豪雪地帯の明峰を訪ねて 会津朝日岳 (標高1624b)

 

日程 2006617日 (土) 晴れ


避難小屋から山頂への途中 ツバメオモト

コース

つくば市22:00=(国道2944084号)⇒矢板=(東北自動車道)⇒西那須野塩原IC=(国道400121号)⇒道の駅「たじま」=(国道400号)⇒田島1:10=(国道289号)⇒七ヶ岳入口・駒止湿原入口1:20頃=(国道289号)⇒只見町・黒谷川(橋の只見駅側左折)2:30=(道路:林道)⇒2:40いわなの里駐車場4:30―(0:15)―>荒禿(あらかむろ)沢4:45―(杉林(杉の倒木多い、0:25)―>残雪で登山道遮断5:15―(0:01)―>赤倉沢出合下(飛び石で渡る)5:16―(0:04)―>赤倉沢出合上(飛び石で渡る)5:20―(お花畑、0:25)―>三吉ミチギ(水場)5:45―(0:20)―>大木のブナの横6:05―(0:10)―>つな場6:15―(0:23)―>つな場6:38―(0:02)―>6:40人見の松6:50―(0:00)―>綱場6:50―(ヒメサユリ、0:10)―>大木の枯木ピーク7:00―(0:15)―>叶ノ高手7:15―(0:10)―>大クロベ一本目(ヒノキ科)7:15・大クロベ二本目(ヒノキ科)通過7:25―(0:05)―>鞍部・沼(イワウチワ群落見頃)7:30―(0:10)―>7:40残雪で登山道遮断(アイゼン着ける)7:45―(0:05)―>二本のブナ:雪渓7:50―(鞍部から山頂に向かって深い残雪、0:10)―>熊ノ平避難小屋8:00―(0:25)―>バイウチの高手8:25―(0:01)―>8:26山頂直下の雪渓【山頂手前0.5b断念】8:40―(0:15)―>熊ノ平避難小屋8:55―(0:25)―>鞍部・沼(生物の卵)9:20―(0:10)―>大クロベ9:30―(0:05)―>叶ノ高手9:35―(0:25)―>人見の松10:00―(0:35)―>三吉ミチギ10:35―(0:20)―>赤倉沢出合上10:55―(0:05)―>赤倉沢出合下11:00―(0:05)―>荒禿沢・杉林11:05―(0:30)―>11:35いわなの里駐車場11:50=(国道289号)⇒12:35駒止湿原入口駐車場12:55―(駒止湿原を散策、0:30)―>裏口13:25―(0:15)―>13:40駒止湿原入口駐車場=(国道289号)⇒田島=(国道121400号)⇒今市=(国道119号)⇒宇都宮=(国道4408294号)⇒つくば市

見た花ツバメオモト、ヒメサユリ、コケモモ、イワカガミ、マイズルソウ、ミヤマキスミレ(黄色い花)、タカネザクラ(?)、ニリンソウ、ヤマエンゴクサ、チゴユリ、サンカヨウ、ミツバオウレン、バイケイソウ、ミヤマカタバミ、エンレイソウ(黒)ショウジョウバカマ、カタクリ、イワウチワ、キクザキイチゲ、サイゴクミツバツツジ(濃いピンク)、ウラジロヨウラク、アズマシャクナゲ(花期は過ぎ)、カンボク、タムシバ、ニシキウツギ

 

  只見線只見駅は浅草岳に登る時に利用している。会津朝日岳の登山口入口は駅から車で5,6分。西那須野塩原ICで降り塩原温泉を通過、今市からの国道121352号が合流し道の駅「たじま」、次の三差路で右折し田島へ向う、田島から国道289号で只見へ向う。

  夜中で迷い只見駅まで行き戻る、朝日小・中学校の標識・交番・郵便局などが有って黒谷川に架かる橋の只見駅側に小さい会津朝日岳の道標が有る、展望の良い時はこの橋の上から浅草岳が雄大に見えます(下山後の帰宅時に印象的な風景の雪化粧)。

  黒谷川を左に見て「いわなの里・会津朝日岳」の標識に従がって右折、民家の中を走って、民家が終わると巾が狭くなる、左には黒谷川、まもなく、いわなの里の広場に出る、ここまで舗装道路、この広場は三差路で会津朝日岳の駐車場は右折、真直ぐ林に入る林道に入らないように!

  右折し、いわなの里の建物を右に見送ると直ぐに古い会津朝日岳の標識、平坦の道を200bほど入ると20台程度の駐車場に到着する。ブナの原生林に囲まれたとても雰囲気が良く明るい所です。トイレは有りません。

  登山ポストに登山届を入れ、直ぐに赤倉沢に架かる橋を渡る、歩きやすい林道(車は入らない)沢底には積雪が現れる、その積雪の上は豪雪に削られた険しい山肌が印象、恐いくらいだ。
 
二本目の橋、荒禿(あらかむろ)沢を渡る。この辺り植林の杉林、ぬかるみの所も有るが10b程度、左の沢と沢の奥の斜面に残雪が多く、この辺り肌寒い。豪雪に倒された杉が何本も現れ道をふさぐ、本格的な登山道に変わり水が足元に流れている、昨日の雨水だろう。

  杉林が終わると、サンカヨウが現れるが散っている、色の黄色いスミレやニリンソウが目を楽しませてくれる、登山道の脇にも残雪が見れ、その先で道は雪で遮断、その先の登山道に見頃のサンカヨウの群落を見る、ここは綺麗に咲いている。水量の多い沢(左に見えていた赤倉沢)に出合う、橋は架かっておらず、飛び石を使って横切る。


赤倉沢とサンカヨウ

  渡り切ると、ニリンソウ、サンカヨウの花道になる、直ぐに傾斜が大きくなってきて、サンカヨウはスッカリ散っている、沢は右に見え、再びその沢に出合う、この出合いは先ほどの場合より狭いが足元が不安定で水量の多いときは難しい。

  赤倉沢 山頂4.0`の道標、登山道は左右沢に挟まれた小さな尾根状に変わる、バイケイソウが群生、雪解け後すぐのためか、カタクリ、ニリンソウ、サンカヨウ、エンレイソウ(黒花)と次々と現れ特にニリンソウの群落は見事。

  突然登山道が雪崩に埋まる地点、巾数10b、傾斜がゆるく問題無く横切る、登山道に出て傾斜が大きくなって、ようやく谷から抜ける。

  沢から離れ5,6分、振向くと谷を挟む左右山の斜面は急激な切り立ちで谷底に落ち込んでいる、新緑が美しい。紅葉時期も素晴らしいであろう。

  三吉ミチギに到着、今日は山頂まで残雪、雪の無い時は最後の水場です、上から流れ落ちる雪解け水も加わって水量は充分。


三吉ミチギを過ぎると樹林が美しい
雪の重さで曲がるブナ林

  ここから急登が続く、豪雪で倒された木々が頭上を被い、時々頭に当る、ナラとブナ美しい樹林に体を預け、ジグザグの道を登り詰める。登山道は露岩もなく、安定しとても歩き易い、時々大輪のイワイチョウが現れる。

  深い樹林帯で展望はよくないが、時々大木のブナの枝間から只見の山々が望めるようになると、いくぶん傾斜がゆるむ、ゆるんでもまだまだ登りは続く。大木のブナが次々と現れ、濃いピンクのツツジに真っ白いタムシバが綺麗だ。


ブナ&ツツジ(サイゴクミツバツツジ)&カンボク

  沢から離れ初めて枯沢が目の前に現れる、ここは大きく右折するが沢の向こうにサクラが咲いている、登り続けると、つな場、ここを通過すると展望が開け明るい所、登山道脇には残雪、気温は上がって汗がほとばしる、雪解けの後にイワイチョウ、カタクリが咲いている。

  さらに登るとエンレイソウ、カタバミ(白花)の小さい群落、ブナの本数が少なくなって、タムシバとツツジ(濃いピンク)が見頃。


タムシバ

再び、つな場を通過、今度は芽吹きの林、新緑はこれから。カタクリの群落を見る、直ぐに上が残雪、展望の良い人見の松に到着。

  人見の松、急にガスが広がって展望ゼロになってしまう、ここから稜線、岩場の尾根が続く、直ぐに、つな場、登るとヒメサユリ、山頂直下までヒメサユリはここだけに咲いていました。


ヒメサユリ 会津の山々に咲く

  浅草岳が美しい所というが残念、ここから潅木に囲まれたなだらかな尾根歩き、低木で、つゆに濡れる、足元には花の終わったカタクリが多く現れる、マイズルソウ、ウラジロヨウラクも咲き、叶ノ高手に到着。山頂2.1`地点。

 ピークから下り、大クロベ、驚くほどの太い古木、ヒノキ科とのこと、さらに下るとまた大クロベ、こ下りにシャクナゲガ多いがスッカリ花期は終わって二輪ほど綺麗に咲いているていど。この尾根はブナがとても綺麗です。

下り切った鞍部には、雪が残って雪解けにはイワイチョウの群落で見事。

  ここから熊ノ平避難小屋の手前まで上下の少ない道が延々と続く、鞍部から10分地点で残雪、道を大きく遮断、アイゼンを付け横切る。

  ガスが切れてきた、左に朝日岳が姿を現す、その斜面下の樹林の中に小屋が見えてくる、二本のブナの下で大きな残雪、雪渓が現れる、小屋への登山道:熊ノ平はこの雪の下、残雪の上に立つと雪の白さと美しい緑のブナがとても美しい光景を見せてくれる。

  足跡も無く、さっき見えた小屋の位置を確認し、30bくらい樹林の淵を登ると小さなピンクのリボン、小屋に向って細い登山道が登っている。

  熊ノ平避難小屋の横に山頂への道、小屋に立寄る、広く15,6人は泊まれそう、裏に回って見ると美しいブナ林があり、この林が小屋を保護しているのだろう。


熊ノ平避難小屋の裏の見事なブナ
紅葉時期は小屋泊で満員になるという!

  登山道に戻って、急登、ここはまったく雪が無く、美しいブナを見ながら少し登ると足元に純白の花を咲かせたツバメオモトが沢山現れる。さらに登ると花を落としたツバメオモト、青い実に変わるのは近い。

  なおも急登、バイウチの高手に飛出る。ガスが切れ素晴らしい展望。


山頂直下地点から雪渓の右を見上げる

林を抜けると山頂直下最後の登りの取りつき点、大きな雪渓が待ち受けている。

  取り付くと同時に、登ろうとする斜面の左上から雪崩、大きな音を立てて斜面を駆け下る。


雪崩、直後撮影 約幅30b
崩れた位置から50bの位置を登ることになる

再度取付き点に戻って、山頂へのルートを再確認、ルートと思われる右側は何時崩れ落ちてもおかしく無い大きな雪壁で通過は無理、ルートの左はさっき発生した雪崩に近い所を通過する。雪の斜面に足跡は無い、この30bのこの斜面を登って、一度中断に出て、最後の登りになる。

小幽沢のカッチは完全に雪の下。

 山頂は断念、紅葉の時期に再挑戦することを楽しみに!今日はツバメオモトやヒメサユリに出会ったから満足。


バイウチの高手から山頂へのルート 中央の残雪ルート
中央の残雪ルートの左右は登山道は無い

ガスが切れ、山頂も見えてくる。一人の青年が登って来る、小屋を過ぎ、雪渓に出ると男女4人、なおも下るとまた男女4人。

  帰りは二本の大クロベを見て叶ノ高手に登ると下りのみ。叶ノ高手から人見の松か間は朝日岳が美しい。


   
叶ノ高手から少し下って振り返る 奥のピークが会津朝日岳

  来週25日は、只見町では会津朝日岳の山開き、その事前調査とのことで登って来る、
花の写真を撮りに来たと言うご夫婦、人見の松を通過して下ると3人の男性が登って来る。

  三吉ミチギを過ぎると、お花を楽しみながら下る。

赤倉沢を二度横切って荒禿沢の手前で地元の叔父さん、山菜採り、今年は雪が多く雪解け後から次々と採れるそうです、熊狩りもやっており、今年も数頭捕えたとのこと。この叔父さんの家はいわなの里から下って一軒目家だそうで、会津朝日岳の山開きは20歳頃から参加、現在は山菜採りで山開きは後輩に任せている、だけど熊狩りは80歳まで現役でいたいと笑顔、さっそうと車を運転し戻ってゆかれた。

  国道289号に出る黒谷川に架かる橋の上から浅草岳が美しい、まだまだ雪化粧。
只見町のホームページによると、2006年の山開きは浅草岳:79日、会津朝日岳:625日、蒲生岳:64日(過ぎている)

  南郷村ではヒメサユリの旗が沢山立てられている、案内は高清水自然公園でヒメサユリが自生し保護されている。

  駒止湿原の標識から駒止湿原へ、駐車場からあふれた車が林道に停められ大賑わい、大型バス三台もやって来る。


駒止湿原 タテヤマリンドウ

湿原に入るとミズバショウは終わり、ワタスゲは小雪が降ったように可憐で見頃、ニッコウキスゲは小さなつぼみ(本数は少ないようです)、タテヤマリンドウが沢山咲いている。

HP:わたしの天気予報