2016/12/21 筑波実験植物園散歩 今週のベスト3!:冬の野菜コーナー 柑橘類(ユズ、ハナユ、キシュウミカン)落葉広葉樹林(イタヤカエデ等)

ブナ、イヌシデ、コナラ、ユズ、ハナユ、キシュウミカン、イタヤカエデ、ナワシログミ、ソヨゴ、ヤマコウバシ、ヒメシャラ、カツラ、ツクシミカエリソウ、ヒョウタンボク、コウヤボウキ、トチノキ、シナマンサク、、、など

2016-014

日程:20161221日 (水)晴れ   15℃を超える気温

 今週のベスト3! 

冬の野菜コーナー 柑橘類(ユズ、ハナユ、キシュウミカン)落葉広葉樹林(イタヤカエデ等)

 
イロハモミジ

公園の一番奥に位置する落葉広葉樹林、その一番奥にイロハモミジの紅葉がとても美しい、ヒメシャラと並び立派です。

ヒメシャラは、独特の赤褐色を帯びた木肌が魅力的です。橙色の樹皮は三大美幹木に数えられ、大きく成長すると樹皮が薄く剥がれていくので、公園や庭先に植えられるサルスベリのようにツルツルしてくる、今が一番この樹皮が綺麗に見える。ヒメシャラの花期は68月で、小さな白い花を咲かせます。

今週のベスト3!は冬の野菜コーナーの詰合せ、正月に頂く野菜が多く、好き嫌いの多い子供に見せてあげたいコーナーです。冬至の時期が収穫時期のユズ、剪定をした近所の家から沢山頂き、ジャムに、とても美味しい。落葉広葉樹林ではブナ、イヌブナ、メグスリノキ、ホウノキ、イヌシデ等が美しい樹林を作っているので、今日の様な暖かい日にノンビリ散歩したい所ですが、今日はとても静かです。

 

さて、園内を歩いて、紅葉を探しましょう!

今日はとても静かです

 

 
左:トチノキ(栃、橡、栃の木)ムクロジ科                     右:シナマンサク(支那満作)マンサク科

トチノキは説明版でも説明しているが、近縁種でヨーロッパ産のセイヨウトチノキ(マロニエ)と似ており、とち餅やとち団子を作りますが、マロニエを食べる習慣は無いらしい。とち餅は、トチの実を入れて作ったもちで、茶褐色の柔らかいもちです、トチの木は食糧不足時代にはトチの実やヒエ、アワを71%に米を30%入れてご飯にしたり、餅にして食べてきた。孫と土合駅から一ノ倉沢辺りまで散策に行ったとき、トチの実を拾ってきたが、餅にする術が無く、、、。トチの実は「ごう」と呼ぶ固い殻をかぶっており、この殻をむきながら拾うので大変手間がかかり、1日に1斗くらいしか拾えない。栗によく似た固くてつやの良い実である。これを乾燥してかますに詰め、湿気のないところに保存する。とち餅作りは、トチの実を水浸する事から始まる。一昼夜水浸した後、熱湯に35時間浸ける。更に湯を取りかえて58時間浸ける。内皮を「ヘシ」と呼ばれる器具で一つずつむいて、水に浸ける。一昼夜おき、きねでついて、「流し灰(ソーダ灰)」に浸けてあく抜きする。一昼夜流れ水につけ、もう一度「くい灰」に一昼夜漬ける。これを蒸してトチの実だんごを作る。もち米1.5`にそのだんご600cの割合で混ぜて餅にする。

シナマンサクは2月はじめに開花する。原産地が中国だから、シナマンサクの名がある。葉も散らず残っている。

 

 
左:サンシュユ(山茱萸)ミズキ科                 右:クマノミズキ(熊野水木)ミズキ科

サンシュユは高さ34bになる落葉小高木です。葉がまだ出ていない春先に、黄色の可憐な花を咲かせます。初秋には紅く熟した果実がなります。この実が真っ赤で印象的。 アオキ,ハナイカダ,ハナミズキ,ヤマボウシ、クマノミズキが同じ仲間。

クマノミズキはこの公園では大木。葉は長さ1-3aの葉柄をもって枝に対生し、形は卵形または楕円形で、先端は長い鋭尖頭で基部はくさび形、縁は全縁。葉身の長さ6-16a、幅3-7aで、裏面はやや粉白色になる。花期は6-7月。新枝の先に、径8-14aの散房花序をつける。花は多数の白色4弁花。果期は10月。果実は核果で、径5_ほどの球形で紫黒色に熟す。筑波実験植物園にミズキ科が多くみれます。

 

 
左:クヌギ (櫟、椚、橡、栩)ブナ科                   右:コウヤボウキ(高野箒)キク科

クヌギの樹皮は灰褐色で、やや深めに不揃いに割れる。深い割れ目の底が、褐色に見える。果実は、ドングリで、翌年の秋に熟す。直径2aと大型で、下半分はお椀型の殻斗に包まれるが、根元を探したが見つからない。コナラのドングリは年内に熟し、基部は、小さな鱗片状の総苞片が瓦状についた殻斗(帽子)をかぶる、散歩道に沢山転がっている。大型のドングリのため、狩猟・採取の時代にはクリやトチノキと並び重要な食料で人との関係は長いと言えるし、子供たちの自然のオモチャですね。

コウヤボウキは関東から九州までの山林の日当たりのよいところ、乾燥した林内によく見られる、加波山や筑波山を登ろうとする登山道によく生えています、複数の種子の冠毛が開くと白い毛玉ができ、果が飛ばされた後には総苞が残り、美しい花のようにも見え、この時期綺麗です。花は秋910月に、1年目の茎に一輪ずつ咲く。高野山で茎を束ねて箒の材料としたのでこの名がある。

 

 
左:ヒョウタンボク(瓢箪木)スイカズラ科                  右: ツクシミカエリソウ(筑紫見返草)シソ科

ヒョウタンボクに別名がキンギンボク(金銀木)、スイカズラやトベラも同じように色が変わる。赤く熟した実は有毒。

ツクシミカエリソウはシモバシラと共に有名な植物で、高尾山でみる霜柱はシモバシラが作り出す自然の芸術で同じものがない一品ですネ。ツクシミカエリソウは宮城県辺りで見られ、よくホームページで報告されているが、霜柱の報告は?

 

 
左:ブナ(山毛欅、橅、椈、桕)ブナ科       右:イヌシデ(犬四手、犬垂)カバノキ科

ブナのイヌシデも筑波山に生える。イヌシデの近縁種にアカシデ、クマシデがあり、アカシデは新芽と紅葉の葉が赤くなることから、クマシデは葉の脈が倍以上あることからイヌシデと区別することができる。ここのブナ・イヌシデとも四季毎に美しい、ただ、自然の姿は筑波山の方が面白いですね。

 

 
左:カツラ(桂)カツラ科          右:コブシ(辛夷)モクレン科

カツラと言えば石裂山カツラを思い出す、沢が流れる谷に巨木が生えている。

コブシは宝篋山のコブシを思い出す、3月下旬の太郎コブシは見事です。

 

 
イヌブナやヤマコウバシ

ヤマコウバシの枯れた葉が冬でも落葉せずに枝に残る。今頃、葉が落ちないので見つけやすい。春には落葉する、冬の枯れ葉以外は、あまり目立たない樹木です。

 
イロハモミジとヒメシャラ

 
残った紅葉!

筑波実験植物園の一番奥、残った紅葉、イロハモミジがヒメシャラと並んで見事でした。

 

 
ソヨゴ(冬青)モチノキ科

ソヨゴの開花期は56月頃で雌雄異株。雌花は葉腋に単生し、雄花は集散花序に数個まとまる。いずれもはっきりした柄がある。果実は56aの柄があってぶら下がり、径7 _ほどで丸く、秋に赤く熟す。葉は39aくらいでやや光沢、葉が風にそよそよと音を立ててそよぐ事から、このような名前がつきました。実が付いていないから雄株?次回からしっかり観察します。

 

 
ナワシログミ(苗代茱萸)グミ科

ナワシログミは常緑低木で、茎は立ち上がるが、先端の枝は垂れ下がり、他の木にひっかかってつる植物めいた姿になる。楕円形の葉は厚くて硬い。新しい葉の表面には一面に星状毛が生えているため、白っぽい艶消しに見えるが、成熟するとこれが無くなり、ツヤツヤした深緑になる。開花期は秋。葉の表面には星状の毛が点々とあり、独特の模様となっている。裏面は星状毛が密生しており、銀白色で、点々と褐色の鱗片がある。果実は45月の「苗代」を作るころに赤熟するので、ナワシログミの名がある。

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