高原の大平牧場から岩稜の展望台の山頂へ  乾徳山 (標高2,031b)

日程2000226日(土) 曇り

2005年11月19日(雪化粧の富士山)

ここ数日晴天が続く、ただ天気予報は関西から崩れ、山梨県は降水確率20%との事、富士山の展望台:乾徳山登山であり、富士山が見える確率を予報として20%と思えが、この確率に掛け、予定通り、友人と娘と三人で22524:00自宅(つくば市)を出発した。

友人は自宅の近所の方で、富士山に長年カメラを向け続けて来られた人である。乾徳山の大平牧場にも何度か足を運び、富士山の姿を撮影している。スッキリ晴れ渡った富士山の撮影は当然だが、雲に浮ぶ富士山の姿こそ多くの変化があり楽しみだという。


●コース

自宅0:00=(県道)⇒常磐高速谷田部IC前⇒水海道⇒芽吹大橋⇒野田:国道16号線⇒春日部手前:国道4号線⇒梅島陸橋:環七通り⇒大原:国道20号線⇒柏尾:中央高速勝沼IC手前⇒勝沼町:国道411号線(青梅街道)⇒中央本線ガード先を左折⇒恵林寺⇒国道140号線に交差し、雁坂方面へ⇒乾徳山登山口を左に見て⇒右に郵便局を見て⇒大平牧場入口が左に、左折⇒5:15大平牧場の駐車6:00−(0:05)→乾徳山登山口−(1:40)→7:30扇平−(1:40)→9:20乾徳山山頂10:00−(2:00)→12:10大平牧場の駐車⇒国道140号線⇒13:00道の駅「みちみ」⇒雁坂トンネル14:30道の駅:大滝温泉湯遊館17:00⇒秩父市:国道299号線⇒高岡19:00川越:国道16号線⇒野田⇒水海道:県道⇒20:30自宅

●ガイド

国道140号線から大平牧場までの林道は一部舗装されてはいるがかなり荒れている、ところどころ岩が崩れ落ちているので、慎重なドライブが要求された、大きな岩が道に落ちており、助手席の友人に降りて、どけてもらうほどだ。牧場の手前が日陰になっており一部雪が残っており、減速し、車を停めないように慎重に走り抜ける。牧場は人の気配も無く静か、車をさらに先に進める、道はひどいが、友人は何度か訪問しており、経験豊富、経験アドバイスが生きる、こんな時は心強い味方だ。

乾徳山登山口の標識案内板が見つかったが、車を停める空間が無く、ちょっと不安、友人の言うには少し先に行けば空き地があるというので指示に従う、まもなく大きな岩の間に一台分の空間がようやく見つかる、ここを今回の駐車場に決める。

国道20号線を走る頃は月がはっきり見え、好条件。だが、国道140号線に移った頃には雲に隠れてしまった。これでは、富士山の見える所まで急いで歩き、日の出前の写真撮影をする必要が無くなった状況です、従って6:00頃まで車の中で仮眠し休むことにする。

6:00、たまりかねた3人、とにかく歩き出すことにする、大菩薩方面の山々が大きくせまり美しい。

車を停める前に見た乾徳山登山口の標識の所まで戻る、案内板には大平牧場からの案内は無い。すぐ急な坂を登る、小鳥の声が多く聞こえる。林道に出るが登山道は近道(林道をショートカットしている)になっているから、登山道を良く探した方が良い。従って何度か林道に出ては離れることになる。

2,3度目の林道で朝食。寒いので食べたら直ぐに歩き出す。少し上ると左が急に開け、南アルプスの一部が見えて来る、眼下には塩山から甲府へ広がる甲府盆地が眺められる、高度をさらに上げると南アルプスの姿がグーンと広がり素晴らしい、富士山の姿は全く見えない。

私たちのコースは国師ガ原を通らないが左側が大きく開け、南アルプスを見ながらしばらく尾根を歩く気持ちのよいコースだ、レンゲツツジが多い。やがて雑木林に入る、大きな岩に枯れ木が張り付き不思議な光景を見る、そこから右側に奥秩父の山々が見え、休憩に良い場所だ。

さらに雑木林を進むと、目の前が広がり、扇平らだ、中央の大きな岩<月見岩>からの眺めは、カメラマンを引き付けてその足を止める、彼は先に進めないほど素晴らしい、乾徳山の頂上部もよく見える。

月見岩のすぐ先に徳和からの道が合流し、「扇平」の標識が立っている。ここからいよいよ乾徳山山頂への上り坂が始まる。

木々の根本の大きな岩に苔が生え、残雪が残り「日本庭園」の様な美しさが斜面に広がる、やがて樹林帯に入り、残雪が多くスベリ易い道を上ってゆく、最初の鎖場は迂回路を通過。その上は素晴らしい展望が開け、南アルプスは一段と大きく広がる、しばらく平らな道だが長くは続かない。

左手が開けた岩場(ここの展望も凄い)を登りそのまま上ると行き止まり、大きく右に曲り、岩と岩の隙間を抜けて、岩の後ろが側に回り込む、雨乞石の前に出る、その岩の次は鎖が2本連続する岩場、二本目が90度に近く危険だ。

先に上った私が富士山の姿を捕らえる、クジラが海の中から頭を出した感じだ!「富士山が見えるぞ!!」と言うと、二人も元気に上ってきた。

ここが山頂かと思ったらまだまだ先が続く。その先、見晴の良い展望の開けるところで富士山がさらに大きく見えてきた。一息いれると良い、金峰山の五丈岩が見えるが、金峰山の全景は国師ガ岳の影だ、茅ヶ岳もくっきりと見える。

今度は最後の鎖、天狗岩20bの鎖だ、緊張の瞬間でが、友人も娘も無事に通過。

富士山の雄大に感嘆。
   
乾徳山山頂には「山梨県百名山」の標識が立つ、岩の固まりだ、気温が零下で岩は冷たく霧氷の状態。展望はさえぎる木々も無く、文字どおり360度の展望を楽しむことができる。

すぐ後ろには笠盛山と黒金山が並んでいる、その向こうに甲武信ガ岳と雁坂領が大きく聳えている。左に目を移すと国師ガ岳と石楠花尾根が伸びる、南アルプス連峰が全て見え、その手前に無数の山々が連なっている、そして多くの山の裾野が甲府盆地に張り出し、甲府盆地の向こうには南アルプスの前衛の山々が連なって、そして富士山の手前の山並みに続き、道志山塊に続き、さらに大菩薩峠へ続き、また雁坂峠に戻って来る360度の展望が得られる。

見える主な山を紹介しよう(デジカメが無く写真は少ない)

北西:黒金山、国師ガ岳、石楠花尾根の先に金峰山の五丈岩
北:三宝山、甲武信ガ岳、木賊山、破風山、雁坂領と手前に峠、水晶山、和名倉山
東:笠取山、唐松尾山、飛竜山、雲取山、御前山、三頭山
南アルプス:甲斐駒ヶ岳、仙丈ガ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳とその南部連山

そして主役は 富士山の雄大な姿

あるガイドブックには八ヶ岳が見えるとあるが確認はできなかった、曇に隠れていたのかな?大菩薩の先に見える山並みは丹沢山麓であろう、もう少し山々の位置や名称を学んでおく必要があった。

友人の話し:なぜ、乾徳山が日本百名山に選ばれなかった?おそらく、富士山の眺めはいいが、金峰山などに比べると、後ろ側の展望が良くない、八ヶ岳、浅間山などの眺めが無い。

乾徳山山頂でしばらく展望を楽しみ、上ってきた鎖場を慎重に下る、鎖場で一人の男性が上って来る、彼は鎖をまったく使わずに登り始め、あっという間に山頂の岩の先端に立ってしまう、驚きだ。

下りは上りより慎重にと言いながらグングン高度を下げる。扇平に来た時は身体が冷えて来る、予報通り雪になるのか?富士山の姿は消えていた。

山頂から大平牧場まで10人の登山者に会う(ただ、扇平から山頂の間で、私立ちより早く上り下った足跡があった)、さすがに今日は少ない、他の山で見かける中年女性の姿も無い、女性は娘一人だ。(彼女の孫らは山好きである)

無事に駐車場に到着、大平牧場から国道4号線間は一台の車にも会わず下る、帰りは雁坂トンネルを抜けて秩父を走ることにする。道の駅「みとみ」では氷点下0度、雁坂トンネルを抜けると「雁坂大橋」、「ループ橋」を通過し、滝川渓谷を左に見ながら大滝村へ、大滝村の道の駅「大滝湯遊館」で温泉を楽しみ休憩、ここは御岳山への登山口になっている。

国道140号線を走ると、決まって話題に上るのが「武甲山」。国道299号線で正丸トンネルを過ぎる頃にはすっかり暗くなっていた。

HP:わたしの天気予報