蓮華岳(標高2798b)・針ノ木岳(標高2821b)
日本三大雪渓を登って、コマクサの咲く尾根を歩く

 

日程  200896  晴れ後雨曇り

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日本三大雪渓を見下ろす

コース

JR新宿駅23:54=(ムーンライト信州81号)⇒5:08信濃大町駅5:15=(タクシー乗合で、バスなら6:15発になる)⇒5:40扇沢バス停5:40―(0:10)―>林道出合5:50―(0:10)―>林道出合5:55―(0:10)―>四度目林道出合・針ノ木岳登山口6:05―(0:15)―>ガレ場6:20―(0:15)―>美林のブナ・湧水6:35―(0:15)―>赤沢6:50―(0:05)―>6:55大沢小屋7:00―(0:35)―>7:35大雪渓下部の木の橋7:40―(0:05)―>大岩(夏道)7:45―(0:10)―>再度雪渓7:55―(0:10)―>ノド8:05―(0:10)―>ノド見下ろす8:15―(0:35)―>大雪渓横切る(標高2200b)8:50―(0:00)―>巨岩(雪渓上部)8:50―(0:15)―>ジグザグ急登取付点9:05―(0:35)―>9:40針ノ木小屋9:55―(0:25)―>最初のピーク10:20―(0:10)―>次のピーク10:40―(0:10)―>山頂手前のピーク10:50―(0:10)―>11:00針ノ木岳山頂11:10―(0:55)―>12:05針ノ木小屋12:15―(1:05)―>大雪渓下部の橋13:20―(0:30)―>大沢小屋13:50―(1:00)―>14:50扇沢バス停・針ノ木岳登山口15:00=(バス)⇒15:30信濃大町駅17:30=(川中島バス)⇒実家へ

若者から老夫婦まで人気の高い青春18キップの夏期の分は910日で、新宿から発するムーンライト信州81号は登山者より、このキップで旅をする人で満席である、私の乗った車両には大きなリックを背負った人は数人、感心する点が一つ、とてもマナーが良く、0時を回るとおしゃべりの人はいません。信濃大町駅に降り、今日の扇沢行きの始発は6:15、約1時間待つことになる、「相乗りしませんか?」と言われ、「バス代なら」、、「運転手さんバスは1330円だよ!」、青春18キップを持ってアルペンルートを越える若者達(私以上の年齢層は若者だ!)が「1500円でお願いします!」と言う、これで契約は成立、扇沢から鹿島槍への男性が加わって、運転手さんも満足、乗客8人、二台になった。客として一番特になったのは私で、扇沢に着くと直ぐに歩き出せる、アルペンルートに乗る青春18キップの若者達は始発を待つことになる。

針ノ木岳登山はバスから降りて、アルペンルートキップ売場を正面に見て、左に進むと、林道ゲートがあって、その左に立派な登山口の標識が立っている、夏草が大きく育っているが、最近刈り入れが行われたばかりで、とても快適、しかし足元は石がゴロゴロで眠気が覚める!

直ぐに林道に出合、林道の左に大町山岳会の看板が有って、河原に下り、沢の上を横切って再び登山道、直ぐに二度目、登山道に入ると今度はガレ場を大きく横切って行く、ここは岩が大きく注意、ここも大町山岳会の看板で登山道に入り、三度目の出合、ここは広く展望も良い、そして林道に入り、今度は前方に右にトンネル(黒四ダムのトンネル、工事用でトロリーバスの物では無い)が現れ、大きな駐車場が左に、ここが針ノ木岳登山口になっている、大きな案内版が立っている。

6:05 ここからは二度と林道に出合わない、道は安定し歩き易くなる、左に蓮華岳だろうか?稜線が見えてくる、オオヤマリンドウの大きな株を見る、

大きく沢状のガレ場に出る、横切って登山道に入ると再びガレ場、6:20 先ほどのガレ場と違って危険は無く、扇沢から最初の休憩にはここが良い、この先、腰を降ろせる所は大沢小屋か大雪渓の下部まで無い。

6:25 休憩を取って、短い梯子を登り、展望の良い所に出る、再びガレ場、鳴沢岳からの崩れだろう、鳴沢岳稜線方向の展望が素晴らしい。このガレ場からしばらく水平の道が続く、ダケカンバが現れ、6:35 美しいブナ林に入り込む、魅力なところ、従って扇沢バス停でバス待ち時間など有ればここに立寄ると良い、紅葉狩りにお勧めスポット!

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美林のブナ

いきなり、薄暗い沢が目の前に現れる、ここは湧水、コンコンと言うより、溢れ出ている感じ、

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湧水

ブナとダケカンバの混ざる林を登り、今度は大きな沢に出合う、 鳴沢であり、木の橋を渡る 6:50 。続いて二本沢を横切るが一本は枯れている、6:55 樹林に囲まれた薄暗い所に大沢小屋が建っている。

中に入って「危険な所は有りますか?」「この先の大雪渓にも、先ほど渡ってきた様な橋(鳴沢の橋)を渡り、すぐ雪渓に取付き、まもなく大きな岩の左に、夏道が出るので、その道をしばらく使い、再び雪渓に入り、通行止めの縄がある、ノドの手前を、横切って、反対側の岩場にノドの巻道があり、そこを登ってください」「アイゼンは?」「雪の割れ目に落ちないよう、必ず着用してください」また「雪渓にはベンガラでルートが示されています、私も昨日登ってきました、、、」。

小屋を後にし、大きな岩の坂道、登り切って、巻くように先を進むと、美しい滝と厳しい大沢が谷の向こう側に見えてくる、崩れ地を一度下って登り、その先は岩場の斜面を横切って行く、オオヤマリンドウ、オオバギボウシ、シモツケソウ(一株のみ)、イワショウブとニッコウキスゲの小群落を見ながら綱と鎖を使う。

 

7:20 沢に降り、ジャブジャブとそのまま渡る、広い沢だが水深は浅い、秋の花が咲くお花畑に解けこむようにして登ると、左の沢に下り、始めてみる大雪渓の下部に木の橋が架り、横切る。

7:35 休憩し、アイゼンを着用、7:40 今にも消えそうなベンガラマークに従う、大きく崩れた雪渓は不気味、ゆっくり登る、この時期は大雪渓も末期状態、何時、足元に亀裂が走っても不思議ではない、まもなく、前方に大きな岩が現れ、教えてもらった通り、岩の左に夏道が出ている、アイゼンは着けたまま、登る、石畳有り、丸太の階段有りだが、安定している、7:55 再び雪渓に足を踏込む、大沢小屋で言われたように、雪渓は固くアイゼンが無いと危ない、美味く登った人はたまたま美味く成功したと考える方が良い。

8:05 綱が張ってあり、通行止めのノドに着く、ベンガラのルートはそのままノドを通過するが、中央に亀裂が入り登れる状態ではない、お盆の頃は平気で通過できたのだろう。ノドの直下で右に渡るが数b下に大きな割目が口を開き気分の良いものではない。

アイゼンを外し、カメラをリックに入れ、四足を自由にし、集中して急登の巻道をクサリの頼りによじ登る、8:15 ノドの直ぐ上に飛出る、ポッカリ口を開く雪渓は生き物のようでもある。お盆の頃なら雪渓がこの辺りまで残っているのだろうが、今日は奇麗なお花畑もあり、赤い岩肌が出たトラバースも難なく横切ってしまう。

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ノド巻道の上のお花畑

お花畑を右上に見て、再び大雪渓の上部に立ち入る、横切るようになる、白馬大雪渓なら今年も事故の有った葱平(ねぶかっぴら)に相当する辺りになる。

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雪渓が解け、夏道は出るが、
 
光景は日本三大雪渓の貫禄である

お盆ならここも雪渓に覆われるのだろうが、夏道が現れ、危険な箇所は無い、大きな岩に腰を降ろし休憩。水量の多い沢(ヤマクボ沢)と雪渓を横切るが、ここの雪渓は傾斜が緩くすんなり、ここからは夏道で斜面一面のお花畑、主役はウメバソウ、コゴメグサ、ウサギギク、ダイモンジソウでダイモンジソウの多さには驚くほど。

8:50 進行方向に巨岩、左を抜けるように登ると、大きな荷物(一週間分)を背負った学生五人に出遭う、針ノ木岳から白馬岳に縦走する、軽い荷で彼らの先を行くがいっこうに距離が開かない、そんな辛い急坂です、雪渓は無いが、再びノド以上にノドらしい狭い谷を抜けて行く、赤沢岳やズバリ岳からの斜面が見事です。

そして、針ノ木峠最後の長い・長いジグザグ道、直ぐ上に稜線が見えるのになかなか着かない。

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急な登山道に微笑む イワギキョウ

この砂地のザレに咲く花は、一株のイワギキョウ、まもなく、お花畑の斜面が現れ、針ノ木小屋が見え、針ノ木峠に到着、9:40 小屋に入り暖かいコーヒーを頂き、9:55 蓮華岳へ進む。

針ノ木峠は、針ノ木谷経由五色ヶ原と主稜線の縦走路の十字路、晴れていれば立山・剱岳が黒部谷の向こうに大きく見えるだろう、日帰りでも登れるこの地点、晴れた日に登りたいところです。

小屋の人、天気は下り坂だと言う、確かに少し見えていた黒部の山々がガスに消える、それでも少しのチャンスを期待し、岩場の道を登る、直ぐ上が山頂の様だが、ハイマツ帯を登り切ると、さらに次のピークが呼んでいる、10:20 まだ三分の一登ったところらしい、美しい砂礫の広い尾根気分は最高です、三人の登山者が抜いて行く、私は晴れを期待しノンビリ、次のピークでガスが切れ針ノ木岳が姿を見せる、見事です。

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砂礫の尾根を登る

ここから、コマクサを見付けながら進む、一度ハイマツのピークを越え、イワギキョウの咲く斜面をトラバース、ようやく半分、山頂はまだまだ砂礫の尾根が続く先に見える。

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このピークは山頂手前のピーク

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稜線の花

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稜線の花

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針ノ木峠直下

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針ノ木峠直下

 

10:40 ようやく、山頂が見える手前のピーク(標高2754b)に立つ、左の斜面に無数のコマクサが咲く、見頃はお盆までだろうが、捜すと奇麗な花を見付けることができます、トウヤクリンドウも大きな株、規模は鹿島槍辺りに比べると小さいが、紅葉一番の乗りのウラシマツツジが赤く染まっている。

この砂礫の稜線漫歩、展望の良い時期にリベンジしたいものです、鞍部に降り、砂礫を敷きつめた斜面をゆるやかに登れば、祠(若一王子神社:にゃくいちおうじじんじゃ)がたち、さらに七倉岳への標識、その先の三角点の蓮華岳山頂に着く。晴れを待つが期待通りにならないのが、登山である。

ノンビリ、一個一個お花を見ながら針ノ木小屋に戻る。

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針ノ木小屋

小屋に着き、雨が降ってくる、展望も期待できず、針ノ木岳は次回、今日はこのまま下山、日本三大雪渓を大雨の中下りたくは無い、大展望を見にまた来るであろう針ノ木峠を後にする。

帰路は実家にお世話になって、お墓参りでした。

 

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