竹貫鎌倉岳(標高:669b)イワウチワの群生地  阿武隈山地 低山だが展望は素晴らしい
福島県古殿町

日程:2015418日 (土)晴れ

2004年4月18日(日) 晴れ

 
左:遊歩道のイワウチワ                                   右:鮫川の桜 「ふるどの桜街道」

イワウチワ(岩団扇) イワウメ科は、日本には本州の近畿地方以東にイワウチワ、奄美大島から琉球にシマイワウチワが分布するそうです。鎌倉岳でもそうですが、やや暗い林床に自生する、葉が「厚いうちわ型の葉脈が目立つ」。艶のある葉に淡紅色の美しい花を咲かせる。中央本線の上野原市坪山が有名ですが交通の便が良いだけで、那珂川町富山のイワウチワ群生地、高萩市の横根山、新潟県の二王子岳、、、日立市の高鈴山などのイワウチワの群生地をみると各地に知らないイワウチワの自生地がまだまだ有ると思います。さー、イワウチワに会いに出かけましょう!

2004年も4/1811年ぶり、間に東日本大震災があったけれど、イワウチワの可憐な姿は変わらない、当時は、ここを何度も訪れたが、最低でも数台の車が竹貫鎌倉岳駐車場に停ており、遊歩道では人に出会ったが、今回は週末、イワウチワ&カタクリが見頃、鮫川のサクラは満開なのに山頂・遊歩道で人に出会いませんでした。

コース

つくば市城山3:20=(国道249号)⇒益子4:45=(国道249号)⇒大豆田丁字路6:40=(国道249号)⇒伊王野7:00=(R2860)⇒戸中峠7:15=(R2860)⇒棚倉7:30=(国道118号・R25)⇒鮫川7:55=(国道349号)⇒古殿町役場8:12=(林道)⇒8:20竹貫鎌倉岳駐車場8:32―(0:02)→2体の石仏8:36―(0:04)→天狗の足跡8:40―(0:02)→鎌倉岳遊歩道・十字路8:42―(0:05)→8:47竹貫鎌倉岳山頂8:50―(0:05)→遊歩道左右分岐8:55―(0:03)→賽の河原(イワウチワ群生の上部)8:58―(0:11)→遊歩道・登山道分岐(東屋)9:09―(0:02)→遊歩道左まわりコース・荷市場口まで1.0`・西渡口まで1.5`道標9:11―(0:05)→振り向き巖9:16―(0:02)→妻恋けやき9:18―(0:01)→天狗洞9:19―(0:02)→9:21イワウチワ群生9:24―(0:05)→天狗の屏風岩9:29―(0:08)→9:37イワウチワ群生9:42―(0:01)→観音巖9:43―(0:00)→9:43カタクリ群生地・鎌倉岳太郎9:49―(0:04)→夫婦けやき9:53―(0:02)→修験の森9:55―(0:11)→Y字路10:06―(0:04)→駒形神社10:10―(0:03)→鎌倉岳遊歩道・十字路10:13―(0:02)→ふれあいの小径入口10:15―(0:05)→ふれあいの小径出口10:20―(0:04)→10:24竹貫鎌倉岳駐車場10:25=(林道)=>鮫川の桜 「ふるどの桜街道」を散歩⇒鮫川⇒棚倉⇒伊王野⇒益子⇒帰宅

  つくば市から福島県古殿町まで車で片道約5時間だから、【古殿町のシンボル「鎌倉岳」の遊歩道内にあるイワウチワ・カタクリが開花しました】と古殿町のホームページで告げられていても、現地に行かないと判らない。週末、特に土曜日は快晴とのこと、朝3時半頃家を出る。

  国道294号を北上し那須烏山をへて、伊王野からサクラ街道(確かに木の数は多いが花が少ない?)R60に入り戸中峠を越え、八溝山の案内を見て、棚倉、国道118号からR25に入り鮫川、国道349号に入り、鎌田で三差路、左:R14で、国道349号は右、道の駅「おふくろの駅」が現れ、右の鮫川沿いに「ふるどの桜街道」は見えてくる、左に古殿郵便局、さらに進めば信号交差点の右に古殿町役場があり、この交差点を右折、真っ直ぐ進むと坂になって鎌倉岳の案内があり、竹貫鎌倉岳駐車場が現れるまで走ります。林道は小さなピークで先に向かっている。

  
左・旧案内図             中:案内図                                    右:林道(一般車進入禁止)をしばらく歩く

竹貫鎌倉岳駐車場は空っぽで誰もいない、決して早くも遅くもない、8時半、山開きは4/29だそうで、地元の関係者はこの日に合わせているのだろう?

準備してスタートする時に一台の車が入って来たが、登山道では会わず、下山時は既にその車は消えていたので、今日は人の気配ない、のんびりとイワウチワ&カタクリを楽しむことができました。

トイレが山開きまで掃除がなされないようです、10年前にも有った案内図、新しい案内図は写真を活用、旧の方が芸術的で竹貫鎌倉岳のイメージにピッタシだと思う、山名の由来は、「竹貫の城主に鎌倉から嫁いだ姫が故郷恋し「私のしたわしい鎌倉はどちらの方にあるのだろう」と問うので、前の山を指差し「その方角が鎌倉である」と教えたところ、姫は鎌倉岳に登っては遥か彼方の鎌倉をしのび眺めていたことから呼ばれたそうです、、、」(駒形神社に解説版)、旧案内版は末永く保存して欲しいものです。

駐車場の奥に「長寿の強清水」が流れ、左に見下ろして登山道(林道)を緩やかに歩き出す、両側が杉林、道端に2体の石仏は祭れている、急な坂になって登りきると、以前無かった「ふれあいの小径」の入口、ちょっと藪道で下山に歩いてみたい、先に進む。

  
左:天狗の足跡                       中:山頂へ続く鎖場                                             右:山頂直下(この裏が駒形神社)の岩巖

ツツジの新芽が赤っぽく、紅葉風で美しい広い道、「ふれあいの小径」の入口(出口)、 続いて「天狗の足跡」、片足のみ?

続いて、鎌倉岳遊歩道入口の道標、鎌倉岳の標高669bに相応しくない大きさだが、遊歩道を一回りして戻って、改めてきると、相応した大きさであることに気づく。

  ここは左右遊歩道が有って、ここは直登で真っ直ぐ階段の鎖に取り付く、最初は石段があって安心だが、上に行くに従って岩場が急になり、山頂直下は厳しい登りになる。

  
左:竹貫鎌倉岳山頂                        中:阿武隈の名山と古殿町 この方向が磐梯山/安達太良山        右:立派な方位盤

 竹貫鎌倉岳360°のパノラマ展望台、狭い山頂、でも独占には広すぎる、立派な方位盤:磐梯山/安達太良山、二岐山/甲子山/三本槍/那須山、八溝山、三林山、太平洋(小名浜)、湯ノ岳、水石山、大辻山、犬仏山/大黒山/芝山、大滝根山、蓬田岳/入道山/矢野山など阿武隈山地の名峰に那須山や磐梯山が刻まれ、中央に古殿中学校、宮本小学校の名が刻まれている。

 
左:大滝根山方面                                  右:遊歩道分岐

  天気予報は快晴だが、山登りの快晴は方位盤に刻まれた山が全部見えないと快晴とは言えない!また、福島第一原子力発電所から竹貫鎌倉岳は約56`、八溝山は865`、大滝根山は30.1`であり、竹貫鎌倉岳にイワウチワの鑑賞にわざわざ行かず、栃木の「那珂川町のカタクリ山公園&富山のイワウチワ・茂木町のミツマタ」辺りに行けばと言う人が多いかも知れないが、「竹貫鎌倉岳のイワウチワは他にない美しさがある」と私は思いここのイワウチワが大好きです、きっと雰囲気だと思う、自然の姿だと思う、ここのイワウチワは登山道だけ保守し、イワウチワやカタクリの世話をせず、花たちの自由な生き方で毎年、可憐な姿を見せている。

山頂から北側直下を下ると駒形神社だが、ここは反対の雑木林の急坂を下る、まだ、雑木林は芽吹いたばかり、山開きは毎年429日(昭和の日)に行わが時期的には新緑で美しいだろう、問合せ:古殿町役場産業振興課(0247-53-4620

下ると鎌倉岳遊歩道入口の道標からの遊歩道に合流、遊歩道の左・右まわりコースの分岐、遊歩道の右まわりコースの分岐を進む、賽の河原の鞍部をへて、どうだんの坂を登る、まだイワウチワを一輪も見ていない、ここは丸太の階段で、周囲にはツツジの木が多く、ツツジの季節にはイワウチワは主役を降りツツジに引き継ぐ、自然はこの繰り返し、私たち登山者は、この主役の引継ぎに合わせ山に登りたい、ただ、山に登るのは無意味で勿体無い!

       
左:賽の河原                          中:岩場に咲くイワウチワ                              右:登山道の一部に群生

左の目を移すと斜面にイワウチワの群生地が現われる、ここは、右下の遊歩道から続く群生地で撮影は面倒です、登り切ると賽の河原でベンチは置かれている、休憩にはとても良い場所になっているが、今回は無人!

 
左:東屋                       右:巨木の枯れたブナ

遊歩道・登山道分岐(東屋)から枯れたブナを見て下ると、遊歩道左まわりコース・荷市場口まで1.0`・西渡口まで1.5`道標が現われる、荷市場口まで1.0`(登り70分・下山50分)、西渡口まで1.5`(登り45・下り30分)だそうです、ここは遊歩道左まわりコース(何を基準に左・右まわり?)へ入る、山頂からかなり離れ下部まで降りることになる。

 
左:振り向き巖                        右: ハリキリ

荷市場口や西渡口から歩かず、竹貫鎌倉岳駐車場から山頂(標高:669b)まで15分、遊歩道最下部は竹貫鎌倉岳駐車場より標高が低いと思われる。こんなに下って大丈夫かと心配になる、低山の鎌倉岳だが、樹林の種類が多く、もっと樹木の勉強をしてから期待所です、初めて訪れた「19991121日(日)晴れ」の時はイワウチワ?など知らない。

19991121

山道は一軒屋(庭先は沢が流れ、一台の車が止っていた。)の前から続いている、右側に沢が流れる杉林の中を行く、登山者は、ここ半年くらい歩いていないようだ、雑草が道をふさいでいるからだ。やがて左側に鎌倉岳山頂の標識を見て、杉林の坂を登ってゆく、道が消えている、良く探すと10bほど上に山道が続いている。

涸れた水場がある、そこから空が見えるはじめ、頑張って登ってゆくと、尾根に出た。3人のおばさんグループが元気に歩いている、なんでもすぐそこの駐車場から来たという(今回の竹貫鎌倉岳駐車場)、私の止めた駐車場とはまったく違う。まもなく、遊歩道の案内板がある、真っ直ぐ登ると5分で山頂だという。直進しないで、約一時間の遊歩道を歩くことにする、リーダーのおばさんが案内してくれる。

落葉の中を進む、モミジの色が太陽の日に光り美しい、天狗の屏風、天狗の。。、等を見る頃、山の傾斜に無数の「イワウチワ」の群生地、花が咲くのは、4月末から5月上旬頃見頃になると言う。駒形神社の後ろに山頂への道がある、いきなり鎖の連続くが続く。展望が良くなって来る、山頂は360度の展望だ、三株山が見える、三株山からは富士山が良く見えるのだそうです。いわき市の太平洋が見える。阿武隈山地の更に先に、安達太良山方面、日光方面が見える。

今回は3人のおばさんグループの教えの48日だ!彼女らは東日本大震災から立ち直りお元気かな!教えて頂いた振り向き巖が懐かしく凄い大きさ。この辺り巨木が現われる。

  
左:妻恋けやき                                     中:天狗の洞                                            右:カンスゲ(寒菅)カヤツリグサ科

  中央に子?恋妻けやきが登山道、続いて天狗の洞、この辺は大きな石が重なって洞を作っている。

 
イワウチワ群生地

登山道に1株のカンスゲを見て、目の前に現われる、イワウチワの群生地、11年前と変わらぬ規模、ちょうど、太陽の日を受け可憐さを楽しませてくれる。

 
左:コナラの大木                  右:天狗の屏風岩

イワウチワの群生地はやや湿り気が有るようです、従って一旦一本も生えていない道になる、コナラの大木が新芽を出し、連休には新緑が楽しめる。

天狗の屏風岩は一枚岩で屏風の様です、この岩の周辺にイワウチワがまったく有りません。

 
左:イワウチワの好む土地!                   右:木々の間から覗いている

再びイワウチワの群生地、今度は凄い、見上げると上の賽の河原に続いている群生地の様です、イワウチワにとって住みやすい環境が揃って、毎年咲き誇る、見頃はまだ続きます、登山道から顔を近づけて見え、撮影はとても便利です。

 
左:凄い!                                          右:観音巖 上の賽の河原にイワウチワの群れが続く

イワウチワの群生地が終わると観音巖、今度はカタクリの群生地、登山道を挟んで両斜面に広がっている。

 
カタクリ群生地

ここも太陽の日がたっぷり、見事な姿を見せてくれる。

 
アズマイチゲ(東一華) キンポウゲ科

カタクリの群生に間にアズマイチゲは真っ白な姿を見せてくれる。

 
左:不思議なW字型の模様?                     右:斜面がカタクリで飾られる

遊歩道コースでここだけに群生するカタクリ、しばらく、鑑賞!ここのカタクリは筑波山の物に比べ大きく立派です、栄養が良いのかも?

 
左:鎌倉岳太郎                                右:カツラ

群生するカタクリの上部に鎌倉岳太郎が生える、以前訪れたときも立派に立っていた!

群生地を離れると、大木のカツラ、美しい樹林帯が続く!

 
左:夫婦けやき                                       右:チドリノキ(千鳥木)カエデ科

カタクリやイワウチワを鑑賞し、カツラやケヤキなどの脇を通過、夫婦けやきの脇を登山道通過する。大きな石がゴロゴロ、綱が張ってある、なおも下る、こんなに下って最後の登りが心配になるが、とても気持ちの良いところ。

葉が伸びたチドリノキ、日本固有で雌雄異株の落葉高木、葉が対生のカエデの仲間ですが葉が分裂しまいそうです、可愛い葉が伸びていました。加波山で見たヒトツバカエデ一葉楓)も葉が分裂しない、マルバカエデは別名、こちらも他のカエデ類同様、葉は2枚対に着いているが、大きめの質の薄い丸い葉は葉柄側がへこみハート型に見える。

 
左:修験の森                                    右:ヤシャブシ(夜叉五倍子)カバノキ科

気持ちが良いと思い周囲を見回すと修験の森とある、修験(しゅげん)とは:「山野や霊山・霊地で苦行を積み、霊験のある法力を身につけること」、特にここは自然がそのまま残り、短い平坦道で、遊歩道コースで一番下部です。

そして、心配した通り登りになる、イワウチワやカタクリの群落、修験の森を訪れので、急な登りだが満足な気分で登りきる!

  
左・中:崩れた現場 補強されている                                              右:駒形神社手前

登り続けると、浅橋が見えてくる、新しい橋で東日本大震災以後に新設されたようです、巨木は根こそぎ倒れしまったようです、通り過ぎるとホツツジやミズキを見て、三差路に着く、直進は鎌倉岳山頂を右にして鎌倉岳遊歩道・十字路で向かう道、ここは右折し駒形神社へ向かう。先程はチドリノキでしたが、ヒトツバカエデが生え「葉が丸く掌状に分裂しません、果実には翼があり、毛があります」の説明版もある。

次ぎは足元が救われそうな浅橋、鎖の新しく心配する人はない、渡りきると駒形神社で「鎌倉岳と駒形神社の由来」の説明版が11年前の姿で立っている。

「山頂登り口」の鎖を使って登れば山頂だが、既に登っているし、駒形神社からの見晴らしを見て、遠望の展望が期待できないので、山頂は諦め!

 
左:この上が山頂                        右:駒形神社を振り向く

駒形神社からちょっと戻って、天狗の足跡方面に向かう、

  
ふれあいの小径 左:入口                        中:美しいモミジ林                       右:フモトスミレ 麓菫 スミレ科

返り道、ふれあいの小径に入る、入口に大きな倒れ木が有って入り難いが、過ぎると美しいモミジ林、新芽が紅葉の様な色で「ふれあいの小径」の雰囲気がある、きっと山開きには入口の倒れた木は始末されているだろう。

 
竹貫鎌倉岳駐車場辺り
左:竹貫鎌倉岳駐車場 東屋                    右:長寿の強清水

竹貫鎌倉岳駐車場の手前で、右に登る道を上がってみると東屋、お弁当を広げるには良い場所、一人では広すぎる、駐車場で降りる道(登山者があるい出来た道)もある、長寿の強清水が枯れることなく流れ続ける、周囲のサクラの見頃は山開きの4/29頃満開だろう。

 
鮫川の桜 「ふるどの桜街道」

竹貫鎌倉岳駐車場には私の車のみ、人の気配のない竹貫鎌倉岳のコースは不思議でしたが、つくば市から遠征してのイワウチワとの出会いは満足でした。

車で古殿町役場に下る、役場から鮫川沿いの桜=「ふるどの桜街道」と呼び、ここも散歩に人が数人、今日は週末、酒盛りの花見客?は一組もなかた、、、、

写真を写し、帰路へ、往路・復路とも同じコース。

 
国道349号沿いの強滝(こわだき)

国道349号を戻り鮫川の強滝でお昼休憩、この滝の紅葉時は見事だそうです、R25に入り来た道を忠実に引き返す。往路では益子・茂木で国道294号を外れ迷ったが、復路ではスイスイ!(国道294号と国道121号、国道123号が益子から天矢場まで同じ道路を走る、従って茂木方向に行かないよう!

HP:わたしの天気予報