高山植物の多さでは他を大きく引離す
焼石岳(標高1548東焼石岳(標高1507

 

日程 2007623日 (土)快晴(午後晴れ)

 

ヒナザクラ

コース

つくば市21:40=(国道2944号)⇒東北自動車道矢板IC 23:10⇒安達太良SA 0:45⇒国見SA 1:15⇒長者原SA 2:30⇒前沢SA 3:08⇒東北自動車道水沢IC 3:20=(国道397号)⇒尿前 中沼コース登山口入口 3:54 =(林道)⇒上中沼沢橋 4:12 4:17 中沼コース登山口駐車場 4:30 ―(0:20)→小さな橋4:50―(0:15)→中沼「中沼コース登山口駐車場 0.8`・銀明水2.7`地点」5:05―(0:15)→石沼分岐 5:20 ―(0:10)→中沼上部5:30―(0:10)→上沼 5:40 ―(0:05)→ 上沼上部5:45 ―(0:15)→つぶ沼コース分岐6:00 ―(0:25)→銀明水 6:25 ―(1:20)→ 姥石平 7:45―(0:40)→8:25 焼石岳山頂8:45―(0:30)→東焼石岳(南木内岳方向)・東成瀬口コース分岐9:15 ―(0:45)→東焼石岳縦走コース入口10:00―(0:10)→東焼石岳山頂10:10―(0:10)→東焼石岳縦走コース入口10:20―(0:25)→姥石平10:35―(1:00)→銀明水11:35―(0:20)→つぶ沼コース分岐11:55―(0:20)→上沼12:15―(0:15)→中沼 12:30―(0:05)→石沼分岐12:35―(0:10)→12:45中沼下部12:50―(0:30)→13:20中沼コース登山口駐車場13:25=(林道)⇒R397出合「尿前 中沼コース登山口入口」13:50=(国道397号)⇒前沢の標識=(県道)⇒平泉=(国道4号)⇒東北自動車道若柳金成IC⇒長者原SA(車中泊)4:10⇒仙台辺り4:50⇒吾妻SA 5:25⇒安達太良SA 5:45 ⇒東北自動車道矢吹IC 6:15 =(国道4号)⇒ 6:25 白河 国道294号交差点 国道294号に入り真っ直ぐつくば市へ

 

 東北自動車道で岩手県に入ると「奥州市」という標識が出てくる、秋田県と県境に20062月に誕生した市で、水沢・江刺市、前沢・胆沢(いさわ)町、衣川村が合併。

今日登る焼石岳はこの胆沢町にある、水沢ICで道を聞くと、出て直ぐに水沢市街へ、続いて「焼石岳」の案内が出る、それに従がって直進すると国道397号に交差するとのこと、秋田県湯沢市へ抜ける道だが道幅は直ぐに狭くなる、まもなく「ひめかゆ」に着く、ここでトイレをお借りする、胆沢ダム工事現場を前方に見て国道は大きくロータリーになって、二つのトンネルが現れる、一つが胆沢トンネル、二つのトンネルを抜け、大曲りし下って行くと右に中沼コース登山口入口の案内、3:54 右折し林道へ入る、大きく下って、上り返し、途中舗装されているがすぐ未舗装、林道は良く工事され保持されており走り易い、また大きな登り坂も無い。

尿前(しとまえ)沢方向への林道を見送り左折、橋(金山沢橋だろう)を渡る、この橋の上で一人の釣り人、道が荒れていないか慎重に進むが問題無く二つ目の橋、上中沼沢橋(名前を確認)を渡ると道端に一台停まっている、さらに進めば大きな駐車場に到着、数10台分、5台停まっている、下山時には駐車場は満杯で林道脇にも停められていた。

ここにもトイレは有るが「ひめかゆ」ですませた方が良いでしょう。4:17 後から来る人達の為、先着から車の停め方が大切、必要最低限の間隔で停まっていた、同様に私も並べる。秋田・岩手の車が多い、土浦bヘ遠方である。


登山道に入るとすぐ!

4:30 駐車場は林道終点だが、さらに奥にも道がある、金明水に向かうルートに直結しているらしい。案内に従がって焼石岳へ、入口から狭い道、中沼コース、カラマツ混じりの雑木林で足元はぬかる、ミズバショウの群生が続くが見頃は過ぎ大きな葉、4時半、日の出、登山道は入口が狭かっただけで、良く整備され歩き易いが、沢底を歩くところもある、展望は無く、花はカニコウモリ、小さな橋を渡る4:50。静かだ、地元の人だろうか早いスピードで抜いて行く、大きな木道が現れる、橋の替わりで長くは無い。大きな坂は無いが横の丸太の階段、続いて縦の丸太の階段と続く、振向くと周囲の山が見えてくる、再び丸太の階段、やや平になるとミズバショウの群生、尾瀬の鳩待峠からアヤメ平へ登って行く道に良く似ている。

焼石岳の案内で良く見る光景、雑木林に周囲を囲まれた中沼に到着、ここからだと焼石岳は見えない、大きなブナの木陰に大きなベンチが置かれている。湖岸に降りてみる、湖から急流の沢があり、激しく流れ出している。

登山道は湖の縁を左回りに付いている、数10b進むと見えなかった横岳と焼石岳連峰が湖の奥に見えてくる、朝日が当たる光景は実に神秘的で美しい、焼石岳の稜線はガスに覆われているが進むにつれその濃さが薄れクッキリと現れるのもすぐであろう。朝日の当たる湖面への面積が広がってとても素晴らしい。

大木のブナを見て直ぐに石沼・○○分岐、○○の文字が消えている、石沼まで0.7`、○○方向、右へ行きます、○○が気になるけれど、直ぐ先が中沼の上部でこんどはハッキリと銀明水への道標が建っている。


中沼

湖から流れ出る沢があれば、ここは流れ込む沢がある、咲き出したばかりの純白のコバイケイソウが重い穂を見せてくれる、長い木道を歩き上沼へと向かう、何度も振向いても飽きる事の無い中沼である。

やや急な木の階段を10段ほど登る、美林のブナ、足元には真新しい木道が続き、ミズバショウの濃い緑の中にリュウキンカが群れている、雪解け水を流す沢と相まって素晴らしい光景を見せてくれる、登山道脇の薮の中にシラネアオイがポツポツ姿を見せる。

木道が切れ、沢の徒渉地点、ここは浅瀬、続く木道に移り進む、しばらくリュウキンカとミズバショウを見ながらの木道になる、朝日がそそぎ気分の良い所です。


上沼のコバイケイソウ

5:37 林の向こうに上沼が見えてくる、中沼より小さく、コビケイソウがここでも見事、登山道からは遠いけれどミツガシワがギッシリ水面に花を咲かせている。ガスが稜線から消え、横岳が美しい。

沼から離れ、沢の底を歩くようになる、最初の沢歩きは長く、二度目、三度目はわずかな距離、ミズバショウとリュウキンカに囲まれた木道、贅沢なコースです、だんだん木道の傾斜も大きくなり、ミズバショウも白い姿に変わってくる、時々雪化粧の焼石岳稜線が見え隠れし、空は青一色!

目の前に大きな残雪、6:00 20bほど雪の斜面を登る、つぶ沼コース分岐になっているが、つぶ沼コースからの足跡は無い。登り切った後は夏道で雪なし。しばらく平坦に進むと大きな沢、リュウキンカがその周りに咲き誇る、ミズバショウも多いところです。登山道が溝状の登り、雑木林から抜けたと思うと、再び樹林帯、数回繰り返す、二つ目の残雪 6:25 目の前に大きな雪渓が現れ、クッキリ稜線から流れる斜面が見え、銀明水に到着。

同時に上の方から1人2人、、あっという間に10数人が現れる、いきなり記念撮影、シャッターを押す役が回ってくる便利な単独人。ここまで静かな登山道が賑やかになる。

彼らは横須賀から昨日新幹線でやって来て、ここ銀明水避難小屋に泊まって、今日は山頂経由金明水避難小屋泊まりの縦走とのこと。準備体操を開始、その間に先に進む。

足跡の無い雪渓を登る、昨夜小屋に泊まった男性が同行(飛行機、新幹線、バスを使って来られた人達はここに泊まったようです)、10bほど登ると銀明水避難小屋が見える、雪崩れを避け避難小屋は高台に建てられている。

大きな雪渓で傾斜の大きいがすでにシャーベット状、しっかり足を踏めば大丈夫、今日のルートを決めるだけに安全なコースを作って登る。背後に展望も広がる。雪渓を登り切った先に大きな雪渓から流れ落ちる沢、その手前にシラネアオイが沢山咲いている、そしてミズバショウの見頃の光景が目の前に現れる。

この先二つほど雪渓を横切る、ちょっと沼のようなところに着く、前に2人の女性、私達が追いつくとニッコリ、この2人も小屋泊まり、昨夜大坂から飛行機でやってきて、飛行場からレンターカーに乗って来たそうです、研究熱心な美人ハイカーは良く下調べをしてくる、つまり「飛行機に乗ってまで来る価値の有る焼石岳」素晴らしいお花の山だと言う。

雪が有った方が歩きやすい道、理由は、大きな石を敷詰めたゴロゴロ道、この辺りは雪が融けてまもないのか花がほとんど見られない、7:00 ちょっと大坂の2人ションボリ、今頃は中腹に花が無く山頂に多いものです、それを告げながら元気良く登る、稜線は中腹以上に強風で雪飛び、日の良く当たりで解けるものです。

ようやく傾斜がゆるむ、一株のハクサンイチゲ、同行の4人歓声を上げる、この一株に元気をもらう。

沢に出合、水しぶきを上げる岩場を通過、ハクサンイチゲの群落が現れる、最初に見た一株はここから流れたものだろう、チングルマ、ミヤマシオガマ、イワイチョウ、ヒメコザクラと次々と足元に現れる、ここが姥石平です金明水方向に縦走する場合はここから山頂を往復するのだそうです。7:45


姥石平のハクサンイチゲ

そして沼、湖岸に雪を残す泉水沼、タカネザクラが満開、右に東焼石岳、真正面に焼石岳、そして左に大きな横岳、花の写真を写すと先に進まない、沼を巻くように登る、横岳の真下にも沼(池塘かも)が見える、山頂までの斜面もお花畑、ミヤマダイコンソウも岩にしっかり、ホソバイワベンケイ、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、、お花の友人が同行してくれると助かり登山道である。


タカネザクラの咲く泉水沼

横岳と焼石岳の鞍部に着くと、今までまったく見えなかった秋田県側の山が見えてくる、残念、鳥海山は雲の中、焼石岳と登る、栗駒山(標高1627b)は雄大な姿を見せる、三界山(標高1381b)への山並みが見え、お花の斜面を登り切ると焼石岳山頂です。8:25 姥石平からお花を観賞した為時間は倍以上。それだけお花の多い山です。


ミヤマダイコンソウ

あいにく、山頂に立ったとたん強風、あっと言う間に周囲がガスに覆い隠され展望はゼロ、風の当たらない斜面で朝食+昼食。

大坂の2人も到着、八合目まで焼石神社(東成瀬口)方向へ下ると、東焼石岳向かう登山道があると、研究熱心なお2人が教えてくれる、東成瀬口から登って来た秋田の男性も親切に教えてくれる。

中沼コースから想像も出来ない狭い道を下る、しかもガスで視界が無い、やがて大きな岩を渡って行く、あるときは飛び越え、あるときは間を抜けながら、東成瀬口から登って来た3人の登山者に出遭う、焼石沼まで下ればお花が多いそうです、そこまで降りたら大変、その中の若い女性が「東焼石岳の分岐はすぐそこよ!」と教えてくれる。

大きな岩を越え、大きく下ると、ガスの向こうに大きな雪渓、そしてその上を1人の男が急ぎ足で消えて行く、まもなく分岐に出る、焼石沼へ下る東成瀬口と東焼石岳への分岐、東焼石岳へ向く、それには大きな雪渓を越える、越えて行くとガスの中に東焼石岳方向への夏道がクッキリと現れる9:15

低木に囲まれた狭い登山道、シャクナゲは終わり、タカネザクラが咲く、足元にはイワカガミが多く、ツマトリソウも咲き出す、この辺りはハクサンイチゲの生育地でない、左に大きな残雪を見る、やや登りになって湿原になるが、雪が融けたばかり、9:40 3人男性に出遭う。

そしてハクサンイチゲの大群落、焼石岳山頂で遭った秋田の男性に再会「今年は花の数が少ない、昨年降る時期に大雪が無かったのが原因だと言う」。

ガスの中に東焼石岳への入口(金明水への縦走路と同じ)、ここは三差路、直進すれば姥石平。ガスの中、強風の中を東焼石岳へ向かう、頂上に向かうにつれ、ハクサンイチゲの花の数が多くなって凄い! 太郎平小屋から黒部五郎岳の北ノ俣岳辺りで見た群落と競争です。


東焼石岳山頂のハクサンイチゲの大群落

途中、足元にムシトリスミレが現れる、そして平坦な東焼石岳頂上10:10 入口から10分ほどでした。ちょっと待って見たが、大坂のお二人さんは強風のせいか登って来なかった。

立っていられない強雨風 安達太良山(東焼石岳も安達太良山同様に大平洋と日本海の中間に位置し季節風が吹きやすい)の時もそうでしたが、ここは捕まる岩も無く自力で立つしかない。

入口に引返し、今度は姥石平に下って行く、山頂に登って姥石平に戻って登って来る人達に出遭う、横須賀の団体さんもここで再会。さらにバスで中沼コース登山口に入った団体も登って来る。

大坂の二人と再会、一人の女性のリハビリ登山だったそうだ、姥石平10:35 ここからは人々の多さに驚きながら下る、山頂はまだガスに覆われていたが周囲は再び日が差し込み楽しい花の観賞が続く、なんだか登った時刻より全ての花がパッチリ花びらを広げたように見える。

大きな雪渓の真下の沢を渡るところのミズバショウ、リュウキンカ。渡り切ったところのシラネアオイは特に素晴らしい。


シラネアオイ

そして大きな雪渓を下る、朝より足跡が付き歩きやすい、さらに大きなミズバショウ群生地を過ぎ、小屋が見えてくる一番大きな雪渓を下る、周囲はむせかえるような緑に囲まれた山々が広がる。


ミズバショウ

銀明水 数人の人々が休憩中、美味しい水をボトルに詰め、樹林帯へ、11:35

続いて雪渓、続いて現れる木道はすっかり乾き滑らない、小さな鞍部状、ここは水量の多い沢、素晴らしいリュウキンカの大群楽、思わず朝同様立ち尽くす。


リュウキンカ

橋を渡ってちょっと登った平坦、つぶ沼コース分岐、帰りに石沼へ寄って見たいけれど、全く踏み後の無い道が雪渓の向こうに見えているが、そのまま美しかった上沼に引かれ下る。

 12:05 沢に入り、2度短く沢底を歩き、続いて長い沢底歩き、真夏の気温、ここは涼しさを味わえる。シラネアオイも沢山 咲いて涼しさをさらに補ってくれる、立派な木道を歩き、一度切れ徒渉地点、この辺り雰囲気のあるところで、リュウキンカが夏の日を浴び黄金の色がサエル。

まもなく上沼、12:15 ご夫婦がお花の写真を写している、駐車場から中沼・上沼まで登って来たらしい、焼石岳山頂に登れば素晴らしいけれど、この二つの沼だけでも素晴らしい。

上沼から中沼間は美林のブナ、そのブナの下が新しい木道が置かれている、そしてブナの間から見下ろす中沼は神秘的な光景。

  朝も同じコースを歩いた訳ですが、朝とはまた異なった姿で、何だか初めて通過するような気分になってしまう、また何枚も写真を写す事になる。

  10段ほどの丸太の階段を下ると中沼の上の岸に着く、コバイケイソウが真上から日を受け立派です、湖の縁を行く、石沼分岐からちょっと先に大木のブナ、その右上に小さな休憩所(座れる石があるだけ)がある、12:35

  直ぐに中沼から離れる地点の大きなベンチ、新潟の三条から来られた男性二人に出遭う、私と同じように昨夜新潟を発し、国道49号で福島県に入り東北自動車道で水沢IC手前の平泉前沢ICで降りたとのこと、ここから中沼コース登山口駐車中まで0.8`、それ以上に長く感じられる。13:20 駐車場に着いてビックリ、中型のバスも停まって満杯、さらに周囲の空地には沢山車が泊まっている。

  13:25 駐車場を発し、国道397号には13:50 、しばらく水沢方向へ走ると左側に「日帰り温泉」、1500円があり、ここで汗を流す、次に「前沢」への道標を右折、右に雄大な焼石岳連峰が見え感激。

  前沢で国道4号に入り、中尊寺に立寄る、ガラガラの国道を走って若柳金城ICの案内を左折し東北自動車道に乗り、長者原SA 16:10 レストランに公園がありここで車中一泊、目が覚めたら24日朝4:10仙台を過ぎると右にデッカイ蔵王連峰 今日も良い天気  蔵王が消えると今度は吾妻連峰と安達太良山が姿を現す、国見辺りから眺めると吾妻連峰と安達太良山が一体に見えるが、福島飯坂辺りでは並んで見え、安達太良山の乳首がクッキリ見えてくると安達太良SA、このSAは蔵王SAと同じように展望は良くない。

  右前方に那須連山、矢吹ICで国道4号へ移る、6:15 白河から国道294号へ入り、那珂川に沿って走る、のんびりドライブ、黒羽の芭蕉の里でアジサイ祭り、ここで休憩。

  ここまで来れば、益子、真岡、下館、、つくば市は近い。

 

焼石岳の花

ミズバショウ、リュウキンカ、シラネアオイ、バイカオウレン、オオバミゾホウズキ、カニコウモリ、イワイチョウ、コバイケイソウ、ミツガシワ、チングルマ、ハクサンイチゲ、ミヤマキスミレ、キバナノコマノツメ、ヒナザクラ、ゴゼンタチバナ、マイズルソウ、ツマトリソウ、ウコンウツギ、ムシトリスミレ、ホソバイワベンケイ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、ミヤマシオガマ、ヨツバシオガマ、エンエレイソウ、タカネザクラ、ウラジロヨウラク、コメツツジ、ハクサンチドリ、ベニバナイチゴ、コイワカガミ 以上確認したものだけです。

 HP:わたしの天気予報