晩秋の南アルプス南部縦走
光岳(てかりだけ)(標高2591b)イザルガ岳(標高2540b) 易老岳(いろうどだけ)(標高2354b)
仁田岳(標高2524b)茶臼岳(標高2604b)上河内岳(標高2803b) 南岳(標高2702b) 薊畑(標高2314b)

 

2004112023日(土-火)快晴

 

写真は茶臼岳から上河内岳間の方向指示盤地点 左奥:聖岳、中央:上河内岳
最初のピークは左斜面を巻いてお花畑に向かう
(白く見えるのが赤石岳と荒川三山)

コース

1120:つくば市12:25⇒青梅市(お祭でした)15:10⇒大菩薩入口17:20⇒茅野市(国道20152号合流)20:10⇒高遠⇒伊那市(国道153号出合)21:00⇒飯田市(座光寺:中央高速に座光寺PA有り)22:00⇒阿島橋(天竜川)を渡って(上村・南信濃村方向へ)⇒矢筈トンネル22:25⇒再び国道152号に合流⇒工事中のトンネル一歩通行22:27⇒左に上村小中学校で手前が聖岳・光岳入口22:40⇒しらびそ高原分岐は大野・北又度へ(案内図有り、右折し急坂、民家の中を急カーブ)22:57⇒民宿「ひなた」の急坂を下ると国道152号の分岐⇒しらびそ高原と北又度分岐23:10子安神社23:14⇒大きな建物23:20北又度発電所(橋を渡ると易老渡8`、左折23:23⇒橋を渡ると笠松山(標高1975b)の分岐23:28易老岳・光岳登山口の吊橋23:50易老渡駐車場23:50※ 工事が無い場合は、上村小中学校からさらに先の上島から北又度へ向かう様です。

1121易老渡駐車場(便ガ島方向に行かない)6:00−(1:15)→大木のブナ7:15−(0:30)→面平7:45−(1:05)→面平に似ている8:50−(1:40)→三角点10:30−(0:30)→易老岳11:00−(0:20)→枯木多い11:20−(0:30)→三吉平11:50−(0:20)→涸沢取付き地点12:15−(0:55)→静高平13:40−(0:15)→イザルガ岳入口13:55イザルガ岳往復)−(0:25)→イザルガ岳入口14:20−(0:15)→14:35光小屋14:40−(0:05)→百俣沢ノ頭分岐14:45→加加森山分岐―(0:15)→光岳山頂15:00−(0:07)→15:07光岩15:15−(0:05)→加々森山分岐15:20−(0:05)→光岳山頂15:25−(0:05)→百俣沢ノ頭分岐→15:30光小屋

1122光小屋5:30−(0:10)→イザルガ岳入口5:40イザルガ岳往復)−(0:60)→イザルガ岳入口6:40−(0:10)→静高平6:50−(0:20)→涸沢取付き地点7:15−(0:40)→三吉平7:55−(1:00)→易老岳8:55−(0:10)→枯木の原9:05−(0:20)→枯沼9:25−(0:20)→お花畑9:45−(0:50)→希望峰10:35仁田岳往復)−(0:35)→希望峰11:10−(0:40)→仁田池11:50−(0:26)→12:16茶臼岳山頂12:25−(0:01)→仁田池分岐12:26−(0:04)→茶臼小屋分岐12:30−(0:10)→12:40茶臼小屋

1123茶臼小屋4:20−(0:20)→茶臼小屋分岐4:40−(1:10、途中岩陰で夜明けを待つ)→二重山稜・お花畑5:50−(0:10)→6:00上河内岳手前のガレ場(日の出待つ)6:26−(0:20)→竹内門6:46−(0:30)→上河内岳の肩(上河内岳往復)7:15−(0:22)→上河内岳の肩7:37−(0:30)→南岳8:07−(1:10)→聖平9:20−(0:25)→薊畑9:45−(0:30)→大木の倒れ地10:15−(0:10)→ケイタイ可地点10:25−(0:10)→苔平10:35−(0:20)→ケイタイ可地点10:55−(0:20)→巨岩11:15−(0:10)→便ガ島と聖平中間点11:25−(0:20)→眼下に沢見る11:45−(0:20)→古い建物12:05−(0:10)→西沢度12:15−(0:20)→かつら沢橋12:35−(0:10)→滝の沢橋12:45−(0:10)→トンネル・便ガ島森林公園分岐12:55−(0:05)→かつら橋13:00−(0:15)→13:15トンネル・易老渡駐車場13:30

⇒子安神社13:53上村小中学校・国道15214:23矢筈トンネル⇒中央高速松川IC⇒中央高速八王子IC
⇒国道16号野田市⇒つくば市


 

概要

1120

つくば市から遠征し、易老渡までやって来た、易老岳・光岳の登山口を確認、満点の星空、明日の好天を期待し熟睡。

1121

6:00 遠山川に架かる吊橋を渡る、安心して渡れるような吊橋ではない、渡ると直ぐに荒れた急登、ジグザグな登山道が続く、駐車場を出た時は寒くコートを着たが30分も歩くと汗ばみ、脱ぐ 6:30左に笠松山だろうか美しい山が見えてくる、時々平坦になって楽な所も有る、高い山が見える上河内岳だろうか、茶臼岳だろうか、登山道は晩秋、厚い落ち葉に覆われ美しい。吊橋から杉林だったが松が何本か現われる、7:05 初めてちょっとした下り坂、振向くと雄大な山が見える、その山名を知る知識はない。

大木の一本ブナが登山道に現われる、光岳9.8`の標識、南アルプスの森林帯に入り込み原生林の美しさに喜びを感じて、登り続けると急に平坦になって、7:40 薄暗い面平に着く、コメツガとシラベの見事な美林帯に囲まれ、登山道はその樹林帯を充分味わえるようにノンビリとカーブし上部へと向かっている。

登山道から離れ、雄大な南アルプスの山を眺めていると、京都から来られた男性、年に数回南アルプスを訪れるという、「茶臼岳経由聖岳を一泊二日で」と笑顔だ、「左が兎岳、大きいのが聖岳ですよ、上河内岳や茶臼岳も直ぐに見えますよ」。

林床には倒れた大きな木に苔がみっしり生え、神秘的な光景を漂わす、そんな美林に心を奪われていと彼はどんどん先に消えて行く、また独りになって、南アルプス大自然に酔いながら登る。コガラが夫婦で現われ、また面平に似た地点に着く 8:50 光岳7.4`地点 標高1890b
今年は台風が多かった、その影響で大木が登山道を覆うように薙倒され、通行不可、自分の体は抜けるがザックが抜けない、ようやく潜り抜けると登山道からかなり離れている、広い樹林帯を見回し登山道を探す。二代目の若い木が伸びた針葉樹林帯になって上空が開けてくる 9:30

兎岳と聖岳がどんどんその雄大さを誇って、夏に通過したその鞍部の厳しさが遠望でも良く判る。10:00 上河内岳に茶臼岳も加わって、光岳 5.7`になってきた。

ここまで始めてお日様の光が顔に当たる、登山道の中央に三角点が出て、光岳と加加森山が並んで見えてくる、兎岳、聖岳の展望は良いのだが残念樹林の間である、岩稜越えがある、イワウチワが群生した後もある、岩場はここだけ、その後長い尾根状の木の根が密集した登山道を登り詰めると、ようやく易老岳に着く、頂上と言うより三差路の分岐点、易老渡2時間50分、茶臼岳2時間40分、光岳2時間50分の地点である。この時はまったく山頂を意識しないで過ぎてしまう、樹林に囲まれ展望は無い。

11:00 光岳に向かって シラビソの樹林を緩やかに下る、最初はその木々の間を蛇行する、前方に光岳が見え、まだまだ山頂は遠い、傾斜が大きくなって登山道が荒れルートが不明な所が有る、それに意外と大きく下るのでちょっと不思議に思えるが直ぐ明確な道が出てくる。


枯木が現れる

易老岳からの稜線をトラバースして行くと突然枯木帯が現れ、綺麗と見るか、奇妙と見るか、不思議な光景だ、今日の様に晴れて、太陽の光に当たって、木肌が光って美しく見事である。

急に草原状の所に出る、ダケカンバの綺麗な所で、右はガレ場で三吉ガレと呼ばれている、そのガレ場の縁から兎岳、中央アルプス、恵那山が特に印象的である、聖岳は易老岳に隠されている。平坦な登山道が続き、聖岳の見えるピークを通過、12:00 下ると沼が現われここが三吉平だろう、案内は無い。

光小屋一時間半地点、また沼が現われ、ここは左の縁を通過、直ぐに判るがこの沼は、これから登る涸れ沢の水が堰き止められ溜まったものである。

ここからキツイ岩場の涸れ沢登りになる、今日一番の急登が続く、振向くと上河内岳がドーンと見え凄いの一言である。

途中崩壊地が有り危険だ、ようやく急な登りが終わったがまだ涸れ沢の中間点、12:30 登りが続き、13:30 ちょっと平坦な広場の岩場で昼食。

まもなく静高平、晴天が続けば涸れる水場、13:40 期待の水場は涸れている、


貴重な水場

数b先に、流れている水場、水筒の水も涸れておりたっぷり詰める、今夜は充分これで満たされる。

左にこんもり丸いピーク(イザルガ岳)が見え、センジガ原、大草原で木道が光小屋に続く、その取り口にイザルガ岳入口、大きなベンチが有って、ここにザックを置き、14:00 イザルガ岳へ向かう。

やや雲が出て薄い景色だが南アルプス、中央アルプス、恵那山、白山、御嶽山と大展望である、ダケカンバがりんご園の様に広がる、木の姿もりんごの木に似たものである、ハイマツに囲まれた砂礫になって、緩やかに登ると山頂は広く、独りで占有する。

真正面に霊峰富士山が大きく飛込んでくる、双耳の小無間山が印象深く大無間岳へと稜線の見せている、登って来た易老岳の後方に明日向かう、仁田岳、茶臼岳、上河内岳と続き、さらに奥に聖岳と素晴らしい。特定は出来ないが、笊ヶ岳、青薙山、山伏、、と脈々と続く山々が薄らと見え展望抜群である。

イザルガ岳入口に戻って 14:20 センジガ原には大草原で木道をゆっくり歩く、とても気持ちのよい風景が広がる、正面に見える光岳は特に印象的な姿では無いが。

14:35 光小屋に到着、荷物を部屋に置き、緩やかに登る、小屋から富士山は見え、少し登ると、イザルガ岳が前衛になってとても美しい、平坦な草原を行くと、直ぐに左:百俣沢ノ頭方向が分岐、真っ直ぐ進み、少し下って湖面が凍った沼が現われる、最後は少し登って光岳山頂に着く。

ガイドブックには展望が無いと言うがとんでもない、南アルプス、中央アルプスの山々が展望でき素晴らしい。山頂から裏に展望台がある、この展望台から光岩を覗くことができる、加加森山(標高2419b)に続く池口岳(標高2392b)が右に見え、左に光岳、百俣沢ノ頭(標高2418b)へと続く稜線は美しく、小無間山の双耳は特に面白い形をして大無間山に続きている。

ここまで来て引返さない、光岩へ向かう、直ぐに加加森山(加々森山と書いてある)分岐で、



光岩

ハイマツ群生地の南限

名前の由来の花灰岩の巨岩


ここは光岩へ急斜面を下って行く、石灰岩の綺麗な岩で珍しいものである、上に一つ、10bほど下って一つと岩が二つ、下には行けないので上の一つに登って見ようとしたが今にも崩れそうである。光岩から登り返しはキツイ、山頂の裏の展望台で待つこと数分、光岩に太陽光線が当たって美しい。

雲が南アルプス南部を覆い展望が消える、急に寒くなって 15:25 山頂を後にする。夜中、強風が光小屋を襲った、しっかりした小屋で間風は入らないが、板の間の部屋はやはり冷たい空気。

1122

5時半、光小屋の窓から富士山が夜明けを待つ姿がくっきり、昨夜の強風はほんのりと雪化粧を残している。外に出ると、やや明るくなった空、富士山がとても美しい、足元はまだ暗いが、昨日登ったイザルガ岳で日の出を見たいものである。センジガ原の木道は新雪が数_積もって滑り易いが、水平に取付けられ危ない事は無い。


イザルガ山頂から

イザルガ岳入口にまた荷物を置きイザルガ山頂へ、雪化粧で周辺の木々には樹氷(ちょっと)が付き、正面に富士山、右には小無間山の双耳峰がくっきり、稜線が大無間山に続き、南アルプス深南部の山々が続く、そして左には茶臼岳、上河内岳が聳え、聖岳が大きい、その後方に薄化粧の赤石岳、荒川三山に千枚岳と続く、振向くと中央アルプス、恵那山、御嶽山、白山が望める。

標高の高い順に朝日が当って、625分頃富士山からだいぶ右側が光って、真赤に燃えた太陽が昇る。光岳とセンジガ原は赤く染まって素晴らしい光景になる。今日は昨日以上の真っ青な空だ。

静高平を下る、正面に聖岳と上河内岳が朝日に輝き見事なものである、今、ここにいなければ味わえない贅沢な自然の美景であり、大満足である。

涸れ沢を下って、沼を通過し、しばらく樹林帯、振り返ると光岳がどっしりと姿を見せ始めると、最初のピークに登って下り、次のピークへ登る、兎岳と聖岳が良く見える所だ。

沼が現われ、三吉平、少し登ると開けた三平ガレ、展望が良くここでノンビリ朝食にする。

枯木の多い斜面を登り切ると高原状になって、光岳、加加森山が美しい、イザルガ岳も立派な山である。

更に登山道の樹林に入り荒れた登山道を登ると易老岳に到着 8:55

茶臼岳方向に数歩進むと、ちょっと広い易老岳の山頂が有ってテント場のような雰囲気である、展望は全く期待出来ない、また林床には苔が生え深い樹林帯、前方に茶臼岳が見え、斜面を下って、今度は草原だが、枯木が多い所に出る、ほぼ平坦なところで木の間を緩やかに縫って行く道でとても気分の良いおだやかな散歩コースのような所だ、登山道が真っ直ぐ抜けるのではなく美しい樹林帯を美味く見せるようにルートができている、偶然出来た道だろうか?林の間を行き、聖岳が良く見える位置になって涸れ沢を右に見る、9:25少し登り振向くと光岳・イザルガ岳が美しい、右は谷を挟んで仁田岳が大きく見えてくる。

大きな山容の上河内岳、聖岳、兎岳を木々の間から見ながら進む、登山道の仁田岳側に小規模だがお花畑が現われる、もちろん今日は枯れ草で有るが、9:45 光岳、易老岳と仁田岳に囲まれた谷が深々と見える。一瞬、聖岳側が開けた所を通過し、急登が始る、希望を持って希望峰に登り詰める、光岳が美しい、反対には兎岳、聖岳、中央アルプスの山々が良く見える。大きな岩を見て、どうやら稜線に飛び出たと思うが、しばらく平坦な登山道を行くが、直ぐに登りになる。

10:20 ようやく尾根になって茶臼岳50分、仁田岳15分、易老岳1時間20分地点の希望峰に飛び出る。樹林に囲まれ展望は無いが明るい所だ、荷物を置き、仁田岳に向かうことにする。


希望峰から仁田岳 ハイマツの斜面から富士山を眺める

ダケカンバの林を抜け最初のピークへ、左に美しい富士山の姿が浮ぶ、次のピークになって仁田岳は、さらに先と判る、ここから仁田岳山頂間は深いハイマツに囲まれ富士山の展望に恵まれる、光岳、大無間山、小無間山が素晴らしい、もちろん、中央アルプス、恵那山、白山、、と大展望である、10:50 仁田岳山頂、視界を防ぐ物なし、南アルプスの南部を実感する。ここに立ってみて、光岳が百名山に選ばれた理由が解ったような気がする、光岳を選ばなければ、仁田岳やイザルガ岳の大展望を見に訪れる人は極限られた人達になっただろう。

11:10 希望峰に戻る、小さな沼を見送り、眼下に畑薙湖が見えてくる。

11:50 湿原の様な所に出る、テント禁止の看板、茶臼岳から下ってくれば直ぐに見つかるだろうが、右にひっそりとダケカンバに囲まれた仁田池がある、水場の標識が有ったので、細い道に誘われて入って見るが急斜面を下らないと判って引返す。

登山道に出て、希望峰方向に戻って仁田池を挟んで茶臼岳を眺める事にした、良くガイドブックにその写真が掲載されているからだ、なるほど男性的な茶臼岳である、正直言って仁田池は美しい湖と呼べない沼である、標高の高い所に有るからオアシス的存在になっている。

茶臼岳は仁田池から二重山稜の窪地を抜けると直ぐだ、12:00 茶臼岳山頂着、大展望が待っている、縦走を終えた易老岳から光岳への稜線、光小屋も見えている、大無間山と小無間山が大きい、特に小無間山は双耳に見える姿が印象的である。富士山、上河内岳、聖岳、兎岳は言うまでも無い、その後方に雪化粧のピーク赤石岳と荒川三山が見えている。

茶臼小屋へのルートを探すが、右に曲がり上河内岳を左に見るようになって方向が心配になると、茶臼岳山頂を巻いて仁田池へ抜ける分岐が出て、その分岐地点に茶臼小屋の標識が現われ、砂礫になって少し下ると方向指示盤が有る岡のような所に着く、12:20 聖平まで後3時間、少し暗くなるけれど行けない距離ではないが、


富士山が浮かぶ

茶臼小屋から富士山が美しいと言う、その上水も無くなってきた、日の短い時期だ、条件は揃った、小屋へどんどん下ると、茶臼小屋が見え、正面に富士山が見える絶好のポイントに建っている。水場はトイレに行く途中で小屋から数b、美味しい水をお腹一杯にするのが最初の行為だった。

階段を上って、重いドアを開け、ヒンヤリした部屋に入る、ここは窓が無く、部屋の中から富士山をのんびり眺めることは出来ない。茶臼小屋は聖岳から光岳の縦走の要、畑薙第一ダムからの最初の小屋であり、また庭先から富士山の展望が良く人気の高い小屋である。

12:30 今日はたっぷり眠れる、自炊といっても即席ご飯、スープ。明日の快晴は間違いない、夕方は雲が広がって夕日に輝く富士山の姿にはお目にかかれなかった。夜は月明かりで、墨絵の富士山が浮かび上がって正に霊峰である。

1123

今日は、上河内岳に出来るだけ早く着く予定でまだ暗い4:20に小屋を出た、満点の星が輝く、主稜線までは昨日と同じコースで迷う事は無い、稜線に出て方向指示版、飯田市の灯りが見え、富士山は墨絵のような姿で浮びあがる、強風が吹きつける、上河内岳方向にちょっと下って、緩やかに登ると、案内標識が出て、行き先が左下方に向いている、前方のピークを避けるように左斜面を巻いて行く、暗くその様子が不明でしばらく大きな岩陰に身を置き、明るくなるのを待つ。

斜面を巻いて行くと安定した登山道になって、前方に上河内岳が見える二重山稜の亀甲状土地帯に飛び出る、5:50 日の出の時刻は6:25ころでまだ薄暗く上河内岳がほんのり赤く染まって雄大である。

お花畑になっており広く中央を登山道が抜けている、通り過ぎると雄大な富士山が見え、上河内岳へ登る途中の岩場に登って撮影ポイントを探す、後はじっと日の出を待つ 6:00


上河内岳手前


こちらは上河内岳

日の出前の富士山は実に神秘的、6:26 日の出が演じられ、上河内岳が真赤に染まって見事なものである。


竹内門

ダケカンバの緩い坂を登る、竹内門 大きな岩が出て、その間を登って行く、聖岳が大きく見え、その後方に赤石岳、荒川三山のピークが連なって見えてくる。

傾斜はなだらかで、振向くと茶臼岳から光岳に続く稜線が見え、光小屋も見えている。

登り切ると上河内岳の肩に飛び出る、ザックを置き、上河内岳山頂へと登って行く、大展望の登りである、上河内岳山頂7:24 美しい富士山の姿に対面する。


上河内岳山頂から

聖岳、赤石岳、荒川三山の眺望は一級品の展望である、ここに今登っている物だけが味わえる美景である。

に戻って南岳に向かう、突然「グーグー」と独特の泣き声、7,8羽のライチョウガ群がっている、始めてみる真白なライチョウは可愛らしいの一言である。

二重山稜の窪地を通過し、右に雄大な富士山を眺めながらハイマツに覆われた南岳に着く。ここも茶臼岳、上河内岳に負けない展望である。


聖岳 後方は明峰赤石岳 ちょっと雪化粧

ハイマツ帯の斜面を下って、南岳の左斜面は大きな崩れで自然の厳しさを教えてくれる。ここで千枚岳から縦走の青年に会う、彼は茶臼岳を最後に畑薙第一ダムに下るという。ここは吊尾根様な所で足元に注意し、左の谷底に落ちないように下って行く。

樹林帯に入り、緩やかにピークを巻いて登ると、聖平に向かって急坂を下るようになる。


聖岳を望む

急坂が続き 9:20 聖平に下立つ、方向指示盤から急騰し、 やや水平になって上河内岳を振り返るとその姿は実に雄大なものである、竹内門の大岩がはるかに遠く見えている。さらに登って 9:42 ニッコウキスゲの保護アミの脇を抜け、薊畑に登り着く。9:45

聖岳2時間10分、聖平小屋20分、西沢度3`の地点だ。

薊畑からガレ場の上部を通過し、便ガ島に向かって樹林帯に入って行く、しばらく下ると兎岳、聖岳が見える、そしてここでも枯木が見れ、大木が倒れている、ただ道を妨げる木は切られ歩行に問題は無い、「ケイタイ可」という看板が出てくる、10:25ガレ場もあって苔平 10:35 林床に青々とした苔が生え不思議な光景である。

シラビソの美しい下りになって杉も現われる、ジグザグになって平坦になるが長くは続かない、1860b地点、「ケイタイ可」がまた立っている、登山口にタクシーを呼ぶ人には助かるだろう。

雑木林になるがまたシラビソへ変わり、急坂になる、大きな岩を通過、沢の音が聞こえるほかは静かだ、岩場の急降下、登りに選んだ道で良かった、11:20 便ガ島―聖平 1/2地点この標識を見てからさらに傾斜は大きくなって、斜面を横切るところはひどく荒れている、ここにも大きな岩が有って岩をすり抜ける、11:40 沢が見えてくる。

便ガ島の谷が大きく見え、さらにここから急降下、つらい坂が続く、右は西沢の渓谷、はっきりした尾根になって足元はしっかりする、カラマツが多く見られる所だ。

その明瞭な尾根道は長くは続かず、右に大きくカーブし、カラマツ林を下り続ける。

突如、廃墟の家の裏に出る、12:05

12:15 西沢度 荷物用の篭渡しが新旧二本沢を渡っている、増水時はこの篭を使って渡るのだそうだ、探すと自力で渡れそう、大きな岩に手を付き、右足を岩の下に伸ばし、左足を手の付いた岩に乗せ、マタイで渡る、森林軌道跡をたどる、直ぐに大崖崩れの箇所を横切って行く、その後の崩れは小規模だが何度か現われる、かつら沢橋、滝ノ沢橋と渡り、その都度綺麗な滝が現われる。

12:54 トンネルを抜けると便ガ島森林公園分岐、真っ直ぐ行くが便ガ島森林公園に向かって下っている、どうやら便ガ島森林公園分岐で、その公園に下るのが正規のコースだ、しかし赤のマークが、林の斜面に付き、林の斜面を転がるように枝にぶる下がって車道に下りる、公園経由の無駄な距離を短縮する。

右の斜面から何本もの沢が流れ落ち、小さな滝を見せてくれる、ニ番目のトンネルを抜けると、やっと 易老渡駐車場に着く。13:15 これで 歩く必要が無くなる。

岩が転げ落ちる林道を走る、子安神社 13:53  直接国道152号の道は工事中で通行禁止、1120日に登った民家内を走る道を忠実に戻る、民宿「ひなた」辺りではこんなに、カーブが多く、急斜面を登って来たのかと自分ながら驚く。この民家から眺める南アルプス南部の山とても雄大で美しく車から何度か降り撮影する

上村小中学校に着いたのは14:23 易老渡駐車場から1時間でした。矢筈トンネルを抜け、松川ICの標識に従って中央高速松川ICから八王子ICへと走る。

HP:わたしの天気予報