梅雨入りの加波山辺り 花の入公園から一枚岩まで
加波山登山口「花の入公園」からい一枚岩辺り
燕山&加波山の初夏を楽しみに出かけたが! 

日程:2014611日 (水)雨 梅雨入り

 

加波山は四季それぞれ面白い山である、冬の2012/12/1は初冠雪であきらめ、今日は午後から雨の予報だったが、梅雨入りで早まり、一枚岩から先は雨で取りやめ!でも、初夏の草花が多くまた一枚岩の渓谷は近くの筑波山・宝篋山・雪入山に無い魅力がたっぷりです。

コース

筑波山は日本百名山ですが、加波山はあまり話題にならないけど、筑波山神社からケーブル沿いに男女川源流をへて登り切って、飛び出た広場が御幸ヶ原、正面に素晴らしい展望が広がり目に飛び込むのが加波山です、カタクリで有名な三毳山から筑波山が美しく見える、この美しさは三毳山から眺めは左に加波山、右に宝篋山が並んでいるから!さらに人気の陣馬山から晴れていれば筑波山が関東平野の東に加波山を並べ確認でくる。

ガイドブックには「加波山は筑波連山の1つ」と説明、筑波山同様古くから神の存在する山、筑波山以上の神社が頂上に祭れている、JR土浦駅からつくばりんりんロードがJR岩瀬駅まで整備、このロードに鉄道時代の駅のホームが多くの場所で残されているのが特徴、道路拡張などで消滅した場所もあるが、それら一部を除いて案内板もあるので、鉄道が走っていた往時を偲ぶこともできる。また、旧岩瀬駅、旧雨引駅、旧真壁駅、旧筑波駅、旧常陸藤沢駅、旧虫掛駅の6カ所の駅舎跡地は休憩所として整備されている。

加波山のアプローチは今やマイカー、主な登山口は県道R41沿い桜川市の樺穂小学校(加波山登山口の道標がある)、同じ県道の花の入公園(花の入公園の道標がある)に二箇所、樺穂小学校からの登山道は加波山を直接登る為の道、花の入公園からの登山道は地元の人に多く歩かれている、魅力は一枚岩と燕山へて登り、加波山へ、加波山から加波山神社方向に下り最初の林道を右に進めば花の入公園からの山道がある。

花の入公園上部入口10:08―(1:02)―>渡渉点11:10―(0:04)―>一枚岩渡渉点(綱場)11:14―(0:56)−>12:10花の入公園上部入口

つくば市から国道408号で筑波山へ向かい、国道125号に交差、R41で桜川市に入り、樺穂小学校の先で加波山入口を見送り、数`走ると「花の入公園」の標識が右側に現れる、ここを入り民家を抜け、花の入公園に着く、トイレに駐車場があって、さらに公園を右に見て上に進み、花の入公園から離れるが、橋の先で右に道(直ぐに行き止まり)を見送ると、左に家を見る、続いて花の入公園入口の道、この先に2台ほどの駐車スペースがある。

 
左:モチノキ(黐の木)モチノキ科                  右:サルトリイバラ(猿捕茨)サルトリイバラ科(またはシオデ科)

この駐車場の土手にモチノキは植えられていり、モチノキの樹皮から鳥餅を作り、これが和名の由来となっている。雌雄異株であり、4月頃に4枚の花弁を持つ花、今はやや赤みだが、秋には赤い果実。乾燥に強く強健であり、刈り込みにも耐えること、果実も美しいことなどから庭園に植栽される。アメリカヒイラギ、ウメモドキ、ツルツゲ、イヌツゲ、クロガネモチなどがある、アメリカヒイラギは庭先に植えてある。ヒイラギはモクセイ科で対生で若い枝の葉は25対の大きな歯牙が、古い枝の葉は全縁、モチノキ科は互生。

サルトリイバラは刺があり、猿が引っかかって捕まってしまうことから和名がつく、茎は固く、節ごとにジグザグに曲がり、まばらに刺がある。果実は球形の液果で、今は写真のように青いが、赤く熟し、よく目立ち、好んで茶花に使われる。

この林道は雨引引に続くが。登山道は細い脇道の林道に入る、車の跡が続く。

 
左:ヌルデ ウルシ科                    右:ヤマボウシ(山法師、山帽子)ミズキ科

花の入公園周辺の林道はつくば万博後の建設で自然界言えば新しい、先駆植物であるヌルデなどが多い、後発のより大きいコナラなどが育ってきて、陽が当たらなくなると枯れてしまうそうです、ヌルデと並んで生えているのが、アカメガシワ、アキグミ、カラスザンショウ、クサキ、ネムノキです。ヌルデの幹を傷つけると、白い漆液を出しヌルヌルするので、また漆液を塗料(ヌテ)とするのでこの名が付いた。この液はかぶれない、葉は互生し、奇数羽状複葉で小葉は36対、小葉は長楕円形または卵状長楕円形で、無柄、縁は粗い鋸歯がある。小葉の間の葉軸に、翼があるのが本種の特徴。若枝、葉軸、葉裏には褐色の毛を密生する。ウルシの小葉は根元の方が小さい。ウルシ科にはツタウルシ、ヤマウルシ、ハゼノキ、ヤマハゼ、ウルシとヌルデがあり翼があるヌルデ以外は触らない方が身の為、特に紅葉に美しいツタウルシやヤマウルシは撮影だけ!

花の入公園の上部に、ヤマボウシが植えられ花期は過ぎたが沢山花を付けている、花の形状を、坊主頭と頭巾(白い総苞片)と見立てた和名、果実は球形の集合果で赤く熟す。ハナミズキと同じように庭木にするが、実は甘く美味しいが、口の中に種子と皮が残りざらつく、味も少し癖がある。近くの牛久市にハナミズキ通りがあるが実が赤く熟すのを確認した事はない。ミズキ科にはアオキ、サンシュユ、ミズキ、ハナイカダがあり、ミズキはガマズミやゴマギと似ているが、近づくと花の形が違います。

 
左:ニガイチゴ (苦苺) バラ科                  右:オカトラノオ(丘虎の尾)サクラソウ科

美味しいニガイチゴ、花は春に咲き、葉腋につけて茎に並べ、花は白い5弁花で上向きに咲き枝上に並べ果実は夏に熟し、球形で、つぶつぶになっている。和名の「苦」は、果実の種子(核)に苦みがあるとして名付けられているが?果実は甘くて結構美味しい。ナワシロイチゴは茎や葉など、全体に棘がある。葉は3枚あるいは5枚の小葉からなる複葉で、花が咲く茎では3枚であることが多い。果実は橙色から暗紅色に熟し、食べられる。熟したものにはアリがよく来ており、人間と競争である。ちょうどイネの種を蒔く「苗代」を作る頃に果実が熟すので、ナワシロイチゴの名が付いた。

ヌマトラノオとオカトラノオがよく比較されているが、沼に生えればヌマトラノオ、丘に生えればオカトラノオだと言い切れないないが、ヌマトラノオを筑波山や加波山で見たことはない、逆にオカトラノオを霞ヶ浦周辺(水郷県民の森など)で沢山見かけます。オカトラノオ(写真)の花穂はヌマトラノオより太く、写真のように垂れているのが普通です。オカトラノオは初夏の代表的な花ですね!

 
左:モミジイチゴ(紅葉苺) バラ科           右:ムラサキシキブ(紫式部) クマツズラ科

モミジイチゴは葉の形がモミジに似ているというので、紅葉苺という名がつき、花が下向きに咲くので、枝を持ち上げて撮影することになる、カジイチゴ(梶苺 バラ科)も同じで果実は黄色、こちらも食べることができる。

ヤブムラサキ(藪紫)はムラサキシキブ、コムラサキなどと比べると花が少なくまばら、花の柄や茎、葉に細かい毛があり、葉を指でつかむとフカフカでムラサキシキブより肌触りは良い感じです。コムラサキは庭先に植えられている。

花の入公園を離れると林道の分岐、真っ直ぐ行くと燕山の山腹を大きく巻いて加波山の山麓に続く、一枚岩は右の細い道に入り、一枚岩をへて燕山・加波山の何れに向かっても、分岐した林道に上で出合う。

ここは右折し、一枚岩へ、薄暗い林道を緩やかに登れば、大木のホウノキが生える林道終点、ここから本格的に沢沿いに登る登山道になる。

 
左:コウゾ(楮)クワ科                右:ヤマアジサイ(山紫陽花)ユキノシタ科 

同じ和紙の原料なのに ミツマタは園芸用としても栽培されるほど花がきれいなのに、コウゾは地味な花で、雌雄同株なのだが、雄花と雌花は別々の場所に集まる。実はオレンジ色になって食べることはできるが、クワの実にように美味しくはない。


沢沿いに咲くヤマアジサイはとても綺麗です!

ヤマアジサイはガクアジサイ(額紫陽花)に似ています。筑波山・加波山に多く、薄暗い林の下や沢沿いに生えている。花の色は赤,青,白などで生えている場所によって色合いが違うよううです、ガクアジサイに比べ葉に光沢がないところが特徴です。

沢に沿って登山道が続き、足元は抜かる、

 
左:トリアシショウマ(鳥足升麻)ユキノシタ科 右:ミヤマシキミ(深山樒)ミカン科

サラシナショウマは秋の花、トリアシショウマは初夏、薄暗い登山道を明るくする、アカショウマの花期は真夏、梅雨が明けた頃でしょうか?

ミヤマシキミに花期は35月、雌雄異株、写真は雌株、実は核果で有毒と言われる。鮮やかな赤い色が目立つが食べられることを拒否しているのだろうか?綺麗なものほどトゲがあって毒がある、よく確認してから口に運びたい!


美しい渓谷

筑波山周辺では珍しい美渓、雨が続き、水量が多く綺麗!


難所の渡渉点

渡渉点、水が少ないと沢底の岩を伝わって進めるが、沢の左からイヌガヤの生える巨岩の手前の岩を超え、沢の右に渡り、杉林の斜面の踏み跡を頼って上がり、沢から離れないように巻いて、今度は沢の左から右に渡る岩場を見付ける、、、。

再び、沢を右に見て登る。


美しい流れ

まもなく、大きな一枚岩、一枚岩に立つと、美景で、岩に腰を下ろししばらく夢想に浸りたい気分!


一枚岩

再び登山道に戻る、ちょっと先に上がれば、一枚岩の渡渉点、ここは細い綱を握って、岩に付いた傷跡を利用して渡る、安易に渡ると足を滑らして宙ぶらりんになるから注意、この時期は岩にコケが無く比較的滑らないが、真夏に入ると岩の面がヌルヌルして軽はずみな行動は慎みたい!


綱を使う渡渉点

綱の渡渉点を横切ると、登山道も沢も平坦になる、沢で雨の音が消えていたが、木々の間から雨、天狗に踊り場もしくは林道まで上がり、その林道で花の入公園に戻る方法もあるが、濡れないで早く車に戻るには引き返す方が!

という訳で、引き返す。

 
左:ネジキ(捩木)ツツジ科                  右:サルナシ(猿梨)マタタビ科

一枚岩の登山道沿いにネジキ、注意してみませんでしたが「樹皮がねじれているのでついた名」とのことです、次回注意して観たい。このねじれは左巻き、花は56月に、前年枝の葉腋から、総状花序を横に出し、白い壺状の花が多数、下垂して咲く。一本の枝で葉の大きさに変異が大きい、写真でも判ります。刮ハは上向きにつく、ツツジの仲間には、花は下垂し、実は上を向くというのがよくあるがサラサドウダン、ハナヒリノキ、アセビなど。

続いてサルナシ、実が梨の形に似て、猿がよく食べるのでサルナシと付けられたという、加波山には猿はいない?太い木で登山道の邪魔になりバッサリ切られてしまった様です。マタタビと良く似ているが、葉の形、葉が白くならない、このサルナシは花を付けるのだろうか?

 
左:コアジサイ(小紫陽花)ユキノシタ科                右:ヤマザクラ(山桜)バラ科 

ヤマアジサイとコアジサイが咲き出し、登山道を飾る、ヤマアジサイもユキノシタ科、アジサイの仲間には装飾化と呼ばれるガクがあるが、コアジサイにはガクのない花を咲かせ、規模が小さくコアジサイと呼ばれる、初夏の可愛い花!

雨が大粒に変わる、ヤマザクラの実が赤と黒、黒く熟すと甘くなるが、食べるには小さい、さくらんぼとは程遠い!車に戻ると激しい雨!

花の入公園から車で筑波実験植物園の前に来ると、小雨に変わり、駐車場で昼飯、午後は雨が一時的に上がり、園内を散策。
ハンゲショウが葉を白く染め始め、ガマズミ、ヤブデマリ、ゴマキ、マユミ、ジャケツイバラ、ヒョウタンボク、ユスラウメが可愛らしい実を付け、ウツギが花ざかりでした。

ハンゲショウが花期を迎えると真夏は近くなる!

わたしの登山話