荒川三山と赤石岳・聖岳縦走 南アルプスの中心に荒川三山「東岳、中岳、前岳」がある
千枚岳(標高2880b) 悪沢岳(東岳 標高3141b) 中岳(標高3083b) 前岳(標高3068b)
小赤石岳(標高3081b) 赤石岳(標高3120b) 聖岳前聖岳(標高3013b) 奥聖岳(標高2982b)

 

20048812  晴れ


南アルプスの夏はお花畑が散らばっている

 

コース

 

8 つくば市4:50=(国道:野田市16、町田市246、小田原市255,1号)⇒静岡駅12:50=(県道27)⇒井川と梅ガ島温泉分岐(油島)13:20=(県道27)⇒富士見峠14:22=(県道27)⇒井川14:30=(県道60)⇒畑薙第一ダム駐車場16:24

9畑薙第一ダム駐車場7:101時間早まった)=(シャトルバス)⇒8:10椹島ロッジ8:11−(近道経由0:03)→8:15千枚岳・赤石岳分岐−(0:10)→滝見橋手前千枚岳入口8:25−(0:01)→滝−(0:30)→一本目の鉄塔9:05−(0:15)→二本目の鉄塔9:20−(0:10)→荒川三山見える9:30−(0:40)→【千枚岳4:30―椹島1:30地点】10:15−(0:40)→小石下11:00−(0:40)→11:45清水平−(0:45)→蕨段12:30−(0:10)→展望台(林道接近)12:45−(1:10)→14:00駒鳥池14:05−(0:10)→左上空に千枚小屋が見える14:20−(0:10)→お花畑下部14:35−(0:20)→15:00千枚小屋

10日 千枚小屋5:15−(0:30)→二軒小屋分岐(歩かれていない見たい)5:45−(0:15)→千枚岳(標高2880b)6:00−(0:50)→6:50丸山山頂(標高3032b)−(0:30)→悪沢岳(東岳)(標高3141b)7:25−(0:30)→7:45中岳との鞍部7:50−(1:00)→中岳(標高3083b)8:50−(0:05)→8:55前岳分岐−(0:02)→前岳(標高3068b)9:00−(0:02)→前岳分岐9:05−(0:50)→荒川小屋10:00−(0:20)→10:20大聖寺平入口10:25−(0:15)→大聖寺平10:40−(0:20)→小赤石岳(標高3081b)12:03−(0:06)→赤石小屋分岐12:10−(0:30)→12:40赤石岳(標高3120b)13:00−(0:01)→赤石岳避難小屋手前の百間平分岐13:01−(0:30)→馬ノ背13:30−(0:40)→百間平14:10−(0:50)→15:00百間洞山ノ家


小兎岳から兎岳に向かう途中 聖岳

11日 百間洞山ノ家4:50−(1:00)→大沢岳(標高2819b)・中盛丸山分岐5:50−(0:20)→6:10中盛丸山(標高2807b)6:15−(0:25)→小兎岳の鞍部6:40−(0:20)→小兎岳(標高2738b)7:05−(0:20)→兎岳の鞍部7:30−(0:20)→7:55兎岳(標高b)8:15−(0:40)→聖岳の鞍部8:55−(1:20)→10:20聖岳(標高3013b)「奥聖岳(標高2978b)」10:35−(0:40)→小聖岳(標高2662b)11:20−(0:20)→小さなピーク(標高2478b)11:45−(0:05)→薊畑(あざみはた)11:50−(0:05)→聖平11:55−(0:01)→11:56聖平小屋12:25−(0:40)→岩頭展望台13:05−(0:30)→滝見台(滝見台 岩頭展望台13:35−(0:30)→定員5人の吊橋14:05−(0:15)→14:20松木の有る乗越14:40−(0:20)→伐採された空地15:05−(0:05)→造林小屋跡 【椹島3:00―聖平小屋2:4地点】15:10−(0:30)→聖沢吊橋15:45−(0:30)→緩やかな登りのピーク16:20−(0:10)→最後の沢16:30−(0:01)→テント場16:30−(0:10)→16:50聖岳登山口17:00−(0:40)→椹島ロッジ17:40

12椹島ロッジ8:10=(シャトルバス)⇒9:00畑薙第一ダム駐車場⇒富士見峠10:30⇒油島11:2011:40静清バイパス  国道1号の箱根ドライブ経由で帰宅⇒つくば市 21:30

 

概要

畑薙第一ダムまで

車は静岡駅から山伏・十枚山と同じように安倍川沿いに北上し、油島で安倍川を玉機橋で渡り、中河内川で大勢の川遊びの人たちを眺めながら行くと横沢という所で飯屋を見つける、おばさんと娘さんでやっている、駐車場は数台、5,6人の席でなかなか落着くお店です、おでんと山菜うどんを頂く、この辺りから道幅が狭く走り難い、臥滝橋(がりゅうはし)を通過橋の右に巨岩の脇から流れ落ちる凄い滝が有る。

どんどん上り富士見峠に着くと川井からやって来た人たちが山菜など直売している、夕食の山菜弁当を買う、富士見峠と言うが富士山の展望は無かった、トイレも有ってドライブの途中に立寄る人が多い、正面には南アルプスの山々が美しい。富士見峠には「秘境 南アルプス表玄関口」の大きな看板がある。

井川トンネルを抜けると井川ダムに出る、井川大橋が美しい、井川湖沿いに田代トンネル1から7(間に大綱トンネルが有る)を抜けて行くと大井川は美しい渓谷に変わってくる、井川渓谷と呼ばれる。まもなく畑薙第二ダムに着く、畑薙ロッジを過ぎると、東海フォトレストサ=ビスのシャトルバス発着所の案内板と登山届ポストが置かれている小屋が有って、道路の下に数100台分の無料駐車場が有る畑薙第一ダムの手前約1.6kmの所で「畑薙第一ダム管理道路入口」の看板も並んでいる。 東海フォトレストサ=ビスの送迎バスはこの駐車場から発着します。静岡からやってくるバスは畑薙第一ダムが発着所になっている。


東海フォトレストサ=ビスのシャトルバス発着所:井川ダムから井川渓谷を遡って畑薙第一ダム、畑薙ロッジを過ぎ、しばらく行くと右側に看板が出てくる。小さな小屋があり、道路の右下に数百台の大きな駐車場とトイレが有る、バスの発着所は小さな小屋の前、水場は畑薙ロッジ方向に徒歩20秒に有る。静岡からバスだと新静岡バスタ=ミナル始発5:40=到着9:00716日〜831日)がある。新静岡バスタ=ミナル始発5:40分を利用して畑薙第一ダムからシャトルバス下山時は椹島ロッジ始発8:10のシャトルバスで畑薙第一ダムに下ってバスで静岡へ戻るコ=スを選択している登山者が多い、友人は帰り井川駅から大井鉄道でのんびり帰宅したという。<参考>JR東海道本線 品川発23:55ム=ンライトながら91号(運転日によって東京発)だと静岡に2:52JR静岡駅と新静岡センタ=は地下道を歩いて5分ほどの距離。

今日は車中一泊、70台程が停まっているが空車で静かな夜になった。9日は5時ごろから車が次々と到着、賑やかになってきた。

畑薙第一ダムから7:10発のリムジンバスに乗る東海フォトレストサ=ビスに電話(0547464717)を入れると9:10まで混雑する時は次々と運行するとのことだ。朝75分前係りの人が駐車場を回って、始発は8:10だが、7:10に一便を出してくれると言う連絡!一台分の客が集って、満員、4,5人の人が乗れなかった。混雑の予想される時は良くこの様なサ=ビスを受けているので私は常に始発30分前には並ぶ事にしている、先日の沢渡もそうであった。

満席のリムジンバスは畑薙第一ダム=沼平=畑薙大吊橋(吊橋を渡ってヤレヤレ峠が茶臼岳の登山口)=青薙山登山口(青薙山を経て笊ガ岳へ)=畑薙大橋=中ノ宿(笊ガ岳の登山口)=聖沢橋=聖岳登山口=牛首峠(赤石岳が見える)=椹島ロッジ

途中赤石ダム当りでカモシカを見る、突然の出現でカメラの用意が出来なかった、残念である。バスの席は進行方向どちらも良いが、赤石岳を牛首峠で見たいなら左の席、赤石ダムや笊ヶ岳を望なら右側だ。

椹島から千枚小屋を目指す

シャトルバスから降りとき運転手さんが登山道を教えてくれる、バスの進行方向に向かって真っ直ぐ進むと赤石岳と千枚岳への近道がサワラ林(ヒノキ)の中を登って行くように通じている、数分上ると林道(シャトルバスが通った道路)に出る、今朝赤石小屋を出発し、椹島8:10発のシャトルバスに乗ると言う人達が下って来る、昨日の午前中は快晴で午後から雲が多くなったらしい。

 

 

森の中にある橋

自動的に生成された説明

滝見橋 大井川に架かる

 

森の中にある滝

自動的に生成された説明

大きな滝を見る

 

赤石岳はその林道を左に向かい、千枚岳へは緩やかに右に下って行く、左の石垣に野イチゴが沢山実を付けている、口に含むと甘い香りが広がる。1,2分で滝見橋に着く、はっきりと千枚岳登山口とは記されていない、二軒小屋へは滝見橋を渡って行く。滝見橋の手前に鉄製の狭い橋が付けられている、これが千枚岳登山口である、下って緩く登ると、直ぐに登山道を横切る滝が有る、水量の多い時は水しぶきが当るだろう。綺麗な滝で滝見橋はこの滝を見るという橋であろう。

 


夢中で渡った吊橋

眼下に大井川を見て、平坦な登山道がしばらく斜面に沿って続く、大井川から離れて行く、奥西河内(おくにしこうち)の吊橋を渡り、山腹を巻くように登って行くと送電線の鉄塔が2回現われる、木々の間ではあるが荒川三山が姿を現す、さらに樹林帯を登ると今度は展望台のような吊尾根の岩場に出る、ここでは雄大な荒川三山がクッキリと見え感動する。丸木の梯子(ちょっと壊れ気味)を使って岩場を下り、緩やかで気持ちの良い坂を登り切ると、


壊れかけた、階段

いきなり、林道に飛び出る、ここは標識に従って林道を右に行くと、鉄の階段(15b)が有る、この階段を登って登山道に取り付く、マイズルソウの群落が林床に有るが花期は過ぎている。急な坂道をジグザグに登ると荒川三山の見える小石下に着く、樹林に覆われスッキリとは見えない、特に小石下とは標識が無くここだろうなと思うだけだが。

広い尾根を緩やかに登ると林道に出て横切って奥西河内側の山腹を巻き登り続ける、美しい樹林帯であるが展望は全く無くちょっと淋しい所だ。椹島から既に3時間、冷たい水が欲しい頃、樹林の中に水場が現われる。

清水平である、平と言うが傾斜の大きな所だ、湧水で下と上に有るから、上の方で飲もう!美味い美味いと飲み続ける、せっかく持って来たコ=ヒ=をここで沸かす、インスタントコ=ヒ=だが美味い水が上級品へと変える。

清水平から数分登ると若いご夫婦が昼食、悪沢岳をピストンし千枚小屋に泊まって下って来たらしい。

平坦地に出て、蕨段(わらびのだん)に着く、椹島=千枚岳の中間点であり残り3時間。

また急登を続けると大きな岩の前に出る、文字が消え読めないが上部が展望台らしい、登山道から離れ、岩の右を登ると林道に飛び出る、荒川三山がずいぶん近くなって雄大に見える所だ。赤石岳も素晴らしい眺めである、なんと言っても深い谷間を挟んでの荒川三山と赤石岳の雄姿が並んでいる姿は凄い。林道から登山道に戻ると奥西河内側に付けられた狭い道で展望はここも良い。先ほどの大きな岩が見晴岩(標高2110b)だろう。

奥西河内:大井川の枝で沢で、荒川三山から流れる水を集める椹島に流れ出る、この沢を登って荒川三山を楽しむ人達も多いと聞く、
奥西河内は上流で本谷、北沢、樺沢に枝分かれしている。


ほっとするような場所、神秘的な駒鳥ノ池

登山道に戻って樹林帯を登り続けると、珍しいキノコが道端にニュ=と現われる、毒キノコだろう、キノコの種類が多く写真集になりそうだが、今回の目的と違うので見るだけである。何度か湿地帯の様な所を通過する、林床にはシダが多く神秘的である、右下に駒鳥池が見えてくる、登山道から10歩下れば池の縁、大木が倒れている、神秘的な湖である。

傾斜はようやく緩くなって針葉樹林帯、左上空に赤い屋根の千枚小屋が見えてくる、山腹を巻いているのが判る、巻き終わるとお花畑が現われる、凄い花の数である、まずカニコウモリの大群、続いてトリカブト、ミヤマシシウド、ヨツバシオガマ、と続き甘い匂いが広がる。最後の急登を経て、お花畑に囲まれた千枚小屋に到着。雲が広がって正面に見える富士山の姿は無い。

本館は団体も入り満員、お花畑を登った別館に入ることになる。小屋周辺のお花畑にはサラシナショウマ、タカネヒゴダイ、トリカブト、、咲き誇る。

1人の女性(97/100さん)、今回の悪沢岳が98個目になると言う、99個目は来週登る鳥海山だと言う、100個目はトムラウシだという。千枚小屋の親父自慢の富士山は雲の中、ベンチでビ=ルを飲みながら97/100さんと、晴れ間を期待するが、悪天候はついに雨に変わってしまう、期待した夕食後の晴れ間も無かった。夕食は鶏肉料理でとても美味しく頂いた。

今日千枚岳を下った団体の奥さん曰く、タカネビランジ、マツムシソウ、タカネナデシコが無数に咲き特に白とピンクのタカネビランジは写真撮影に忙しく大変だったとか。このタカネビランジは鳳凰三山や北岳の南アルプスの花だそうだ。
彼女らは、明日は4時出発で椹島に下って帰路に着くと言う、椹島からの始発バスは8:10

千枚小屋から千枚岳へ

日の出は4:57、雲海の上部が輝き出す、太陽はその上ではなく下側から昇って来る、不思議な光景で、今日しか見ない!

富士山も見えている、右眼下には双耳の笊ヶ岳や布引山が美しい。笊ヶ岳は白峰南嶺の人気者で南アルプスの主峰を望む絶好の位置に有る、何時か登って見たいと密かに思っている山である。


千枚小屋から双耳の笊ヶ岳

5時朝食、早い人、今頃は千枚岳辺りであろう、お花畑を登って行くと二軒小屋からの登山道が合流する、人が最近歩いた様子が無い。

ダケカンバの多い所だが、まもなく綺麗なハイマツ帯に飛び出ると森林限界を超え、赤石岳が見え振向くと白峰南嶺(しらねなんれい)の上にどっかりと富士山が望める、素晴らしい眺めである。

千枚岳(標高2880b)山頂、赤石岳、聖岳、富士山の雄姿がとっても印象的である。翼を広げた塩見岳の眺めも素晴らしい。

千枚岳から荒川三山「東岳、中岳、前岳」

山頂からロ=プでガレ場を下り、上下する岩場にタカネビランジが咲き誇る、マツムシソウの群生も凄い、タカネナデシコも沢山咲いて足元を飾る。岩場は狭く千枚小屋からの登山者はまだ列が乱れず混んでおり注意が必要だ。健脚だからと言ってこの岩場で先行者を抜くのはマナ=違反である、ジックリ花を楽しんで先行者の通過を待つことが必要だ。それにしてもここの岩場は凄いお花畑である。


丸山岳の手前の展望

丸山までお花畑の連続で、丸山(標高3032b)はハイマツにスッポリ覆われている、こらから登る悪沢岳が目の前である。と言っても100bの登りは簡単ではない。展望の良い岩稜を行くと悪沢岳(東岳:標高3141b)山頂に到着、巨岩の積み重なる山頂の展望は素晴らしい、北に塩見岳、南に赤石岳、西に中央アルプス、東に富士山と大きな展望が得られる。

山頂からジグザグに急斜面を下る、悪沢岳山頂から中岳の鞍部まで25分も下る、縦走と言うより、一山下って登る感じだ、東岳から中岳の関係ではないくらいだ、別の山だ。この斜面にも多くの種類の花が咲く花道である。急斜面をジグザグに下って、下った分を、鞍部からも良く見える中岳避難小屋へと登って行く、うっかりして千枚小屋で水分の補給を忘れ、小屋で水を買う、「南アルプスの水」のラベルが貼られている。


悪沢岳(東岳)と中岳から鞍部へ

小屋裏から距離50bを緩やかに登って中岳(標高3083b)、振向くと悪沢岳から下った尾根が良く見え、いかに厳しいかったかが良くわかる。今夜は荒川小屋に泊まる5,6人のメンバ=も悪沢岳からの厳しい急坂を下って、何度も「良くあんな急な険しい所を下ったものだ」と自分らに言い聞かせている。

狭い山頂を越え緩やかに下る、お花畑も美しい所だ、直ぐに前岳の鞍部になって、三伏峠からの登山道が合流し、赤石岳への道も分岐する、荷物を置き前岳へ、前岳(標高3068b)、荒川大崩壊地が足元に広がって迫力満点、恐ろしいくらいだ、お花畑と富士山、赤石岳の展望は記憶に残る。


前岳のお花畑  マツムシソウ

三伏峠から登って来た人は2時間半で悪沢岳を往復できるので数個リックサックが置かれていた。

分岐に戻って、急な岩場を下る、前岳のカ=ルは高山植物の宝庫である、斜面一面お花畑である。マツムシソウ、ウメバチソウなど秋の代表花、ハクサンフウロもまだ元気だ。これから中岳避難小屋へ弁当を運ぶ青年が登って来る、毎日続けるのだそうだ。眼下に荒川小屋が大きく見えるようになって、一段と前岳の厳しい岩壁が強烈に迫る。


前岳から、お花畑を下る 荒川小屋が見えてくる

ここから眺める赤石岳の姿は感動ものである。

荒川三山から赤石岳へ

登山道は一度荒川小屋に向かって下る、展望もよくお花畑がに囲まれ、水場も有ってテント場も有るが、庭のベンチには無数の虫が飛び交う。

10:00既に登山者は去って一番静かな時間帯、大きなベンチで昼食、千枚小屋のお弁当は「いなり寿司」、サツマイモの甘煮がとびきり美味しい。

荒川小屋から涸れた沢に一度下って、ダケカンバの林の中を登る急である、荒川小屋に戻って泊まってしまいたい。でもこの坂は長くは続かない、赤石小屋から赤石岳経由の女性が笑って言う、「赤石岳はまだまだ先ですよ!」、「私は荒川小屋泊まりです」。


大聖寺平への素晴らしい巻道

左に赤石岳の稜線、振向くと前岳の迫力の岩盤、雄大で美しい所だ、しかも登山道は山腹を大聖寺平に向かってほぼ水平に数百b続く、山腹を巻く、広大な山腹はハイマツと石礫が縞模様になって見事な斜面だ、大聖寺平まで続く、大聖寺平で小渋川へ下る道が分かれている。

ここから赤石岳への本格的な登りが始まる、ご夫婦が先行し、後に続く最初のピ=クはダマシ平、ガスが覆い、一つ先のピ=クは見えるがその先は見えない、ご夫婦の奥さんは山登りの隊長でなかなか健脚である。ようやく急な斜面を行くと、小赤石岳の肩に着くと、ガスの中の小赤石岳(標高3081b)に着く、雨が落ちてきた、正面の赤石岳がガスの中に黒く浮んでいる。隊長は旦那さんと私を小赤石岳で20分程待ったという、でも山登りは競争ではなくいかに予定のコ=スを楽しみ歩き通すかであって、目的地に早く着くのだけは目的にして欲しく無い。高山植物を探し、写真を撮って行くと結構時間が掛かります、デジカメは簡単に写せて大変助かって今では登山の重要機器で、水の次に私は大切にしている。

小赤石岳から下って赤石岳との鞍部、富士見平経由で赤石小屋に下る登山道がある、登ると直ぐにライチョウの親子が遊んでいる、子はスッカリ大きくなって跳ね回っている。

花の稜線を登り切ると赤石岳(標高3120b)、方面指示板、南側の窪地に赤石岳避難小屋が建っている。雨は止み、隣の山が良く見えて来た、振向くと荒川三山の峰々が雲の中に浮き上がる。明日登る聖岳も大きく雲の中から姿を現してきた。荒川三山方向を眺めると小赤石岳との鞍部から続く長い吊尾根の中間に赤石小屋が見える。

鞍部に戻って赤石小屋へ下って泊まる人(山頂から2時間半)、赤石岳避難小屋に泊まる人と別れ、聖岳を眺めながら石礫の斜面を下る、赤石岳の雄大さはこの斜面を下って実感する。岩場の斜面に約45度の線を引いたような登山道を下りきって、
巻き終わり、小さな窪地を渡って反対の尾根に取り付く、


急斜面、赤石岳の凄さを実感

馬ノ背と呼ばれ馬の背中を歩くようなところだ、この尾根道は意外と長い。


馬ノ背から赤石岳山頂を見上げる

百間平、ハイマツが広がっている、再びガスに覆われ聖岳の雄姿が見えない、天上の楽園であると言うが高山植物は咲いていない。

ガスが広がって、ここは確実に岩に記されたマ=クを追って進む、やがて急斜面になる、これが意外と長く、足も疲れて辛いところだ、なかなか小屋が見えない、大きな岩場にお花畑が現れ、ダケカンバの林になって、


百間平を下ってようやく百間洞山ノ家が見えてくる

ようやく目の前にテントが現われホットする、百間洞山ノ家である。庭先には百間洞と呼ばれる沢が流れ、お花畑がそれを囲む。夕食は美味しいと評判のトンカツでした。早稲田の女学生二人さん、聖岳から赤石岳、荒川三山(ピストン)、塩見岳を経由して北岳まで縦走するという、まだ初日元気である、暇のある学生は羨ましい。

百間平から聖岳経由で聖平小屋まで

今日のコ=スは長い、百間洞山間ノ家から大沢岳(標高2819b)と中盛丸山の間に向かって登り出す、今日は快晴だ、5分も登ると聖岳が全容を現す、さらに登り振向くと荒川三山が朝日に染まった雲が掛かり綺麗だ。


南アルプスの主峰の夜明け

今日今ここにいなければ、見ない光景である。赤石岳はなかなか姿を見せないが、馬ノ背から流れる稜線のピ=クが邪魔をしている、稜線に近づくと、その赤石岳も大きな姿を見せてくる、南アルプス南部の夜明けである。

稜線に出ると荒川三山の奥に仙丈岳、甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、間ノ岳、農鳥岳、そして美しい山容の塩見岳、さらに遠望だが北アルプスも見えている。

さらに一つ上の稜線に向かう、大沢岳との分岐に立てば展望はさらに広がっている、少し下って行くと大沢岳に隠されていた恵那山(標高2189b)が雲海に浮き出てくる。中央アルプスの主峰の木曾駒ケ岳に空木岳と峰々も雲海に浮き出ている。


小兎岳の奥に中央アルプス!

中盛丸山へ、緩やかに登りだす、一歩毎に見える山の数が増す、白山、御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰に槍ケ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳と続く、立山連峰も見えている。

残りの3000b峰は富士山と北岳である、どうやら北岳は塩見岳か赤石岳などの陰で見えないようだ、中盛丸山(標高2807b)山頂に飛び出る、富士山が見えている。ここもハイマツに囲まれ百間平や赤石岳の展望が素晴らしい。


小兎岳へ真直ぐ登って行く

稜線を大きく下って登り返し小兎岳(標高2738b)に、小兎と言っても立派な山で厳しい登りだ、聖岳に登って行く稜線が兎岳から下って登り返す様子が手に取るように見えている。あの鋸尾根を上下しながら下って登り返すのかと思うと意気込んでみるが大変そうである。

赤石岳の美しい姿が印象的である、さらに兎岳(標高2818b)へと登る。


兎岳山頂のタカネビランジ 山頂に咲き見事

兎岳からの展望は素晴らしい、正面に聖岳、右に上河内岳、茶臼岳と続き光岳へと続く。振向くと赤石岳に荒川三山、中央アルプス、北アルプスの峰々、そして富士山。足元には一株のタカネビランジが咲いている。

小兎岳から眺めた鋸尾根に挑戦する時がきた、赤石岳、聖岳の展望を楽しみ、厳しい岩場の下りだ、兎岳避難小屋、ここから聖岳の鞍部まで下る、右は厳しい谷、その谷に落ちないで岩場に無数の花が咲き誇る、マツムシソウが美しい。鋸状の吊尾根を通過し聖岳との鞍部、急登が待っている。長くまた登るのだと思うと辛くなる、鞍部の岩場は崩壊し、あまり良い所ではない、岩稜帯を登り潅木帯を行くとハイマツ帯の登りになって、登り切ると緩やかな傾斜になってくる、右がガレ場になって稜線に出ると百間洞山ノ家が見える、赤石岳が美しい。


見事なトウヤクリンドウ

なお山頂は先だ、頑張って登って行くと聖岳山頂(標高3013b)である、兎岳との鞍部から約2時間の登りだった、とても縦走ではない。ここから奥聖岳を往復するのであるが眺めるだけにする、そんな時、「私が代表で行って来たから」と言う男性が奥聖岳の様子を語ってくれる。赤石岳、双耳の笊ガ岳、上河内岳からの山々に富士山の展望である。


今回の最後のピークで 聖岳

聖平小屋に向かって下り開始、聖岳の南面は急斜面である、ジグザグに30分も下る、山頂から斜面の下部まで見える、下り切って今度は吊尾根状になる。荷物が重い、百間洞山ノ家のおにぎりを頂く、小さいにぎりが4個包まれ小えびの天ぷら、漬物のおにぎりで美味しい、小屋の心意気が嬉しい。さらに尾根を下り切ると小聖岳(標高2662b)、聖岳の山容が凄い。眼下に聖平小屋が見えているが、登山道は巻いておりなかなか下らない、緩やかに下り続け、少し登り切った所にリンドウの大群落のピ=ク、次にお花畑が広大に広がる、トリカブトの大群落には驚きである、まもなく薊畑の分岐、便ガ島への登山道を見送ってお花畑の中を通過し聖平に下る。先行したご夫婦とご婦人が木道の端で待っていてくれた。ここは明るい草原で県営聖平小屋に着く。

今回見送ったコ=ス 2004/11/20=23には登りました

聖平小屋から茶臼岳を登って畑薙第一ダムへ、薊畑との分岐に出て、南への縦走路を取って南岳へ、南岳(標高2702b)、聖岳の雄姿が美しい。
南岳から上河内岳の肩に着き山頂を往復、
上河内(標高2803b)山頂は富士山の良く見え、南岳越に聖岳・赤石岳の雄大さに圧倒される展望台である。竹内門の岩峰を通過し、天然記念物の二重山稜・亀甲状地帯、県営茶臼小屋への道を見送って茶臼岳(標高2604b)、何時か登って見たい光岳を眺め、県営茶臼小屋へ下る。そして横窪沢を下る、横窪沢小屋、ウソッコ沢小屋、ヤレヤレ峠からは標高差150bを下って畑薙大吊橋へ下る、畑薙大吊橋は全長182bと凄い、渡って東俣林道に出て約50分で畑薙第一ダムに着く。

南アルプスの登山は体力勝負、聖平小屋は混んでいる、風呂に入れる椹島ロッジを目指し下る、聖岳山頂で「畑薙第一ダムまで歩く」と言う青年と再開し一緒に下る(テントの青年)。この大井川上流の聖沢沿いのコ=スは聖岳登山に良く使われている、が簡単ではない、特に聖平小屋と乗越(標高2011b)間は足場が悪い、ガレ場も多く工程時間が読めない、聖岳登山口から10人程登って来たが疲労感を隠し切れない、しかし聖岳から流れ落ちる滝は一見の価値充分、素晴らしい大自然の滝である。

 

 

 

 

滝見台 岩頭展望台

鉄製の橋を渡って聖沢の左岸に出て、すぐに右岸に渡ってまた橋をわたり左岸へ、橋の無い沢を右岸に渡って山腹を登る、このコ=スのメリットは水場が多く、水は運ぶ必要が無い、南アルプスの水は美味しい、100b以上登る、眼下に渓谷、聖岳中腹から流れ落ちる沢が幾つもの滝を作って流れ落ちる、その姿を眺める岩頭展望台に飛び出る、また下って再び登ると今度は滝見台に着く二本の沢から大きな滝が流落ち美景である、岩場に手を付いて眼下を覗くと聖沢にも幅の広い滝が見える。

 


聖沢を恐々覗く

滝見台から対岸の枝沢の二条の滝

山腹をどんどん下る、巻道だから聖岳の姿が変わらない、聖岳の姿は双耳に見える美しい。


定員5名 重い人がいたら4名だ!

突如目の前に定員5名の吊橋が現われる、ここを通過すると登山道は安定し歩き易くなる、まもなく大木の松、乗越(標高2011b)に着く、先行したテントの青年が休んでいる、「ここから急坂が始まります」と地図を出して教えてくれる、ここで一休、コ=ヒ=ブレイク、熱いコ=ヒ=が胃の中に溶け込む、元気が出る。テントの青年は先に下って行く。

斜面を下るとシャクナゲの多い尾根になる、伐採地を通過すると架線小屋跡に出る、椹島3時間=聖平小屋2時間40分の地点だ、まだ3時間あるのかとため息!


聖沢吊橋

ここから約30分急坂が続く、ジグザグのサイクルが長くなって傾斜も緩くなる、聖沢吊橋に着く、美しい吊橋である。渡ると予想を反し、緩やかな登りになる、登山道は荒れて右側が崩れ落ち危ない箇所が多い。その登りが30分も続く、ようやく下りになってまもなく沢、テントの青年が休憩中数分行くとテント場が有って男性がテントを貼って休息中。

10分ですとその男性が教えてくれる、今日一番長く感じた10分でした。

赤石ダムが見え、ようやく聖岳登山口、テントの青年と休憩聖岳登山口から聖平小屋に登る人も大勢いましたが登りに使いたくないコ=スかなと思う。彼は約4時間掛けて畑薙第一ダムへ向かう、彼は駐車所に戻ってぐっすり寝込み帰宅、私は40分掛け椹島ロッジに向かい、着けば歩くことは無い。

30分で牛首峠、赤石岳の見えるポイント、夕日に輝く赤石岳が赤い。下りにになって、赤石岳登山口を通過し、初日に通過した赤石岳登山口と千枚岳登山口の分岐に出る。そして近道を下って椹島ロッジ、宿泊受付では夕食が終わって素泊まり 17:40早速風呂に入り、レストランで夕食:牛丼がとても良い味でグッド部屋は1人部屋になった。何時の間にか深い眠り。

帰路

7時からレストランでシャトルバスの整理券が配られる、朝食はパンに玉子にス=プ、美味しく頂く、百間洞山間ノ家で同室になった関東からこられた男性に会う、彼は赤石岳を登って昨夜は赤石小屋に泊まり今朝下って来たという、ビックリしたのはつくば市の我が家から数軒先の友人にバッタリ。


これから登るような、お元気さ!
両側のご夫婦は、熊本地震(20164142126分)の近くにお住まいです!

彼らは電車バスで来ており、帰路がバスで井川ダムまで下って井川駅から大井川鉄道で帰宅したという。

朝食が終わって、8:10畑薙第一ダム無料駐車に向かう、畑薙第一ダムからバスで静岡へ下る登山者は約半分、9時に東海フォレスト無料駐車場に着くとこれから南アルプスに入る大勢の登山者が並んでいる、既に二台が発車したと言う。何時になったら登山道に取り付けるのかな?

井川ダム、富士見峠、油島を経て帰路につく、沼津の町から時々富士山の写真を送ってくれる友人(美人ハイカ=)がおりますが、こんなに接近しても富士山の姿が見えません、残念!お盆が始ってどこも込み合っている。

椹島から千枚岳まで6時間、千枚岳から赤石岳まで6時間、赤石岳から百間洞山ノ家まで2時間半、百間洞山ノ家から聖平小屋まで8時間半、聖平小屋から聖岳登山口まで4時間半、さらに椹島ロッジまで40分の長い工程でしたが満足度は高い。

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