シャクナゲの話題に必ず出て来る十文字峠 標高2,072b
               天下一の展望       甲武信ヶ岳 標高2,475b

 

 

今日は朝から関東は梅雨前線が、大荒れ、十文字小屋に電話して見る、「雨が「多く降っているが、この中をくるんかい!シャクナゲはこのお湿りでおおいに生き返り、15日頃までが見頃だよ、、」と独特のなまりのおばさんが、お元気なご返事。午前中に準備を済ませ、出かける事にした、夕方の4,5時頃には毛木平に着くだろう?天気予報では「低気圧のスピードが早まっており、関東を抜けるのも午前中だろう、、」と伝えている、明日は快晴疑い無し。

毛木平:国道20号・中央高速須玉から国道141号を北上し、小海線信濃川上駅から信濃川源流に向かって、一番奥にある、十文字峠・甲武信ヶ岳を周遊するコースのスタート点にあたる。バスの場合は小海線信濃川上駅―梓山・川端下(始発7:10 川上村営バス JR小淵沢駅6:187:00何度か乗っている)で、梓山バス停から徒歩1時間半である。

夕方5時に毛木平、右:西沢、左:十文字経由甲武信ヶ岳と示される大きな案内図を見て、左折し沢方向に入り、八丁坂、名の通り急坂で、八丁坂ノ頭を過ぎると尾根になり、十文字小屋は近い。シャクナゲの十文字小屋に一泊。翌朝5:20小屋から甲武信ヶ岳に向かう、天下一の展望を甲武信ヶ岳(9:00に着く)で楽しみ、急な坂を下り、日本一長い信濃川の水源地を訪れ、西沢をどんどん下り、美しい流れを見て、沢から離れカラマツの林に入り、まもなく、林道歩きになり、毛木平11:45着く。

日程  20006910  (金・土) 曇り


シャクナゲへの思い200021112日雲取山に登った時、三条ノ湯で同じ部屋になった山男に「十文字峠のシャクナゲは飽きるくらいシャクナゲ・シャクナゲの連続で、またシーズンは人が多く、花より人の方が多いほどだ」という、こんな事を聞くと訪れてみたいみたいものである。毛木平から入り、十文字峠から甲武信ヶ岳を周り、信濃川水源地標をへて毛木平に戻るコースを計画、雨の一番多い梅雨入り時期が花期となる

登山者の思い:甲武信ヶ岳(標高:2475b)は武信白岩山(標高:2288b)・三宝山(標高2,483b)・木賊(とくさ)山(標高2,469b)と並んで、国師ヶ岳をへて金峰山、西破風山・雁坂峠をへて雲取山の奥秩父主脈縦走路の中心に聳える。今回の登山者のほとんどの目的が「十文字峠のシャクナゲ」にあったことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

コース

中央高速須玉IC(国道141号)=>JR小海線野辺山駅=>梓山=>毛木平(もうきだいら)1700−(0:20)−>五里観音−(0:55)−>八丁坂−(0:25)−>18:25八丁坂ノ頭−(0:20)−>18:50十文字峠(泊)5:20−(0:40)−>6:00大山−(0:35)−>6:50武信白岩山−(0:20)−>7:20尻岩−(1:20)−>8:20三宝山−(0:40)−>8:55甲武信ヶ岳9:20−(0:10)−>9:30千曲川・信濃川水源入口−(0:15)−>9:40千曲川・信濃川水源地標−(0:50)−>ナメ滝−(1:25)−>11:45毛木平=>12:20梓山⇒自宅へ

関東は9日梅雨入り、この日JR常磐線が午前中運転を一時中止等、各地で被害発生。今年の梅雨入りは近畿は平年より一日遅れ、関東は平年並み。東京都内を走る頃ニュースで、あちこちで、最大瞬間風速!看板が飛んできて幼児がケガ!総武線が運転を見合わす、JR常磐線も、、と臨時ニュースが流れている。中央高速と東名高速も事故で渋滞中、、、。

 

 

 

中央高速が事故のため、上下線交通止めというニュースが流れる、八王子を通過した13:00頃には雨も止んで、空はうっすらと明るくなり、奥多摩の山々も見えだす、中央高速の下り線は交通止め解除、スムーズに流れているというので、国道20号から相模湖ICで中央高速に乗リ移る、これが誤りで国道20号は空いていたが、事故現場は相模湖ICの先の上野原よりさらに先で大渋滞が続いていた!
 
韮崎の先、須玉ICで降り、国道141号で清里・野辺山方向に向かう、JR最高地点を通過し、川上村は国道141号から離れている、まもなく野辺山駅の標識、標識に従い野辺山駅方面、駅の手前左折し、直ぐ右折、踏切りでJR小海線を渡る。この辺りの高原は新緑でとても美しい、案内に従い「川上村・秩父」へ、

県道68号は川上村の中央流れる千曲川沿いに走り抜け、左に男山・天狗山が立派、梓山バス停、道路が細くなり野菜畑の中を進む、分岐で、左:三国峠をへて埼玉県王滝村、右:十文字峠方面へ、ここからは完全な林道で未舗装、約15分間、荒れ道と格闘、数台の車が泊っている、どうやらここが毛木平で45十台の毛木平駐車場。車から降り歩き出すと、ちょうど下って来た人に聞くと、さらに100b先の駐車場に空きスペースがあると教えてくれる、そこまで車で移動する、まだ先に車が入れそうだが、ここから歩くことにする。

16:30 再度歩き出す、千曲川源流・甲武信ヶ岳の道標が有るが、十文字峠の文字は見当たらない。この道は甲武信ヶ岳に向かっており、林道終点になり「かもしか新道」の地図がある。後で「かもしか新道」もカモシカ展望台をへて十文字峠に行ける。

林道終点のちょっと先で、車に引き返す、往復約1時間のロス。

駐車場に引き返して良く見ると、駐車場の入口の看板の一番下に「十文字峠」が示されている、完全に見落としだ、車で通り過ぎる時は要注意しなくてはいけない。

十文字峠の道標に従い、17:30 再スタート、今度は間違いなく十文字峠に向かって歩き出す、間違っては十文字小屋の夕飯に間に合わない!

甲武信ヶ岳への林道を左に曲ってすぐ、駐車スペースが有り、西沢(信濃川水源地)にぶつかる、丸太の橋を渡る、今日の嵐で水量は多い。

どんどん、深い森の中に吸い込まれてゆく、ひんやりとし、誰もいない道を進む、登りが急になってきた、八丁坂に取り付いたのだろうか、依然として林の中で展望は期待できない、急な坂だがシャクナゲの人気コースの道は歩き易い、くねくねと登ってゆくが急ぐ為か結構キツイ!!

何度も休憩しながら、頭上が少し明るくなり、八丁坂ノ頭に着く、18:25。標識が建っており、大きな木が根を張り腰掛けるのにいい、シャクナゲが何本か生えている。十文字峠まであと20分の所。

緩やかな登りの尾根道を進む、八丁坂は凄い坂でしたが、ここの尾根は気分がいい、途中、アカヤシオの花が満開、コメツガ、シラベ(シラビソ)、オオシラビソの林に囲まれ散歩気分だ。

目の前にシャクナゲの大群落が突然現れ、十文字小屋18:50 既に夕食時間は過ぎ、数人の登山者は夕食を終え、散歩を楽しんでいる。

「遅い!」と言われる前に山小屋に入りながら「遅くなって済みません、、、」と謝るが快く笑顔で迎えてくれた。

清里で電話を入れたが、電話のお相手は、ここのオーナーで小屋とは別の場所で電話対応しているとのだそうです。そのオーナーは身体の調子が悪く、奥さん(おばあちゃん)とお手伝いさんの二人で山小屋とシャクナゲの群落を守っているのだそうです。
 
おばあちゃんは山小屋に入り49年になるという、奥秩父では有名人中のおばあちゃん!悪天候の中、つくば市からやって来た十文字峠、奥秩父の奥の風情を味わった。

2000年はまだデジカメが普及されず、同じ時期に撮影に行きたいものです。

 

十文字小屋 Tel0494-55-0639 
  
一泊二食 + 弁当で  8000 80人収容
今日は金曜日で関東は大雨、宿泊者は 埼玉のご夫婦
(車で三国峠を越えてきた)、単独の青年(埼玉県王滝村の栃本から登った、行程8時間という)、二人組の青年、単独の男性の計7名、静寂の山小屋の雰囲気がとても良かった。甲武信小屋は、おばあちゃんの息子さんが経営されている。2007/12に小屋に予約を入れるとTel.090-1031-5352

 

 

 

 

十文字小屋の回りはシャクナゲだらけと言ってよい、今日・明日が一番見頃で特に小屋から数分の「乙女の森」は素晴らしい。おばあちゃん:毎年シャクナゲが花を落す前に摘み取り、木の負担を軽くしてやると毎年奇麗な花を咲かせるという、甲武信ヶ岳に向かう途中の大山付近のシャクナゲは凄いが、今年は「咲かない年」らしい。

翌朝、カッコの「木をたたく音」で目を覚ます、薄暗い中、コメツガの林の中、静寂の森、シャクナゲをもう一度見ることにする、昨日の雨で濡れ、一段と花の色が美しい。小屋の前にはツバメオモトが可憐に咲いている。

朝食は5時、全員が揃う、窓の外の餌置き場に数匹のリスがやってきて、食卓の話題はこのリスで盛り上がる。

もっと、ゆっくりしたいが十文字小屋の雰囲気だが、今日は甲武信ヶ岳にも登りたい、5:20。小屋を出て小屋の裏を登る、12分で栃本と甲武信ヶ岳の分岐、ひたすら県境を登る、シャクナゲの林の中を通過すると尾根に出る、ここから大山間のシャクナゲは素晴らしい、どうやら今年は花の付きが良く無い年らしい。しばらく尾根のシャクナゲ街道を気持ち良く進む。

鎖を使い、登ると大山山頂、曇りで見晴は良くないが、大山全体がシャクナゲに囲まれて、美しく、とても気持ちが良い岩場です。

大山山頂を急降下し、登りかえすと、見晴の良い箇所がある、振り替えると大山が高く見え、前方には金峰山方面が見える(曇りではっきり判明できない)。このポイントから武信白岩山まで見晴の良い所は無い、武信白岩山(標高:2288b)の周りには「危険・登山禁止」と示され、天候も良くないので山頂はあきらめる。

その替わり、少し先の岩場の展望が良い、これから向かう三宝山が大きく見え、その向こうに金峰山の頭が見えている。直ぐに雲が流れ隠してしまう。

そこから大きな岩を回るように下り、さらに急降下し、静寂な原生林の中の大きな岩「尻岩」の前に着く。ここから「だらだらの登り」を約1時間半続けて登ることになる、最初は道も良く登り易いが、シラビソの見事は林にさしかかると道は流され深く掘れ歩きにくい、だが無数のシラビソは立ち並ぶ様子は神秘的であきる事はない、十文字のシャクナゲには負けるが、ここのシラビソ林はこのコースの名所であろう。

ミツバオウレンの花が多くなってきた、やっとの思いで、三宝山(標高:2483b)、広い山頂だ、先に登っていた、ご夫婦が笑顔で迎えてくれる、昨夜十文字小屋に泊まった仲である、小屋からここまで、「ぬきつぬかれつ」の間柄だった。この後、下山まで出逢う事は無かった。

武信白岩山から尻岩への急降下ほどでは無いが、結構下る、甲武信小屋への巻き道と分岐し、後5分で山頂の標識、急坂を登る、山頂が見えているのになかなか着かない、甲武信ヶ岳山頂(標高:2475b)に立つ、曇り空で展望は望めない。

大きな「日本百名山甲武信岳」、小さく「山梨百名山」と標識が建っている、なぜか「山梨百名山」の方が立派で品が良い標識に思えたが私だけか?

しばらく山頂を占領、十文字小屋で作ってくれたお弁当を広げる。

これから下る方向から、「そこが山頂ですか!!」と大きな声、「そーです!!」と答える、まもなく4人組が登って来る、新潟県三条市から昨夜出て、毛木平を5時半に出発してきたという、3時間半で登って来た事になる。

 

若いご夫婦(群馬から昨夜やってきた)と新潟県三条市からの4人組は同じコースを引き返すというので十文字峠のシャクナゲの様子を話すと、みなさん方向を変更し十文字峠に向かって下ってゆく。

56分で甲武信小屋だが、天候も回復しないので、甲武信ヶ岳の山頂から新潟県三条市の4人組みが登って来た方向に下る。

20分ほどで、千曲川・信濃川遊歩道入口、急降下、道は荒れている。大きな「千曲川・信濃川水源地」の標柱が建っている、日本一長い信濃川の水源地である。甲武信ヶ岳から秩父湖をへて荒川、広瀬ダムをへて富士川と日本の水源になっている。

水源はチョロチョロ、青々とした苔が生えている神秘的な沢、西沢に沿って下る。やがて幾つもの水源が合流し合って大きな流れを作って、西沢を太くする。幾つもの丸太橋を渡る、遊歩道は良く整備されている、ただ所々木道が壊れかかっている箇所があるが、気持ち良くどんどん下る。黄色い花をつけるスミレ、キバナノコマノツメが沢と斜面にいっぱい咲いている。

西沢の流れから離れると、やがて林道終点(昨日間違えて、ここまで登っている)、ほっとする所だ。神社が直ぐ左手に建っている、シャクナゲの見頃時期とあって、駐車のできる空き地には必ず車が止められて大賑わい!

ところどころに、ベニバナイチヤクソウ(富士山のお中道のダケカンバの下に大群を作っているという、7月中旬から下旬)が多い林道は楽しいが、単調な林道なるとあきてくる、十文字峠分岐の駐車場に着く、団体さんが二組十文字峠に向かってゆく、昨夜は大荒れの日で運良く静かな山小屋だったが、今夜の十文字峠小屋は凄い混みになるだろう。

 車の運転は楽くだが、登山後の運転は要注意、毛木平をへて三国峠分岐までは未舗装、車で約20分、登ってきた時は道が濡れていたが、石が乾き浮き、荒れている、よくこんな道を平気で走ったなと思う、駐車スペースになる狭いエリアまで車が止められ、空エリアが見つからない!驚くことにマイクロバスも数台止められている、昨夜十文字峠小屋にお世話になってよかった!

 

HP:わたしの天気予報