御池から熊沢田代、燧ケ岳「俎�ｰ・柴安�ｰ」、下山は赤田代、横田代を通過し御池へ

燧ケ岳：柴安�ｰ（しばやすぐら）（標高2356�b）俎�ｰ（まないたぐら）（標高2346�b）

日程 2004年7月3日（土）晴れ

2002年の時（家内と娘を連れ）は台風5号が朝鮮半島、日本全国雨、福島県会津地方、桧枝岐は日中の降水確率10％と予想で出かけ、燧ケ岳山頂から富士山が見える好天気に恵まれた。

今回は台風8号が東北地方の太平洋に有って、尾瀬地方は好天気が期待できるので、2日夜家を出て尾瀬を目指した。さて今回はどうなるか？

燧ケ岳から尾瀬沼
大江湿原のニッコウキスゲはまだ蕾

コース

自宅出発21：30＝(国道４０８)⇒宇都宮⇒西那須⇒三島−(国道４００)⇒塩原⇒田島＝(国道３５２)⇒桧枝岐⇒1:40尾瀬御池駐車場（１５００�b）4:10−（1:00）→広沢田代5:15−（0:50）→熊沢田代6:03−（1:30）→7:35燧ケ岳「俎�ｰ」（標高2346�b）7:45−（0:15）→8:00燧ケ岳「柴安�ｰ」（標高2356�b）8:40−（0:20）→見晴新道との分岐9:00−（0:15）→原見岩9:15−（1:20）→赤田代：温泉小屋10:40、元湯山荘11:00−（0:05）→三条ノ滝分岐11:05−（0:30）→御池側三条ノ滝の滝分岐11:40−（0:40）→天神田代12:35−（0:25）→西田代13:00−（0:15）→横田代13:15−（0:05）→ノメリ田代13:20−（0:05）→13:25上田代13:45−（0:05）→姫田代13:50−（0:10）→御池田代14:00−（0:10）→14:10尾瀬御池駐車場⇒帰宅

ミズバショウは2002年5月25日に御池から尾瀬沼・尾瀬ヶ原・三条ノ滝、ニッコウキスゲは2000年7月14日：尾瀬沼 と2000年7月14日：尾瀬ガ原に訪れている、またワタスゲの時季には燧ケ岳2002年7月6日に登っている、燧ケ岳は今回が３回目

御池側から登るとバスの始発を待たずに登れ、早朝広沢田代に着くことが可能だ、駐車場から入場カウンタの有る入口を抜け木道を行くと、三条ノ滝と燧ケ岳の分岐でここが燧ケ岳登山口である。樹林と笹に囲まれ薄暗く、足元が湿地帯でぬかる登山道を登る、いきなり急坂で岩が滑り歩き難い、お馴染みのゴゼンタチバナ、マイズルソウ、ツマトリソウがところどころに小群落を見せてくれる。

だいぶ高度を上げる

多くの小鳥の声が聞こえ、樹林帯に深く入り込み4時40分に日の出を迎える、回りに大木に日が当たって美しい。

尾瀬の風景！

水量の少ない涸れ沢のような沢に出合う、この辺りちょっと水平になるが直ぐ急坂になる、ちょっとしたミズバショウが生える湿原を通過する、やがて潅木状になって目の前に大きな湿原が現われる、広沢田代だ。ワタスゲが一面に咲き、木道を埋め尽くす勢いである、地塘の周りのワタスゲが湖面に映って可愛い光景。歩き難い登山道を登ったことなど忘れてしまう、言葉では言い尽くせない！尚 今期はこの後多くの湿原を通過するが、ワタスゲの一番美しいのはここ広沢田代である。

展望は会津駒ケ岳が大きい、足元には次の主役のキンコウカが沢山生え開花寸前、タテヤマリンドは太陽を浴びクッキリ。中央にコメツガが有って、回り込むように穏やかに登って行くと、アヤメが数本咲いている、広沢田代の上部で樹林帯へ再び入り、歩きにくい、ぬかった、岩の多い、急坂である。一歩一歩登ると展望も一段と良くなって、眼下に広沢田代が見え、ミズバショウの小群生を過ぎ、ミツガシワの群落で地塘を埋め尽くしている、ただ開花これからだ。

右に遠望の山々が見え、潅木帯に入り込む、傾斜が緩み前方に燧ケ岳の姿が見えてくる、潅木は自分の背より少し高いくらいで、背伸びをすると平ヶ岳方向の山も見ることができる。

熊沢田代 中央の池塘はヘビの胃袋か？

ピーク（標高1986�b）を過ぎると、ワタスゲで周りを飾られた木道に出ると、広大な湿原、熊沢田代が広がっている、一本の木道が穏やかに下って鞍部から熊沢田代の燧ケ岳側に伸び大蛇が緑の大湿原を通過中といった感じの光景である。尾瀬には美しい湿原が多いがアヤメ平と１・2を争うのがこの熊沢田代だと思う。ただ、アヤメ平にはワタスゲやキンコウカの時季に訪れていないのでこの時季に登って１，２の決着を付けたいものだ。

その鞍部に下る大きな地塘が二つあって木道はその中心に通過している、休憩場も有ってのんびりしたい。左右の展望が素晴らしい、燧ケ岳に向かって右は平ヶ岳が美しい、一方左は日光連山である。階段状の木道を登って行く、振向くと熊沢田代が一段と美しくなって印象深いものである。登り切る辺りはお花畑でチングルマ、タテヤマリンドウ等が沢山咲いている。

また林に入りぬかる道が続く、最初に出合う沢は涸れ状態、次の沢も同じだ、今度は沢の音が聞こえ三つ目の沢を渡る、次の沢にはサンカヨウが生え美しい花を咲かせている、沢の上を覗き見ると雪渓が見える。緩やかに登って行くと樹林帯から抜け、笹に覆われた斜面に出る、日陰が無く暑い！

また沢で、大きな沢だ、沢の手前で御池が小さく見える、この沢を登ることになる、雪渓である、ここは20歩ほど雪渓を登り切ると、沢が出て滑る岩肌を登ると今度は大きな雪渓である、雪渓のほぼ中央に踏まれた跡が有り、忠実に追いながら登って行く、約10分、
雪渓を抜けると狭い沢登りになる、水は流れていない、黄色い紐でゲートされここは左折、尾根に出て、ガレ場注意の看板が建ち、ガレ場地帯に入る、幅数十�bのガレ場を抜けると主稜線である。素晴らしい展望が広がって、日光連山が美しい。

登山道は直登でキツイ、オオシラビソのトンネルを抜けると水平な潅木に覆われた広場に出る、シャクナゲ林になって岩場に出ると柴安�ｰが大きく姿を現す、大きな岩の間を登ると、左前方下にミニブチ岳が小さいピークを見せその向こうに尾瀬沼が広がっている、
巨岩の燧ケ岳山頂：俎�ｰ、３６０度の展望だ、平ヶ岳、会津駒ケ岳、日光連山と見え至仏山、アヤメ平、白尾山、皿伏山と続く。

下田代十字路から見晴新道を登った人が1人、尾瀬沼長英新道を登った人、私は御池から、もう1人御池からの男性、といった人達が集まった。

尾瀬沼

柴安�ｰへと向かう、大きな岩を越え、間を抜け下って鞍部へ、鞍部は広く、草原状になっているが期待のお花畑は無いがコバイケイソウが数本綺麗な花を咲かせている。柴安�ｰへの登りは急だ、途中巨岩の脇のミヤマキンバイが咲いている。

その巨岩の脇の岩場を登り切れば燧ケ岳山頂：柴安�ｰに出る、こちらは広く休憩場所も多い。平ヶ岳、越後の山々が雄大で越後駒ケ岳もはっきり見えている、尾瀬ガ原の広がる奥には至仏山だが山頂が雲に覆われている、今日は期待の富士山は見えない。

聞くと、見晴新道を下る人、ナデッ窪を下る人、長英新道を下る人とさまざま、元湯温泉に下ると言う人は休憩せず下ってしまった。

私も元湯山荘を目指す、柴安�ｰからは見晴新道と同じ道をしばらく下って行く、シャクナゲの多い岩場を下ると見晴新道分岐で見晴迄3.6�`・柴安�ｰ0.3�`・元湯温泉3.2�`地点、元湯温泉へは右に下って行くことになる。

見晴新道は燧ケ岳：柴安�ｰと尾瀬ヶ原を結ぶルートで、前日至仏山に登って尾瀬ヶ原で一泊後このルートを使う人が多いようです、下田代十字路から尾瀬沼方向に向かうと燧ケ岳への道標が現われる、ブナの美しいところです。

見晴新道を見送り、何度か沢を渡って谷あいを登ります、ブナから針葉樹林が増え傾斜がキツクなる、涸れ沢の赤ナグレ沢になって、低木の潅木になり尾瀬ヶ原が見えてくると湯元山荘からの登山道分岐に合流する、シャクナゲがオオシラビソの斜面に混じって咲いている、岩場の急登を登り切ると主稜線に立ち、ミノブチ岳から俎�ｰの稜線が見え、その稜線は燧ケ岳：柴安�ｰに続いている。

ガレ場の連続で急である、見上げると斜面はオオシラビソで覆われ、間にシャクナゲが咲いている、正面には尾瀬ヶ原が広がっている、急斜面のガレ場が終わるとアヤメ平が高く見えるようになる、大きな岩が登山道をふさぐ、原見岩と呼ばれる岩であり、岩の上からの尾瀬ヶ原は見事だ。

涸れ沢状の荒れた急坂を下る、真直ぐな下りでしかも岩がゴロゴロし慎重に下る、岩や笹に捕まって下るので苦労が多くやっかいである。

やっと、涸れ沢の急坂から開放されるが、急登は続く、大きな岩壁の前を抜けると、ガレ場では無いが涸れ沢になる、次はぬかった登山道になって、幅が広くなる、マイズルソウ、ゴゼンタチバナ、ツマオリソウが多く見られるようになって、ようやくブナ林の美しい地点になり、ここまで下れば元湯山荘は近いはずだ、付き合ってくれるのはウグイスのみ、山頂から誰にも会っていない。

涸れ沢ではなく、水が流れる沢を歩くようになる、時々沢から離れる所もあるが、登山道はほぼ水平、ようやく沢から離れ藪の細い道になって、温泉小屋の屋根が林の向こうに見えてくる。

赤田代

明るく開けた赤田代の燧ケ岳登山口に飛出る、木道が前を通り下田代へと緩やかに下って行く、温泉小屋の前を通り、元湯山荘は５，６�b、山荘のおじさんが庭先でのんびり、コーヒーを頂き厳しかった燧ケ岳からに登山道を振返る。

尾瀬ガ原休憩所の前には５，６人登山者が休んでいるが静かな一時である。数分で三条ノ滝分岐、御池まで７．１�`地点、11:05 時間はタップリ有る、3時間ほど掛かるだろう。前を行く登山者は早いスピードで見えなくなるが、私は意識的にゆっくり歩きブナ林を楽しむ。

三条ノ滝は元湯温泉に荷物を預かって頂き、段吉新道との分岐から左に下って行く、平滑ノ滝を見て下って三条ノ滝へ向かう、渋沢温泉に向かう道を分け、ハシゴとクサリをつかまって下りるとゴウゴウと流れ落ちる三条ノ滝の滝展望台に着く。元湯山荘に戻るには同じ登山道を戻るが、御池に向かうなら渋沢温泉分岐に戻ってうさぎ田代への急登を経て渋沢温泉、御池、段吉新道分岐に登らねばならない、従って今回のように燧ケ岳登りの帰りにはちょっと立寄るのは無理である。

段吉新道、美しいブナ林が続き、ほとんど水平の木道が続く、最初に大きな沢、続いて小さい沢を渡る、ここはミズバショウが生える、続いて大きな沢を渡ってここは左に曲がって大きく登って行く、数十�bの坂でまた穏やかな登りの木道で、この辺りのブナが美しく素晴らしい。11:40 御池側の三条ノ滝分岐、見晴3.9�`―御池5.5�`地点である、右に少し曲がって登るがやや下りになって流れの小さな沢を渡って、今度は大きく下る、広い沢を渡って登り返す。

ガレ状の広い沢を渡って登って行くと階段が現われ、吊橋が見えてくる、この吊橋はしばしば鉄砲水が荒れ狂う所を回避する為に渋沢に架けたものだ、さっき通過したガレ沢が渋沢である、吊橋の上から平ヶ岳が美しく見える。渡って右に曲がって樹林帯に入る、ゴゼンタチバナが足元を飾る、緩やかな登りが続く、マイズルソウも多く現われる。渋沢温泉からの登山道が合流し、天神田代、御池3.3ｷﾛ地点で天神田代から右上に燧ケ岳が見える。御池から三条ﾉ滝へ向かったが引返してしまったご夫婦にお会いする、ツアーバスで来られたとのことだ。

樹林に入り直ぐに沢の音が聞こえ、木道沿いを流れるので休憩し冷たい水で顔を洗う。しばらく登るとミズバショウの小群落を経てワタスゲの咲き誇る西田代で着く、何処から分かれるのか不明だが横田代、御池2.0�`−見晴7.4�`地点。先ほどのご夫婦と同じバスツアーだろうか、ご夫婦にお会いする、三条ノ滝からの帰りとのこと。続いてノメリ田代の道標、大きな岩の沢を渡って上田代 （標高1620�b）、中央にベンチが置かれ、ここから眺める平ヶ岳は雄大である、キンコウカが数本開花、キンコウカが主役になるのは後数日後だろ、この上田代は燧裏林道で一番大きな傾斜湿原である、御池までは近いのでベンチでゆっくりする。

上田代

大きく下って行くと、続いて姫田代、トキソウが数本咲き、タテヤマリンドウと並んで美しい。

カラマツソウ

今度は急な下りになって、ミズバショウが現われると御池田代に着く、ミズバショウの美しい所だが今は大きな葉を伸ばしている。大きなベンチから眺めは実に美しい、お花畑を通過し、朝取付いた燧ケ岳登山口を通過し、ゲートを抜けると、朝より車台数は倍以上に膨れ上がった御池有料駐車場に着く。

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