下棚・本棚・地獄棚を回る   畦ヶ丸   標高1673b

 

日程2004221日(土)晴れ 4月の陽気

地獄棚(棚)

畦ヶ丸は道志の山と言うより、丹沢の山に含まれ、丹沢のガイドブックには西丹沢として紹介され、

道志側の下善之木から城ガ尾峠をへて畦ヶ丸に登って白石峠・加入道山を往復し、道志ノ湯へ下山、また、畦ヶ丸から城ガ尾峠に戻って、菰釣避難小屋をへて菰釣山、菰釣避難小屋に戻って、下善之木に下山。

西丹沢側の西丹沢自然教室から下棚・本棚を見て、善六のタワをへて、畦ヶ丸に登り、大滝峠上をへて、大滝橋に下って、西丹沢自然教室に戻ってくる。

今回は西丹沢自然教室を登り、下山も西丹沢自然教室のコースを取る。

 


畦ヶ丸は展望よりも西沢と大滝沢が魅力です、
また畦ヶ丸山頂付近はアカヤシオ・シロヤシオが多く咲き、花期が楽しみです。
今回は、車を西丹沢自然教室の駐車に止め、歩き出しました。

コース

西丹沢自然教室6:10−(0:45)→7:00下棚入口(しもんたな)7:15−(0:10)→7:30本棚入口7:40−(1:00)→8:45善六のタワ8:57−(0:03)→9:00ピークのベンチ−(0:50)→9:55畦ヶ丸山頂10:20−(0:01)→10:21畦ヶ丸避難小屋−(0:40)→11:03大滝峠上−(0:30)→11:30一軒屋避難小屋11:40−(0:03)→11:45地獄棚入口11:55−(0:40)→12:40大滝沢を渡る−(0:30)→13:10新大滝橋−(0:40)→13:50西丹沢自然教室

 

下棚・本棚・畦ケ丸登山口

 

2月中旬を過ぎると、日が長くなってきて、日の出早くなってきた、車内で準備をし、西丹沢自然教室でトイレを済まし、足元が明るくなる6:00を待って歩き出す。

大きく立派な吊橋で中川川を渡る、暖かい4月の気温になるという。

 

まだ薄暗い

 

吊橋を渡ると杉林で右は水量の多い西沢が流れる、畦ヶ丸はこの沢と下山予定の大滝沢の間にはさまれる、尾根の奥に位置し、大室山(標高:1588b)から加入道山(標高:1418b)をへてモロクボ沢ノ頭を通り畦ヶ丸、大滝峠を経て、丹沢湖へ抜ける尾根がある

西沢(東沢と合流し中川川になる)は、あまりにも美しい沢なので登山道を離れ降りてみることにする。この時期なら凍結もあるかと思ったが、ここ数日は春めき、春近しで奇麗な沢である。

 

ミツマタ

 

植林されたのだろう、大きなミツマタの木が現れ、後で聞くが西丹沢はミツマタが多く生え花期には大勢のハイカーで賑わうそうです。

 

歩きには問題が無い

 

西沢から離れ広い場所に出ると前方に堰堤が見えてくる、これが1つ目の堰堤で、堤防にぶつかり登山道は遮断される、探すと堰堤の左側に登山用の長い階段が設けられている。

 

堤防に上る

 

堰堤の上に上がると別世界のような河原は広がってとても美しいところです。振り向くと大きな山が見える、桧洞丸方向です。

 

美しい滝

 その河原を横切って行く、渡ると河原が林になって、沢の流れも美しい、浅い滝壷に流れ込む。2つ目の堰堤は登山道から離れている、落ちる水は2枚の絹布が流れるような美しさ

 

長い木製

 

堰堤の上に出ると1つ目に比べると幅は狭く、この沢を一人でも大きく揺れる長い木の橋を渡る、落ちても濡れるだけで大怪我はしない。渡り切ると右から涸れ沢が合流、ちょっと迷うが、ルートは左である、その先同じような橋が出てくる、この沢の橋は壊れる前に流れ川岸に寄せられる設計になっている、直ぐ流れるよう頑丈に止められていない。

 

また堰堤

 

3つ目の堰堤の階段は右に付けられている、上に出ると一本の松が河原の中央に延び、6つ目の橋、大岩と小滝で足が止まるほど綺麗だ、左に涸れ沢が見え、7つ目の橋を渡ると初めて沢から離れ杉林に入る、杉林の左に4つ目の堰堤が見え、ここは壷まで下りてみる、河原遊びには最適だ。ただ西丹沢は例年大雨時にニュースになる被害が発生、増水時は決して入らないことです。

 

権現山登山口の長い橋

 

7:00 7つ目の橋が見えてくる、権現山登山口のある、西沢出合1.3`・畦ヶ丸3.5`地点、権現山への登山道は踏跡もあって登る登山者も多いようです。

 

下棚

 

 

下棚

 

しばらく水平の広い登山道を行くと8つ目の橋があって、その手前に下棚入口の標識(下棚の文字は進行方から見て裏側)下棚(しもんたな)まで5分、下棚までは一度大きく曲がって、二つ目の曲がりで姿を現す!最初に見えてくる滝は涸れておりガッカリしないように。下棚は美しい滝で40bほど

下棚入口に戻る、橋を渡り沢幅は急に狭くなって9つ目の橋を渡る、10つ目の橋になると沢の中央を歩くようになって、11つ目の橋、二つの沢の出合いだ。

 

本棚

 

本棚

本棚入口は下棚から約10分、本棚も入口から約5、下棚と比べルートの道は明確では無い、本棚から戻って見付けましたが、橋の手前から斜面伝いに棚までのルートがある、足元に充分注意したい。

 

本棚

 

 

本棚

 

畦ヶ丸登山は下棚・本棚を見ないと意味が無い

 

西沢から離れて行く

 

12個目と涸れ沢に掛かる橋を渡って、小さな堰堤を左に見ながら登る、13個目の橋は水無の沢を渡っている。

沢の音が遠くなる、鎖を使って登るところもある、西沢出合2.0`・畦ヶ丸2.8`地点でようやく畦ヶ丸山頂が近くなって後数`です

ここから沢を離れ左の斜面を登る、本棚を見て引き返す人が多いらしく、ここから急に登山者が少ないらしい、登山道はやや荒れてきている。杉林に付けられたジグザグの急登をゆくと、8:00 ようやく深い谷から抜け出し、ようやく日が差し込んできた。

再び滝の音が聞こえる、見ると本棚が眼下だ、どうやら登山道は本棚を巻くように登っている。この先は整備が良く木の階段が綺麗に続いている。

 

アセビの群落

 

アセビ(スズランのような小さな花をたくさん付け、淡ピンクや濃赤色の品種があり、ドウダンツツジに似て、同じツツジ科)が多くなってくる。

 

休憩ベンチ

 

杉林から抜けベンチのある峠に着く8:05。ここから開けた坂を登り切るとアセビに囲まれた登山道をしばらく水平に歩くところがある。アセビは鍋割山(標高:1273b)を下って雨山から伊勢沢ノ頭をへてさらに秦野峠経由で寄に下山するコースのアチコチで見るけど。

今度は下って、14個目の橋を渡る、また登って小さなピークを過ぎ15個目の橋、西沢出合2.6キロ・畦ヶ丸2.1`地点、次は涸れ沢を横切るがここには橋が無い。ここは尾根筋で沢に挟まれた細い登山道で歩幅に合った木の階段が並んでいる。

 

 

左:展望が開ける     右:善六のタワ

 

右に桧洞丸方向の山々が望める見晴らしの良いピークになる、ここを大きく下って谷を越え、今度は暗い杉林を天然の木の根階段を登る、この坂を登って明るい尾根に着くと目の前に標識があって善六のタワに着く。西沢出合3.1キロ・畦ヶ丸1.7`地点 8:45

 

登って来た尾根道

 

善六のタワから数歩移動すると、崖崩れの上部に芝(工事で植えられた)があって数人休憩できる展望の良い所がある。眼下に登った尾根筋の登山道も見える、西丹沢の奥深い山々を眺めることができる。

 

長い梯子

 

善六のタワから数分でベンチのあるピークに着くがここは展望が得られない、鞍部まで下って長い梯子を登る、この急坂を除くと畦ヶ丸まではもう急登は無い。

 

壊れたベンチ 座れないベンチでは無い?

 

ここからは、いままでの狭い窮屈な尾根筋と違って開放された美しい尾根道になって、大木のブナが多く、壊れたベンチがあって、畦ヶ丸1`・西沢出合3.8`の道標、大木のツツジ(アカヤシオ、シロヤシオなど)が多く花期は楽しいところで、ツツジの時期5月中旬過ぎからは賑わうだろう。時々木々の間から道志の山々が見えるが展望は木々に邪魔される。

 

畦ケ丸山頂(標高:1293b)

 

やがて、200b先畦ヶ丸避難小屋の標識があって、積雪が残ったさいごの急登を登り切ると、畦ヶ丸山頂(標高:1293b)です、大きな木々に囲まれ展望は得られない。誰も居ない山頂でちょっと昼寝を!一人の男性が登って来る、「静かですね」と言うと、「後から数人が登ってくる」と言う。大きなベンチとケルンがあって、山頂は広い、シロヤシオツツジの咲く頃に来たいものです。

ちょっと下ると畦ヶ丸避難小屋、昨日1人の男性が泊まっており、庭先は明るく綺麗な小屋。

小屋から急坂、階段が整備され問題なく鞍部につく、道志山塊の山々大きく迫ってくる。再び登ると200b畦ヶ丸避難小屋の標識があり、原生林の美しい尾根道が続く、今度は右:杉林の急坂、ここも階段が整備されている。

 

大滝峠上

 

下って行くと畦ヶ丸1.7`地点の大滝峠上と呼ばれるところに着く、ここは三叉路で大滝峠方面にも登山道が続いているが大滝峠をへて権現山に向かう登山道は荒れ放題のようです。

 

雨棚・地獄棚

 

美しい渓谷

 

大きく90度左に折れ曲がる、小さな尾根を下降、ステタロー沢に出合う、この沢は綺麗な小滝やナメが続く、畦ヶ丸の良さは、この美しい渓谷を楽しみながら歩くことに尽きると思う

 

一軒屋避難小屋

 

まもなく鬼石沢の出合一軒屋避難小屋が建つ広くて明るいところに着く。小屋の裏に登山道があるが一般者進入禁止、一つ目の堰堤裏まで行って見ると綺麗なところです

小屋の前は鬼石沢で橋を渡って沢から離れ、数分下ると左右に大きな岩があって、右の岩の裏に注意して探しながら行くと、踏跡を見つける、おそらく地獄棚への入口だろう11:45

鬼石沢と橋

 

中に入って見る、右に鬼石沢が流れ、狭いく藪の尾根だが明確な道が先に続いている、数10b入ると目の前が崖になって、急斜面に道が続く、リックサックを置き、気合を入れ下りに挑戦する、木の根をうまく利用したルートがしっかり付いている、滝の音が大きくなって、地獄棚だろう、木々の間から見える、でもルートは90度の斜面、簡単には下れない、何度か足の位置を確認し下り続ける、なんと縄が貼ってある誰が付けてくれたのだろうか、一箇所、崩れ木に抱きついて反対側に渡るところがあるが、沢まで、後10bのところまで行くと黄色いリボンが木に巻きついている、その下に、崩れ跡にも綱が備えられて、綱を利用して下りきる

 

 

地獄棚

 

凄い滝地獄棚、名前にふさわしい姿である。滝壷から流れる沢も美しい。何時までも時間の許す限りここに座り続けたい地獄の底である

登山道に戻る「下りは良い・良い、登りは怖い」、体中に汗が噴出す(怖いのではなく今日は暑い(^^)、登山道に戻る(ガイドブックには地獄棚への案内は無い!)。

 

大きなベンチ

 

道は大滝沢(鬼石沢が地獄棚あたりから他の滝を集め呼ばれているらしい)を大きく巻く、20分ほど下るとベンチがあって、両サイドに沢が見える。90度曲がって下る。

マスキ嵐沢に出合、別の一本の沢がすぐ出合っている、水量は少ないが静かで、小滝、ナメ、壷が次々と出現し、楽しい光景を見ながら下ってゆく。

 

古きなった階段

 

苔が生え、古道となって美しい木の階段を下りると大滝沢に降りる。

 

大滝沢出合

ここに橋が無いのが嬉しい河原、暑い日は汗を流したい、ここは渡渉点で増水時は注意したい、飛び石は幅があるので直接沢に足を入れる、次いで二個の橋が連なったところがある。

ここの河原が広がって、とても美しい。大勢のグループなら先の渡渉点よりここで休憩したい

 

大滝橋

 

ここから大きく沢から離れ、大滝沢を右下に見て、眼下に堰堤と自然の滝が見える、やがて杉林に入る、突き当りを右に折れるとまもなく林道に飛び出る。

峰山橋を渡って大滝沢の右、沢の美しさを眺めながら、大滝橋へ、キャンプ場は橋の下、新大滝橋の丹沢湖寄りに和田バス停がある、13:10 期待通りバス15:00過ぎまで無い。西丹沢自然教室・新松田駅行も本数が少ないが「自分は1便に乗るだけなので調整する事が大事です!」、西丹沢自然教室方向、丹沢湖方向にのんびり歩くのも楽しい中川川です、、、。

西丹沢自然教室まで桧洞丸から下山の時は「箒沢公園橋」から歩いたことがある、今日は距離的には2倍だろう、箒沢は広い、水量が無い時は静かだが大雨の後は大反乱!徒歩約40分で西丹沢自然教室に着く、自然教室前の駐車場には20数台の車が停まっている。

西丹沢には西丹沢自然教室と丹沢湖の玄倉(くろくら)には丹沢湖ビジターセンターの二箇所にビジターセンターが建っており、西丹沢自然教室と新松田駅間の富士急バスの路線バスが通過する、この二つのビジターセンターを結んで縦走する人が大勢おられるようです。

玄倉は丹沢湖手前で右に曲がる、ユーシンロッジへの入口になっている

交通機関:土日祝日(2014/1/17現在)
小田急線新松田駅(12/1から3/15以外)7:207:30発に乗ると
8:31,8:41
に西丹沢自然教室に着く、
12/1から3/157:258:36着がある)
西丹沢自然教室発最終18:58発⇒20:27小田急線新松田駅
例えば:JR常磐線取手駅4:355:46JR新宿駅・小田急線6:017:19小田急線新松田駅
小田急線新松田駅20:34発⇒21:57小田急線新宿駅・JR新宿駅22:1223:15JR常磐線取手駅
*JR常磐線取手駅4:15に乗ってJR日暮里駅乗り換えてJR川崎駅6:05発JR国府津行に乗り
7:07
発の御殿場線に乗ると7:37JR谷峨駅に着き、西丹沢自然教室行きに乗ることは可能。

 

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