アセビの咲く稜線 丹沢 大倉か二俣経由で小丸、鍋割山からシダンゴ山縦走、寄へ下る
鍋割山(標高1273b) ・雨山(標高1176b) ・桧岳(標高1167b)・伊勢沢ノ頭(標高1177b) ・シダンゴ山(標高758b)

渋沢駅からバスで大倉、鍋割山から秦野峠へ縦走、シダンゴ山をへて寄、バスで新松田駅

日程 200549日 (土)晴れ

 

シダンゴ山は交通の便が良く、展望に恵まれ、ハイカーでにぎわうそうです、しかし、せっかく、つくば市から行くのですから、鍋割山から縦走して見たい、縦走の最後の山は!高松山かシダンゴ山に変更、どちらも富士山が良く見え、下山は新松田駅です。


美しい雑木林

コース

小田急線渋沢駅7:18=(バス)⇒7:30大倉7:35―(0:15)→西山林道出合い7:50―(0:20)→防火用水8:10―(0:25)→林道分岐四差路8:35―(0:00)→水場8:35―(0:10)→8:45二俣8:49―(0:01)→訓練所尾根登山道入口8:50―(0:25)→平坦な松林9:15―(0:10)→大木のブナ9:25―(0:15)→「りょうぶ」の花札9:40―(0:20)→富士山見える10:00―(0:05)→古いベンチと吊尾根10:05―(0:30)→アセビ&富士山展望10:35―(0:15)→稜線10:50―(0:05)→二俣分岐10:55―(0:25)→11:20鍋割山山頂11:40―(0:10)→鍋割峠11:50―(0:10)→ピーク・鎖場12:00―(0:10)→茅ノ木棚沢ノ頭・鎖場12:10―(0:20)→ピーク12:40―(0:05)→雨山峠12:45―(0:25)→やや平坦13:10―(0:10)→雨山13:20―(0:10)→ベンチが続く13:30―(0:25)→桧岳13:55―(0:15)→鹿の柵14:10―(0:10)→山神峠分岐14:20―(0:01)→伊勢沢ノ頭14:21―(0:05)→ニリンソウ群落14:25―(0:10)→右に90度曲がる14:35―(0:05)→鹿の柵14:40―(0:25)→秦野峠15:05―(0:01)→大きな涸れ沢15:06―(0:10)→日影山分岐15:15―(0:01)→鹿の柵・両側15:16―(0:20)→林道秦野峠15:35―(0:20)→高松山分岐15:50―(0:05)→ダルマ沢ノ頭(標高871b)15:55―(0:10)→ピーク16:05―(0:15)→林道出合い16:20―(0:00)→宮地山分岐16:20―(0:10)→シダンゴ山16:30―(0:25)→水場16:55―(0:20)→茶畑17:15―(0:05)→17:20寄バス停18:10=(バス)⇒18:30小田急線新松田駅18:46=(電車)⇒都心へ

 

 

つくば市城山から小田急線渋沢駅に一番早い時刻に着くには、JR常磐線取手市発4:35に乗り、小田急線新宿駅6:01に乗ることになる、丹沢の山登りを初めてから今日まで変わらないひとつで、JRも小田急も凄いと思う。
 小田急線渋沢駅7:12着、7:18発のバスは定時発、大倉に降りると桜が満開。
 登山届を提出し、車道を緩やかに上って、左に折れ、民家の間を抜け、畑を横切って、狭い道に入り鍋割山へ向かう、杉林を平坦に進むと家族連れが「鍋割山を目標に」と楽しそう、まもなく西山林道に出合い、右折し、左下に沢の音を聞きながらほぼ平坦に二俣へと進む、時々足元にスミレ(多くはタチスボスミレ)、ミミガタテンナンショウ、ヤマルリソウが咲き、ヤマザクラも美しい。

小さな沢を横切って、直ぐに道祖神の前を通過、防火用水 8:10、涸れ沢、小沢を二つほど横切る、この辺はヤマザクラに出会い、四十八瀬川キャンプ場の看板を見てまもなく十字路。ここはやや右に直進、直ぐに岩から流れ落ちる水場を見て、緩やかに上ると道は大きく右に曲がる、やや下りになって沢が登山道に近くなって、駐車場になって、勘七ノ沢(四十八瀬川が本沢・勘七ノ沢に分かれる)を渡ると二俣に到着。
 車ゲートを越え直ぐに、訓練所尾根のコース入口、前回、シロヤシオの頃鍋割山から丹沢三峰を縦走したとき、良く丹沢を訪れる男性が「私の道」と言って登って行った道だ、今日はこのコースを登る予定やって来た、単独で鍋割山から塔ノ岳に登って大倉尾根を下山する女性は「そのコースは以前登っており、富士山が良く見えますよ」と言いながら、鍋割山のメイン国道メーンコースに後沢乗越と向かって行く。

8:50 訓練所尾根の取り付きは細い登山道で急坂だが直ぐに尾根上になって、後沢乗越への道が左下に見え、彼女が見える、右下を見ると一本のミツバツツジが綺麗に咲いている、「ミツバツツジが綺麗ですよ」と言うと返事が返ってくる、彼女とは鍋割山と小丸間で再会するだろう、前回の男性にも稜線で再会している。

「訓練」と名が付くので、悪路・急坂と想像していたが、とても気持ちの良いコースで、それほど急坂でも無く、9:15 美林の松林が10分程ほぼ平坦に続く、ヤマザクラが松に寄り添って咲いている、大木のブナの根元から鍋割山の稜線が見える所で緩やかに下って登り返す、この後、小丸まで長い登りになる。

松林の中にモミジの新芽を見ながら登る、9:40 急坂が続き「りょうぶ」の名札、この辺りに名札が幾つもぶら下がっている。松が少なくなって桧へと変わり、そろそろ富士山が見えるだろと探すと、鍋割山から流れる稜線の上に雄大な姿を見つけるが木々の間である。稜線に出たかと思う所に古いベンチが置かれている、10:05 直ぐ短い吊尾根になって稜線から右斜面に移り、岩の多い道になって、登山道はササと桧に囲まれ薄暗い中に入り、根を頼りに急坂を登り切ると再び尾根に出ると、アセビが多くなって、10:20 富士山も一段と良く見えてくる、そこから10分ほど上ると、満開のアセビを前に鍋割山の稜線の奥に富士山が見えるビューポイントに到着。

「この訓練所尾根は下山に使う人が多いらしい、今日は下りの三人の男性に会っている、登りの人はいなかったようです、登りにも楽しいコースです」。

再び稜線から離れ、右に下ってガレ場を横切って、左に曲がって稜線に戻ると、さらにアセビの本数が増加し、登山道はアセビに囲まれる。展望は一段と良くなって富士山は一段と美しい。秦野方向も眼下に広がっている。5分程でピーク、さらに大展望。鍋割山と塔ノ岳を結ぶ尾根道に飛出る、ここが二俣分岐

これまで何度か通過した二俣分岐だが小丸に立寄ってアセビを見たことが無かった、「馬酔木」と書き、鹿も食べない、この後会った人の話では小丸はアセビが多い所で知られているそうだ、そして富士山の眺めは鍋割山後方に見え、塔ノ岳や鍋割山からの富士山とは一味違った美景である。


アセビと富士山

ブナが多い自然林、小丸の標識を見て大きく下る、この下り坂から富士山の眺めが良く雄大である。前回ツツジに囲まれたベンチを過ぎてまもなく鞍部、右に丹沢主峰の丹沢山、蛭ガ岳、桧洞丸の稜線は実に見事だ。

鞍部から鍋割山へは階段をなだらかに登って行くと、訓練所尾根入口で別れた女性も順調に歩み、ここで稜線で再会、お互いに笑顔で挨拶、山を離れたらお互いに会うことはまれ!

11:20 塔ノ岳・雨山分岐を見て鍋割山山頂に到着。大倉バス停や二俣で見かけた登山者の姿がある、皆さん笑顔である。山頂からは富士山、丹沢主脈と素晴らしい展望であるが、春霞でスッキリしないのが残念ではある、それでも一級品の素晴らしい展望には変わりは無く、富士山の光景を前に鍋割山荘で頂く一杯のコヒーは最高である。


鍋割山からの富士山は美しい

11:40 雨山に向かって下る、「危険箇所有り厳重注意」とある、直ぐに美しい山腹に出て、鍋割山山頂の賑わいから開放される、ここで休憩すれば良かったと反省。

男性が登ってくる、聞くと「雨山、雨山峠の道は大丈夫!」と言う、と言っても急坂が続く、しっかり木々に捕まって下ると鍋割峠、二分し雨山峠・寄に分かれる。左に寄へ下る道が有る、右は崩壊地の谷、振向くともー登り返したくないほど鍋割山山頂は高い位置に見える。

鍋割峠から登り返すと大きなブナが美しくしばらく平坦、直ぐに下りに、足元は細かい砂状で歩き難い、いきなり目の前に長いクサリの鎖場、緊張してクサリを使って下る。


アセビの群落が次々と現れる

鎖場の下部は両側が谷、両手で木の根に取付いて難所をクリアー、狭い吊尾根を渡って茅ノ木棚沢ノ頭に到着12:10。雨山40分−鍋割山40分の道標。なおも吊尾根を渡り先に進むと再び鎖場。鎖場の足元の下は崩壊地の谷で危険、30bのクサリ、さらにその先2本のクサリを通過する。ただ、普通の注意で通過でき、問題は無い。

鞍部から砂状の登り、ここもクサリを使う、登ればアセビに囲まれる、振向くと鍋割山が雄大、ピークを越えると大きく下る、砂の溝状の急坂で転げ落ちる様に下りると雨山峠(標高980b)。


道標はしっかり立っている

12:45 大きなベンチが置かれ、右は雨山橋方向でユーシンロッジ方向への下り道、左は寄への下り道、ここは真っ直ぐ行く。

白い砂道で直ぐに壊れかけた梯子を上る、吊尾根が続く、深い谷の上に浮かぶように聳える蛭ヶ岳と桧洞丸が印象的、雨山峠までは若い男女3人(男性1人、女性2人)が前後したが彼らは雨山橋に駆け下り、ここからは秦野峠迄は一人旅。

登り返しは辛い、13:10 ようやく急登から開放されるがなお登りは続く、尾根から外れるような案内の道標、一度右斜面に入るが直ぐ元の尾根に合流、といっても道標に従っての踏み後を探しその跡を踏むのも大切?ようやく13:20 雨山山頂、寄方向の展望が広がっている。秦野峠3.9`−雨山峠0.9`地点。


え! ここが雨山ですか?

雨山からはブナ林に囲まれた平坦な広い登山道が続く。人工物が見当たらない、ここには○○等の中継所なども無く人の手が全く入っていないのが嬉しい、ベンチが5分間隔で数箇所現れるが座った後も無く苔に覆われている、雨山峠の梯子も新設以来修理も無いようだし、時々現れる階段も作った時以後保守はしていない、それでも歩く人が有り、踏み後は迷わない程度に付いている、ここは、丹沢では珍しい贅沢なコースである

3個目のベンチの先は下りなので、腰を下ろして小休止。鞍部まで下り次のピークは右を巻くが二重山稜の窪地を過ぎると登りになる、崩壊地の上部が良い見晴らし台になっている所に出る、ここは桧洞丸から派生する峰々が立派に見える。登り切った所が桧岳。ここにも使われていないベンチがゴロゴロと存在する、雨山峠2.0`−秦野峠2.8`地点。

ここからしばらく平坦な道がブナ林を抜けて行く、鹿の柵、柵の向こう側が植林地なので立っている側が鹿の世界だ、柵を見て振向く方向は美しいブナ林が広がっている。この柵にそってバラが植えられ、枝が時々腕に触れるその度イタ!

一度左眼下が大きく開け、柵が無くなって快適になると直ぐ、山神峠分岐14:20、山神峠をへて西丹沢の境隧道に下り玄倉への道が分かれる、鹿の柵が再び現れ、柵に沿って右に山神峠(良く踏まれているようだが、後で聞くと崩壊地が多く歩行困難とのこと)が下っている。

左に向かうと直ぐに伊勢原ノ頭。秦野峠1.5`−雨山峠3.3`地点。ニリンソウの群落が広がっているが蕾は一輪、花の咲くのはまだ先だろうが見事だろう。

古い階段を下る、突然右に90度折れ、藪の斜面を横切って、鹿の柵に沿って下るようになる、ここはどんどん下り、危険なガレ場も有る。ようやく急坂から抜け美しい尾根道になって、秦野峠

 

地図の通り、大きく右に曲がって下ると大きな涸れ沢を横切る、反対側に渡って直ぐ右に折れ上るとガレ場、足元が不安定な谷を抜けると左に折れ、急登すると直ぐに吊尾根状になって左右に道が分かれるがここは道標が欲しい所だ、右は下りで、地図を広げ確かめると日影山経由で丹沢湖や大野山へ下っている、ここは地図通り左に登る。

数bでピークになって標高888bと地図に記されている。

狭い尾根道を下るとアセビの多い所。再び柵が現れ、今度は両側柵に囲まれる、新芽の藪で凄いが、苦労するが難なく約5分で通過。柵を抜けると今度は凄い急坂に変わる、ここで1人の男性に追いつく、15:35 林道秦野峠に到着。

「高松山に行きたいのですが?」とその男性に聞くと「これからだと日暮れ、真っ暗になるから、シダンゴ山越えが良いよ」と教えてくれる、高松山にはここから約2時間

林道秦野峠から立派な林道を30b程行くシダンゴ山登山口がある。


シダンゴ山へ

左に鍋割山を見ながら階段を登り切ると高松山分岐、大きく左に折れ階段を登り切るとダルマ沢ノ頭(標高871b)、ここは左に柵、急坂を下ってまた急登、疲れた足にはこたえる所だ、階段が設けられている。ピークから黄色い花(アブラチャン)を付けた林が右のヒノキ左の急坂を下り、左の展望は鍋割山と塔ノ岳で美しい。


鍋割山と塔ノ岳はすっかり遠望

長い鉄の階段を下ると林道 16:20 横切ってジダンゴ山方向に向かうと、宮地山分岐は直ぐだ。

ハイキングコースでシダンゴ山(標高758b)/宮地山(標高512b)がバス停寄から周遊コースで紹介されている、富士山は高松山の奥に美しく見えるそうです。

楽そうな道がシダンゴ山を巻いている。ここは真っ直ぐ直登の階段に取付く、こちらは辛い急坂で、一度二度と足を止めやっとの思い出登り切るとアセビの植林地帯、富士山の良く見えるシダンゴ山山頂と言うがガスが濃く見ることは出来ない。シダンゴ山山頂のアセビも見事だが植林したもので、「小丸の自然のアセビ」の美しさには敵わない。

震旦郷山と書くそうです、仏教を寄の地に伝えた仙人、この仙人を「シダゴン」と呼んだことからこの地名が起こり、「シダゴン」が転じて「シダンゴ」(震旦郷)と呼ばれるようになったそうです。


シダンゴ山山頂のアセビと丹沢の山々

16:31 シダンゴ山を下る、どんどん下って、有りがたい水場 16:55、林道に出るが、この林道急傾斜で足に良くない、林道を20分程下ると茶畑。

ようやくなだらかになって、民家の間を抜け、川を渡ると寄バス停 17:20 10分前にバスは発し、次は18:10、登山を重ねるとこんな事態は多い、一時間以内で長くは無いが日暮れは早い。寄(よろず)。

定刻にバスが到着、中津川は谷の底で見えないが、山深い寄、小田急線新松田駅に向かうバスの窓から眺める風景も素晴らしい、古木の桜が時々表れ見頃でこの時期に来たいものです

小田急線は新松田駅から車両連結、始発同様に乗れ、この時刻になると渋沢、秦野駅から乗り込む登山者は見当たらない。

HP:わたしの天気予報