木曽駒ケ岳(標高2956b)・宝剣岳(標高2931b)・檜尾岳(標高2728b)・熊沢岳(標高2778b)・空木岳(標高2864b) 
<御嶽山&乗鞍岳の大展望> 木曽駒ケ岳から空木岳縦走は中央アルプス核心部で人気は高い!   体育の日は快晴だが?

日程 2005108-10日 雨・快晴・雨


御嶽山 木曽のおんたけさん
標高:3026b:御嶽山登山

2014/9/27 御嶽山 1153頃 噴火
20073月以来7年ぶり、数百人の登山者、被害が少ないことを祈ります
紅葉最盛期、アルプスから独立した山、
噴火の姿を見るなら、ここと恵那山・乗鞍岳だろう

コース

JR新宿発ムーンライト信州8123:54=(中央本線:JR東日本)⇒4:11JR塩尻6:54=(中央本線:JR東海)⇒7:39JR木曽福島7:59=(おんたけ交通)⇒8:19大原上バス停

 第一日目「福島Bコース」大原バス停8:20―(0:40)→新和木曾駒高原スキー場9:00(0:40)→林道終点9:40―(1:10)→力水10:50―(1:15)→六合目12:05―(0:10)→見晴台12:15―(0:15)→12:30七合目・非難小屋12:35―(0:35)→八合目13:10―(1:00)→14:10九合目・玉ノ窪山荘(泊)

 第二日目:九合目・玉ノ窪山荘6:00―(0:30)→6:30木曽駒ケ岳(頂上木曾小屋)―(0:30)→宝剣山荘7:00―(0:30)→7:30宝剣岳―(0:35)→三ノ沢分岐8:05―(0:15)→極楽平8:20―(1:00)→濁沢大峰9:20―(1:05)→檜尾岳10:25―(0:50)→熊沢岳12:15―(1:25)→東川岳13:40―(0:35)→14:15木曾殿山荘(泊)

 第三日目:木曾殿山荘6:30―(1:05)―空木岳7:35―(0:30)→駒石8:05―(0:15)→空木岳避難小屋分岐8:25―(1:50)→池山小屋入口10:15―(1:00)→林道終点11:15―(0:40)→スキー場駐車場12:05―(0:15)→12:25菅ノ台バスセンター12:40=(バス)⇒JR飯田線駒ヶ根駅14:03=(飯田線)⇒15:11岡谷15:36=(あずさ26号)⇒18:07新宿

JR新宿発ムーンライト信州は北アルプス登山で良く使っている、松本、穂高、信濃大町、白馬の駅まで行くと決まって地元のバス・鉄道が登山口まで運んでくれる。今回はJR塩尻駅で降りて、2時間40分待ち(この2時間40分をいやなら、縦走を捨て車になる。また大原に車で入り、早朝6:00頃スタートしても宝剣山荘泊まりになるだろう)の塩尻発6:54に乗ってJR木曽福島駅へ向かい。大原行き7:59発(おんたけ 交通)に乗る。

 バスは木曽福島駅から定刻、乗客は一人、ちょっと意外である。一度国道19号に出て国道361号を左に見送って、木曽駒高原に入って行く、バスは大原バス停を過ぎ約100bで大原上バス停に到着。バス停には木曽福島駅へ向かう乗客が数名、駒ケ岳の登山口を聞くと「二つ有るよ」「Bコースですが」「Bコースは、この車道を左・左と行くとスキー場になるから、」。

*上松Bコース:上松Bコース、上松Aコースの登山口はJR上松駅からタクシーになる。
上記の会話のBコースとは、福島Bコースでし、同じように福島Aコースがある。福島BコースだけがJR木曽福島駅からバスがある

第一日目:小雨が降る中バスの進行方向に進む、広い道路で充分バスが走れる。まもなく植林された白樺の林を見る。歩き出して約10分、福島ABコースの分岐に着く。Bコース登山口1.4`、スキー場0.7`地点。


福島Bコースを進むことになる

なお、車道は続くがヒュッテ奥原を通過すると左に正沢砂防ダムが現れるとスキー場入口で看板の右の道を登れば、スキー場の玄関口、閉鎖され、大きく右に折れ上側に回りこむとコマクサ荘が左下に現れ、左右に大きなスキー場の駐車場が有る、レストランHALFTIMEを見送りスキー場ゲレンデに入る。タクシーが引き返してくる、どうやらタクシーはゲレンデに入った地点まで乗り入れ、乗客に聞くと木曾駒ケ岳駅から約3500円とのこと、聞くのはただです!


ここまでタクシーが入る

ゲレンデを登ると沢コースが分かれ、ゲレンデの上部で左折し雑木林に入って行く、薄暗い樹林帯がしばらく続き、立派な林道であるがとても車は走れる状況ではない、荒れており、真直ぐ登っており歩き難い。


林道歩き、寂しい!

林道が広くなって進入禁止のゲート、さらに林道は続く、ようやく幸ノ川が見え、明るくなって、左に砂防ダムが現れる。このダムが林道終点になっている。ダムの上部でその沢を横切る、橋は無く、川底の石を拾って渡る、増水時は渡れないだろう。


林道終点 幸ノ川

横切った所が広い河原で大きな石の上で休憩、ここから休みなしに急登が玉ノ窪山荘まで続。木曾駒ケ岳登山口の標識がある。


荒れ気味の登山道

 ここから急な細い荒れ気味の登山道となる、暗い雑木林で展望も無い、ジグザグに登るとようやくカラマツに変わり美しい樹林帯に入る。


美林が始まり、山の深さを感じます

なおも辛い急登が続き、四合目の標識を見るとまもなく、小さな広場に着く。


四号目と五合目の間の力水
八合目まで水場はない!水量は少ないが涸れることは無い。
木曽駒ケ岳を目指す二人だが、この後、お会いしていない!

ここが力水、水量は多くは無いが美味しい。

さらに木の根を階段として登り続ける、尾根では有るが展望は樹林に隠され展望は無い。


五合目

五号目、六合目と順調に登り、ポット開けて見晴台に飛出るが、雨が降り出し視界はゼロ。


タケカンバが秋を告げている

この辺り岩の峰を乗越えて行く。


雨がどんどん、大粒になって、視界はどんどんゼロに!

大きく「七合目避難小屋は直ぐ」と記された斜面をトラバース。


避難小屋は近い 

避難小屋が見えて、手前の急登を上れば小屋に到着。小屋にはストーブ、薪も置かれ、寝室は別部屋になって二階建ての綺麗な小屋だ、一度のんびり泊まって見たいものである。福島Aコースが駒ノ湯から合流する、降り続く雨で見えないが、広場から木曽駒ケ岳の展望が良いという。のんびり出来ない、先を急ぐ、先が駄目なら戻ればいい!
 ドアを開け外に出ると凄い雨と風が吹き付ける、駒ケ岳山頂まで約3時間、一番近い小屋の玉ノ窪山荘は約2時間半、避難小屋は、乗越のような所で、福島Aコースが合流している。

ここから先は、デジカメはリックサックの中、 直ぐに麦草岳の東側山腹に取り付く、最初は登りと言うよりやや下るような所だ、雨が降り続く、沢を渡る、まだ降り出して間もないから水量は少ない、その後どうなった事だろう。崩壊地も有る、岩壁には幾つの梯子や橋が取り付けられ危険を回避出きるが、気が抜けない。

 こんな危険の多い谷越えだが、木々の紅葉は美しい。晴れていれば本コース最高の場面である。さらに雨は大粒、激しくなってくる、岩がゴロゴロした下り坂になって、巨岩の岩(足を滑らすと岩の間に体が吸い込まれるような所です)を飛び越えて、巻くようになり、今度は登りになる、そしてようやく、ゆるやかな道になって少しは明るくなって、視野が開ける所だが雨はその視界を閉ざし見せてくれない。ここも大きな岩が奇妙に並ぶ、山姥と言う所だろう。

上空を見上げると大きく開け重い雲が稜線を吹き荒れている。ガイドブックには「風景が大きく写真の撮影はむずかしい」とある、何時、来れるか解らないがリベンジしたい所だ!

視界は無い!赤いペンキのみが頼りだ、大きな岩を迂回し、梯子をよじ登るとお花畑に飛出る、晴れていれば一休みしたい所だが、動かないと体が冷えてくる、水を一口飲むのがやっとである。梯子をまた越えると、どうやらここが八合目らしい清水が湧き出ている所だそうだが清水どころか上から滝のような流れが落ちてくる

八合目標識はちょっとした広場の様な所に置かれ、数b登るとカールに出る、ここまで登れば、七号目の避難小屋に戻る気は起きない、前に進むのみ!
ガレ場をジグザグに登る、玉ノ窪沢、普段は美しい流れであろうが、激しい滝になって登山道まで巻き込んでいる、この激しい雨でないと見ることが出来ない凄さです。ただ砂礫帯のため水は良く流れ歩行困難ではない、ただ私が通過した時刻以降はどうなった事だろう。

七合目避難小屋で別れた男性、力水で別れた二人組(名古屋・岐阜)みはその後姿を見ていない、避難小屋に泊まるか、引き返せば安心だが。

カールの底から5,6分登ると、玉ノ窪山荘の水源地、ようやく小屋の気配、ガスの中に小屋が現れる、同時に力が抜けたのか体が急に寒く震える、もーこれ以上歩くのは自殺行為だ!

「こんにちは、こんにちは!、、」と大きな声で玉ノ窪山荘に飛び込む、数秒後の返事、妙に長い時間だった、大きな部屋の中央に通路が有って、奥のトイレに通じ、両側が客室、お客は無人。

 奥から奥様が飛び出して「早くストーブを炊いて」と挨拶より先に旦那さんに声を掛けてくれる、きっとひどい格好であったことだろう、自分の姿は解からない。上下身に付けている物は全て取り替える、冷えた指先は働かず(震えは有るのだが)なかなか脱げないものである。リックサックの中は濡れないように最大の注意を払ったせいか無事だ、暖かい下着は有り難い、ほっと一息。ご夫婦の出迎えに、玉ノ窪山荘の暖かさを感じ元気が出てきた、ここまで登て良かった。

 着替え中、奥に消えた奥様が暑いお茶と宿帳を運ぶ、ポケットから出した財布の札は水を含み大笑い。主人の点火したストーブもようやく暖かくなってくる。「今日は誰も小屋の前を通る人はいないね!」と二人で話していたところだと言う。この後も外で人の気配は無い、きっとあの三人は避難小屋に泊まるか、引き返しただろう。やっと落ち着き「うとうと」した頃「今日は、宝剣山荘まで後どのくらい!」と女性の声、男性が二人連れ添っている、奥様が心配し行く先の工程を説明するが無視するように「宝剣山荘に予約を入れているので!」と強風と雨の中に消えて行く、私が小屋に飛び込んだ時より強くなっている、宝剣山荘に予約を入れているのは私も同じです。この様な天候に無理して登って来る人より安全を選んだ登山者を何処の山荘も望んでいる、山荘も安全登山があってこその営業だ。私達自らその安全を保って行かないと危険だ、結果オーライでは済まない。福島Bコースではなく、彼らは上松Bコースか福島Aコースで麦草岳経由で登って来たようです。

夕食、1010日で今年の営業は終わりとのこと、今夜が最後、美味しい料理が次々と並ぶ、おでん、肉ジャガ、、具沢山の味噌汁、主人と奥様の手料理は美味い、明日の空木岳への希望が湧いてくる。

夜中何度か強風が山荘を吹き付ける音で目を覚ます、雨も降り続く。期待は寝る前に見たテレビ画像の天気予報の晴れマークのみである。結局収容人員150人の小屋、今年最後の営業は私一人、標高2780bの布団に入り込む。

 *木曽前岳(標高2826b):玉ノ窪山荘から約15分、宝剣岳・三ノ沢岳・木曽駒ケ岳・御嶽山が手中、夕陽に染まる山々を見たいものです!

第二日目:翌朝、約束の時間、5時半、食卓にまた美味しい料理が並ぶ、「こんなに!」と驚くと「明日で終わりだから!」(今日の予約は無いようです)と笑顔が返ってくる。昨日の冷えた体は完全に復活。悪天候でなければ山荘のご夫婦にお会いできなかったであろう、出発にもご丁寧な挨拶を頂き、このコースを通過する時はまた玉ノ窪山荘にお世話になりたいものである。


巨岩の岩群、岩の像群

今朝も小雨、ガスで視界はゼロ、巨岩の岩群、岩の像群を見ながら登ると、御嶽山と木曾駒ケ岳の開祖である覚明行者の銅像の立つ祈祷場に到着。信仰の跡を充分に味わう事ができる。大きな石段をよじ登ると中岳と頂上木曾小屋(山頂)の分岐、ここは左に曲がる。


頂上木曾小屋 まるで要塞、蔵王の避難小屋を思い出す

1,2分で頂上木曾小屋の脇に出る、薄明かりがこぼれて人の気配。晴れていれば大展望だろう、数分で人の声が聞こえる、もー木曾駒ケ岳山頂である。

 
左:木曾駒ケ岳山頂 晴れを期待! 右:木曾駒ケ岳山頂 日の出はあきらめ!

視界はゼロ、展望の説明は不要だ。宝剣山荘を出発した登山者が5,6人、どんどん増え、賑やかになって、広い木曽駒ケ岳山頂も狭く感じられる。祠が祭られ、今日は不要な方位盤。

山頂から宝剣山荘へ下る、中岳との鞍部に着く、頂上山荘はガスの中、中岳を越える、また下って、天狗荘、宝剣山荘の建つ広大な尾根に到着。


宝剣山荘に入りコーヒーを注文、ここから縦走路へ

宝剣山荘に入りコーヒーを注文、玄関口は出入りの多い時間帯。宝剣岳を越え空木岳に向かうかどうかの判断をきめかねているご夫婦、こんな時知り合った人が向かうと引かれるものである、今日は晴れると読んだ自分は黙って小屋を飛び出す。彼らも今夜、木曾殿山荘で再会する。

分岐、左は乗越浄土をへて千畳敷か伊那前岳をさらに越え、黒川渓谷・駒ノ池/菅ノ台バスセンター方面。ここは真っ直ぐ進む。

 
左:宝剣山荘から西南の宝剣岳に向かうルート    右:天喜岩  

まだまだ、視界はゼロ、朝よりだいぶ暖かいような気がする、確実に上空には暖かい日が差し込み始めている。宝剣山荘から西南の宝剣岳に向かうルート、前方に黒くガスの中に見えるのが天狗岩、尾根を行くと右下に登山道、下って天狗岩を巻いて、一度岩場を下る、直ぐに鎖で岩壁を攀じ登る、今度は鎖で岩壁を横切って行く、注意する事は両手を空けている事だ、何が起ころうと手でつかんだ鎖を離してはいけない。


宝剣岳山頂

岩魂を抱えるようにして回り込むと宝剣岳山頂である。ピークは大きな岩柱であるがその穂先を、縦走する者は特に登ろうと思わない事である。

いよいよ次の目標は空木岳である、中央アルプスのなかで、アルペン的風貌の山「宝剣岳・空木岳」のニ大岩峰、右側後方に乗鞍岳・御嶽山が雄大で、左に南アルプスを望む展望路、ただ、稜線漫歩の間は檜尾岳手前まで、以降は一変するが展望は素晴らしい。

まず岩壁を下る、先行する男女、ルートを探している、こんな時は少し先を見る、必ず目立つ所にマークが見つかる、マークを付ける人の気持ちをまず読む事である。直角の岩壁を攀じ登り、大きく下ってまた登る、小さく上下を数回繰返す。最後は細い尾根(ナイフの刃渡り状)を渡り切って砂地に下って上ると広い尾根に飛出る。

 
宝剣岳・木曽駒ケ岳 昨日、雨の中を登って良かった、これから稜線漫歩

同時にガスが切れ木曾駒ケ岳が姿を現す、振向くと宝剣岳も見えてくる、歓声が周囲から上がる、三ノ沢分岐。三ノ沢に向かう人がガスに中に現れ、その先に三ノ沢岳が一瞬見えた。

  
左:千畳カール「極楽平から見下ろす 右:千畳敷駅から極楽平へ登山者が多い

今朝、駒ケ岳ロープウェイに乗って千畳敷駅から極楽平へ上がって来たと言う、ご夫婦も撮影に忙しい。50b程先のピークから眼下を見下ろす、紅葉に飾られた千畳敷カールが一望。カール下部の広場に千畳敷駅が建っている、庭先に大勢の観光客が目に入る、そこからロープウェイが、しらび平に下っている。

ゆるやかに下ると極楽平、千畳敷からの登山道が合流。大勢の登山者が登ってくる、その内の大きなリックの人は、宝剣岳方向へ向かう、逆方向の宝剣岳・木曽駒ケ岳への人の数の方が多い、木曽駒ケ岳まで行き、八丁坂を下って、千畳敷駅、再び駒ケ岳ロープウェイに乗って、しらび平へ下る周遊路が人気だが、観光気分では登れず、観光気分の人は駒ノ池めぐりが面白い。

 
左:三ノ沢岳     右:御嶽山

千畳敷への下山道を見送って、主稜線縦走路を悠々と南下する、大展望が展開する、三ノ沢カールの三ノ沢岳が雄大、その奥に御嶽山が立派だ。


美しい、縦走路

島田娘ノ頭(しまだむすめのあたま 標高2858b)、丘状の広いピーク、砂礫の斜面を下る、この辺り三ノ沢岳と島田娘ノ頭の間に御嶽山が姿を見せ美景です。風衝地帯の尾根で知られ、枯れた高山植物が風に揺れている。

 大きく下って島田娘ノ頭を振向く地点、三ノ沢岳に御嶽山が隠されると濁沢大峰(にごりさわおおみね)との鞍部。前方には高いピーク、かなり下ったなとため息。そして登りにかかる、急斜面、岩稜を登り返すと巨岩の積み重なる濁沢大峰の最初のピークで、進行方向にこんもりと二つのピークが見え、最初のピークは木曾福島側を巻き、二番目のピークは頂点を越えて行く、三ノ沢岳の左奥に双耳の美しい山が現れる、蕎麦粒岳・独標(標高2339b)であろうか、実に独特の美しさである


檜尾岳(標高2728b)縦走前半

尾根はハイマツに覆われ、今度は伊那側を行く、ここから縦走路は一変してくる、ダケカンバが見どころです。正面に立派な檜尾(ひのきお)岳が現れる。檜尾岳山頂からは縦走路の後半、ちょうど半分。丸い檜尾岳第2ピーク、約10分で檜尾避難小屋がある、そして約4時間半で登山口の檜尾橋へ下山も可能である。

 
左:三ノ沢岳・宝剣岳の山容           右:美しい眺め

三ノ沢岳・宝剣岳の山容にしばらく酔うことになる。三ノ沢岳と蕎麦粒岳・独標を結ぶ稜線が素晴らしい眺めです。


檜尾岳(標高2728b) 縦走後半 振り返る 
中央アルプス檜尾岳韓国人パーティー遭難事故
2013
729日午後1時15分頃、長野県駒ヶ根市の中央アルプス檜尾岳付近で、
ツアー登山の韓国人パーティーから「70歳の男性が動けなくなった」と駒ヶ根署に救助要請する遭難事故が起きている。
死亡した4人はいずれも韓国で数十年の登山経験を持つベテランだった。
4
人が所属していた山岳会は毎週国内で登山を実施しており、これまで2000回近く山に登ったとの事。
同山岳会の関係者は「国内では登ったことのない山はないほどだ」と話しているらしい。
空木岳(2864b)山頂付近にある木曽殿山荘の支配人夫妻によると、
メンバーは28日に同山荘に宿泊した。20人は29日午前6時頃、檜尾岳をへて宝剣岳へ向かった。
メンバーのうちの1人の男性は日本語がわかり、
「これから先はずっと雨と風にさらされ、高度も上がるので大変ですが、行きますか」
との問いに、「行きます」と答えていたという。
遭難時、宝剣岳の頂上付近では雨風が強く、視界が2030メートル以下の濃い霧が出ていた
檜尾避難小屋の存在は知っていただろうに残念です。

大きく下って 鞍部へ、上松側の伊奈川谷は、流れる落ちる斜面と三ノ沢岳からの斜面に囲まれとても美しい、振向くと三ノ沢岳と木曾駒ケ岳・宝剣岳によって作られたカールの美しさ、その奥に見えるのは乗鞍岳であろう。


三ノ沢岳と木曾駒ケ岳・宝剣岳によって作られたカールの美しさ

鞍部は休憩広場、両側の谷は紅葉で飾られる、潅木帯の急登、この辺りお花畑であろう、伊那側にコースを移し、再び木曾側に移り、ジグザグに登り詰めると砂地の斜面、傾斜がゆるみ、中央にハイマツが生え、ハイマツの伊那側では先行した団体がお弁当を広げている、千畳敷カールから登って来たようである。檜尾岳山頂から伊那側にこんもりとしたピークが見え、頂点に檜尾避難小屋が建っている。


檜尾避難小屋

木曾駒ケ岳と空木岳の中間に位置する檜尾岳からの展望は実に素晴らしい、大滝山から熊沢岳を経て馬の背のように空木岳に続く稜線は見事なものである、振向くと中央アルプスの人気のピーク宝剣岳がクッキリ、その奥に木曾駒ケ岳の大きな姿が有る。

 
左:乗鞍岳        右:御嶽山

三ノ沢岳の左奥には御嶽山、実に雄大霊峰の貫禄、三ノ沢岳の右奥にはこれまた貫禄の乗鞍岳が雲の上に姿を見せている。熊沢岳は見えていたが、その向こうにようやく待望の空木岳が黒い姿で現れる、空木岳は標高2865b、手前の標高2778bの熊沢岳に比べるとそうとう標高差が有るかのように目立つ。

 
左:シラタマノキの群落             右:二重山稜の船窪地形、岩尾根、岩場

展望を楽しみながら、大滝山の鞍部にゆるやかに下る、ここから三ノ沢岳の左奥の御嶽山はとても雄大、形も実に良い。鞍部から再び登り返し大滝山、山頂を過ぎると伊那側のトラバース、潅木帯で登山道にはシラタマノキの群落、二重山稜の船窪地形、岩尾根、岩場を慎重に越えて行く。

 
左:、ひっそり小さな池                  

ピークで4人の女性、北海道の山の花が終わってはるばる遠征して来たと言う、先頭の女性がメンバーをグイグイ引き上げる。眼下に池ノ平カールが広がって、ひっそり小さな池が見えている。ダケカンバの窪みで彼女らは昼食、では木曾殿山荘で、お先に!

どんどん登ると前方にピークが見え、赤マークは巨岩の裏を回っている、そのマークに従うと巨岩の裏に出ると「熊沢岳(標高2778b)」の標識が建っている、先ほど前方に見えたところにも「熊沢岳」の標識が建っている、本峰はこの巨岩の裏かも知れないが、立寄る人は少ない、見逃す位置である。

熊沢岳に着く頃から再びガスに覆われ視界はゼロ、左側に大きな山脈が無くなって風当たりが良いからだろうか、熊沢五峰と呼ばれる所から幾つもピークを越えて行く、と言ってもピークは巻くので縦走路のような所で時々巨岩を飛び越える程度で難は無い。


東川岳から木曾殿越に下る 展望なしかーーー!

視界ゼロの中を直登すると今日の最後のピーク、東川岳(標高2671b)に到着。空木岳の荒々しい姿が見えない。

 
左:最後の急降下         右:木曾殿越が見えてくる

最後のガレの急坂、突如ガスが吹き飛び紅葉に飾られた木曾殿越が見えてくる、JR中央本線倉本からのコースを結び空木岳の鞍部に位置する。


ここは、東川岳へ・空木岳への道標が立つ

空木岳の大きさに驚きながらまもなく木曾殿山荘の前に出る、5,6人の若者は空木岳を越え空木岳非難小屋へ向かう。空木岳には駒峰ヒュッテも有って、この快晴時に頂点に立っておきたい所だが、木曾殿山荘の玄関に入る、「予約はしておりますか?」「はい、つくば市の」「良く覚えていますよ!」と奥様が迎えてくれる、お会計受付は主人、昨日の雨で濡れたお札を出すのは忍びないが、快く受け取ってくれる。

山荘は木の温もり、綺麗だ、温かいお茶のおもてなし、千葉からやって来た「男性と3人の女性」、宝剣岳の岩場で合った「茨城県石岡の女性」、宝剣山荘で空木岳への「縦走を悩んでいたご夫婦」、「北海道から遠征の4人の女性」も無事に小屋に到着。


明日のコース南駒ケ岳 明日晴れて欲しい!のだが。

小屋の庭から明日のコース南駒ケ岳が美しい、そして越百山へと峰が続いている。

 
左:木曾義仲の力水                  右:木曾殿山荘

水場は山荘から伊奈川ダムへの登山道を約7分下ると、木曾義仲の力水(巴さん、葵さんの飲んだのだろうか?)が有ると言うので下って見た、山荘から見え無い空木岳山頂が望める嬉しいコースです、水は豊富に流れ出す、清流でとても美味しい。山荘でふるまわれたお茶もこの水だろうか、美味しかった。

昨夜の玉ノ窪山荘と簡単に比べることはできないが、登山者を迎える心息は充分うかがわれる。

千葉の人達、北海道の女性達、兵庫の女性、石岡の彼女と横並び、明日の予定に花が咲く、「宝剣岳へ行くといったら」「危ない!」と言われ、パスして来た兵庫の女性、石岡の女性はパスせず登ってきた、宝剣岳では危ない動きだったのだが、美人ハイカーの笑顔が素敵です(ここから石岡の女子を石岡さんと呼ぶことにする、石岡市とつくば市は筑波山が境界、筑波山山頂で再開したいものです)。

石岡さんは百名山に目覚め、精力的に山登りをしているとの事、来週は雨飾山、次の週は八ヶ岳、続いて恵那山に伊吹山だと言う、明日は南駒ケ岳から越百山を縦走する話を聞き私と同行すると言う、勿論、望むところ、友がいてこそ楽しい縦走である。

第三日目:朝は早い、5時半朝食、外は激しい雨である、南駒ケ岳から越百山を縦走楽しみにした石岡さんは池山・駒ヶ根コースへ先行(私が先行したと思ったらしい)。昨日良きライバルを空木岳で無くなった弔い登山の男性に聞くと空木岳を山荘からピストンして木曾義仲の力水のコースを下ると言う、伊奈川ダムから車で駅まで、望みなら良い温泉も案内してくれると言う。迷う、登山は苦しむ為のものではない、悩みの末、リックを背負い、空木岳を越え多くの人が歩く池山・駒ヶ根コースを下る決意

空木岳−南駒ケ岳−越百(こすも)山の縦走は次回とし、その時は農ガ池を経由する桂木場から登って玉ノ窪山荘(泊)から改めて縦走したいものである、高山の星、コマウスユキソウ、中央アルプスの特産種の咲く頃である。

空木岳から駒ヶ根高原のコースを池山コースと呼ばれる、池山(標高1774b)を超えるコースもある、中間辺りに大地獄・小地獄の難所がある。

木曾殿山荘は北海道の女性達と数名が残る、友人を無くした男性と雨の降る急登に挑む、辛い登りだ。


山頂まで標高差約300b、一時間半

山頂まで標高差約300b、一時間半とのこと、ガスで視界ゼロ、木曾殿越から見えるピークを過ぎると岩群、巨岩の立つピーク、ピークは数箇所、数段の丸太の梯子、この上部で友人はリックサックが岩にからみ転がって谷へ、不孝な出来事である。友人はそのお母さんを案内し、ここを登ったと言う、想像もつかない苦しい登りだったことを思うと両手を合わせずにはいられない。この事故の後、この岩壁の登りに鎖、足場、梯子が付けられたと言う。


宝剣岳山頂(標高2931b)

苦労して足場の無い岩壁を攀じ登り、大きな岩を数個飛び越えると明峰空木岳山頂である。御嶽山、南・北アルプス、八ヶ岳、、、と望める360度の展望は視界ゼロ、激しい雨が吹き付ける、ここで友人を無くした男性とお別れである、彼は木曽殿山荘に引返し、木曾義仲の力水のコースを下る。

先行して登った千葉の人たちに追いつく、親切に都心まで車で送ってくれると言うが、丁重にお断りし先を急ぐ、石岡さんに追いつく必要がある、約束を守る為に。

砂地の斜面に木段、まもなく駒峰ヒュッテ、空木岳避難小屋との分岐、石岡さんが空木岳避難小屋コースを選ぶことなく駒石へのコースを選ぶだろう、美人ハーカーは駒石を見ないで下らない!

 
左:駒岩            右:ダケカンバにナナカマドが目楽しませてくれる

  駒石はビックリする巨岩、金峰山の五丈岩をしのぐ、直ぐに空木岳避難小屋からの登山道が合流し、潅木帯に入る、木々が色好き紅葉が楽しめる、しばらく狭い登山道が水平に続き、ヨナ沢ノ頭から稜線を離れ、斜面をトラバース、時々晴れ間、ダケカンバにナナカマドが目楽しませてくれる。アルミ製の階段が木製の梯子と続く、小地蔵・大地蔵の狭い道が続き、先行した団体が「お先にどうぞ!」と先を譲ってくれる、足元が荒れ歩き難い所である。

 
ようやく雨が止む、ここまで下ると紅葉はまだ!

 尾根からだいぶ離れた頃、石岡さんに追いつく、空木岳山頂で少し待ってくれたという、木曽殿山荘から先に出発したと思い、追いつこうと木曾殿山荘から山頂まで急ピッチ、その後も急ピッチで下ったらしい、池山コースで追いつきホットする、冒険好きの女性でも、一人だと心細い登山道は急ぎ足になってしまうものである。

晴れていれば今頃は仙涯嶺(せんがいれい)を超えて越百山(こすもやま)の手前で、予定通り、JR中央本線須原駅に着いたであろう、百名山を目指す石岡さんはリベンジするチャンスはないだろうが、私は歩いてみたいコースです。

 
左:遊歩道経由/池上/空木岳・池上小屋・登山口(菅の台)・山道経由空木岳 右:野生動物棟・登山口(菅の台)・遊歩経由池上/空木岳・池上山頂(急峻)

この後、多くの道標が現れるが、菅ノ台・駒ノ池の文字を追いかけると迷うことなく駒ヶ根高原の駒ノ池に着いてしまう。


池山周遊路が有ってその都度真新しい道標

駒ヶ池方面から登る登山者、池山山頂経由の道を見送ると、美しいカラマツ林、白樺混じりの樹林帯と続く。この辺り池山周遊路が有ってその都度真新しい道標が立てられている。

 
左:空木岳/南駒ケ岳登山道・池上自然遊歩道 右:林道経由/池上/空木岳・古城会園

 
左:池山/空木登山道・スキー場経由登山口・林道経由池山/空木登山道・林道経由登山口(菅の台) 右:空木登山道・木陰のパノラマ遊歩道

林道終点、数十台で満杯、すっかり雨は上がって、私達は林道を駒ヶ池へと下る、所々登山道は林道を直角に横切り近道になっている、林道終点から駒ヶ池までは登山者の姿は無いが、時々栗の拾った跡、踏んだ跡が残って通過した人がいることは確かだ。

 
左:池山散策マップ        右:駒ヶ池  駒ヶ根高原

小型バスが停まっているスキー場駐車場、駒ヶ池は直ぐである。石岡さんは駒ヶ池で温泉に入り高速バスで帰宅、ローカルバスと電車の好きな私は12:20に別れ、駒ヶ池に12:25着、菅ノ台バス停発12:40のバスに乗ってJR飯田線駒ヶ根駅へ、みどりの窓口で聞くと:1時間後のJR岡谷駅行き+JR岡谷駅15:36あずさ26号の予約切符一枚残りだとか(駅員さん独り言)、確かに岡谷から新宿まで満席でした、自由席は大混雑のご様子。

JR駒ヶ根駅14:03、ワンマン電車、ガラガラ、岡谷駅ホームは寒い、15:36の特急に乗れば何の心配も無く新宿駅に運ばれる、高速渋滞も全く心配ない。18:07定刻に新宿駅ホームへ、駒ヶ根駅と比べ新宿は大混雑。だが登山者の姿はチラホラ。

予定の第三日目のコース(雨の為中止):木曾殿山荘―(1:40)→空木岳―(1:00)→赤梛(あかなぎ)岳―0:10)→摺鉢窪分岐―(0:10)→摺鉢窪―(0:20)→摺鉢窪分岐―(0:30)→南駒ケ岳―(1:10)→仙涯嶺―(1:00)→越百(こすも)山―(0:40)→越百小屋―0:40)→水場―(0:15)→七合目・御岳見晴台―(0:50)→上のコル―(0:25)→下のコル―(0:40)→福栃平―(1:00)→伊奈川ダム=(タクシー 0:40)⇒JR須原駅17:2118:46=(中央本線)⇒18:2820:00JR塩尻18:4420:10=(中央本線:あずさ3436号)⇒21:0622:37JR新宿駅

 木曽福島側からの登山道:今回のコースは木曽福島登山口の福島Bコースと呼ばれ、他に福島Aコース、こちらは駒ノ湯を起点とする、途中三合目では木曾見台を往復し、七合目でBコースと合流。 木曽側から木曾駒ケ岳に登るコースとして他に、上松(あげまつ)からのコースが有る、こちらも上松ABコースの2コース。上松Aコースは敬神(けいしん)ノ滝山荘経由、上松Bコースは芦島高原(木曾駒荘)から登るルースです。この4コースとも九合目の玉ノ窪山荘で合流する。福島Aコースの場合は木曽福島駅前からバスが大原(大原上)行7:59(次は9:00)発が有り大原着8:20頃、福島Bコースへはタクシーで直接入るか、大原(上)バス停からBコースと同じでも良い。

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