平ヶ岳(標高:2,141b)

下大倉山(標高1,604b)・大倉山(標高1,695b)

自然バランスの玉子石と山頂に広大な湿原

 

日程2000812日 前夜発、日帰り登山、翌日13日帰宅

コース

平ヶ岳登山口5:00−(1:00)→6:10前坂−(1:10)→7:20下台倉山−(0:50)→8:10台倉山−(0:30)→8:30台倉清水−(0:40)→9:10白沢清水−(1:10)→10:30池ノ岳−(0:01)→10:40姫ノ池−(0:30)→11:30平ヶ岳11:45−(0:10)→12:00山頂と玉子石分岐→水場−(0:15)→12:15玉子石−(0:15)→12:50玉子石と姫ノ池分岐−(0:05)→13:00姫ノ池−(4:00)→14:50台倉清水15:05台倉山15:50下台倉山17:30平ヶ岳登山口

 

国道352号の尾瀬御池を2時半頃通過、更に高度を上げる、最高点を直ぐに過ぎくねくねした国道352号をそのまま下る、やがて緩やかな下りに変ると小沢平(こぞうだいら)で左側に自動販売機がある、右側に釣り客の宿がある、尾瀬ヶ原から流れ出す只見川の赤色の橋を渡ると右側に大きな地図が立って、数台の車が止っている、地図にも平ヶ岳登山口の鷹ノ巣はここと記されている

 

登山道が見つからなかったがここを登山口駐車場と思い、明るくなるまで仮眠する、夜が明けたので準備に入る、と一台の小型トラック「釣りかね?」、「いえ、平ヶ岳に、、」、「平ヶ岳の駐車場はこの先1`、車がいっぱい停まっているから!」と教えてもらい移動する。

 

国道の両脇に大きな駐車場があり、20台くらい停まっている、テントをここに張り仮眠した人も準備中、二人のご婦人がスタートして行く、後から来る人も車を停められるように間隔を最小限にとり車を停める。

駐車場の手前の林道を上ってゆく、5分ほど登ると下台倉沢、水が多いのに橋(木が3本渡されているが)が無いが、石の上を渡り反対側に、またしばらく林道を行く、100bほど行くと標識「平ヶ岳方面が立ち、ここから登山道だ、すぐに小さな沢を渡る。

林は直ぐに終わり、ここから下台倉山まで急な尾根道を登って行くことになる。

 

急な斜面を登って行くとまもなく左側に燧ケ岳が雄大な姿を見せてくれる。急な斜面を直ぐには終わらない、時には狭い尾根、両サイドを気にしながら進む、綱を頼りに登る箇所もある、松の木に「前坂」と看板が置かれている、一回目の休憩に良い所だ。

見つけた花

タカネビランジ:下台倉山尾根と台倉山への尾根に多くみられた。

タテヤマリンドウ:姫ノ池の湿原に群生、多くてビックリ。

ハクサンシャクナゲ:下台倉山の直下と台倉山の尾根の裏側、訪れた時は花は咲いていません、6月上旬が花期という。

ゴゼンタチバナ:白沢清水周辺。

ミヤマトウキ:尾瀬御池の駐車場からしばらく国道を走り道端に一本傘を大きく開いていました。

チングルマ:花の後の羽毛がいっぱい、山頂の湿原に群生。

イワショウブ:高さ30〜40a、真っ白い花穂をつけ、葉がショウブに似ている。

コバイケイソウ:池ノ岳の山頂直下に群生、また池ノ岳山頂直下から右上の斜面に雪渓が見えその下部に群生が見える。

イワイチョウ:山頂から玉子石に向かう途中の水場はお花畑の楽園、コバイケイソウ、ハクサンフロ、、多くの高山植物が群生。

タスゲ、サギスケ:季節的にサギスケかもしれないが、山頂の湿原に多くみられました。

ニッコウキスゲ:近寄れないが、玉子岩先の地塘の左斜面に群生、その反対に越後の山々が連なりすばらしい眺めだ。

カニコウモリ:白沢清水周辺の樹林の下に多い。

キンコウカ:山頂湿原に群生、葉は細く、黄色いせん光花火の様な可憐な花で、木道の側に多く個々の花びらを数えると6枚、高さ20〜30b。

燧ケ岳の眺めは山頂まで続きますが、前坂の眺めは印象的です。

大きな松の根元がちょうど良い感じの椅子になる場所があります。岩をよじ登る山道側にはタカネビランジ(赤色)が咲き、疲れを和らげてくれます。

 

1420bの峰を今度は下り樹林帯に入り抜けてまた急な坂を登り切ると、[下台倉山」の標識の前にでます。

ようやく苦しい坂が一段落し、左手に燧ケ岳を眺めながら尾根道の上下を繰り返しながら気持ち良く歩けますが日差しが強くとても暑い、ところどころ樹林帯に入ると涼しく嬉しいところがあり、その樹林帯にシャクナゲが多く見られ、花期に訪れたら綺麗だろうと想像する。

 

はっきりしない峰だが中央に三角点ある台倉山だ。

 

ここから少し下り、峰の左側を歩くのでぬかるみが多く歩き難い。鞍部につくと木道が設けられ、先行していた登山者が休憩している、木の根本に「清水」と書かれた標識が置かれている、聞くと右の樹林帯を下ると台倉清水があると教えてくれる、下台倉山の手前で半分以上水をこぼし、すっかり無くなっており、助けられる、嬉しい(この経験から以後、ペットボトルはリックサックの中に入れて歩く事にしている)。

水を汲みに行くので、入れ物を、、」と言うと、横須賀から来たご夫婦が空のボトルを2個差し出すので、自分のボトルも持ち下って行くと5b下に水が流れている。

まず我慢していた水をがぶ飲みする、美味しい、生き返る。ボトルを満杯にして戻ると、奥さんがお礼にと美味しい飴を差し出す、「明日は越後駒ヶ岳に登る、、」と張り切る、このご夫婦と以後山頂まで同行する。

もらった飴をなめながら上ってゆく、樹林帯の中、木道が引かれ歩き易くなっている、しばらく行くと樹林の中の広場に着く、白沢清水

ここの水も美味しいが、先程とは水量が少ないので注意、少し虫などが入り込み、死骸が残っているが飲むには特に問題が無い、横須賀のお父さん、水の流れを直し、「帰りには奇麗な水が飲める、、楽しみだ!!」、と言いながら直している、良く見ると底にはコンコンと湧出る様子が見える。

 

また樹林を行く、木々の間から池ノ岳と平ヶ岳山頂が大きく見えて来る。樹林を抜けると急斜面が待っている、山道は雨水に流され深くなって、しかも狭く、歩き難い、ここの坂が今日のコースで一番キツイ所でした。

 

キツイ坂を登り切るとやや緩やかになり笹の上にどかっと腰を下ろし倒れるように休憩する。樹林が少し続く、樹林から抜け、また笹の多い斜面になる、至仏山が見えて来る、隣りに笠ヶ岳の尖がりも見える、至仏山は実に大きく座っている。

 

コバイケイソウ

 

苦しいが景色を眺めながら登れば楽だ、上を見ると池ノ岳の右斜面には雪渓が見えその下にコバイケイソウの群生が有る、平ヶ岳山頂から流れる斜面がとても綺麗で印象的である、ここまで登って来なければ得られない美しさだ、ガイドブックを見ただけでは解らない。

 

笹の斜面を登り切ると傾斜のある広場、足元にタテヤマリンドウが数輪咲いている、腰を下ろし休むがここは斜面だが湿原と見えお尻が濡れる。

 

最後の岩登りを二回程繰り返す、この峰の岩場の陰に高山植物がいっぱい花を咲かせている。

 

登り切ると、岩場の池ノ岳。見晴はいい、燧ケ岳・至仏山・会津駒ヶ岳とさらにその向こうに日光の山々が見えている。

 

展望台で充分見晴を楽しみ、背丈の低い樹林帯に設置された木道を進むと、目の前に突然湿原が広がる、姫ノ池が目の前に輝いている、左先に平ヶ岳は大きく見え、足元には無数のタテヤマリンドウが群生し思わず歓声を上げる。

 

やっと登った天空の楽園 ご夫婦にシャッターを押してもらう!

 

池の前に木道が引かれ、休憩場もあり、同席した登山者の登山話しが花を咲かせる。関西から来たというご夫婦、夏休みを利用し、上越・尾瀬方面の100名山を登って今日は3山目という、明日は至仏山との事、来期は金峰山、瑞牆山、甲武信ガ岳方面を予定しているそうだ。

 

木道はすぐ玉子岩への分岐で平ヶ岳を目指す、樹林帯に入る、20b程で湿原に出る、また玉子岩への分岐、平ヶ岳まで後500b、左折し笹の薮を行く、なかなか山頂が見えない、既に500bは歩いたように思うがなかなか山頂が見えない、ここも雨水が湿原から流れ出し登山道を深くえぐり取り歩き難い。

 

パット目の前に湿原が広がり、目の前に再び燧ケ岳、至仏山が大きく姿を見せる、山頂はまだ見えない、木道を緩やかに登る、足元にはキンコウカ、ワタスゲ、イワショウブ等が沢山咲き高山植物の楽園で、人の姿が見える山頂も近い。

 

平ヶ岳頂上の三角点は、登ってきた木道から数b針葉樹の中の小さな広場にある。

 

山頂の木道で休憩しばらく休憩、苗場山山頂の湿原も凄いが、ここの湿原は明るく開放的である。

 

平ヶ岳は美しい眺めだ!

 

高山植物を楽しみながら、池ノ岳方面に戻る、最初の玉子岩への標識に従い、下ってゆくと水場がある、雪解け水がコンコンと流れ出しているが、あまり冷たくはない。

 

水場は小さな沢で平ヶ岳沢の源流だろう、回りには高山植物が密集し咲き誇っている。

 

ここから少し登ると、玉子岩と姫ノ池の分岐、玉子岩を目指す、平ヶ岳を左に見ながら針葉樹林帯を緩やかに登り、登り詰めると越後の山々が目の前に大きく広がる、今度は緩く下り、鞍部の湿原を通り、もう一度針葉樹林帯を登ると玉子岩が目の前にドーンと現れる「風化し危険、近づかないで!!」とある、確かにバランスは何時崩れるか予期できない感じ!!

 

玉子岩 一生忘れない光景です

 

玉子岩、奇妙な自然の贈り物に驚く!!、また玉子岩の手前は大きな岩で展望台になっている。

 

崩れない、玉子岩

 

その下方には地塘が散らばり湿原が広がって、左の斜面にはニッコウキスゲが咲き誇り、右の向こうには上越の山脈が長く大きく広く横たわっている、毎日この景色を見ている奇妙な岩が平ヶ岳のシンボル「玉子岩」なのだ。

 

美しい木道、美しい湿原、美しい山々

 

姫ノ池分岐まで戻り、今度は水場とは反対方向に緩やかに登り、姫ノ池に戻る。ここからは登った道を鷹ノ巣へ戻ることになる。

 

池ノ岳からの下りは登りより危険、花に気を取られないように下る。

 

あの急な坂を下り切ると、一人の男性が登って来る、「キツイキツイ、ここで終わりかと思えばまた目の前に坂が出て来る、、」と言いながら、正にそのとおりである。

 

白沢清水、一人の男性が休憩、私は思い切り水を飲み休憩。

 

雨がポツリポツリ落ちてきた、ここから下台倉山を下り、登り返し1420b峰あたりまで雨の中を歩くことになる。

 

樹林帯の中をひたすら歩き、台倉清水へ、若いご夫婦が雨具無しで下って来る、下のテントに荷物を置き登ったようだ、この時季の雨具は必需品。

 

台倉清水の木の下は3組のテントが張られている、清水は雨水が流れ込むと飲むのは無理になりそう、すでに雨水が流れ込んでいた

 

清水から台倉山へは登りになる、帰りの登りは辛い、ぬかるみが雨でさらにひどくなってきた、やっと台倉山燧ケ岳が雲の中に黒く全容を見せてくれる凄い迫力、普段の穏やかな姿とは違う、ただ救いは燧ケ岳や会津駒ヶ岳の方向が明るくなってきた事だ。

持ってきたガイドブックは正確な時間を示す、台倉山から下台倉山まで50分、右側が開け左側は樹林で時々只見川から霧が吹き上げる。

 

雄大な燧ヶ岳

 

平ヶ岳が100名山に選ばれた理由は山頂から鷹ノ巣までの長い長い行程の尾根歩きから最初から最後までの大展望であろう。

他の山なら登山口から展望が開けるまではかなりの樹林帯や谷間を歩くのに!最近裏ルートを登る登山者が増えているようだが、本コースでないと日本100名山を制したことにならないと思います。断っておきますが私は100名山を目指してはいませんが、登れるなら100名山がいい、そして一番その山らしいコースを許す時間で草花・滝・池・谷を楽しんでいます。

 

下台倉山からは尾根の急坂を下る、よくこんな坂道を登ってきたものだ、池ノ岳からここまで下山する人には会っていない、雨が止み、晴れてきた下台倉山からの展望はよい、雨の後なのに登山道はほとんどぬかるみが無く歩きには影響が無い、後ろから一人の登山者が追いついて来る、遅れている横須賀のご夫婦について訪ねると少し遅れているが明るいうちに下山は可能だろうという

 

下台倉山から登山口までは1時間20分とガイドブックに有る、登りが2時間。大変な距離である、下る尾根が航空写真のように見え、尾根のテッペンを渡りながらの下り、救いは展望が続くことだ。

 

追いついてきた男性は、広島からこられ、上越の山々を巡って今日はお盆が始まるので帰宅、奥さんは自宅で初孫さんと遊んでおり、今回は同行しなかったと言う。

 

やっと、林道に着く、下台倉沢で夕食を作られているご夫婦に「そーめん」を頂く、山頂で卵に当たって水しか飲んでいない、胃が回復してきており、本当に美味しくいただく。彼らご夫婦はここに泊り、明日は平ヶ岳に登るという、今日は越後駒ヶ岳に登ってきたという。

 

登山口の駐車場に着く、一人の男性が平ヶ岳の様子を聞きに来る、今日は奥さんと越後駒ヶ岳に登り、明日は平ヶ岳に登るのだという。

 

今回は、夏休みを利用し、一週間山巡りをする人々が多いのには驚かされた、一日一山。6日で6山、、、今日はお盆前、団体さんには合わない。

 

大変長い道のりでした登山口を  500、戻り17:30 計12時間半

 

何時か、リベンジしたい山!:2014年8月21-22

 

わたしの登山話


帰りは尾瀬御池を通過し、桧枝岐:燧の湯(今年の7月新装オープン)に立寄り、

地元の方にお世話になり、お世話してくれた人の紹介で!

民宿「ももたろう」
967-0512   伊南村大字耻風字上の原10

Tel0241-76-2943

一泊お世話になる、常連の釣り人がお客様。

「ももたろう」から近いバス停は恥風、尾瀬沼山峠から会津高原駅(会津高原尾瀬口)を走る。

ちょっと歩くと内川バス停、ここから会津高原駅と田島駅(途中:駒止湿原入口)のバスが出る。

二日目の13日は内川発950925発の会津高原駅行きも有る)で会津田島駅に向かう。

乗客は私とおじさん一人(登山者)、バスは国道401号で南郷村の山口へ、山口から国道289号線に右折し、

駒止湿原入口を通過する、約1時間走るが乗客は変わらない。

登山者は七ヶ岳に登のか田んぼの真ん中で降りていった、その後、おじいさんが乗って来る、

さらに孫を伴ったおじいさん、若い青年二人が乗った。約1時間走り、結局7人が乗ったことになる。

会津田島駅に11:10、田島駅発11:12浅草駅直行(快速)に飛び乗る、浅草駅15:03着の予定

途中:七ヶ岳登山口駅、会津高原駅、湯西川温泉駅、川治温泉駅、鬼怒川温泉駅、下今市駅、春日部駅、

JR常磐線に乗り換えで浅草の手前の北千住駅1452着。

約4時間の長い旅だが、車を捨てバスと電車は素敵な登山でした。

 

<会津若松〜浅草を一本の線で結ばれている>

●只見線:会津若松〜西若松
●会津鉄道:西若松〜会津高原
七ヶ岳登山口駅:七ヶ岳登山口
●野岩鉄道・会津鬼怒川線:会津高原〜新藤原

会津高原駅:会津の尾瀬玄関口(会津高原尾瀬口)
●東武線:新藤原〜浅草

(下今市駅:日光線で日光の山々、新鹿沼駅:石裂山登山口
駅弁は田島駅、下今市駅で電車に売りに来た。

東武日光線は下今市駅から分岐、日光-浅草間は特急が走るが登山者一人旅は普通車で!


●まわりの山
至仏山、燧ケ岳、会津駒ヶ岳、巻機山、越後三山(魚沼駒ヶ岳)にまわりを固められ、奥深き百名山と言った感じだ。
夏休みを利用し、関西から日本100名山を楽しむ登山者が多いのにも納得


どうやらこのコースが裏街道らしい

平ヶ岳登山先輩のお話から
199162829日の登山

日本100名山の中で「一日の歩行時間が一番長い山」の一つだそうです、浦佐からバスで只見ダムに船着き場から遊覧船で尾瀬口、
更にバスで鷹ノ巣、歩いて清四郎小屋に泊まり、上記のコースで登り、清四郎小屋に戻っています。
清四郎小屋3:56−(0:15)→平ヶ岳登山口→台倉山7:37→10:50平ヶ岳11:10→18:10清四郎小屋
この日は前日の雨で林道に水が流れ大変だった様です、笹尾根を登り、木道が始まると、
燧ケ岳、会津駒ヶ岳の展望が始まり素晴らしいとの事。
姫ノ池から平ヶ岳の遊歩がとても優雅でるんるん気分になるという、「たまご石」は見るべしとの事。
また、この山はヘビが多いとか?先輩もお会いになったそうです、クマと同じで、こちらから喧嘩を仕掛けない!

わたしの登山話