2016/11/8 筑波実験植物園散歩 今週のベスト3!:イイギリ、ガマズミ、イソギク

ハマギク、イソギクが見頃、高尾山に大木のイイギリ、美味しくなったガマズミ。
そしてヒトツバカエデ、ハウチワカエデが美しい紅葉、メグスリノキは数日以降。

2016-012

日程:2016118日 (火)曇り

 今週のベスト3

 
左:イイギリ(飯桐)イイギリ科                     右:ガマズミ(鎌酸実、莢迷)スイカズラ科 

 

イイギリは高尾山の金比羅台辺りから大木が見られます。今は赤い実が房になって落ちそうです。花は6月頃ですが、筑波実験植物園の木の大きく見上げてもよく見えず、目立たない。

ガマズミ、霜が降りると美味しくなる。鎌酸実の名前の由来は、実が酸っぱいことから。

 


イソギク(磯菊)キク科

 

イソギクは九十九里や犬吠埼の海岸に沢山咲きますね。可愛い花ですね。

さて、園内を歩いて、紅葉を探しましょう!

 
左:ツワブキ(石蕗、艶蕗) キク科         右:コマユミ(小檀)ニシキギ科

 

ツワブキは常緑多年草で、冬でも葉が緑のままで、1年や2年で枯れること無く、よく生き残れる草である。葉柄は食用になる。つやのある大きな葉を持っており、毎年秋から冬に、キクに似た黄色い花をまとめて咲かせる。葉の間を抜けて花茎を伸ばし、その先に散房花序をつけ、10月の終わりごろから12月の初めごろにかけて直径5aほどのキクに似た黄色い花をまとめて咲かせる。そのため日本においては、「石蕗の花(つわのはな)」や「いしぶき」は初冬の季語とされている。

コマユミの葉は対生。「小さいマユミ」が名前の由来です。庭木でおなじみの「ニシキギ」の野生種がこのコマユミで、ヒレのあるなしで見分けます。枝に顕著な翼があるのがニシキギで、翼のないものがコマユミです。

 
左:マルバノキ(丸葉の木)マンサク科                   右:ヤマグルマ(山車)ヤマグルマ科

 

マルバノキは、丸みを帯びたハート形の葉をもつ落葉低木。葉は春には鮮やかな若葉、秋には赤く美しい紅葉。マルバノキの花はほかの落葉花木とは違い、赤く色づいた葉が散り始めるころに咲き始めます。咲き方も変わっていてマンサクのような形の赤い小さな2つの花が背中合わせに咲きます。やがて結実しますが、刮ハはそのまま枝にぶら下がり、翌年の秋に熟して2つに裂けます。赤くてマンサクに似た花が咲くことから、ベニマンサクと呼ばれることがあります

 

ヤマグルマは荒海山で見られます、実物はとても綺麗です。山地に生え、雄しべや枝・葉が、車の輪のように付くのでヤマグルマの名。学名も、「車輪の木」の意味。新芽はタブノキの新芽に似ている。5月に、枝先に総状花序を出し、黄緑色の花を多数つける。ヤマグルマの花は、花弁や萼が無い。

 

 
左:キクタニギク(泡黄金菊)キク科                 右:コハマギク(小浜菊)キク科

キクタニギクは本州〜九州、朝鮮、中国に分布する多年草。葉は互生し、長さ57aの長卵形で5深裂する。両面に細い毛があり光沢がない。茎の上部で枝分かれし多数の頭花をつける。頭花は直径1.5aほどで黄色い舌状花と筒状花からなる。花期は1011月。キクタニギクという名前は、京都東山の菊渓の菊の意味だそうです。別名:アワコガネギク(密生している花が泡のように見えることからで、この方が覚えやすいですね。)。黄色の野のキクだとキクタニギクと考えたい。

 

コハマギクの葉は長い柄があり、縁が5つに切れ込み、卵形。へら形の葉を持つハマギクとの区別は容易です。

 

 
左:ハマギク(浜菊)キク科                右:ゼニゴケ(銭苔)ゼニゴケ科

 

コハマギクの葉は縁が5つに切れ込み、卵形で、ハマギクはへら形の葉を持つ。これってコハマギクと比べてください。ハマギクは白くて大きな舌状花がよく目立ちます。

 

ゼニゴケは人家の近くにみられるコケであり、茎と葉の区別がなく、表裏の区別がある苔類である。やや湿った場所に見られることが多い。裏側から仮根を出して地面にしっかりと張り付いており、除去しにくいので嫌われることもある。

 

 
左:ゴンズイ(権萃)ミツバウツギ科                 右:シャシャンボ(小小坊)ツツジ科

 

ゴンズイは果実はミカンの房状の袋果。9月半ばには、赤く熟して裂け、中から黒い光沢のある種子が、12個現れる。筑波実験植物園は大木がある。

 

同じ頃咲く、似た花:クサギ(臭木)シソ科

 

シャシャンボは7月頃に白色の壺状の花が咲く。花序は総状で、前年の枝の葉腋から出て、やや横向きに伸び、多数の小さな葉が付いている。果実は小さい球形の液果で黒紫色に熟し、食べることができる。ブルーベリー類と同じく、アントシアニンを多く含む。ブルーベリー、ナツハゼ、コケモモと同じツツジ科スノキ属。変わった名前は「小さな坊や」から。写真の実は食べられる。

 

 

 

 

 

 
左:クロモジ(黒文字)クスノキ科                                右:ヒトツバカエデ(一葉楓)ムクロジ科

 

クロモジは筑波山にの多く、紅葉の美しいですね。

 

ヒトツバカエデは燕山(加波山と並んでいる)2013年11月3から加波山方向に下る辺りで立派なヒトツバカエデを見ることが出来ます。対生.葉身の長さは718aで,ふちには鋸歯がある。雌雄同株、総状花序に淡黄色の花をつける。花期:56月。別名:マルバカエデ(丸葉楓)。

 

 
左:ハウチワカエデ(羽団扇楓)ムクロジ科         右:メグスリノキ(目薬の木) カエデ科

 

ハウチワカエデ北海道〜本州の山地の谷間や谷間に続く斜面に多い。関東地方では標高9001800bに生育する。高さ510b、直径2030bになる。樹皮は灰青色または帯灰褐色。成木では浅く縦に裂ける。本年枝は紅紫色または赤褐色。無毛で光沢がある。葉は対生。葉身は直径712aで、掌状に浅く711に浅裂または中裂する。基部はハート形。裂片は挟卵形で先は鋭くとがり、ふちには重鋸歯がある。葉質はやや厚い。若葉は両面に白色の軟毛があるが、成葉では裏面の主脈および脈腋に毛が残る。葉柄は葉身の2分の14分の1の長さで、白色の軟毛がある。雌雄同株。一つの花序に雄花と両性花が混生する。紅紫色の小さな花を複散房花序に1015個つける。花序は有毛。花弁と萼片は5個。雄しべは8個。葯は黄色。果実は翼果。分果は長さ約22.5a、ほぼ水平から鈍角に開き、ふつう軟毛がある。79月に熟す。花期は45月。冬芽の芽鱗はふつう4対。下部は黄白色の膜質の鱗片に包まれ、鱗片の内側には長い毛が生える。頂芽はふつうできず、枝先に仮頂芽が2個つく。

 

 

 

那須岳(茶臼岳)へ:沼原湿原から白笹山→南月山→日ノ出山→茶臼岳→姥ケ平→沼原湿原
ミネザクラ、ショウジョウバカマ、マイズルソウ、ムシカリ、ヤマツツジ、コケモモ、ミネザクラ、ミヤマヤナギ、ハウチワカエデ

撮影:2012/5/23ハウチワカエデ

 

 

 

 

 

メグスリノキは2015年11月28日筑波実験植物園で見ている、この日は秋晴れ快晴、イロハモミジは紅葉が始まったばかり。

 

 
左:ハウチワカエデ(羽団扇楓)ムクロジ科
右:ムシカリ(虫狩) スイカズラ科 別名:オオカメノキ(大亀の木)

 

虫が好むというのでムシカリ「虫狩」が正式名だが、亀の甲羅のような形をしたちりめん状の葉から別名の付いた、オオカメノキ「大亀の木」のほうが名前を覚えやすい。尾瀬などに行くと多く見られ美しいが、筑波実験植物園の紅葉はちょっと暖かすぎるかも?

 

 
左:カマツカ(鎌柄)バラ科  別名:ウシコロシ(牛殺し)
右:カワラハンノキ(河原榛の木) カバノキ科

カマツカの果実はなし果、79_の楕円形で、先に萼片が残る。秋には赤く熟す。果柄には、褐色のイボ状の皮目が多いのが特徴。葉を丸め寒そう!

 

カワラハンノキは低地の河畔に生育する低木または小高木。葉はやや厚く、長さ0.510_の柄があり、広倒卵形、長さ510a、幅37a、円頭または微凹頭ときに微凸頭、基部は広いくさび形、先端が腺点に終わる浅い微鋸歯があり、表面は無毛、側脈は79対あって表面に隆起し、多少脈上または脈腋に毛がある。花は葉に先立って開く。雄花序は枝の先に25個ついて下垂し、雌花序はその下の葉腋に15個つき直立または斜上する。果穂は卵状楕円形で長さ1520_、幅812_。堅果は広卵形、長さ約3_。結構大きな実が重そうにぶら下がっています。

 

 
左:ヤマハンノキ(山榛木)カバノキ科                        右:サイカチ(皁莢)マメ科

 

ヤマハンノキの葉に毛の多いケヤマハンノキの変種とされる、ヤマハンノキの葉には少し毛が見られるものもある、葉の形は全体に丸く重鋸歯が目立つ、23月の早春に紅褐色の紐状の雄花を垂らす。雌花は紅色で雄花の先に小さい花を23個咲かせ果実になり来年の春や夏まで付いている。山の川沿いに生えることが多い、日光白根山の岩場に生えれいる。

 

サイカチは山野や河原に生える落葉高木です。幹や枝に大きな鋭い棘がありますがこれは小枝が変形したものだそうです。夏に,長さ12a前後の総状花序を出し,淡黄緑色の小さな 4 弁花をつけます。豆果は長さ 30aくらいもあり,ねじれています。実が黒くなっていますが、中に豆があるかは解りません、凄いねじれです。

 

 
左:カライトソウ(唐糸草) バラ科                          右:オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)カバノキ科

カライトソウは夏に枝の先に穂状花序を出します。つぼみの頃は上を向いていますが,先の方から順に開花しはじめるとだんだんと重くなるので下に垂れ下がるようになります。全体は赤紫色に見えますが,花びらはなく,萼片が 4 枚,雄しべが萼片より長く突き出すのでこの花糸の色が目立つのです。和名は,このさまを唐糸に見立てたものです。寒い秋に花が咲き驚いてシャッタを押しました。花が終わりかけると,花穂全体が白茶色になり,見苦し感じです。

 

オオバヤシャブシの花序はそのまま松ボックリ状の果穂となる。ハンノキ属の特徴で、多くの実が密に集まった多花果に分類される。熟すと広楕円形で斜上する。カワラハンノキは下をむいているように見える。果穂の鱗片は木質化し翌年にも残る、触ると硬いですね!

 

 
ナワシログミ(苗代茱萸)グミ科   カモが多くやってきた!

 

ナワシログミの花は10月から11月のはじめにかけて咲く、今その時期。葉腋に数個の花が咲く。花は長さ67_で、花弁のように見えるものは萼である。果実が実ってもしつこく、果実の先端に残っている理由です。花はやわらかそうで、あったか味を感じるが、拡大してみると星状毛にびっしりと覆われている。所々に褐色の星状毛と腺のようなものが見え、アクセントになっている。ナワシログミの果実は、4月から5月に赤く熟す。長さは15_ほどで、食べることができる。全体星状毛に覆われている。星状毛には白色のものと褐色から紅色になるものがある。先端には萼が最後まで残っている。果実は4月から5月の「苗代」を作るころに赤熟するので、ナワシログミの名がある。

 

 
左:キハダ(黄檗、黄膚、黄柏)ミカン科                       右:サンシュユ(山茱萸)ミズキ科

 

キハダの心材も黄色がかっており、木目がはっきりしているため、家具材などに使用される。大木で立派。幹に傷を付けられない!

 

サンシュユの果実は楕円形で赤く熟す。果実を薬用とするために、日本に移入された。実は食べられる。強壮薬として、煎服あるいは、果実酒として服用する。実に真っ赤です。

 

 
左:ハンカチノキ(ハンカチの木)ミズキ科                           右:ハマメリス・ベルナリス(早咲きマンサク)マンサク科

 

ハンカチノキは花をつけるまでには1015年ぐらいかかるらしい。筑波実験植物園の木は最近植えられ、今年綺麗な花が咲いた!

 

ハマメリス・ベルナリスは筑波実験植物園の駐車場脇に植えられ、秋の姿を見せてくれる、ハヤザキマンサク(早咲き万作)として知られている。原産地は北アメリカだそうだ。マンサク科の植物。黄色い花を咲かせる。園内にマルバマンサク(丸葉満作)が植えられているが花の形は同じく違いは解らない。

 


セイヨウシナノキ(西洋科の木)シナノキ科

 

セイヨウシナノキの別名はリンデンバウム。フユボダイジュとナツボダイジュの自然交配種で、ヨーロッパでは古くから植えられ、木材は楽器や木彫材などに利用された。また、樹皮は繊維を採るために利用される。ハーブとしても利用され、フランス語由来のティユールで知られる。花は蜂蜜の蜜源として珍重されている。ハマメリス・ベルナリスと同じく駐車場に植えられ、見事な紅葉です。

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