アカヤシオの花を求めて in2014    栃木県:鹿沼市(粟野町) 
石裂山(おざくさん 標高:879b)(低山だが日光連山・足尾山塊の展望は素晴らしい)

日程:2014422日 (火)晴れ時々曇り


アカヤシオ (赤八汐) ツツジ科
我が家に紫色のツツジの花芽が膨らみ開く直前になると
石裂山
、標高:879b辺りのアカヤシオが気になる。
2013
年は4/24に標高:570bの二股山、 
そして周辺のアカヤシオの山を歩いてみると、
鳴虫山
禅頂行者の道(薬師岳・夕日岳・地蔵岳)へ短期間に標高の高い山へ続く。
 
徒歩:11,551

 
ハルトラノオ(春虎の尾) タデ科
筑波山にもよく生え、タデ科に穀物の蕎麦、イタドリ、ギンギン、スイバ、ミズヒキ、イヌタデ、
タニソバ、ミゾソバ、イシミカワ、アキノウナギツカミな続き、
イブキトラノオがハルトラノオに似ている。

コース

つくば市城山8:15=(国道408号)⇒長田交差点=(国道352号)⇒東武日光線新鹿沼駅・石橋町交差点=(R14 古峰原街道)⇒上日向交差点=(R240)⇒石裂山加蘇山神社=(林道)⇒10:16石裂山登山駐車場10:17―(0:28)→休憩所・東屋10:45―(0:01)→月山コース分岐10:46―(0:02)→カツラの巨木「加蘇山の千本かつら」10:48―(0:20)→中ノ宮11:08―(0:07)→加蘇山神社奥ノ院11:15―(0:12)→ヒゲスリ岩11:27―(0:18)→東剣ノ峰11:45―(0:11)→11:56西剣ノ峰・展望台12:00―(0:05)→御沢峠(みさわとうげ)12:05―(0:07)→三差路(石裂山・月山・西剣ノ峰)12:12―(0:02)→12:14石裂山12:20―(0:06)→12:26月山12:58―(0:11)→鞍部13:09―(0:08)→大岩壁・石祠13:17―(0:09)→沢出合13:26―(0:20)→月山コース分岐13:46―(0:30)→14:13石裂山登山駐車場⇒帰宅

 国道352号が鹿沼市に入ると、東武日光線と並走し、新鹿沼駅入口を過ぎ、国道121号「東北自動車道鹿沼IC」方面から合流する、その次ぎの石橋交差点で左折し、R14に入る、上日向交差点でR14は右に曲がり古峰神社へ、「石裂」はR240、後は「石裂」の道標を追いかける、R240に入ると二股山入口の小さな道標があり、再び古峰神社への道を見送り、だんだん幅が狭まってくる、一台の幅になってR240の終点に石裂山加蘇山神社(かそさんじんじゃ)が有って、石裂山登山口の駐車所に入るには更に細い林道を数分走ることになり、2月の大雪で杉が倒れ道を覆い大きな車は通れない。

R240の終点に石裂山加蘇山神社:ここが終点では無く、林道横根線の林道になり、上久我寄粟の大滝や古峯神社、横根山へ続いているようです。

 
左:荒れた堰堤                         右:下山の人々 「木々の倒れが多く、歩きにくい!」とのこと

10時を過ぎ、早い人達は下山、前回と雰囲気が違う、荒れているのだ!下って来る人に聞くと、2月に大雪で杉が倒れ、美しい沢に枝が流れ、無造作に散らばっている、これも里山の姿かも知れない。今年は、スギ花粉が少なかった原因はここに有りそうです、NHK天気予報(花粉情報)も現地を見た予報ではなく、気象庁の予報を告げるだけ、その気象庁は関東各地の山々のスギが花粉を飛ばす前に大きな被害が有ったことを知らせない、例年のスギの成長・風向き・気圧配置・・等の過去の情報からのみ、現地の生の現状は知る余地もない!

 
左:アズマイチゲ(東一華)キンポウゲ科        右:トウゴクサバノオ(東国鯖の尾) キンポウゲ科

 登山道脇の沢の美しい滝も同様に杉が絡み、荒れ放題、きっと東日本大震災の被害にあった山はこれ以上の悲惨かと思う!石裂山の花、ハルトラノオやトウゴクサバノオは東日本大震災の被害、大雪の被害に周囲が在っても、登山道沿いに無数に生え無傷です。そしてハルトラノオはアカヤシオは山頂付近まで続き、トウゴクサバノオは沢の源頭辺りで終わっている。

 
ネコノメソウ(猫の目草)ユキノシタ科
左:花が散った後 右:花が満開
まったく違って見え、別の植物のようです!

 高尾山、筑波山、加波山、宝篋山、雪入山にも多く生え、ここのネコノメソウは登山道入口から休憩所辺りまで続いて生えている。

歩き出し、56分汗が額を流れ、背中を濡らす、一枚脱ぐ、三人の男性が追いつく、彼らは休憩所で着替えるらしい。ここ数日は3月上旬の気温だったが、今日は平年並みか以上と暑い。

アカヤシオの鑑賞登山は登って見ないと判らない、ちょうど見頃か、咲く前か、咲いて後か?と心配しながら登り続ける。荒れた沢を横切るが、沢沿いに足跡、足跡を追って登ればハナネコノメが、、と探しながら進む、大雪の被害は大きく、登山道を忠実に進むとまもなく休憩所

 
左:休憩所          右:倒された道標

 先に進んだ彼らは休憩所でドット腰を下ろし休憩、栃木の方らしい、私は植物を探し写真を取りながらのんびりと先へ、休憩所の先はさらに被害が大きく眼下の美滝にも倒されたスギが流れ込み、美しい滝は姿を変えないが周囲との風景はたまらない。

 千本桂0.1`・奥ノ宮0.6`(下山時判ったが、ここが月山コース分岐だった)の道標は登山道の左上に有ったのに、右の沢方向に倒されている。月山コースを登る予定が、ここを直進してしまった、鎖場等の通過を考えると、直進し月山から下山とした方が安全で楽かも知れませんが大差はありません。

 
左:カツラの巨木「加蘇山の千本かつら」               右:ハナネコノメ?

この辺りのスギの被害が一番大きく、登山道はぬかり、やっと木々の上を、横を通過し、沢を見下ろすようになって、巨木のカツラが見える、このカツラは沢の中央に生え、まったく大雪の被害は無い、天然林の凄さを感じますね。カツラは仏教の霊木と言われ、正にここの大木は霊木。


霊木を上から

沢を渡渉、振り向くと霊木が見事で美しい新芽を伸ばしている。石裂山にはアカヤシオの花期以外は登っていません、カツラ(桂、カツラ科)は落葉高木、日本で自生するものはブナ林域などの冷温帯の渓流などに多く見られるそうで、ここは渓流ですよね、秋には黄色く紅葉し、落葉は甘い香り(醤油の良いにおいに似ている)、雌雄異株、石裂山の巨木は雌か雄かな?


倒れたスギ、登山道をふさぐ!

アカヤシオの見頃の時期は、早く、まだ山菜採りの人も少ない、だが、最低限通過出来るように、伐採がされている、スギが倒されているが、登山道そのものが崩れた跡は無く、修復にはそう長くはかからないだろう。中ノ宮まで倒れたスギを避けて進むが、斜面の上を回るか判断する箇所もあるが、ここは乗り超えゆく。沢を離れると、左に残雪、これを見て、登りきると中ノ宮跡の広場に出る。この後倒れたスギは無く、こんどは本来ならの厳しい山道になる。


中央の中ノ宮跡にハルトラノオが密集

 さて、ここから鎖場、コツは鎖を補助的に使って、足元に注意し、デジカメなど手に持たず両手は空けること、一歩一歩登る、一本の鎖を二人以上が使っては共倒れになる、慣れている人は鎖を使わずあっというまである。ただ、鎖が太いので小学生は慣れていないと難しい、ここをパスしない人は、この後の長い梯、月山コースの下山の急坂道を楽しめないと思った方が良い。

 
左:石裂山の最大の鎖場          右:石裂岩、一枚岩

 鎖場を登れば、一枚岩の石裂岩、ここを登れば岩穴に加蘇山神社の奥ノ宮がある。

 
左:加蘇山神社の奥宮          右:最初に目に入るアカヤシオ

長い階段が奥ノ宮へ向かって一直線に伸びている、初めて石裂山に登った時はこの階段を往復、今日はパス。


木の根の急な尾根道

奥ノ宮の下から、薄暗い谷を巻くように細い登山道が左の尾根に向かっている、尾根は木の根をよじ登る、ピンク色のアカヤシオが咲き、ようやく出逢えたが、厳しい登り、アルミ製の橋が出てくる、左右、上下、アカヤシオが咲きだす。どうやら、山頂のアカヤシオは見頃でドンピシャのようです、次々と現れ写真を写しながら進む。

 
ヒゲスリ岩 前回はこの岩場の上部にヒカゲツツジが咲いていたが、見れない!

 足元、頭上に注意し、大きな岩壁、ヒゲスリ岩の下に着く、ここにも橋、一歩外すと谷底、綺麗なものは簡単には見られない!

 
左:カタクリ           右:スギに囲まれた稜線

 ヒゲスリ岩を過ぎ、岩場から開放され、カタクリがポツポツ咲き、東剣ヶ峰0.3`・石裂山0.7`の道標を見て、斜面をジグザグに登る、短い斜面を登ると、東剣ヶ峰0.2`・石裂山0.6`・奥ノ宮0.4`・加蘇山神社2.0`の道標のある稜線にでる。

 東剣ヶ峰は直ぐである。


美しい花に囲まれる

  
東剣ヶ峰辺り
 
綺麗、可憐・・・


東剣ヶ峰から梯子を下る 

東剣ヶ峰から鞍部に降り、登り返すと西剣ヶ峰、右に展望台、石裂山がアカヤシオに囲まれる。

 
 左:西剣ヶ峰            右:石裂山から

 西剣ヶ峰から長い梯子、御沢峠に降り、急坂を登って、稜線に出て、月山・石裂山分岐で左折、石裂山山頂。石裂山山頂の展望も良いが次ぎの月山の方が展望も良く・アカヤシオの本数も多く、稜線のアカヤシオを楽しみながら先を急ぐ!

分岐に戻って、ちょっと下って、小さなピークを越え、再び登り切ると、月山山頂に飛出る。


月山から日光連山

 
月山はアカヤシオの埋まる

 月山で、二人の男性が昼食中、アカヤシオ等山の話が弾む、高原山の大入道(標高:1402b)のシロヤシオが素晴らしいと言う、矢板から車で学校平、小間々台、大間々台まで入れる、何年か前に一度家族で小間々台に車を停め、剣ヶ峰をアカヤシオの時期に登っており、シロヤシオの花期に行って見たいものです。「大入道 シロヤシオ」で検索するとズバリ!

 
月山から急降下

日光連山の白根山・男体山・女峰山が望める所、姿は見えるが山頂は雲の中、昼食を終えても展望は変わらない、鳥居と小さな祠を残し、岩場を慎重に下る、アカヤシオが美しい!この辺りイワウチワの群生地、開花はこれから、露出した岩場を過ぎると、平坦になって、スギ林をジグザグに急降下、休憩所0.9`・加蘇山神社1.8`。

後は、植物観察と思い下るが、大雪の被害は大きく、ビックリ!

 
左:エイザンスミレ(叡山菫) スミレ科 右: トラノオシダ チャセンシダ科

杉林の下りで56人の登山者に出会う、ここを登ってしまえば尾根伝い、まもなく、アカヤシオが綺麗に咲いていると伝えると、「アカヤシオ?」と答える人、石裂山の登山には花以外の目的の人もいるようです!
 このスギの斜面にエンザンスミレ等のスミレ、美しい姿のイノデが生え、少ない光を大切に受けている。スギ林を下り切ると、巨岩、下に小さな祠、岩の周りにトラノオシダが群れている。鎖場を下り、今度はハルトラノオが現れる。

 
左:枯れ沢出合 右:残雪

 枯れた沢に降り立つと、岩にしっかりと根を張った木々、生命力!一息入れたいが、枯れた沢から岩場を巻くように下ると、真下に源流と思われる小さな流れが岩の間から流れ出す。思川を作り利根川に流れる。左に残雪が現れ、登山道を荒らしている、ぬかった斜面を滑らないように下る。


登山道はズタズタ!

再びスギ林、ここも大雪の被害、ただ、歩きやすいよう倒れた木は切られている、登山者にとっては問題なく通過、アカヤシオを思う存分楽しめ、感謝しながら、スギの木を潜ったり、超えたりと、、、、。

 
左:ここを通過して下る             右:ジュウモンジシダ オシダ科

 大雪でも植物は元気です。

 
イノデ(猪の手)オシダ科

下り切ると、月山でお会いした男性に追いつく。彼らもスギの伐採を実施し、私達に安全登山を与えてくれる人に感謝。


ここが、月山コース入口

月山コース・中ノ宮跡分岐の道標は沢方向に倒れ、月山コース入口を見落とし、中ノ宮跡から今回は登ったが、回遊コースであり、左右どちらから登っても面白いと思う!

往路に出て休憩所、駐車所は直ぐです。5月下旬から6月上旬はシロヤシオを見に行きたいものです。

HP:わたしの天気予報