2016/11/18 筑波実験植物園散歩 今週のベスト3!:冷温帯落葉広葉樹林(ブナ、カツラ、ミズキ等)、池周辺(イロハモミジ、エンコウカエデ)、メタセコイア

ウワミズザクラ、イイギリ、コマユミ、ヒメシャラ、ハナノキ、コクサギ、ミズナ、ハウチワカエデメグスリノキ、カジカエデ、ブナ、マユミ、シデコブシ、ヤマボウシ等の紅葉

2016-013

日程:20161118日 (金)晴れ   紅葉真っ盛り

2016/11/8 筑波実験植物園 紅葉始まり

 今週のベスト3

 
左:メグスリノキ                 右:イロハモミジ

冷温帯落葉広葉樹林(ブナ、カツラ、ミズキ等)と池周辺(イロハモミジ、エンコウカエデ)の紅葉がベスト1,2でした、冷温帯落葉広葉樹林は園内の一番奥ですが、ハナノキ、ハウチワカエデ、メグスリノキ、カジカエデ、ブナ等が色付き実に綺麗、多くの紅葉を一瞬に観て、最高の気分です、筑波実験植物園は素晴らしい。

池の周辺には東屋、この周りにイロハモミジが主役でした、ダンコウバイは黄色の葉で印象的。


メタセコイア

園内に入って最初に目にする大木がメタセコイアです、赤銅色で綺麗ではないが、独特の雰囲気で迎えてくれます。ヒノキ科でヒノキ、サワラ、ハイネズ、アスナロ。筑波山を歩き、スギもヒノキも木肌が同じなので、スギなのかヒノキなのか迷う。

切り倒す:杉はスギの中心は黒くなっていますが、ヒノキの中心部分は白いので一目瞭然です。筑波山でスギが台風で倒された株を見て黒かった。

葉を観る:スギの葉が棒状で先が尖っているのに対し、ヒノキの葉は平べったいのが特徴です。

幹の差:スギの幹はヒノキと比べ、縦の脈(筋)の幅が狭いが、ヒノキの幹はスギと比べ縦の脈(筋)の幅が広く、ぺらぺらと皮がぺらぺらとめくれる。

筑波山の御幸ヶ原にある紫峰スギ、大木ですから切らず葉を見てください、男女川の源流点に立つ神秘的な姿で古木に驚きます。ブナの大木も有ります。

 

さて、園内を歩いて、紅葉を探しましょう!

 

 
ウワミズザクラの大木

 

メタセコイア等の街路樹を通過、今日は右の山菜コーナーの方向に入る、目に付くのがウワミズザクラです。散歩道の生え、今が盛の紅葉です。花序の下の方に葉が付くが、イヌザクラの花序には葉がつかない。

林に入るとツワブキが見事、この時期結構長く咲きますね。

 

 
左:イイギリ                                    右:ユズハリ

 

前回来た時はベスト3のイイギリ、今日は良く日が辺り、見事です。柄は葉身とほぼ同長、落葉や押し葉は黒変する。

黒い実を付けるユズハリ、若葉が出るころ、古い葉は、垂れ下がってくる、代をゆずるように見える。実が熟すころ、古い葉が黄色くなって落ちる。革質、表面光沢、裏面粉白色、枝先に輪生状に集まる。葉柄は紅色を帯びる。

 

 
左:カナメモチ                             右:コマユミ

 

カナメモチ、コマユミとも公園や庭先にも植えられ、共に綺麗な秋を迎えている。我が家はニシキギが色付き綺麗です。

カナメモチは生垣に広く利用。側脈1018対で数えにくい、革質、新芽は赤い、無毛。

コマユミは対生。ニシキギは枝にコルク質の翼が発達、庭先のニシキギに勿論翼付き。ニシキギ科にマユミ、マサキ、ツルマサキ(気根を出して他の幹によじ登る、若木の葉は小さくテイカカズラと誤認しやすい)、ツリバナ、ツルウメモドキ等がある。

 
左:ハクウンボク                 右:ヒメシャラ

 

このページにハクウンボクが数枚現れます、綺麗ですネ。

ヒメシャラに実が多く付き、誰がどのように食べるのか?

 
左:イヌビワ                  右:ハクウンボク

 

イヌビワは暖地の海寄りに自生、乳液が出る。クワ科でヤマグワ、カジノキ、コウゾ、イタビカズラ等。

薄暗い樹林帯に入ると、アラカシ、シラカシ、シロダモが並んでいる、区別ができるよう勉強してみたいものです。

アラカシ、シラカシはブナ科。シロダモはクスノキ科ブナ科にはイヌブナ、ブナ、コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギ、アラカシ、ツクバネガシ、イチイガシ、シラカシ、アカガシ、クリ、スタジイ、マテバシイ等。クスノキ科にはクスノキ、クロモジ、アブラチャン、シロモジ、ダンコウバイ、ヤマコウバシ、イヌガシ、タブノキ等。

 

 
左:アワブキ               右:ハナノキ

 

ベスト3の冷温帯落葉広葉樹林の林で、公園最奥のお手洗いの近くは紅葉真っ盛り、ただモミジの紅葉は例年遅く、来週辺りが見頃でしょう。

アワブキ

 
左:アワブキ                   右:カマツカ

アワブキの枝を燃やすと、切り口から泡を吹き出すので付けられた名。白い花が泡のように咲き綺麗です。このアワブキは筑波山の北側で見られます。皮目が目立つ、葉脈の先端が芒(のぎ)に終わる低鋸歯、側脈は2027対、裏面に突出。

 

 
左:コクサギ                    右:ミズキ

 

コクサギの果実は24分果になる。果皮は木質で、熟すと2裂し、その反動で黒い種子をはじき出す。一度見たら忘れない。大きな葉が柔く紅葉し、思わず足を止めてしまう。

ミズキは山地に普通に生え、高さは1020b。枝を大きく横に張り出し、独特の樹形になる。白い花が咲くと、その樹形が、遠くからも目立つ56月に、枝先に散房花序を出し、白い小さな花をたくさん付ける。水木(ミズキ科)で春先に枝を切ると、水のような樹液がでる。

 

 
ハウチワカエデ

 

ハウチワカエデは羽団扇楓、カエデ科で、葉の形が、天狗の羽団扇に似ているためについた名。

 

 
メグスリノキ

 

メグスリノキ、目薬の木でカエデ科。ハウチワカエデと同様紅葉の目玉、葉の形は違うが!カエデ科は葉は対生し、単葉(掌状のものが多い)または羽状複葉です。

 

 
カジカエデ

 

カジカエデは日本固有種で本州の宮城県以南、四国および九州に分布し、暖帯および温帯の山地の肥沃な谷間や緩やかな傾斜地の中腹に生育する。東北地方の日本海側、新潟県、長野県北部、富山県にはなく、近畿地方、中国地方には少ないという。山を歩いていると大きな葉によく出合い、雄花・雌花に気をとられます。

 

 
左:ブナ                              右:アオハダ

 

ブナ、アオハダは筑波山に行くと観れ、親しく、この時期も綺麗です。

ブナは筑波山の御幸ヶ原と女体山の間が有名ですが、イヌブナとブナが近くで生え、観察は面白い、特に自然研究路に並んいる。

ハクウンボク

 
左:イヌシデ                     右:ハクウンボク

 

イヌシデは他のシデ類との比較では、側脈が1215対なので、12本以下があればアカシデ15本以上になればクマシデと判断してほぼ間違えないそうです。このクマシデ、アカシデ、イヌシデは筑波山に生えクマシデの葉は他の2種のものより長く、基部が少し心臓形で左右不ぞろい、葉脈の側面が20対くらいあって綺麗に並行している。イヌシデの葉は不規則な二重鋸歯があり、表裏とも白い軟毛がある。アカシデの葉にも不規則な鋸歯があるが、毛がほとんどなく小形である。何れも実は菓穂です、アカシデは新芽が赤く綺麗。

ハクウンボク(エゴノキ科)は山地に生える小高木。落葉性。高さ6-15b。若枝は緑色で星状毛があるが、前年枝は皮が縦に1側で割れてはげ落ちると、暗褐紫色となる。樹皮は灰黒色。葉は大きく、倒卵形〜広倒卵形、縁には不規則な微凸歯牙があり、裏面は星状毛が密生して灰白色、先は短く尾状にとがり、基部は広いくさび形または円形で、長さ10-20aの葉柄がある。花は今年枝の先に下垂する長さ8-17aの総状花序に多数つき、下向きに咲く。白色で一度見たら忘れない。筑波山の北側に見られます、近くの公園にも植えられている。エゴノキ科でエゴノキがある、葉の表は主脈上有毛、裏は葉脈に有毛だが以外無毛。

 

 
左:マユミ                                 右:キクタ二ギク(アワコガネギク)

 

マユミの筑波山で見られ、ホームページに掲載されます。葉は対生し、草質、無毛。淡緑色の花を今年枝の下部につける。果実は三角形で淡紅色に熟し、熟すと裂け、各室に1つ入った赤色の種子が見える。実がかなり遅くまで残るので、秋と冬にはヒヨドリやメジロが食べに来る。

キクタ二ギク(菊谷菊)を別名にしてアワコガネギクを紹介しているページはある。泡黄金菊(キク科)。山道で見る花です。花の最盛期には小さな花が密集し、泡のように見えるというのが名前の由来。野生の菊で、比較的遅い時期に花を咲かせるので、場所によっては12月に入っても見ることができる。

アオハダ

 
左:ツクバネウツギ                  右:アオハダ

 

ツクバネウツギは筑波山で咲き、5月の終わり頃が見頃。

アオハダは実が赤く、筑波山の出船入船の反対側に大木が、遅くまで赤い実を付けている。

 

 
左:イヌツゲ                  右:カマツカ

 

イヌツゲはモチノキ科の常緑樹で庭木として多く植えられています。刈り込みにも耐えるため、見た感じがツゲとよく似ているため、同じ仲間と思われがちですが、ツゲはツゲ科でまったく類縁関係はありません。ツゲより成長の早いイヌツゲはツゲよりも材の質が劣るという意味で「犬」の名がつけられたといわれます。イヌツゲは雄株と雌株に分かれる雌雄異株で、葉はツゲが対生であるのに対し互生です。また、イヌツゲの果実は割れずに黒く熟すといった点を見れば、両者が容易に見分けられます。

カマツカの別名:ウシコロシ、材が硬くて折れにくいので、鎌の柄に使われたことからの名。別名ウシコロシは、牛が枝の間に角を入れると、抜くことができなくなるくらいに、この枝が強靱であることから。果実はなし果、79_の楕円形で、先に萼片が残る。秋には赤く熟す。果柄には、褐色のイボ状の皮目が多いのが特徴。カマツカは新葉の展開と一緒に、枝の先に複散房花序を出す。白い小さな花を多数ひらく。揃った細かい鋭鋸歯、表は凹み、裏は隆起、裏面淡緑色。バラ科ですネ。

ハナノキ

 
ハナノキ

 

ハナノキ(花の木)はカエデ科の落葉高木。カエデの仲間である。ハナカエデとも言う。花期は4月で、葉が展開する前に赤い花を咲かせる。これが名前の由来となっている。カエデ科だから対生、不整重鋸歯、3浅裂、裏は粉白色。

カエデ科:イロハモミジオオモミジヤマモミジ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデ、ミネカエデ、ウリカエデ、ヒトツバカエデ、カジカエデ、エンコウカエデ(イタヤカエデ)、トウカエデ、ハナノキ、メグスリノキ(3出複葉)、ミツデカエデ(3出複葉)等。

 

 
左:ガマズミ                右:オオバイボタ

 

ガマズミ、寒く霜が降りると美味しくなる。

オオバイボタは海岸などの暖かいところでは落葉しない常緑だが、寒い場所では落葉する半落葉樹。イボタノキより葉が大きい。イボタの名前は、カイガラムシの仲間のイボタロウムシという昆虫が樹皮に寄生し、分泌した白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れることから。

ヒメシャラ

 
左:ヒメイチゴノキ                    右:ヒメシャラ

 

ヒメイチゴノキ(姫苺の木)はツツジ科の耐寒性常緑中低木です。樹形は典型的な木の形をしており、緑色の葉は光沢があります。秋にアセビ(馬酔木)や、 スズラン(鈴蘭)、ドウダンツツジ(満天星躑躅)に似た壺型の小さな白花/薄桃色の花を房状に付けます。翌秋にヤマモモ(山桃)に似た丸い果実を成らせるので、花と実が同時に楽しめます。実はジャムや果実酒にします。実については気づかず同時に楽しめる?

ヒメシャラは植栽やシンボルツリーにとても人気があり、筑波実験植物園でも目立つ所に植えられている。初夏に小さな白花を咲かせます。ナツツバキに比べるとかなり小型ですが、茶花に人気があります、幹は赤っぽくツルツルしています、葉は57a程度と小さめで厚みは少ない。側脈は58対でナツツバキより少ない、葉のヘリに細毛が並ぶ。

 

 
ダンコウバイと池のイロハモミジ

 
左:シテコブシ                       右:オクトリカブト

 
左:フサザクラ                       右:クマノミズキ

 

フサザクラ(房桜)はフサザクラ科、サクラと名が付いているが、サクラの仲間ではなく、房状の赤い花の姿がサクラに似ている、サクラには見えない。花弁も萼もない不思議な花で、高尾山の4号路の吊り橋の下に生えているとのことです。

クマノミズキ(熊野水木)はミズキ科、ミズキと同じようは花が咲く?

 

 
左:ヤマボウシ                          右:カクレミノ

 

ヤマボウシ(山法師)もミズキ科です。花の咲く頃に遠くから見ると似ていますが、近くで見ると全く違う。ミズキ

カクレミノ(隠蓑)はウコギ科、葉が蓑の形に似てつけた名前。若木では葉が3裂、蓑に似るが、花がさくような成木になると楕円形や卵形になる。縁は全緑。小枝は緑色、樹皮は茶褐色で横に線を引くような皮目がある。夏に緑色の小花を散形につける。果実は冬に黒く熟し、先端に花柱を残す。植木に使われる、近所の庭先に延びている。

ウコギ科はコシアブラ、タカノツメ(冬芽が鷹の爪を思わせる)、タラノキ、キヅタ(翌年の春に黒く熟す)、ヤツデ(翌年の春に黒く熟す)、ハリキリ、ヤマウコギ等。

 

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