朝イビキの話題は無かったし、聞こえたイビキも無く快適な睡眠をとったようだ)。

第二日目

朝は4:00 部屋に明かりがともる、それまで起きる人も無く静かな夜明け、4:30一回目の食事、日の出は無理、520 第一陣が下山、私も蝙蝠岳への登山を中止し、同室の登山者はこれから山頂へ、みなさんに挨拶をし、下山開始 5:20

ガスって何も見えない、ハイマツにシャクナゲが混じった尾根を慎重に下る、樹林に入り先行組が先を譲ってくれる、きれいなシラベ林、カラマツに似ている、塩見新道合流を過ぎると権右衛門沢の源頭部というがそんな意識は無く通過、権右衛門山だろうか山腹を巻いて緩やかに登ると、枯れ木の明るい場所に出る、6:00ここからピークを一、二、三と数えながら、ほぼ5分間隔、お花が供えられた小さなケルン、二つほど乗せて高くした、6:40本谷山、何も見えない、三伏峠小屋からやってきた人たちに始めて会う、「これから、晴れる予報です!」と言うのが正直やっと。6:45

本谷山を下る、お花畑も曇りで花も可愛そうだが、マツムシソウは優雅に咲いておりウメバチソウもパッチリ白い花を咲かせている。


雨過天青(うかてんせい)
澄み渡った空の青

鞍部まで下って、今度は三伏山の登りだ、キツイ!突然、上空に青空、なんと仙丈岳が雲海に浮かび、北岳も時々見え隠れする、先を行く団体さんはどんどん登って行く、この風景に気付かない様子だ、森林限界からハイマツ帯へ出たとたん、今度は塩見岳が雲の中に姿を現す、昨日とは違った雄大な姿が、凄い勢いで流れるガスの間に出ては消えの早い変化だ!北岳はすっかり見えなくなった、仙丈岳は塩見岳と交互に現われている、この間約10分、その後はまたガスに覆われてしまった。

三伏山 7:50 から緩やかに下って、烏帽子岳分岐 8:08お花畑は分岐から数分だ、少し下り、お花畑の中心に出る 8:10、残念だが塩見岳は見えないが、足元にはマツムシソウが沢山咲き美しい、ここは7月から8月は一番お花が多いという、三伏峠小屋に泊まった人は訪れるが、ここを通過する登山者の多くは立寄らないようです、本コース中最大のお花畑をパスしてはもったいない。


三伏峠のお花畑は秋の気配

三伏峠に戻り、工事中の三伏峠小屋を後にする、835 ここより数分下山したところに展望が良く、山道からちょっと離れて休むことが出来る、山小屋から受けた弁当を開く「おいなり」弁当で美味い、持ち上げた水(塩川山道分岐から先に水場あり)を全て使い早い昼食とする、ここを下れば塩見岳は見えなくなる。

登山口から登って来る一番の登山者が登って来る、ここで最初に塩見岳に逢って感動するところだ、少し下ると塩川からの山道と合流、今回お話をした登山者は全て鳥倉林道からやって来ている、今日も塩川からの登山者には会わなかった。

分岐しばらく下ると、無料で手に入る水場 9:30、この上の小屋で入手する水は全て有料です、塩見小屋では500ML一本は支給してくれるが!

塩見岳を経て、間ノ岳に向かう途中の熊ノ平小屋まで行くと言う若者三人、塩見小屋まで行くご夫婦、三伏峠でテント泊の若き女性組、、さまざまな人たちが登ってくる。

荒川三山:前岳(標高3068b)、中岳(標高3083b)、荒沢岳(標高3134b)
を指し、赤石岳(標高3120b)と縦走する登山者が多い。
椹島から登って縦走し椹島まで23
ただ、畑薙第一ダムから椹島間は東海フォレストの送迎バスがあって
畑薙第一ダム手前約1.7`のダム管理道路入口駐車場で乗車、
バスは、東海フォトレストのロッジ・山小屋宿泊者に限るから
+1泊必要になる。

豊口山登山口へ、10:35、林道歩き、大きな昆虫網を持った大人、渡蝶オオカバマダラ」の調査で、捕獲しては羽に文字を書き込み、次に捕獲する人がこれを見たら連絡しあっているとか。11:30に駐車場、満杯で着いたらすぐ「出ますか?」と聞かれるほど。

帰路は国道152号から松川ICへ向って見た、大鹿村役場へ向って左折し大鹿トンネルを抜ける、分机峠を越えるより楽と言う、小渋川に沿った道は国道152号で分机峠を越えるよりは楽とは言え、曲がりの多い道だ、特に小渋湖周辺は気を付けたい。

大鹿村から国道153号へは約一時間、左に中央アルプス、駒ヶ根IC入口(木曽駒ケ岳入口しらび平駅は近い)を通過し、伊那市で国道361号で高遠へ、このコースが国道20号に一番近い、15:45 信州蔦木宿に着く、まずは風呂、ここから観音平は近い、夕日に輝く富士山を見てみたい、八ヶ岳高原ラインで国道141号へ出て、佐久市から国道254号で下仁田、高崎経由でつくば市に向う。

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