山頂まで15分手前の残雪に拒まれ断念 in2014    栃島・栃木県境:会津高原尾瀬口駅 
荒海山(あらかいさん 標高:1580b)(八総鉱山から残雪の林道悪路)

日程:201453日 (土)憲法記念日 晴れ 春霞


姿を現す荒海山 (太郎岳)
残雪・悪路を町村界尾根鞍部歩き、山頂直下まで満悦


残雪も後、アズマイチゲが日光浴
 

あちこち残雪!

 
どこを通って、雪さえ無ければ!
汗ばむ暑さ、でも朝は日が入らず冷たい、10日頃には消えるだろう!


荒海山(太郎岳)登山道案内図・荒海山入口

 

コース

つくば市城山2:50=(国道408号)=>さくら市宝積寺=(国道4号)=>那須塩原市西三島=(国道400号)=>国道121400合流点=(国道352121400号)=>国道121352号分岐点=(国道352号)=>荒海山(太郎岳)登山道案内図・荒海山入口(銅竜橋)6:03=(林道 未舗装)=>6:22八紘鉱山跡6:28―(0:14)→登山ポスト6:42―(0:02)→ダムの渡渉点6:44―(0:14)→豪快なダム6:58―(0:09)→河原・渡渉点7:07―(0:27)→沢分岐7:34―(0:29)→町村堺尾根鞍部8:03―(0:26)→一回目の下り(リョウブ)8:29―(0:37)→荒海山姿現す9:06―(0:14)→二回目の下り9:23―(0:33)→巨岩通過9:56―(0:04)→10:00雪壁(雪庇)断念場所10:30―(1:29)→町村堺尾根鞍部12:09―(0:33)→沢分岐12:42―(0:38)→河原・渡渉点13:10―(0:19)→豪快なダム13:29―(0:16)→ダムの渡渉点13:45―(0:11)→登山ポスト13:56―(0:08)→八紘鉱山跡14:04=>帰宅

徒歩:16,713

 今年のゴールデンウィーク(GW)は前半・後半に分離、後半の34日はGW快晴の予報、展望の良い荒海山へ出かける、会津高原尾瀬口駅まで約3時間、早朝3時につくば市城山をでると、GWで混んでも7時には歩き始めるだろう。

 国道408号から宇都宮・さくらの堺で国道4号にでる、東北自動車道矢板ICだGWとは言えガラガラのようです、那須塩原市西三島で国道400号に左折、数台の車が走るが、スイスイ、鬼怒川温泉からの国道121号と合流後、後続の車に道を譲るが前に走っていた車はそのまま、結局、道の駅「田島」を過ぎ、国道352号と121号まで、2台の車は121号へ、このまま会津若松辺りまで続いたかどうかは(*´∀`*)である。

 七ヶ岳へは国道121号で田島へ、国道289号で七ケ岳入口、荒海山は国道352号で会津高原尾瀬口駅方向、会津高原尾瀬口駅を見送り、荒海川の橋(銅竜橋)の手前に「荒海山(太郎岳)登山道案内図」(手前に入口らしき道が有るので注意)が置かれている。

国道352号を尾瀬方に走ると、金竜橋、銀竜橋と続き、中山トンネルを抜けると、番屋・精舎・八紘などの地名がある。


八紘鉱山跡 歩き出し、規模の大きさに驚く

 国道352号から左折、入口は未舗装だが直ぐに舗装道、この舗装も短く、今度はちょっと荒れ気味の未舗装が続く、左のキャンプ場を見送り、デコボコの荒れ道を走り約20分、急に狭くなってここが八紘鉱山跡と判る。

この鉱山は1950(昭和25)年〜1969(昭和44)年、銅・鉛・亜鉛・硫化鉄を産出した、八紘鉱山の選鉱場の跡地。道沿いには映画館、繁華街が広がっており、従業員545人、人口2,328人を数え、八紘鉱山小学校が設置されたほどだったと言う。2014(平成26)年6月にユネスコの世界文化遺産に登録される見通しとなった群馬県の「富岡製糸場」みたいに世に再び現れることはないだろう、そして自然に深く溶け込んで、国道352号が尾瀬御池に通じる路に比べ静かな戦後の遺産である。

 

 迷惑の掛からないように道の端ギリギリの崖崩れが発生しても安全な場所に止めて歩き出す、人影は全くない。大規模の石垣に昔の繁栄を感じながら進むと、道幅が半減し、荒海川を渡り雪解けでぬかる道、以後荒海川に沿って進む。

 

 
左:荒海川沿いに!           右:残雪が林道を阻む

 

 3月に降った大雪、その残雪が道をふさぐ、八紘鉱山跡が続くが、美しい渓谷が続く。

 

  

左:雪解けの水が流れ出る         右:登山ポスト

 

 登山ポストが置かれ、投稿を試みるが、記入用紙が無く、空き紙を見つけ書き込み投稿(投稿しない人が災難い会いやすい)。

 


一回目の渡渉点

 

 ダムの様な一回目の渡渉点、ここは右の斜面側を進み、思い切りジャンプすれば濡れずに通過!

 

 
左:滑ると渓谷に流れ込む              右:豪快なダム

 

 目の前の行く手を拒む残雪、この場合はできる限り上側を横切って進む、一歩誤れば谷底へ、二度と上がれない!次は残雪の川側の石垣の縁でよろめかないよう慎重に通過する、この石垣がどんどん崩れ落ち、通過不可能の所があり、その面積・長さを広げている、ここでも人の足あとは無い。

 

 
左:左から滑り落ちる       右:荒海山を望む 

 

左の斜面を見上げると、滑り落ちてくる雪、さらに雪の上部は今にも落ちて来そうな岩が張り出している。よやく道が安定し、見上げると雪化粧の荒海山が見える。

大きな堰堤を見ると、林道は終わり、左上に進むルートが有るが、ここは右下に下り、河原に下りる。左から2本の川が流れ、これを横切る、問題は無く進むが道標が有っても文字が消えている、地図を見るとここで大きく右に折れ、「川を渡る、飛び石」とある。

 

 
左:二度目も渡渉点               右:尾根への取り付き点(標高:950b)

 

 川は直進、飛び石の渡渉点を渡ると、目も前に荒海山の道標が木にぶら下がり「荒海山」の文字がピンクの紐に隠れ撮影不可なので紐をずらすと、写真のように撮影。

 

 
左:沢を登る           右:厳しい尾根取り付き点、コゴミが多い

 

 最初は左に美しい沢を見て、好ましい登山道を登る、堰堤の横に着き、ここで小休止、コゴミ「クサソテツ(草蘇鉄 イワデンダ科)別名コゴメ、カンソウ、ガンソウ。若芽はコゴミ(屈)といい山菜で、ワラビほど強くない独特の(ぬめり)があり、ゼンマイなどと違ってアクがないため調理が容易でとても美味しい」が現れる。

木の根元に「荒海山登山コース」の道標を見ると、直ぐに沢底を登るようになる、美しい「リョウメンシダ(両面羊歯 オシダ科)各地の山地の谷間や斜面の湿ったところに生える、まさにここは適地、葉は黄緑色から明るい緑色で、3回羽状複葉、葉の両面が同じ色をしている」、そしてクサソテツ(コゴミ)はちょっと離れた場所に生えている。

やがて、厳しい尾根も取り付き点、左に沢を見て尾根に入る。

 

 

左:太い綱             右:イワウチワ
イワウチワ(岩団扇 イワウメ科)の群生、山頂直下まで多く見れます

 

 尾根取り付く、険しい坂道、イワウチワの小群落を見ると、登山道はやや平坦になる。

 

 
左:え!まだまだ遠い荒海山                   右:急な沢登り

 

 右に荒海山が大きく見え、まだまだ遠方です、美しいヤマツツジは雪化粧の荒海山を浮き立たせる。再び綱場、地図には涸れ沢と有るが水が流れ靴からズボンまでビショビショ!

 綱の無い枯れ木の積もった沢を登る、沢から出ると、土道の急当、また、綱場!ここを頑張って登る。

 

  
左:町村界尾根鞍部 右:ヤマグルマ(山車)ヤマグルマ科
ヤグルマソウの葉は写真のように枝先に輪生する、葉柄が赤いので、ユズリハのようにも見える。
葉身は倒卵形で、先が尾状に尖る。質は厚く、表面は濃緑色で光沢がある。
この質感と形は独特で、縁は上半分に鋸歯がある、大きな木に実の残骸が見える。
新芽はタブノキの芽に似るが持ち帰った芽は6枚の葉に包まれ15_でこれから芽吹く!

 

登り切ると、平坦、右に標高:1250bのピーク、ここは標高:1170bの町村堺尾根鞍部(栃木県藤野町・福島県舘岩村)で、ブナ林の綺麗な尾根、木々を通し雪化粧の会津駒ケ岳だろう、とても綺麗です。足元にイワウチワが可愛く咲き誇る、ブナ林が終わると、ヤマグルマが沢山生えている、樹林帯に入るとサワラ(椹 ヒノキ科)が目立つ。

サワラとヒノキ(檜、桧 ヒノキ科)の違いは葉の裏で、ヒノキにはY字の模様がある、サワラは手を広げたときの指の模様が面白い。

 

 
左:七ヶ岳が雄大 右:木々の根が張り出す

 

 尾根道は1本、迷うような所は無い、時々右が開け、振り向くと七ヶ岳が雄大に見える、八ヶ岳とは違った魅力がある。

 


シャクナゲの群落

 

 サワラ、ヤマグルマに変わって、シャクナゲが増えてくる、足元にはイワウチワが続き、ショウジョウバカマも多くなって、小さな鞍部を二つ、足場が悪い箇所にはロープが置かれ、だんだん、高度を上げる。

 


荒海山が近づく

 

展望が無くなり、黙々歩き、パット開け、那須連峰が見え、荒海山がだんだん近づき、足もやや早くなる。

 

 
左:ショウジョウバカマ(猩々袴)ユリ科        右:ゴヨウマツ(五葉松)マツ科

 

二つ目の鞍部を過ぎると、登りがきつくなる、巨岩が目も前に現れる、岩の右を巻き進む。


巨岩を巻いてクライマックスへ

 

 道は険しくなって、横に進む所にロープが置かれ、右下が下まで深く落ち込んでいる、横切ると今度は急坂を登る。

 


山頂直下 この上に雪庇で上がれない!

 

目の前に雪の壁、雪庇が見える、既にアイゼンを着けているが、ピッケルやロープは無い、これでは手も足も出ない!

今年の春先も記録的な大雪4/22に登った石裂山(標高:879b)では、低山で植林の杉が倒され登山道を覆っていた、ここは標高:1580bで植林の杉は無いが、例年を遥かに越えた積雪で無理は出来ません、ここは日を改めて来ればいい!(今年の4月に単独で会津高原尾瀬口駅から荒海山を往復し、山頂で展望を楽しんだと言うネット記事を読み、高度な登山技術には感心します、私は撤退する勇気を持っているつもりです!)

 

これで会津朝日岳と合わせ2座目の山頂直下で断念記録、この会津朝日岳は登山禁止中で「2014年 「福島県の山」 6月・7月・8月・10月山開き」には問い合わせ先(只見町 観光まちづくり協会 0241825250)で中止になっている、今年は会津朝日岳と今回の荒海山のリベンジを計画したいものです!荒海山も会津朝日岳も登りはツライけど魅力タップリで山頂からの展望は360度とのことだ!

 

八紘鉱山跡から最近の足跡も無く、人の気配、山菜採りの人も見かけない、、、、こんな素敵な山を無理して騒ぎを起こしてはならない、断念(悔しい!)は正解!

 


雪庇の下ギリギリから中山峠の山々と七ヶ岳

 

断念した横に笹藪、その上の残雪から、七ヶ岳を眺め、昼食、展望を楽しみ、山頂からの燧ヶ岳・会津駒ケ岳・男鹿山塊・高原山・那須連峰・日光連山の大展望は次のチャレンジに残し、断念の場所から同じ道を引き返す。

 

雪化粧の会津駒ケ岳

 

 

左:尾根道のイワウチワ       右:町村堺尾根鞍部から沢下り

 

町村堺尾根鞍部から下り、ロープ場で横道に入らず、そのまま直接急な沢を下ってしまい、危ない思いを!

 

 
左:大きな堰堤 右:葉の広いスミレ

 

町村堺尾根鞍部から下り切ると、見慣れたコゴミの群生地に下りる。ここで道を間違えことを再確認。

 

 

左:二つ目の渡渉点の河原                   右:荒海川の渓谷

 

 今度は、二つ目の渡渉点を目指す、急坂は無いが、荒れた沢底を浮石を踏まぬように下る、大きな堰堤を直ぐに、二つ目の渡渉点。渡渉する訳だが、朝より水量が増し、飛び石では無理、仕方なく靴を履いたまま渡り、対岸で靴下を絞り履き直す、登山靴ではなくスニーカーなので乾きは早い、河原で小さな沢を横切るが、この沢も雪解け水で増水している、今日は気温が上昇し雪解けのスピードは上がっている、気温と言えば、山菜のコゴミも朝は丸まっていたが大きく伸びている、山菜採りは早朝が良い!

 ポカポカ陽気、荒海川の渓谷を楽しみ、下る、雪解けの縁のフキノトウを摘む、何時の間にかコゴミは持ちきれに多さに、登山と山菜採りは同時に行ってはいけない、山菜採りは登山とは違うようです。 

 

 

左:エンレイソウ(延齢草)ユリ科     右:ヤマエンゴサク(山延胡索)ケシ科 

 


クサソテツ(草蘇鉄)イワデンダ科 別名コゴメ、カンソウ、ガンソウ。

 

朝と比べ、成長が早い、コゴミ。

 

 
左:これも山菜                        右:人口の堰堤の自然に溶け込む  八紘鉱山跡は近い

 

ゼンマイ(ワラビ 薇 ゼンマイ科)、コゴミ(クサソテツ 草蘇鉄 オシダ科)、オニヒカゲワラビ(ガンソク 鬼日陰蕨 イワデンダ科)も山菜、川岸に生えている。

 

 

八紘鉱山跡

 

 荒海川が静かな流れになると、八紘鉱山跡に着く、車に「山の掟」(滝原区 地域見守り隊)が置かれている、裏面に滝原エリアマップが、会津高原尾瀬口駅プラザ「憩の家」からのマップで荒海山登山マップでは無いが、会津高原尾瀬口駅から、中山峠に向かうと白樺大自然林が面白そうです、また、銘水「モーレンの湧き水」は県外からボトルを持って来る想です。

 

 国道352号に出て会津ラーメン(手打ちそば おり田)を頂き休憩、今年は特に桜が綺麗に咲いたと店員さん!一杯550円は美味しい。鬼怒川か塩原を経由するか迷うが、国道400号に入り、道の駅「しおばら」の先で矢板方面に右折、矢板IC手前で早めに国道4号に出てしまう方が空いている、国道408号に入れば渋滞にはほとんど關係なく走れます。筑波山が見えてくれば、つくば市は直ぐです。

 

HP:わたしの天気予報