お花畑と富士山展望の続く稜線、北岳から間ノ岳を往復
 北岳(標高3192b)間ノ岳(標高3189b) 北岳特産種キタダケソウ 富士山展望

日程 2007年7月21-23日(土・日・月)   

北岳
1999年台風8

剱岳
2002年台風10

唐松岳・五龍岳
2004年台風22

毛無山
2003年台風17

蓼科山
2000年台風3

尾瀬沼
1997620日台風

 


キタダケソウ
今年は残雪が遅くまで残って、梅雨明け直前まで咲き続ける
肩ノ小屋へ予約電話を入れると「貴方がくる頃まで咲いているよ!」


 

 

先週は海の日三連休、このコースを歩く予定でしたが、大型の台風4号が接近、甲府・市営芦安駐車場〜広河原線」及び「身延駅・奈良田〜広河原線」を運行する山梨交通は早い決断(713日朝11:30)で14日始発から運休。(14日稜線の山荘まで登り台風一過「場合によっては連泊」を期待したのですが、今回は交通機関がストップして無理でした、勿論安全が第一です!このページのトップのリストは台風接近時に登った山の記録です

昨年から登山シーズン中は広河原へマイカー乗入れが出来なくなった。従がって甲府側からも、身延からも広河原へ入るにはバスを利用することになる。

しかし台風4号で甲府からの南アルプス林道、身延側からの南アルプス公園線も通行止めになった。

最後の頼みは信州側の長谷村の戸台口から北沢峠へ運行する長谷村営バス(Tel0265-98-2821)であり、嬉しいことに南アルプス市営バスが19日から北沢峠と広河原間を運行する。

但し、広河原に着く時刻は8時、甲府からだと6時頃着くのだが、スタートが2時間遅くなってしまう、今回は白峰三山縦走を中断し、前日北岳肩ノ小屋に泊まって、翌日、北岳から間ノ岳まで縦走し引返し、キタダケソウが群落するトラバース道に入り、途中八本歯ノコル分岐から急登し北岳山頂経由で北岳肩ノ小屋に引返す、三日目は早朝小屋を出れば広河原始発(9:00)のバスに乗れ、戸台口に11時には下山できる。

コース

前日:つくば市21:30=(国道354.16号)⇒八王子IC24:00=(中央高速)⇒諏訪南IC1:25=(国道152号)⇒高遠=(国道152号)⇒道の駅「南アルプスむら長谷」2:20=(林道)⇒2:30戸台口バス停「仙流荘無料駐車場

第一日目【肩ノ小屋まで】:戸台口バス停「仙流荘無料駐車場5:40=(長谷村営バス)⇒6:30北沢峠7:25=(南アルプス市営バス)⇒8:00広河原「吊橋で降りる」8:05―(0:01)―>広河原山荘「トイレを借りる」8:10―(0:10)―>巨岩・丸太の橋8:20 ―(0:10)―>最初の堰堤8:30―(0:00)―>白根御池・大樺沢コースの分岐8:30―(0:35)―>第一休憩所9:05―(0:15)―>第二休憩所9:20―(0:25)―>第三休憩所9:45―(0:25)―>急登終る10:10―(0:20)―>沢出会10:30―(0:10)―>10:40白根御池小屋10:45―(0:50)―>ダケカンバの林11:35―(1:05)―>右俣コース合流地点12:40―(0:30)―>小太郎尾根分岐13:10―(0:10)―>岩場急登13:20―(0:15)―>13:35北岳肩ノ小屋(泊)

第二日目【北岳から間ノ岳、往復縦走】:北岳肩ノ小屋5:40―(0:10)―>キバナシャクナゲ群生地5:50―(0:05)―>両俣小屋分岐5:55―(0:25)―>6:20北岳山頂6:30―(0:30)―>小ピーク7:00―(0:05)―>八本歯ノコル分岐(池山吊尾根分岐)7:05―(0:13)―>トラバース道入口7:18―(0:02)―>鐘・北岳山荘7:20―(0:44)―>中白峰手前の台地8:04―(0:01)―>中白峰山頂8:05―(0:55)―>間ノ岳手前の峰9:00―(0:15)―>9:15間ノ岳山頂9:45―(1:35)―>11:20北岳山荘11:45―(0:25)―>トラバース道中間「キタダケソウ群落(写真)12:10―(0:15)―>12:25八本歯ノコル・北岳・北岳山荘分岐12:30―(0:07)―>12:37巨岩12:40―(0:10)―>12:50稜線「八本歯ノコル分岐」「この分岐から山頂へ登る途中にキタダケソウが咲いていた12:55―(0:35)―>北岳山頂13:30―()―>14:05北岳北岳肩ノ小屋(泊)

第三日目【下山】:北岳肩ノ小屋5:35―(0:30)―>白根御池・右俣コースの分岐6:05―(0:45)―>大樺沢二俣7:10―(0:30)―>本流の鉄パイプ橋「展望良い」7:40―(0:10)―>対岸が大崩通過7:50―(0:05)―>巻道・新しい橋7:55―(0:05)―>最近の崩れ地8:00―(0:10)―>本流の橋「展望良い」8:10―(0:05)―>崩落地・沢を横切る8:15―(0:05)―>大樺沢最接近「登山道が流されている」8:20―(0:05)―>最初の堰堤8:25―(0:10)―>白根御池・大樺沢コースの分岐8:35―(0:10)―>広河原山荘・吊橋8:45―(0:05)―>8:50北沢峠行きバス停9:00=(南アルプス市営バス)⇒9:30北沢峠10:00=(長谷村営バス)⇒10:55戸台口バス停「仙流荘無料駐車場11:00=(国道152号)⇒茅野「国道20号」11:50=(国道20号)⇒勝沼IC=(中央高速)⇒八王子IC15:00=(国道16354号)⇒16:40つくば市

 

【前夜】中央高速諏訪南ICで降り国道152号で高遠へ、高遠からは大鹿への道標に従がう、白山トンネルを抜けると道の駅「南アルプスむら長谷」、この道の駅は最近駐車場を拡張すたようです。

美和湖を右に見て国道152号をなお進むと仙流荘(戸台口)への案内が出てくる、直ぐに仙流荘の広場に出て、駐車場が広がる、右に曲がって大駐車場に車を停める、周囲に車も無く静かに仮眠。

【第1日目】朝5時、仙流荘のバス停に並ぶ、定刻6:00だが、5:40団体1台と一般者の1台計2台が発車する。スタート前は雨が止んだけれどガスで甲斐駒ケ岳は見えないまま、北沢峠に到着 6:40。広河原行き始発は7:25、バス停で待つ、雨が降ってくる、雨具を着る。この間戸台口(仙流荘)から3台次々にやってくる。

定刻に2台、128人乗り、1台分の人が残った、標高2030b地点から標高1529bの広河原へ下って行く、途中一瞬青空、ワット歓声が上がるが続かない青空。

両俣小屋経由での北岳登山ではなく、釣り人が野呂川出合バス停で降りる、野呂川には人気の釣場があるそうだ、美しい渓谷が続く。約1時間で広河原に着く、バスは北岳登山口の吊橋で客を降ろしてくれる、下山時のバス停はさらに200bほど先である。

8:05 野呂川を吊橋で渡る、ここから北岳が見えるのだが雲の中である、広河原山荘で大樺沢の様子を聞くと「アイゼンはお持ちですか、」残雪が多く危険だそうです。

山荘の右奥にトイレ、登山道は左横、オオカメノキやイタヤカエデ等の名札を見ながら薄暗い樹林帯を登って行く、バスを降りたときより明るくなって、展望の良い小さな広場に出る、クリンソウが静かに咲いている 8:20

目の前に巨岩、この裏の沢は丸太で渡る、急登、堰堤が現れる、大樺沢の水量は凄い、まもなく大樺沢二俣と白根御池コースの分岐、今回はまだ歩いたことの無い白根御池コースを選択する。

8:30 大樺沢二俣へのコースと比べいきなり急登、登山道は尾根状、大樺沢の音が遠くなって、登山道右に崩落地が現れる、雨は止み木の根に腰を降ろし朝食。満席のバスから降りた人々は大樺沢二俣へ向かって、二俣から右俣コースを選択している、北岳肩ノ小屋へ登るには両コースとも同じく大変です。ただ、こちらの方が安全です。

白根御池小屋まで4分割され第一、二、三休憩所が置かれている、その一個目で、今回で北岳登山117回目と言う男性(私と同じ年齢)と彼の友人女性に出遭う。肩ノ小屋から下る団体、案内人は若い地元のガイドさん「大樺沢から八本歯ノコルへ登るのは危険、このコースは安全です、、、」6月には人身事故が発生してと言う。

第三休憩所 9:45 ここからさらに急登、崩壊地を巻くと美しい針葉樹林帯、しばらく平坦なトラバース道、ここから右俣コースと合流するまで「登る」登山者には合わなかった、それにしても登山者は少ない。

トラバース道は沢を横切る、10:30 ハクサンフウロ、ミヤマハナシノブが咲く、荒れた沢を慎重に横切る。巨岩を見て、すぐに白根御池小屋の前に飛出る、南アルプス市営の小屋でモダンな木造建築。

雨がまた降りだす、小屋の直ぐ先に白根御池、周囲の木々が延びる前はここに鳳凰三山の姿が映ったという。大樺沢二俣への登山道が左へ、

草スベリ、黙々と登るしかない、サンリンソウ、ハクサンフウロ、ミヤマハナシノブ、シナノキンバイなどが咲く。


タカネグンナイフウロ
草スベリ

二人の若い男女「北岳山荘の前に有る診療所で一週間ほど勤務」が下ってくる、お花畑に相応しい二人「「下山の」登山者」でした。

本当に苦しい登りです、晴れていれば北岳に鳳凰三山が展望できるのにと思いつつ、足元のお花が急登を忘れさせてくれる。ようやく草スベリ上部、ダケカンバの樹林帯、でも右俣コースとの合流点へはまだまだキツイ登りが続く、11:35 一枚岩のような急坂もある、11:50 さらに傾斜が大きくなって、12:00 傾斜が緩み、ウサギギクが微笑む、今度はダケカンバの林、丸太の階段、シナノキンバイの数が一段と多くなって、12:30 上の方で人の声、ちょっと元気が出てくる。

ナナカマドが白い花を重そうに付け、シナノキンバイで飾られた大きな斜面のお花畑に飛出る 12:40。戸台口からと北沢峠からのバスで遭った団体さんと、大樺沢二俣からの右俣コース分岐で再会する。

ここの登山道両側の斜面はお花畑、シナノキンバイで染まっている。イワカガミ、ハクサンチドリ、ハクサンイチゲ、、、

さらに登ると小太郎山分岐、左の斜面には積雪。展望ゼロ、稜線で草スベリのような急登は無くなり、鎖のある岩場の登りだけ、ここを越えるとハクサンイチゲ、オヤマノエンドウ、イワベンケイ、キバナシャクナゲが競って咲いている。北岳肩ノ小屋に到着する。梅雨末期とあって二組の団体(計60人ほど)と個人登山30人程が宿泊。

私の寝床の横には既に山頂へ登った滋賀からの二人の女性、その隣りに若いご夫婦、直ぐにお花の話で盛り上がる、その中心はキタダケソウ、滋賀の女性達は北岳山頂から北岳山荘に下る登山道で、ご夫婦は八本歯ノコルと北岳山荘間のトラバース道に群落を見たとデジカメで紹介。

隣りに陣取った新潟(中越沖地震の柏崎に近い町からやって来た)のグループもせっかくここまできたのだから明日もう一度山頂を越え群落を見に行くという。私の明日の目的とコースは決まった。

夕食は18時から、全員が食事を終え、ほっとしている時、19:10 外で大騒ぎ、カメラを持って外に、まず仙丈ケ岳が姿を現し、続いて甲斐駒ケ岳が頭だけ、続いてアサヨ峰、鳳凰三山のオベリスクもクッキリ、仙丈ケ岳の左奥に八ケ岳の右裾野、その右奥に茅ヶ岳から金峰山と脈々と奥秩父の山が雲海に浮ぶ、富士山はとうとう姿を見せてはくれなかった。


北岳肩ノ小屋手前のお花畑
草スベリから肩ノ小屋まで次々と現れるお花畑は小屋の人気

【第2日目】5:40 北岳肩ノ小屋を出発、すでに二組の団体はスタートごだ、北岳の周囲は梅雨雲ではなく、日の出とともに消えるガスだ、これは期待できる。

小屋を出て一歩岩場の登山道に入るとフラワーパークでは見れない美しい高山植物で飾られる、ハクサンイチゲ、キバナシャクナゲ、イワウメ、チョウノスケソウ、キバナノコマノツメ等、、小屋から5分ほどのキバナシャクナゲの群落は黄白色の花をイッパイ咲かせ、ハイマツの中に良く似合う、まだまだつぼみも多い。ハクサンイチゲの密度が一段と高まり、イワカガミ、ヨツバシオガマ、イワベンケイが足元に次々と現れ、ハウマツ帯が右斜面から左斜面に変わるとガスが突然切れ青空がポッカリ、開いた青空の窓はカメラのシャッターを押す前にふさがってしまう。

主稜線、5:55 両俣小屋の分岐が最初のピークにある、ハイマツとキバナシャクナゲの小さな台地です。

ここから岩場の連続、ガスが切れる瞬間が読める、そんな中二組の団体は山頂から引上げる、北岳山頂の手前のピークに立つと同時に仙丈ケ岳側のガスが切れ、標高3192b日本第二の北岳山頂が見える、思わず山頂の人々に向かって「オーイ!」と叫ぶ、直ぐに返事が返ってくる、一枚写真を撮ると再びガスに飲まれる。

岩稜を少し下って登り返すと北岳山頂です。戸台口まで車で25分と言う若者グループ(バス内で席が隣りだった女性の健康そうな笑顔、キバナシャクナゲも笑顔で咲き誇る)が集う。

6:20 間ノ岳への縦走はまず山頂を後に北岳山荘へ向かう、小さなピークを越え、下るとそこはお花畑、この辺りにキタダケソウが咲いていたと言う、帰路に探す事にして先に進む、静岡からこられた団体さんも富士山の見える鞍部までやってくる、「凄い、綺麗、素敵、素晴らしい」との声が次々と聞こえる、梅雨明けかと思わせるような快晴、富士山も姿を現す。振向くと仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳の姿も現れ、これから向かう北岳山荘の先に、雄大な間ノ岳が望める。


高山植物の里は人を寄せ付けない

北岳肩ノ小屋側も凄いが、岩稜に咲くお花畑は見事です、池山吊尾根分岐、ここからの富士山展望は素晴らしい。八本歯ノコル経由の大樺沢二俣への分岐、覗くと恐ろしいほど急斜面、ここを下ると北岳一のお花畑に出合うが、帰りに寄る事にする。


間ノ岳の夜明

静岡の団体さんと別れると一人旅、まもなく八本歯ノコルへトラバースする道が分岐、小さな鐘を鳴らし、北岳山荘の脇を通過して行く、稜線漫歩、中白峰(なかしらね)への登りはお花畑である、二人の若い男性が北岳山荘を早朝出発し間ノ岳から引返してくる、お互いに間ノ岳・北岳方向から向き合ったわけで、お互いに「富士山の見え、、、」と声を詰まらせるほどである。

一瞬ガスに覆われるが、中白峰に登るに従がってどんどん晴れ、お花畑も素晴らしい。


チョウノスケソウ
岩場に咲く、ちょっと遅かったかな!

振向くと甲斐駒ケ岳の頂上が北岳と中白根沢ノ頭の間に見えてくると、中白峰手前のお花畑の台地に着く、どっさっと腰を降ろし展望を楽しむ。


富士山 中白峰直下の斜面から

写真に映すと小さいが、富士山はここより高く、そして微笑み、ここまで登って来て良かった「山は歩いて登るもの」、健康が一番ですネ

中白峰山頂は、登山道からちょっと右にそれる、北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳と主峰の展望は素晴らしい、北岳から八本歯ノコルに流れるような稜線の池山吊尾根の向こうに、鳳凰三山が姿を見せている。

タカネツメクサの多い中白峰からちょっと下る、右にカール上の斜面を見る、広大なお花畑です。


お猿さん

足元の岩から四匹のサルが「キキ−」と叫びながら駆け下りて行く。昨日バスに乗り合わせた滋賀のグループが下ってくる、北岳肩ノ小屋に泊まらず北岳山荘まで入ったそうです、大樺沢二俣から右俣コースを登ったという。

また一人旅、8:30 この辺り足元、左の稜線、右の大きな斜面、埋め尽くすお花、まもなくゴツゴツ岩峰を越える、間ノ岳の前衛のようなピーク 8:35 お花畑、北岳の展望、稜線の左側に美しいキバナシャクナゲの大群落、そして台地に出る、ここもキバナシャクナゲが咲き誇る 8:55


ミネズオウが主役(イワウメはわき役)

高い峰、ここは頂上手前、雪渓、キバナシャクナゲ、ミネズオウ、、が印象的。


ライチョウのヒナ

ちょっとガスが出てきて、静かな登山道、5羽のヒナを連れたライチョウのお母さん、5羽の内一羽が列をみだす、お母さんは必死に呼びかける。

9:15 標高3189b、富士山3776b、北岳3192b、間ノ岳と槍ケ岳が3189bと並べる間ノ岳山頂に着く、南部の南南アルプスはガスの中、直ぐ近くの農鳥岳は休憩中時々姿を見せるが、山頂は見えなかった。

山頂から数歩農鳥小屋方面に進むと雪渓の上、雪が融けた所から花が咲き出し、ハクサンイチゲやキバナシャクナゲはまだまだつぼみが多い。三峰岳経由塩見岳方向も魅力です。


オオコメツツジ
間ノ岳山頂付近のお花畑     
この下は大きな雪渓

誰一人登って来ない、独占の頂、一番高い岩に腰を降ろし、昼食格別です。

北岳肩ノ小屋を5:40発、3時間半、お花畑あり、展望あり、お猿さんとの出合い、そして5羽のヒナとお母さんに出合い、楽しいコースでした、帰りはもー一度お花畑を楽しみ、北岳山荘からトラバース道に入り、いよいよキタダケソウの群落に向かいます。

9:45 北岳肩ノ小屋へ向かって間ノ岳を後に、北岳山荘まで下り一方です、正面に北岳、左の斜面はカール状、振向くと三峰岳がこの斜面をより美しくいてくれる。


中白峰へ、ルンルン気分

登りで出遭ったライチョウ家族に再会、間ノ岳から中白峰の中間辺りに岩稜のピークを横切るのですが、この稜線の右側に隠れたキバナシャクナゲの群落がある、見落とさないようにノンビリしたい。

岩場の隙間にギッシリと咲き誇るお花は見事で可愛い、中白峰手前で北岳と甲斐駒ケ岳が並んで見えるポイントがある、すでに見えなくなった富士山はこの後も姿を現さなっかた。

お花に飾られる中白峰を通過、北岳山荘が見え、改めてお花畑の美しさに感動。突然ワシだろうか?あのライチョウ親子が心配です。

11:20 間ノ岳から2時間 アット言う間の時間で北岳山荘に到着、トラバース道の情報を聞く為、軽食、カップラーメンのみとのこと、受付の女性がお湯を入れながらキタダケソウの現状を説明してくれる。彼女の悩みは広河原に直接入るバスがストップしお客さんが少ないことだ。昨日は30人ほど宿泊とのこと、北岳肩ノ小屋は80人ほどでした。

11:45 山荘から稜線の道を外れ、トラバース道へ入る、まだ雪が残っている、キバナシャクナゲ、ハクサンイチゲが多い、足元はゴロゴロ岩で歩きにくいが、綱が引かれ迷う事は無い、一歩一歩進みながらキタダケソウを追い求めて行く、数10b上に稜線からのトラバース道が見え、直ぐに合流する、浅橋が置かれ厳しいコースであるが危険を防いでいる、北岳で一番お花の密集する斜面、凄い量で、草の匂いにむせるくらいだ。


キタダケソウ

トラバース道の中間点辺り、キタダケソウの群落に出遭う、その可憐さは説明が不要だ。そっと見つめた一時、周囲のお花畑にはこの後キタダケトリカブトが咲き誇る。

ガスが出て展望は無くなる、まだ北岳の梅雨明けは先のようです、木道を注意して進むと、池山吊尾根で八本歯ノコルと北岳山頂の三差路、12:25 一休みには絶好地点、この時間ここを訪れる人はいない。

ここから、砂礫と岩場の急登、ヒザが胸にあたる、綱が導き迷う事は無い。


ミヤマキンバイ
今にも崩れそうな急斜面の岩場に
頑張って咲く高山植物

上から何時落ちてもおかしく無い岩場。それでも休憩しなと、上から岩が落ちても安全な場所は一箇所、上の写真の大きな岩の陰がいい良い所だ。

地図上では八本歯ノコル分岐から稜線の吊尾根分岐まで40分とあるが、そんなにはかからない、危険なので短時間に通過したいが、ミヤマオダマキが美しく足を止める事になる。

稜線に飛出る12:50 大樺沢二俣(八本歯ノコル)と山頂・北岳山荘の分岐です、ここまで戻ってくれば北岳山頂は20分ほど、お花を見ながらノンビリ行きたい所、ハクサンイチゲ、オヤマノエンドウ、キバナノコマノツメ、、、と改めてその密度の濃いお花畑に感動する。

昨夜滋賀の女性らに教えてもらったキタダケソウの里は、この分岐から5分ほど登った所で、よく見ると踏み後もあって直ぐに解る、しかし、山頂から下ってくるとなかなか見付からないところだ、と言うのはあまりにもその下の斜面のお花が綺麗で、そちらに目が向いてしまうからでしょう。

山頂から下ってくる二人の女性、「おーい、キタダケソウ」が咲いているよと言うと「えー!」と急いで下ってくる、1人は山なれ、連れの女性はキタダケソウと直ぐ横のハクサンイチゲと見比べるが違いが解らない。

ガスに覆われ視界ゼロの北岳山頂 13:30 今朝の騒ぎは無い、一人の若い男性が北岳山荘へ向かう。

岩場とお花を楽しみながらどんどん下る、これから北岳山荘の診療所に向かう若者達に出遭う、草スベリで遭った二人の若者に付いて尋ねると友人らしい。両俣小屋への分岐点、肩ノ小屋は近い。

「今夜は庭にいる人だけよ!」と笑顔で迎えてくれる、14:05 個人登山はご夫婦一組、単独男性私を入れ三人、10人程の二組のツアー客、夕食も全員で一回。昨日の晩の様な急展開の光景は起こらなかった。

【第3日目】昨日山頂を訪れた二組のツアー団体さん5:30,5:45肩ノ小屋を出発すると言う、小雨の中5:10見落としたチョウノスケソウを見に西俣小屋分岐まで15分ほど登ってみた、ここまでガイドさんの声が聞こえ正確に5:30に出発して行く。5:35 昨夜隣りになった男性と私達も視界ゼロの中をたんたんと下る、数分しない内に激しい雨、雨具を付ける、5:45に出発した団体さんが抜いて行く、彼らも淡々と下るだけ、列の末尾を勤めるガイドさんの身軽な足運びには感心する。

直ぐに小太郎山分岐、もちろん何も見えない、続いて草スベリとの分岐、今日は二組とも右俣コースで大樺沢二俣へ、この分岐の斜面は上も下もお花畑でガスのなかに花々が輝く、草スベリでは見なかったクロユリを56個見付ける、雨にも負けずキリット開いている。


クロユリ

この辺りの木々の様子は草スベリと同じで、ダケカンバの中に入り、急降下、シナノキンバイ、サンリンソウが主役、休憩中の団体さんが道を開けてくれ今日最初の下山者になる。

時々展望の良い所を通過するのだが、雨で視界ゼロ、ダケカンバの林を抜けると右俣コースの草原(草スベリのような)を下るようになる、前回(1999/8/7-8 お花畑の北岳)ここを登った時はイブキトラノオがギッシリ斜面に咲いていたが今日は見つけるのが大変です、この末端に残雪を見る、雪の上に立って見たがシャーベット状です、でも7月末まで残りそうです。6:50

こんどはダケカンバが少ない雑木林、雑木林を抜け、雪渓の淵に出る、ここは前回ミヤマハナシノブ、ハクサンフウロが咲き誇り、同行の家内とキツイ登りを経験した所です、その日は台風通過中で雨は降ったり止んだりでした、今日よりはまだ良かった。

それでもここの斜面のミヤマハナシノブ、ハクサンフウロは可憐です、北岳バットレスから流れ出す雪渓の上に砂が流れ落ち真っ黒、その雪渓が大樺沢を飲み込み、その沢を隠している、そこを横切って八本歯ノコルへ向かう登山者たち、左俣コースは上に行くほど今年の雪渓は不安定で崩れ易く危険、しかもここ数日雨が多くいっそうの注意が必要だろう。

雨が止み、急に鳳凰三山方向だけガスが切れ、夏雲のなかに高い稜線がポッカリ浮びだす、北岳はスッポリガスに覆い隠され、八本歯や北岳バットレスは見れない。

草の茂った大樺沢二岐の道標に到着、前回休憩した巨岩は雪渓のなかにポツンと置かれ、大樺沢の流れを見るには数10bほど下った辺りになります、驚きの残雪です。

直ぐに沢の底に降り、分岐から100b程下ると左に細い道が降りてくる、正規の登山道はそのまま沢を下る、振向くと長い雪渓が上に延びガスの中に消えている、不気味な光景です。沢の水量は凄い、やはり今年は春先の大雪が影響し雪渓を長く残し、連日の暑さでどんどん融けだしているのだろう。

間も無く沢底から離れ、沢を右に見て、草付きの斜面を下る、前方に鳳凰三山と早川尾根結ばれる高峰(標高2779b)が青空にクッキリ聳え、今朝は高峰よりはるかに高い標高3193bの北岳から下って、2時間 すでに仰ぎ見る高さです、気温もここに来てうなぎのぼり。

7:30 沢中央の雑木林の上に到着、大きな残雪地帯、登山者の踏み跡は消え、ここはちょっと右寄りに残雪をくだらないと薮に入ってしまう、でも迷ってしまうほど大きな残雪ではない。

この残雪の下部の林は新緑を迎えたような早春の季節のよう気分で、ヒンヤリとして涼しい。ここで昨日広河原の山荘に泊まって朝出発した登山者に出合う。広河原も北岳肩ノ小屋からも約2時間。

7:40 展望の良い橋を渡る、この橋は崩壊地を巻くように反対の岸に移るものだ、左に崩壊地が現れる、登山道は崩壊地をかすりもしないので安全、7:50 巻道の道標があって、右折すると新しい木の橋を渡る、今度は最近崩れた現場で大木が横たわっている、8:00 この辺り目まぐるしく変化するところで、一ヶ月後に通過すると変わっているでしょうか、大きく下って、また橋を渡って対側に、左の斜面から流れ落ちる沢の崩落地、広河原から登って最初に見るガレ場、ここの丸太橋は流され、沢底に置かれた丸太の棒を横切って行く、横切れば崩壊によって作られた河原は気持ちの良い所です。鳳凰三山の展望が素晴らしい。


大樺沢の渓谷

再び大樺沢に接近、登山道がスッポリ流されており、ギリギリの岩頼りに、通過する、8:20 登山道にも水が流れこの辺りは沢底を歩く感じですが、激しい流れの本流ではなく問題は有りません。

最初の堰堤を右に見る 8:25 直ぐに白根御池コースとの分岐、8:25 時刻表を見ると

今回乗ったバス「詳細は南アルプス市ホームページ参照

7/14()戸台口6:007:00北沢峠(長谷村営バス)
北沢峠7:257:50広河原(南南アルプス市営バス)
7/16(
) 広河原9:009:25北沢峠
北沢峠10:0010:55戸台口
※ 何れも当日始発に乗りました
※長谷村営バス:0265-98-2821「伊那市営バス」
南南アルプス市営バス:090-2673-2406055-282-2016

今日は平日で広河原9:00発、ここかバス停まで30分ちょっと急げば充分に間に合う、野呂川の吊橋に8:45、バス停はマイカー乗入時の大駐車場の所に、戸台行き、甲府・奈良田行きのバス停がある。

 

 

 


誰もが通過する野呂川の吊橋
広河原山荘から撮影

土日(祭日は含まない)と平日で時刻表が異なります、従がって今日の北沢峠行きは9:00が始発、次は103012:20と続く、がツアー客は12:20だろう。

バスが出発し、なんと北沢峠から歩いてくる登山者、10名ほど見かけました。

戸台口でバスを降りる、10:55 真夏の太陽が照りつける、これでもまだ梅雨明けしないらしい、
帰りの高遠、茅野、甲府の気温は今年の最高気温を更新したらしい。

HP:わたしの天気予報