なにやら恐ろしい山名 小無間山(標高2150b)・大無間山(標高2329b) 

 

日程 200651日(月)晴れ


大無間山山頂部から南アルプスのジャンボ 聖岳・赤石岳方向

コース

前日:静岡県:日本平16:25=(日本平パークウェイ)⇒静岡駅前17:00=(安倍川沿い)⇒井川・梅ヶ島温泉分岐18:05=(県道27)⇒富士見峠18:55=(井川湖沿い)⇒21:00田代中学バス停:「てしゃまんく」の里駐車場

つくば市を7:10、国道16号を利用し橋本から国道413 10:20城山ダムを通過し、三ヶ木を左折し青山で国道412号と別れ国道413号は道志へ向う。途中国道20号への分岐を右に見送り、まもなく音久和で神ノ川林道(道志側から丹沢に登るメインコース)を左に見送る。道志と山中湖の境:山伏峠 11:30 フジザクラを見て、山中湖から篭坂峠を越え、須走から「ふじあざみライン」に入り、終点の須走口五合目に昇る、入口から数キロは桜並木で観光客もチラホラ、高度を上げるに従がい新緑はまだまだ先。12:30 須走口五合目12:50から沼津へ、清水で夕食、日本平へ立寄った、清水港は良く見えるが待望の富士山はすっかり雲の中でした。

当日「てしゃまんく」の里駐車場4:30―(0:02)→諏訪神社鳥居4:32―(0:08)→諏訪神社への林道出合4:40―(0:05)→登山口ポスト:諏訪神社分岐4:45―(0:10)→送電線鉄塔下4:55―(0:10)→二分(右は林業道?)5:05―(0:20)→壊れた造林小屋5:25―(0:10)→日の出を見る、二分(左下の道を見送る)5:35―(0:05)→針葉樹の大木ピーク5:40―(0:30)→カラマツの尾根6:10―(0:00)→アカヤシのピーク6:10―(1:00)→P4(標高1796b)明るい広場:静岡市営小無間小屋7:10 ―(0:50)→P3ピーク7:40―(0:20)→P2ピーク8:00―(0:10)→P1ピーク8:10―(0:10)→岩崩れの上部8:20―(0:20)→小無間山山頂9:00
―(0:20)→唐松谷ノ頭9:20―(0:30)→中無間山山頂(標高2109b)9:50―(0:20)→岩の展望所10:10―(0:35)→肩のようなポイント10:45―(0:15)→11:00大無間山山頂11:05―(0:25)→中無間山山頂12:30―(0:20)→小無間山山頂12:50―(0:30)→岩崩れの上部13:20―(0:15)→P1ピーク13:35―(0:15)→P2ピーク13:50―(0:20)→P3ピーク14:10―(0:25)→P4(標高1796b)明るい広場:静岡市営小無間小屋14:35―(1:50)→登山口ポスト:諏訪神社分岐16:25―(0:05)→諏訪神社鳥居16:30―(0:05)→16:35「てしゃまんく」の里駐車場

 

無間、大無間・小無間山と聞いただけで恐ろしい名前だが、遠方より眺めるとかっこいい双耳の山である。特に光岳からの眺めは見事でずっと登って見たい山でした。

 車でJR静岡駅から「井川への道標」を追いかけると、途中、富士見峠で大無間山の素晴らしい姿を見ることが出来ます、今回は夜中に通過したため、眺めはできませんでしたが、以前箕島ロッジに向かう途中の夕方ここから眺めた光景は印象的でした。

 登山口の田代バス停はうっかりすると見逃して田代第1,2,3,4,5,6トンネルまで行ってしまうかもしれない、南アルプス井川オートキャンプ場と田代温泉の間で、「てしゃまんく」の里に登山者用の駐車場が有って綺麗なトイレが置かれている、5,6台のスペースです。また諏訪神社の案内は道端に無いので注意してください。

 既に3台の車が停まっており、静かに一番端に停めた、後で解った事だが一台は29日に山頂に登って県営小無間小屋に泊まった二人と小無間山山頂にテントを張った一人、後一台は30日の朝準備をしていたが不明。29日は満点の星空、天気予報も快晴とのこと、10時間以上の行程だ、ゆっくり休むことにする。

 翌朝、直ぐ前の車の人が準備、その人のスタート前 4:30に歩き出す、まだ薄暗いが、昨夜、諏訪神社の鳥居に大無間山登山口の道標を確認しており迷う事は無い。駐車場と田代温泉の間に道が二本あるが何れも鳥居へ行ける、鳥居の脇に水場。鳥居をくぐって杉林の広い参道を緩やかに登って行く、10分程で諏訪神社に通じている林道に出合う、林道を横切って、大無間山の道標に従がい、数分登ると登山届ポストが建っている、ここで諏訪神社方向と別れ、ポストの左の登山道に取付く、珍しい種類の笹が林床に茂っている、背の高さほどのものである。やや薄暗い杉林を登ると、送電線鉄塔の左下に出る、また杉林に入る、美林の植林である。5:05 杉林を抜けると新芽の美しい林が現れる、今まで尾根を登ったが、尾根から離れ左斜面に入ると登山道は二分、道標が無い、ここは左折して上に登る、左方向に大きな山が木々の間に見えてくる。ミツバツツジが現れるが見頃を過ぎている。

  まもなく電段(かみなりだん)と呼ばれる標高1085b地点、ここは90度右に折れる、ツツジ等の低い木々で藪っぽい所だ、左下に大きな壊れた造林小屋を見る、ミツバツツジが多くなると急登、足元に白イワカガミが咲いている。5:35 背中方向の高い峰から日ノ出。登山道は直進と右折、道標に従がって右方向へ。薄暗い杉林、前方の高いピークは巻くのかと思ったら折り返し、ジグザグに登って、立派なリョウブやモミの大木のピークに到着。急に明るくなるが、左スギ、右細い木の林で展望は良くない、でも気分の良い尾根道になる。

 足元に大小の石が現れ急登、こんな高い所に杉を植林したのだろうか、そのスギの床にバイカオオレンが咲いている。まもなく尾根はカラマツになって明るくなる、ほんの一瞬だが雪化粧の山が見える。小さいピークにアカヤシオツツジの終演の跡、少し下ってカラマツ林。最初は滝でも有るのかと思って気にしていなかったが、どうやら大無間山連峰の峰に風が吹き付ける音で稜線は強風かもしれない。


バイカオウレン  小雪が降ったように一面に咲く

  また杉林、植林がこんな険しいところまで行われたとは驚き、6:20に小無間小屋を550分に出発した二人の男性に出合う、「上は雪が多い」とのことだ、単調な登りが続く、岩崩れのような少し広い所に出る、岩ばかりで踏み跡が残らない、6:30 リボンが頼り、ここからP4までキツイ登りが続く、ここまで来ると流石に杉林は終わりだ、両手で岩角や木の根を使ってよじ登る、山は逃げないから一歩一歩あわてずに進む、6:50 ようやく両足だけで立てる傾斜、針葉樹林の林に変わって、さらに登る、細い尾根道になって谷の上に出る。驚くほどのイワカガミの群生が始まる(有るというより、始まりで大無間山山頂まで続いている)、6月中旬〜7月上旬が見頃だそうだ。左に美景の山、寸又三山の明峰朝日岳が大無間山の稜線の奥に見えてくる。

  7:00 登山口から2時間半 ようやく稜線らしくなってくる、今度は足元に小雪が降ったように無数のバイカオオレンが可憐な白い花を見せてくれる。

  朝日岳がさらに立派になって広場に飛出る、P4(標高4796b)である、7:10 明るいピークだ東に富士山が見えるというが今日は晴れすぎて霞の中だ、西には小無間山と大無間山の稜線が実に美しい、あの先まで行くと思うと、正直ためいき物がでる。数b先の林に中に静岡市営小無間小屋が静かに建っている、中を覗こうとドアを開けようとするが開かない(唐松谷ノ頭で会ったご夫婦にゆっくり回せば開いたそうだ)。

  小屋からP1ピーク迄鋸尾根と言うか吊尾根が続く、しばらく小さなアップダウン、岩場の連続、ルートは明瞭で歩行には特に問題は無い、7:30 P3ピークの肩 丹沢前衛の大山三峰山なら当然クサリや綱が置かれる所だがここには一本も無い、取付けられないほどの険しさだ、7:40 P3ピークで大きく下る、山肌に雪の大無間山が良く見えてくる、まだまだ先である。鞍部から急登、下った以上に登る、8:00 P2ピークに到着。ここは直ぐに下ることになる、鞍部からまた下った分にプラスして登ると8:10 P1ピーク勿論ここも下るが、P2ピークからの下りよりは短いが、前方に小無間山への急な長い登りが見える、鞍部に降りると、右側(東側)が広角に開け、ガレ場、富士山の展望が有るというが霞の中だ、見えても良い晴れなのに残念だ、一人の若者が身軽にガレ場の上部を登って行く、ここは大展望でそんなに急いで通過したくない所だ。

  8:20 ガレ場を両手で慎重に登る、岩に捕まるが浮いている物も有る、岩場を過ぎて上に出ると、今度は樹林帯、凍結の登山道、周りの木に捕まって一歩一歩登る、道が荒れいやな所、今日のコースで一番大変な急坂。9:00 平坦になる、ここが小無間山山頂

左に90度折れ、大無間山を目指す、一人用のテントが置かれている。一面雪化粧、ここまで多い積雪とは予想しなかった、昨年の恵那山(数日後5/3遭難騒ぎが有った)の山頂を思い浮かべる。夏道など見えない、ゆるやかに雪の草原を下る、数人の足跡を追う、少し登り切れば 9:20 小無間山からの最初のピーク唐松谷ノ頭に着く、ご夫婦が休憩中、登山口を4時に出発したという、同じ駐車場では見かけなかった人達でしたが何処の駐車場だろう(後でテントの男性にお聞きしたが諏訪神社に駐車場が有るとのこと)。


唐松谷ノ頭から三角錐の朝日岳を望む

  ご夫婦に冗談で「ここで引返そう」と言うと「ここまで来て、行きましょうよ!」と奥様、自分に言い聞かせているみたいである、登山口からP4,P3,P2,P1ピークを越え小無間山迄の辛い登りを経た人でないと解らない。

目の前に大無間山が雄大、美しい山である、その稜線の直ぐ奥に朝日岳がまた美しい姿を見せている。大無間山側の足元は大きな崩れ、唐松薙 その崩れの縁の細い尾根を下る、一人の男性が大無間山から帰ってくる、小無間山のテントの主、静岡県沼津から昨日来られ、思い荷物(水は3gと言う)を担ぎ、登ったらしい、後で詳しくお聞きしたが大無間山山頂にテントを張ればよかったとしきりに反省していた。アイスバーンの箇所が有ってアイゼンは必須、昨年恵那山に登った時アイゼンを付けない人が苦労したように、ご夫婦の奥さんは持っていたが旦那さまは持っていないらしい。

樹林の中を下る、アイスバーンの氷の下にイワカガミの群生が閉じ込められ、雪から出た地面にはギッシリ花期を待ち望む姿が見られる。細くやせた尾根を下って、広い尾根の雪上を登る、先行の足跡が階段になって助かる所だ、足跡が消えるところはリボンが頼りだ、登山道が見えないから注意深く進む。標識は無いが小高いピークの中無間山(標高2109b)に到着、ここには道標が有って、90度左に折れる、コース的に右に行きたくなる所だ。

どんどん、雪の中を下る、雪が融けると解るだろうが二重山稜の所と言う、窪地には動物のヌタ場も有るらしい、ここまで来ると一面雪で、下には何が有るのか解らない。

真っ白い雪の斜面を登る、遭難碑も有ると言うが勿論見当たらない、急な斜面になって、ピーク手前で足元にシャクナゲの葉が覗く、小さな木の上を歩いていることになる、岩場が雪から出た所に飛出ると、目の前に南アルプスのジャンボが雄大な姿を見せてくれる、凄いの一言しか浮かばない。さらに稜線を山頂方向に進むと、展望はさらに広角になる、左から光岳、イザルヶ岳、仁田岳、茶臼岳、ツント尖った上河内岳さら聖岳、赤石岳と素晴らしい峰々が続く。


南アルプスの主峰 大無間山山頂部の展望岩から

山頂はさらにシラビソの林を抜けて行くと、広い尾根になって、周りをシラビソに囲まれた大無間山山頂にやっと到着する。標高2329bだが展望は無い。

往路を引返し、展望所に戻って南アルプスの深南部の山々を眺めて下山する。

小無間山にまず引返すのであるが、中無間山越えは問題ないが、下って唐松谷ノ頭までは結構キツイ、この辺りイワカガミ群生は本当に驚く規模です。

再び唐松谷ノ頭、唐松薙越しの大無間山の展望は圧巻で有り、美しい山である。

小無間山、シラビソとダケカンバに囲まれ、展望もなく通過点に過ぎない。12:50

P1ピークとの鞍部に下るのだが、登って来た時の雰囲気と変わって、ここを登ったのかなと思いちょっと心配だが、数10b下りと苦労して登った岩場に出て安心する、さらに下れば本コース一番危険なガレ場の上部に着く、富士山はこのときも見えなかった。ここから積雪は全く無い。

P1,P2,P3,P4ピークを越えて行くが、平均して1ピーク20分ほどかかる、展望はP3からの朝日岳、P4の朝日岳と大無間山が美しいが、ほとんど樹林の中です。

小無間小屋のP4ピークを過ぎると登山口の田代まで下り一方である、P4を下るところのイワカガミの群生を上から眺め規模の大きさに改めて驚きです。


コイワカガミの群生、開花時期を待っている
登山道は足の踏み入れる空間もないほど密生している

テントの男性に追いつく、静岡の山々の話し、沼津アルプス、、途中で休憩とのこと彼と別れる。

雷段まで下れば、次の目標は送電線鉄塔、ようやく登山届ポスト、林道出合って、杉林を下れば諏訪神社鳥居、駐車場は直ぐである。

大きな看板の田代温泉、民宿で食事は無理だが温泉は500円で利用、湯船に入りホットする一瞬、「山登りですか?」「ハイ、大無間山です」「アカヤシオツツジは?私は登ったことが無いが、、」と、おばさん。

夕食は井川から井川ダムに向う途中の居酒屋、井川ダムの手前で本川根町へ抜ける林道へ入る、新緑に囲まれた美しい峠越え、寸又峡分岐で右折寸又峡へ向う。 

 

HP:わたしの天気予報