霞ヶ浦環境科学センターイベントin2015    霞ヶ浦自然観察会 第11回 
「恋瀬川源流域の植物を学ぶ」
(石岡市の最北端「恋瀬川の源流である板敷山、浄土真宗本願寺派板敷山大覚寺」)

日程:20151024 (土) 秋晴れ   

 2012/2/19板敷山大覚寺のヤブツバキ


9:58 JR土浦駅南口から国道125号とフルートライン(県道199号 朝日トンネル10:17
フラワーパークを左に見て、加波山が左に見え、県道64へ、間もなく
大覚寺入口が見えてくる。10:40
県道64の先は笠間西IC、大覚寺の裏を走る林道は吾国山である
2010/4/29愛宕山・難台山・吾国山
2011/4/10カタクリの吾国山から難台山を越え愛宕山へ 東日本大震災直後

平成27 年度第11回霞ヶ浦自然観察会

日 時 平成27 1024 日(土)午前9時半(受付9 時から)〜午後3時半まで
集合場所 茨城県霞ケ浦環境科学センター 募集人数 35
申込期限 平成27 1023 日(金)午後5 時まで
送迎バス 途中,土浦駅東口からも御乗車できます。
       
(行き:土浦駅東口午前10時発 帰り:午後3時着)
場 所 :石岡市大増「大覚寺周辺
内容  :恋瀬川源流域の植物を学ぶ
       
講師は、おなじみの福田先生

土浦駅東口9:58に出て、朝日トンネルを抜け、フラワーセンタの前を走り、左に加波山が見え、県道64に入ると、大覚寺入口が右に見えてくる、この道を直進すると、笠間ICに到着する、なお、板敷から板敷峠を経て吾国山登山口に入る林道がある、私達も午後はこの道を利用することになる。

 
左:大覚寺駐車場                                      右:ノハラアザミ(野原薊) キク科 

バスは入口を入り、大覚寺の前を通過し、奥の駐車場に入る、大きな駐車場で大型のバスが入ります10:40

早速、福田先生の紹介があって大覚寺の前で田んぼを見下ろし、自然観察を始める。

 
左:オオジシバリ(大地縛り) キク科                右:ジュズダマ(数珠玉)イネ科

田んぼの中に、そして斜面に咲き誇る、花たち!

 
左:カントウヨメナ(関東嫁菜) キク科                         右:正面に加波山

 
左:ジュズダマ(数珠玉)イネ科                  右:ギシギシ(羊蹄)タデ科

田んぼを見ろし、大覚寺の山門を入ります、本堂裏見無しの池が私達を迎えてくれます、池は「京都の天竜寺を模して作られた池、東西南北どこから見ても裏がないことから命名されたそうです。

 
左:オオハナワラビ(大花蕨)ハナヤスリ科                    右:マンリョウ(万両) ヤブコウジ科

オオハナワラビは山門の近く、福田先生によると、フユノハナワラビとオオハナワラビ、さらにアカハナワラビが有るそうです、今日はフユノハナワラビを見ることになる。

マンリョウは千両(センリョウ)、百両(ヒャクリョウ)、十両(ジュウリョウ)、一両(イチリョウ)と並び、そして庭木としては、センリョウ・マンリョウが縁起物としてよく植えられている、万両。

 
左:コンテリクラマゴケ(紺照り鞍馬苔) イワヒバ科                                             右:??

 
左:ギンモクセイ(銀木犀)モクセイ科                         右:裏見無しの池

 
左:ウメモドキ(梅擬)モチノキ科                  右:タニソバ(谷蕎麦)タデ科

境内から出て、再度駐車場へ!

 
左:ラセイタソウ(羅背板草)イラクサ科                                    右:オオバノイノモトソウ(大葉井許草)イノモトソウ科

ラセイタソウは海岸に生え、ここでは珍しい、北海道南部から紀伊半島までの太平洋岸に分布する多年草。海岸の岩場、崖地などに生育する。葉の厚さと丈夫さ、花序の短さなどは海岸の強風に絶えるための適応、きっと誰かが移植したのかな?葉の裏は白い。

オオバノイノモトソウは山地や低地の林床に生える。葉柄はわら色〜褐色で基部鱗片は褐色。葉は1回羽状複葉で頂羽片がある。ソーラスは羽片の辺縁に沿って長く付く。

 
スダジイ(すだ椎)ブナ科                                    右はコナラの実

大覚寺周辺はスタジイが多く、果実は堅果、卵状長楕円形で、翌年の秋に成熟する。堅果は中から堅果が顔を出し、殻斗の外面には鱗片が同心円状に並ぶ。花期は56月。コナラが落ちているがご覧の通りで、ドングリの形が違いますネ。

 
左:カノツメソウ(ダケゼリ)(鹿爪草)                   右:カニクサ(蟹草)フサシダ科

カノツメソウの別名がダケゼリ、手前はアオキ。

 
ナガホナツノハナワラビ (?)

ナガホナツノハナワラビだと言うが判らない?

 
左:マルバノホロシ(丸葉のほろし)ナス科              右:ナキリスゲ(菜切菅)カヤツリグサ科

 
左:イワガネソウ(岩ヶ根草)ホウライシダ科            右:ヤブソテツ(薮蘇鉄)オシダ科 中央です!

イワガネソウは林下の湿った場所に生える。根茎は長くはい、80cm前後の葉をつける。葉身は12回羽状で脈は網目を作る。羽片の先は次第に細くなり,全縁又は細鋸歯。ソーラスは脈上にでき包膜はない。

 
左:オオハナワラビ(大花蕨)ハナヤスリ科                                 右:イワガネソウ(岩ヶ根草)ホウライシダ科  左上に同じです!

オオハナワラビは東北地方中部以南〜九州の林下に生え、フユノハナワラビに似るが、葉はやや大型。茎に毛が散生。栄養葉の羽片の頂片は鋭頭〜鋭尖頭、裂片は鋭鋸歯縁。胞子は秋に熟す。似たものにフユノハナワラビやアカハナワラビがあるそうで、3つの違いは栄養葉の様子により、鋸葉が尖っている、オオハナワラビ、アカハナワラビ、茎に毛がなければアカハナワラビ、オオハナワラビは茎、葉柄、葉軸に毛がある。鋸葉が鈍頭はフユノハナワラビだそうです、ますます不明!

 
左:ヒメワラビ(姫蕨)  ヒメシダ科                       右:これも! カントウヨメナ(関東嫁菜) キク科

ヒメワラビとミドリヒメワラビ、イワヒメワラビが良く似ているが、向陽地を好み、全体に毛がある、ここは日がよく当たる。

 
ホシダ(穂羊歯)

ホシダは山野や道ばたに、しばしば群生する、中軸、羽軸裏に毛が生えるが、葉面には毛は生えない。ソーラスは丸く、包膜は円腎形。羽片の基部の上向きの裂片は長く、中軸の上に重なる。長い頂羽片がある。

 
ツリフネソウ (釣船草) ツリフネソウ科                     右は吾国山の登山道

大覚寺の駐車場から林道を登ると、吾国山の登山道がある、福田先生はこの破道に入る、、、何か見せたいものが有るらしい!

 
左:イノデ(猪の手) オシダ科                             右:ベニバナボロギク(紅花襤褸菊) キク科

ホシダは大きく綺麗、ベニバナボロギク2010/10/13(前回観察会)の植物リストにも掲載されている、勿論、ホシダも記されている。

 
左:イノデ(猪の手) オシダ科                          右:カラタチバナ(唐橘) ヤブコウジ科   

イノデも多く、リョウメンシダ。。。 

カラタチバナは実に美事!   

 
コクラン(黒蘭) ラン科

コクランは林内に生える常緑の多年草です、花の色が暗紫色であることからその名が付きました。葉は広楕円形で先はとがり基部は鞘状で茎を抱きます。花は暗紫色の花を510個総状につけけます。既に花は終わり、右の写真には実が付いている。

 
左:ガマズミ(蒲染)レンプクソウ科                                    右:ツルグミ(蔓茱萸) グミ科

レンプクソウ科のガマズミの様です、葉は対生、枝先に散房花序をだし、白い小さい花を多数つける、花序の軸には開出毛や星状毛が密生する。花冠は5深裂して平開する。果実は核果。広卵形。911月に赤く熟す。花期は56月。杉林の中で、ちょっと分かりづらい?

ツルグミは葉の裏が白です。

 
イズセンリョウ(伊豆千両) ヤブコウジ科

福田先生はイズセンリョウを「ここの一番、、、、」と説明してくれる。2014/3/12(福田先生)と2014/3/29雪入ふれあいの里公園雪入山コースで見ています!イズセンリョウは常緑の低木であり、関東以西の本州、四国、九州、南西諸島に分布し、和名は正月の生け花材料として使われるセンリョウと似ており、伊豆地方に多いとの意味である。葉は互生し、細長くて細長い。秋に葉腋に花序を出して小さなつぼみをつけるが、開花は翌年の4月から5月。花は乳白色で、秋には果実になるがセンリョウのように赤くはならず、乳白色である。福田先生が見つけたらしく、今日一番の観察結果という!

 
タチシオデ(立牛尾菜) ユリ科 右:シオデの実。秋になると黒く熟し光沢が美しいが、進みすぎ!

タチシオデは別名:ヤマアスパラで同じ味がする。春の終わりに咲く黄緑色の丸い穂状の花が、秋にはこんなブドウの塊のような実になる。食べてみたい気分だが、美味くはないそうです。

 
左:フユイチゴ(冬苺)バラ科                           右:カラタチバナ(唐橘) ヤブコウジ科  二度目です!

この実は美味し、フユイチゴ、多くを見たが、この株のみ赤くなっていた。 

 
左:コウヤボウキ(高野箒) キク科                   右:多くの花が咲き、楽しい山道

コウヤボウキの花をしみじい眺めて、花の様子に関心!

 
左:ヤブタバコ(藪煙草) キク科            右:多くの花が咲き、楽しい山道

ヤブタバコはよく似たガンクビソウは葉の形がキセルの先にタバコの刻みが付いているようにも見えることから付いた名前、キセルを見る機会が減ってきた?

破道を登れば、林道に出る、この道は吾国山登山口に向かう道、時々車が通り過ぎる。

この林道脇で昼食。

 
タブノキ(椨)クスノキ科

タブノキは春の若葉は赤みを帯び美しい。葉は互生で枝先に集まる。葉身は倒卵状長楕円形で先端が尖る。厚い革質で表面は光沢がある。縁は全縁。今は秋、シイ・カシとともに、照葉樹林の代表樹。沿海地に多く(ここは山奥?)、大木にもなる。積層雲のように葉の層が重なりあって樹冠をつくる。

 
左:ツタウルシ(蔦漆) ウルシ科                      右:気になるシダ!

ツタウルシは黄色、オレンジ、赤と3色がそろった紅葉は美し、まだ緑です、かぶれには要注意。福田先生は免疫、私はまだ危ない!

 
左:ウラジロ(裏白) ウラジロ科                           右:イワガネソウ(岩根草) イノモトソウ科

ウラジロは一度見てしまうと忘れない!

イワガネソウはイワガネゼンマイと良く似る。イワガネソウはの葉の形は先に行くに従い徐々に細くなっていくが、イワガネゼンマイはホウライシダ科で、先端で急に細くなる。さらに詳しく観察すると、葉脈の先端部が葉の辺縁にある鋸歯に達するもの(イワガネゼンマイ)と達しないもの(イワガネソウ)の違いがある。葉脈が鋸歯の山の部分に入るのがイワガネゼンマイである。

 
左:アオツヅラフジ(青葛藤) ツヅラフジ科                      右:ゴンズイ(権萃) ミツバウツギ科

アオツヅラフジは実の時期が一番目立ちますが、美味しそうな実は食べれません!

ゴンズイの名前は、魚のゴンズイのように役に立たないことから。

 
左:ヤクシソウ(薬師草)キク科                   右:ウツギに似るが?

ヤクシソウは、秋になると、日当たりの良い山野で良く分枝した花茎に黄色い小花を集合して咲かせるている、花は上を向いて平開し、花後はうなだれて下向きとなります。葉は長楕円形をしており、葉縁に浅い鋸歯があります。若菜は食べられます。白い乳液が出る。

 
左:キブシ(木五倍子)キブシ科                      右:イヌザンショウ(犬山椒)ミカン科

キブシは筑波山周辺に多く咲き、春先は不思議な姿です!

 
林道沿いの山々!
曲がった木々は:ネジキ(捩木)カシオシ   ミツツジ科

ネジキは山地の乾燥した尾根や斜面に生える。樹皮は灰黒褐色または褐色。縦に裂け目が入り、薄くはがれる。成長すると幹がねじれるのが特徴。若い枝は黄緑色または赤褐色。光沢があって美しい。葉は互生。ふちは全縁。両面に伏毛がまばらに生え、裏面の主脈から葉柄の上部に白色の毛が密生する。前年枝の葉腋から総状花序をだし、白い色を花を下向きに多数つける。果実はさく果。910月に熟すと筋の部分が裂けて種子を出す。種子は両端が尖った紡錘形、長さは1mmほど。花期は57月。花期に訪れたい!

 
左:ヤマハッカ(山薄荷)シソ科                               右:この花も!イヌザンショウ(犬山椒)ミカン科

ヤマハッカは山野にごくふつうに見られる花、茎は木質化した地下茎から直立し、稜に下向きの毛がある。葉は対生し、広卵形で基部は細くなって柄の翼に続く。ふちには粗い鋸歯がある。葉の裏面の脈上や表面には毛がある。枝先に細長い花穂をだし、青紫色の小さな唇形花をまばらにつける。花冠は上唇は4裂して立ち上がり、中央部には紫色の斑紋がある。下唇は2裂して前方へつきだし、ふちは内側に巻く。花期は910月。今日の観察路ではこの株のみでした。

 
左:ヤマウルシ(山漆)ウルシ科                右:リョウブ(令法)リョウブ科

 
左:分岐 右:ヒカゲイノコヅチ(日陰猪の子槌) ヒユ科

分岐、大覚寺方面へ下だるが、雨で荒れ道。

ヒカゲイノコヅチはヒナタイノコヅチと似ているが、こちらは日陰に生えるので、直ぐに判ります。

 
左:フユノハナワラビ(冬の花蕨)ハナヤスリ科                            右:弁円「懺悔の地」石碑

荒地から出るとフユノハナワラビが数本で迎えてくれる。そっくりなものに オオハナワラビ、アカハナワラビ、アカフユノハナワラビがある。なお ナツノハナワラビやナガホノナツノハナワラビは、春に芽吹き、夏に穂をつける。

雨で大荒れの道を下ると、大覚寺の途中で、弁円「懺悔の地」石碑を見る、この道を下たお陰です!親鸞聖人の弟子となった山伏弁円は明法房となり、聖人の関東布教のお伴をして各地を一緒に歩き、ある時この道に来た時に昔、危害を加えようとしたことがあったことを恥、道端にうずくまってしまった。この時に弁円(明法房)が詠んだ歌とされている。

 
左:スズメウリ(雀瓜) ウリ科                      右:エノキグサ(榎草) トウダイグサ科   

スズメウリの花、果実、種子は季節毎にその形態を表し可愛いですね、つる性1年草、水辺や平地のやや湿ったところに生え、葉は三角状卵心形、しばしば浅く3裂する、花色は白、ウリ科。

エノキグサの和名は葉がエノキの葉に似ていることに由来する。茎に伏した毛が散生する。葉は互生し、長楕円形〜広披針形で、縁には浅い鋸歯がある。葉脈は表面、裏面ともに凸出し、最下の側脈が基部から出てエノキに似ている。花期は810月。

やがて民家の前、スズメウリは目に付く、R64に合流、バスが来ており上の「分岐、大覚寺方面」を下らない人を救いに進む、R64の別口に下た人を乗せ、引き返し、大覚寺へ戻りました。

以下、大覚寺駐車場の案内図です!

 

大覚寺で福田先生から今日の成果をお聞きして、恋瀬川の源流を後にする!

HP:わたしの天気予報