表銀座は燕岳から大天井岳、常念岳、蝶ケ岳への縦走コース 槍ヶ岳の大展望
燕岳(標高2763b)大天井岳(標高2922b)常念岳(標高2857b)
東天井岳(標高2814b)蝶ヶ岳(標高2677b)

 

日程 200591718   晴−快晴

 


大天井岳からの縦走はここで終わる 眼下が常念小屋

コース

前日:新宿駅発ムーンライト信州8123:54=(中央線・大糸線)⇒4:51穂高駅5:05=(南安タクシー有限会社 0:10)⇒しゃくなげ荘5:15=(南安タクシー有限会社バス 0:40)⇒5:55中房温泉

第一日目:JR大糸線穂高駅5:05=(南安タクシー有限会社)⇒5:55中房温泉・燕岳登山口6:00―(0:30)→第一ベンチ6:30―(0:20)→第二ベンチ6:50―(0:30)→第三ベンチ7:20―(0:25)→富士見ベンチ7:45―(0:35)→合戦小屋8:20―(0:20)→合戦沢ノ頭(標高2489b)8:40―(0:20)→燕山荘9:00―(0:25)→9:25燕岳9:35―(0:25)→燕山荘10:30―(0:45)→蛙岩(げろいわ)11:15―(0:55)→切通し岩12:40―(0:05)→喜作新道分岐12:45―(0:30)→大天荘13:15―(0:10)→13:25大天井岳13:35―(0:05)→大天荘13:40中天井岳(標高2890b)14:00―(0:15)→東大天井岳肩14:15―(0:15)→14:40横通岳の鞍部14:50―(0:10)→横通岳下部15:00―(0:15)→稜線の末端15:15―(0;30)→常念乗越15:45―(0:01)→15:45常念小屋

第二日目常念小屋6:20―(1:25)→7:50常念岳8:05―(0:55)→鞍部―(0:55)→ピーク2512b9:00―(0:15)→鞍部9:15―(0:35)→ピーク2592b9:50―(0:10)→沼10:00―(0:10)→鞍部10:10―(0:40)→蝶槍(標高2664b)10:50―(0:10)→ピーク11:00―(0:05)→横尾分岐(標高2625b)11:05―(0:05)→樹林帯へ突入11:10―(0:45)→槍・穂高展望地点11:55―(0:15)→槍展望ポイント12:10―(0:15)→槍見台12:25―(0:00)→梯子12:25―(0:20)→小さい梯子2個続く12:35―(0:05)→横尾12:40―(0:45)→新村橋13:25―(0:10)→徳沢13:35―(0:25)→古池14:00―(0:20)→徳本峠入口14:20―(0:15)→徳沢・明神橋14:35―(0:30)→河童橋15:05―(0:05)→15:10上高地バスターミナル16:00=(1:15)⇒17:15新島々17:28=(松本電鉄)⇒17:57松本駅18:35=(あずさ34号)⇒21:07新宿駅

2005910日前夜新宿発23:54ムーンライト信州81号に乗って焼岳へ、今回も同じ電車で、穂高駅へ、穂高駅発5:05のバスに乗り中房温泉着6:00

北アルプスには表銀座、裏銀座縦走コースが有って、いずれも槍ヶ岳を目指すコースだ、そして槍ヶ岳近くになって表銀座は東鎌尾根となり、裏銀座は西鎌尾根となって山頂へ。さらに槍ヶ岳へは穂高連峰から南岳経由(穂高コース)、上高地から横尾経由(槍沢コース)、新穂高温泉から槍平小屋経由が有る。今回は、燕岳から、一番人気の表銀座を使って大天井岳・常念岳・蝶ヶ岳(蝶槍)、下山は上高地へ。

 

 

一日目甲府、茅野で降りる空席となるが、塩尻からは急行ちくま大阪発(916.22日のみ)21:43でおもな駅は名古屋00:12、木曽福島2:46、塩尻4:02、松本4:38、長野5:33)から乗換える人で満席、松本、豊科、そして穂高駅、どっと降り、そのまま駅前で待つタクシー、バスに並ぶ。常念岳へ直接登る人たちはタクシーで一ノ沢か三股、燕岳へは中房温泉行きのバス(南安タクシー有限会社)。満席で大型タクシーが増発。大人1人:1620円。

バスはしゃくなげ荘を経由、ここには町営の駐車場が有る。中房川に沿う道に戻って、渓谷を走り、有明山が近くなって、少し下り2`程で国民宿舎有明荘、さらにバスは登り詰め、ロータリーのバス停、トイレはこのバス停横。

売店の横に燕岳登山口の道標、中房温泉はさらに奥、登山道は樹林帯に入り、ちょっと平坦だが、すぐ合戦尾根に取付く、初めて燕岳にこられたご夫婦、いきなりの急坂に驚く「ここは北アルプスでも急登で知られている所ですよ!」「そうですね、ガイドに書かれていましたね、」と、でもバスの窓から眺めた美しい渓谷とこの快晴に満足、でも燕岳を日帰りだと言う。一度傾斜が緩み、大木の根で休憩するところに出る、この後5分程で広い第一ベンチに到着。水場の矢印、長いベンチが置かれ、大きなおにぎりを食べている人。

第一ベンチを過ぎると、急に列が乱れ、歩き易くなるが急登が続く、穂高町の有明の女性と同行の男性、日帰りとのこと、第二ベンチ、ほっとできる平坦な尾根道になるが、再び急登、針葉樹林の暗い中に入ると第三ベンチ、その先も急登、悪路が続き、砂地で滑り易い。前方が開けた富士見ベンチ、登山口から一時間40分、彼女の話では順調に登って予定よりずいぶん早いという。富士見と名付くベンチ、富士山が見えても良いほどの展望空間が広がるが中央・南アルプスもはっきりしない。ここは第一・第二・第三ベンチにくらべ展望も良く、腰を下ろし朝食。


第三ベンチ付近から有明山 
北岳から南へ伸びる頂稜は、安曇野を眼下にすることはもちろん、
常念山脈の展望にも優れている。
雪で白く覆われた常念山脈の前に、黒々とでんと座って展望の邪魔をしていると酷評する向きもあるが、
じっさいには「
信濃富士」ないし「有明富士」とも呼ばれ、安曇野の人たちに昔から愛されてきた。

ここから花崗岩の砂礫、岩魂、溝になった登山道、大きな岩斜面の登る、有明の彼女はマラソン大会に参加する金メダルの野口みずほに良く似た小柄な笑顔の可愛い人、彼は営業マンで歩くのは得意と言う、彼女はマラソンでは休憩が無い、従って休憩時間も長く必要とせず、ペースが良い。

木々の間から有明山が美しい、ナナカマドとダケカンバが多くなって大天井岳の稜線が見え、


大天井岳の稜線

展望がどんどん良くなってくる、下山の人「今朝は富士山がみえましたよ」と言う。燕岳からの縦走路、表銀座の稜線が見え出すと、期待は槍ヶ岳、その方向は厚い雲。


この夏、一番賑わう北アルプスの小屋だろう

登山口から約一時間半、合戦小屋の広場に飛出る。周辺は大きな赤い実を付けたナナカマド、コーヒーとバナナを頂く、スイカは終わりだ。

大木のナナカマドの脇から登山道に入る、雑木林を抜けると樹木の背が低くなり、立派な尾根になる。大天井岳が雄大、富士山を三人で必死に探す、「見える方向!」と指差すと、目の良い彼女「ア!見える」と叫ぶ、美しい三角形の富士山、姿は薄く技術を競うデジカメラでもとらえられない。大町から穂高方面に国道147号を走ると富士山の様に美しい有明山が特に美しい。この辺りから槍ヶ岳が見えるのだが雲の中のようだ。


この方向に富士山が見えていた

さらに登り詰めると合戦ノ頭360度、右方向に特徴有る山容の餓鬼岳が望める、そして最初の目的のピーク、燕岳が美しい姿を見せている。


ナナカマドは赤く&燕岳

傾斜は森林限界を過ぎ、緩むがまだまだ登りは続く、まもなく燕山荘が稜線に現れ、花崗岩の砂礫の道で、足の早い彼を追いかけると、山荘直下、主稜線に飛出る。


美しい、燕岳

前方に後銀座の山々、鷲羽岳・水晶岳の展望、その手前に野口五郎岳が現れる。左が燕山荘で、小屋の脇に荷物を置き、燕岳から餓鬼岳への主稜線の尾根道をゆるく下る。左は高瀬川の渓谷、渓谷の向い側が野口五郎岳、その右が烏帽子岳。


イルカ岩  毎日、北アルプスを眺めます

すぐ登り返すと風化した花崗岩に奇妙な岩が次々と姿を現す、その一つがイルカ岩。花崗岩の砂地、ハイマツがまた美しい、最後はその砂礫の急登、奇妙な岩が立ち並ぶ間を縫って山頂へ。燕岳山頂360度の大展望、北燕岳のはるか向こうに三角形の針ノ木岳、その右に蓮華岳、更に奥に双耳の鹿島槍ヶ岳、針ノ木岳から左は野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳と続く。振向くと燕山荘が立つ稜線が大天井岳に続いている。

燕山荘に戻る、小屋の周辺は登山者で埋まってきた、燕山荘を後にし、表銀座コースの開始、残念なのは槍ヶ岳のピークの雲、取れそうで取れない。同行の彼ら「この岩が蛙岩(げえろいわ)かな」、と決め、休憩。燕山荘に戻って昼食、ビールで乾杯して下山すると言う、この先に見える大きな岩は蛙岩かと思うのだが、これ以上引き止められない。

大きな上下はほとんど無く、巨岩群に到着、ここが蛙岩だろうか、中心部に「蛙岩」の道標。巨岩は超えられない、右に冬道と赤印、左に夏道、なるほど積雪の雪道ではこの左は通過できない。

信州側に小さく下り、鞍部からすぐ登り返し、再び稜線に出る、振向くと燕山荘が遠くなり、その後の燕岳、餓鬼岳が素晴らしい。まだ槍ヶ岳から雲が切れない。直進して前方の峰を越えて行く踏跡があるが、左に巻き道、鞍部からまた稜線に登るのかと思うが、しばらく信州側のお花畑の斜面をトラバースして行く、前方に岸壁、数人の若者が休憩、岩壁には直登る梯子状の階段。一気に登れば2678bのピークを越えてきた道に合流、左の有明山が一段と美しい。今度は槍側に出て右斜面をトラバース、表銀座一のコマクサ群生地、コマクサの楽園の今は休園である。

次のピークは左を巻く、この辺り稜線の左右を巻き、尾根道は無い。ようやく大天井岳が直視できる位置に着くと、大天井岳の山腹を左右に登山道が分かれている様子が見える。美しい光景、のんびりと鞍部へ、切通岩への下りで槍ヶ岳は姿を消す(大天井岳の裾野に隠される)、岩場を慎重に下る、鎖と梯子も有って心配は無い。底には小林喜作のレリーフが岩壁にはめ込まれている。この底から岩場を登る、振向くとこわごわと切通の底に下る人の姿が見える。

切通し岩から抜けると喜作新道の分岐、右が喜作新道で大天井岳のピークを巻いて槍ヶ岳方向に向かう喜作新道。ここは左に折れ、大天井岳の登りに取付く、燕岳から約2時間、振向くと燕岳への稜線が見事、足元は大小の岩が転がる道、大天井岳の斜面を斜めに登って、右に一度折れ、大岩の積み重なった急斜面を横切ると主稜線に飛出る、大天(だいてん)荘は近くなってほぼ平坦に登れば大天荘のベンチ広場に到着。

大天荘の裏に大天井岳の道、ゴツゴツ大岩が広がる中を登山道が縫う様に付けられ、高台に登れば、槍ヶ岳が見える、何とタイミング良く、北鎌尾根から突き上げる槍ヶ岳が雲から姿を現す、山頂は直ぐ、大天井岳山頂に立つとまた槍ヶ岳の穂に雲がかかる。燕岳への稜線がとても印象的。


大天井岳からの槍ヶ岳 手前が喜作新道

足元には大天井ヒュッテこそ見えないが、ヒュッテを起点として喜作新道が幾つものピークを越えて西岳まで続く様子が一望、そこから一度下って再びルートは東鎌尾根と続き、槍ヶ岳に向かう様子が見える。

大天井岳はこれから進む常念岳より標高は高く、近くでは野口五郎岳(標高2924b)と同じくらいだ、小林喜作が大天井岳と槍ヶ岳を結ぶ従走路を開削したと言う、お陰で槍ヶ岳登山は表銀座コースを使って比較的に楽に行えるようになっている。
大天井岳からの展望は喜作新道を経て西岳で右に折れる東鎌尾根と北鎌尾根の合流点に聳える槍ヶ岳の雄姿です、この尾根の間には間ノ沢がV字で圧巻。

大天荘に戻る、13時半を過ぎている、常念岳まで約3時間半、ここに泊まるには早過ぎる、先を急ぐ。大天荘、大天井ヒュッテ、西岳にはヒュッテ西岳が有る、常念小屋は創立以来の大混雑になるとは知らないで。

中天井岳・東天井岳と続く稜線は、燕岳から大天井岳に比べてものどかで美しい。行く手に雄大な常念岳素晴らしい、槍ヶ岳や穂高連峰の山頂は雲に隠れるが、右の西岳との間の二ノ俣谷へ落ち込む斜面は美しく目を楽しませてくれる。同時に喜作新道が伸びている西岳も雄大。ヒュッテ西岳も見えている。

稜線漫歩を楽しみ、東天井岳を巻く、前方に横通岳の美しい山容と通過する登山道が伸び、その向こうに常念岳が聳えている。東天井岳南肩。登山道は二本、一本は通行不能、東天井岳の右斜面は美しいハイマツに覆われた、登山道はトラバースして、崖っぷちの手前で90度に折れ下る。

下り切ると東天井岳と横通岳の鞍部の広場に着く、良い休憩場になっている。ここから下って来た登山道を眺めると通行不能のルートが確認できる。東天井岳の優雅な姿は美しい。

ここから横通岳の中腹をトラバースする登山道を緩やかに登り詰める、大天井岳から常念小屋間の登りはここだけ、数分で終わる。大きな岩がゴロゴロした斜面を通過し、横通岳を巻き今度は緩やかに下って、稜線の端に立つと、眼下に常念小屋が見えてくる、ここから常念乗越まで急降下、明日登る常念岳へ突き上げる斜面は手強そうである。

常念小屋に着くと驚きの光景、部屋も決まらないと言う人、早速受け付け、単独男性の部屋に決定、部屋が決まらない人は団体で予約の無かった人のようです、小屋創立始まって以来の混みだそうで、談話室、食堂も寝床になると言う。夕食は21:10と告げられる、最終的には小屋の精一杯の努力で20:10には食堂へ。通された部屋は最後の一人で、早い人は昼前に到着している、最後の夕食タイムは私だけでした。

今夜は満月、十五夜前夜、その月を見る人で夜中賑わうが雲が出てあまり良くない、小屋は混雑したが、朝から良く歩き熟睡。

松本からも涸沢カール涸沢小屋テラスからの常念岳は印象的な三角錐、一ノ沢から常念乗越、一ノ俣谷を下って槍沢を登り槍ヶ岳へ向かうコースが古くから開かれ、常念小屋は北アルプスで最も古い山小屋だそうです。そんな歴史の常念小屋に満月の前夜泊まることになった。

二日目空には雲ひとつ無い夜明け前、日のでは5:25頃、4:30 日ノ出を山頂と言う人は出発。

 
常念小屋

外に出ると美しい満月、今日は名月、一足早く見ることができた、しかも穂高連峰の真上である、暗い空に槍ヶ岳のピークがくっきり。5:25、霧が峰方向の稜線から日の出、神秘的な美しさ、同時に穂高・槍連峰も夜が開ける。北アルプスの夜明けだ。ここまで登って来た元気な体に感謝。

松本市に住む、実の兄の近くの山を愛し続けて50年のおじさんに初めて出会う、彼の話ですと、兄の息子(甥)が友人を連れ「今!蝶ヶ岳」だと言う、この後、常念岳から二つ目のピークに登る斜面で会うことになる

小屋に戻ると4時頃から並んでいた長蛇の列は解消、それでも30分待ち、6時に朝食、620分小屋を出る、赤い屋根の向こうに槍ヶ岳、穂高連峰が見事だ、雲一つ無い、山頂まで約一時間、飽きることの無い、寸時とも見逃せない展望が続く、横通岳の奥に東天井岳が見え出し、かなり登ってから大天井岳と中天井岳、続いてその奥に水晶岳に鷲羽岳、そして燕岳、そして針ノ木岳に蓮華岳、その右奥に双耳の鹿島槍ヶ岳、立山が覗く、剣岳も見えている、山頂は近い、信州側は薄いガスだが、妙高山、戸隠連山、志賀の山々、浅間山、美ヶ原、八ヶ岳と続く。


常念岳の最後の登りも、この笑顔

足元にトウヤクリンドウ、名古屋からやって来た二人の女性、友人に誘われた女性は「常念岳」を今回初めて知ったと言う初心者、おそらく北アルプスの高山は初めてだろう、今日は素晴らしい、快晴、年に数回有るか無いかの大展望、しかも日本北アルプスの代表の槍ヶ岳と穂高連峰の雄大を目の前にして、これですっかり登山にとりつかれるのであろう、私がそうで有ったように!


槍ヶ岳が恥ずかしそう、手前はトウヤクリンドウ

ようやく急登が終わって傾斜が緩むと、八合目、左から前常念からの登山道が登っている、最後は岩稜を登り始めると左に、今まで見えなかった南アルプスと富士山方面、南アルプスは確認はできるのだが、八ヶ岳との間に期待した富士山の姿は霞んで見ることはできない。さらに登り詰めると数人で満席の常念岳山頂に到着。小さな祠を取りまく記念撮影の順番待ちの人々。


北アルプスの代表的な光景はここ

山頂からは今まで見えなかった、前穂高岳から北尾根が明瞭になって、驚くべき展望である。槍ヶ岳から穂高連峰は一連の峰続き、実に圧巻。乗鞍岳、御嶽山と続く。先週登った焼岳は蝶ヶ岳まで穂高の影になって見えない。

常念岳から浮石の多い急斜面を急降下、燕岳の大きな蛙岩よりちょっと小さいが、巨岩の横を通過し、下って、今度は小さな2512bピークを越える。再び急降下、狭い鞍部に下って、さらに2592bのピークを目指し登り続ける、ピークから下り、針葉樹林帯に入る、抜けるとお花畑を登る、振向くと常念岳がとても美しい、登ってまた樹林帯、登りに苦労する所、樹林を抜けるとお花畑の斜面に出て、登り切ると尾根になるが樹林帯、平坦な道が数10b続き、展望の開けた所に着く、大木のダケカンバ、さらに5,6b先に蝶槍を眺める展望台に着く。信州側の山々を展望、噴煙を噴出す浅間山、八ヶ岳、南アルプスが一望、ここでも富士山は姿を見せない。2462bのピーク。

お花畑の斜面を急降下、直ぐ小さなイモリの住む沼の縁を通過、小さな湿地が二箇所現れる、この辺り平坦だが直ぐ大きく急降下、ナナカマドに囲まれた鞍部に下る、ここから急登、樹林帯の登り、辛いところだ、南アルプスのアサヨ峰へ登る手前の仙水峠から栗沢山の間の急登を思い出す、10分程登ると樹林帯から抜ける。森林限界を超え、ハイマツ帯、足元はゴロゴロした岩魂になり、斜面には美しいハイマツが密集、同時に素晴らしい展望が広がって、思わず感嘆の声を上げる。

常念岳の展望とは眺める方向が変わって、槍ヶ岳、穂高連峰の展望が一段と広角になる、槍沢が横尾から槍ヶ岳に登り、横尾谷が屏風の頭を巻いて穂高連峰に延びる様子が良くわかる。

更にハイマツ帯を登れば蝶槍の広場、岩を登れば蝶槍の天辺に立つ、迫力満点の峰々にただただ感動するだけ。

蝶ヶ岳は蝶槍が有ってこそ、遠くからその判別ができる、蝶槍から蝶ヶ岳ヒュッテを経て山頂まで約30分の穏やかな稜線歩き、蝶槍からそのルートが一望、常念岳に比べると知名度は一ランク低いが、展望は今回通過した燕岳・大天井岳・常念岳に比べると数段上のランクです。槍ヶ岳や穂高連峰の常念岳からの展望は斜め方向からだが、蝶ヶ岳からは槍ヶ岳と穂高連峰が一連の山群として並び、前穂高岳・明神岳の峰々が全て数えられ、涸沢から槍ヶ岳の間に連続して現れるカールが圧巻、槍沢と横尾谷のV字谷も魅力ですし、梓川の流れる上高地の広角の展望、さらには焼岳、乗鞍岳、御嶽山と続く雄大な展望は素晴らしい。

蝶槍(標高2664b)から徒歩約30分、二つのピーク目が標高2677bの蝶ヶ岳。その方向へ緩やかに下って、緩やかに登る、焼岳が穂高連峰の左奥に見えてくる、一つ目のピークは広大でケルンが立ち並ぶ、稜線漫歩。右眼下に梓川が流れ、キラキラ輝いている。


蝶ヶ岳 横尾に下る手前のピークから

このピークを過ぎると、上高地・横尾への分岐、
上高地からのバス時刻を考えると今回は標高2677bの蝶ヶ岳山頂には立寄れない、ここが限界、標高2625bの
横尾の分岐から稜線を離れ右折 11:05 して横尾に下る。
横尾と徳沢間が約1時間、徳沢に下る長塀(ながかべ)尾根を利用するコースと比較すると、右折した分岐からはほぼ同じ、蝶ヶ岳山頂、妖精の池にも魅力がある。大滝山・徳本峠・霞沢岳も魅力ですね。

最短で里に下りるには三股で、この場合は横尾分岐からも約20分、見えている蝶ヶ岳ヒュッテを横切って蝶ヶ岳から三股まで約3時間、ただ登山口から交通機関はタクシーになる。蝶槍のピークで会った人は、昨日三股から常念小屋に登って、今日は蝶ヶ岳に寄って同じ三股へ下る、マイカーなら最適で上高地が混雑する時期には有利であるとのこと、常念岳と蝶ヶ岳を周遊するマイカー登山にはピッタリのコース。

横尾分岐を下って、数分で樹林帯に入る、この後もくもくと樹林帯歩き、木々の間からは常に穂高連峰が見えるが、展望の良い場所はササが登山道を被うようになる辺りで、かなり下ってから、続いて槍見台 12:25 標高1900b辺り。数回短い梯子を下ると、横尾の蝶ヶ岳登山口、槍ヶ岳11`、蝶ヶ岳3.5`地点。12:40

横尾から河童橋までは;横尾〜徳沢3.8`、徳沢〜明神 3.4`、明神〜河童橋2.7` 計約10`と思えばよい、時間的には約3時間。

大きな横尾大橋の吊橋、橋の手前に休憩ベンチ、この時間は空いている、この吊橋を渡れば涸沢から穂高連峰へ、横尾山荘の前も空いている、屏風岩の大岩壁には圧倒される、次の目的の新村橋までは大きな上下は無い。深い原生林の切れ目に新村(しんむら)橋 13:25 、橋を渡ると奥又(おくまた)出合−屏風岩−涸沢へのパノラマコース入口、再び原生林帯に戻ってまもなく、徳沢に到着 13:35、沢の橋の横に水道が引かれている、大木の木陰にベンチ、徳沢園が建っている、トイレも有る。先を急ぐ、また樹林帯に入り、飽きた頃古池が登山道右に現れる、神秘的な美しさで思わず足が止まる、覗くと湖底から湧き水。ここから緩い登り坂、徳本(とくごう)峠入口、徳本峠越えは島々宿に抜ける古道で一度は歩きたいコースです。


梓川 上高地の風景

白沢の橋を渡ると直ぐに明神館が見えてくる、明神 14:35、明神池は寄道、アイスクリームの美味しそうな看板、ベンチに腰を下ろし糖分を補給。白い砂の押し出し、右に明神岳を眺め、梓川の流れが美しい、次いで六百沢の押し出し、この辺り登山道は広いが原生林とカラマツが続く、テントがパラパラ張られる小梨平キャンプ場、ビジターセンターやトイレの建物を見て、激しく流れる清水川を渡ると河童橋 15:05

橋の上から穂高連峰の眺めは定番、ここまで来ると観光客の世界、人の波を抜け約0.4`で上高地バスターミナル15:10、バス&電車で帰宅する場合は松本電鉄バス窓口で切符と発車時刻の予約券(当日と明日のバス便予約ができる、但し指定券ではない、予約発車時刻10分前にバス停に来れば予約番号順に乗れる、だがじっと並んで待つ人がいる、せめてこの待ち時間を利用して上高地散歩をしたいものです)をもらう。

16:00のバスに乗る、バスは満席、一人で上高地にやって来た女性が同席、話を聞くと「彼女の彼」はこの連休友人と剣岳に登って、早朝山頂から彼女にメールが有ったそうだ、常念岳から立山連峰が望め、左奥に小さく剣岳も見えていた。なんでも金峰山に連れて行ってもらったとか。

新島々17:15着、新島々17:28発、松本駅17:57着、指定席に空き18:35発あずさ34号に乗る、彼女は出かける前に予約11号車、こちらは発車直前7号車。松本駅は空いて発車、塩尻、甲府などから登山者が乗り込み満車、自由席も大混雑。新宿駅21:07到着。

HP:わたしの天気予報