北アルプス:後立山連峰を縦走 鹿島槍ヶ岳(標高2889b)爺ガ岳(標高2670b) 

日程 200391314日 (土、日)台風一過の二日間 


鹿島槍ヶ岳中腹から
台風14号が日本に接近、今回は九州に上陸無く日本海に抜ける、
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日には日本海、その後北海道に再上陸の予報台風一過を期待し、
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日は雨、14日は朝から快晴だろうと出かけてみた。

コース

第一日目:自宅22:00=(国道354号)=>高崎・吉井0:44=(国道254号)⇒佐久1:58=(国道142254号)⇒長門町手前で右折(笠取峠より手前)=(三才トンネル)⇒松本=(国道147号)⇒大町=(大町アルペンルート)⇒4:20扇沢出合「柏原新道登山口車場」5:45−(3:40)→9:30種池山荘

第二日目種池山荘5:30−(0:40)→6:00爺ヶ岳南峰6:00−(0:10)→6:12爺ヶ岳中峰−(1:00)→7:10冷池山荘−(1:20)→8:15布引山−(0:50)→9:15鹿島槍ヶ岳南峰−(0:15)→9:45鹿島槍ヶ岳北峰−(0:20)→10:15鹿島槍ヶ岳南峰−(0:40)→11:30布引山−(0:50)→12:20冷池山荘−(1:30)→13:45爺ヶ岳−(0:30)→14:15種池山荘14:25−(2:30)→16:25扇沢出合「柏原新道登山口車場」⇒木崎湖⇒美麻「ほかほかランド美麻」⇒長野市=(国道18号)⇒軽井沢・高崎=(国道354号)⇒2:30つくば市

まず結論から、台風一過の期待はドンピシャ、大成功でした、13日雨と思っていましたが、快晴、夕方は種池山荘で虹を見ました、ただ驚いたのは、夜中は凄い嵐でした、14日は5時半種池山荘を発つ頃から雨が止みましたが、ガスは深く、視界ゼロでした、冷池山荘を過ぎた頃からガスが切れ出し、鹿島槍ヶ岳山頂に立つと快晴。

松本市から大町に向って国道147号を北上、途中、常念岳、燕岳の登山口の標識を見る、展望で知られる「高瀬橋」を渡って、後は黒部ダム方向の標識に従う、大町温泉郷を過ぎたら、スノーシェットが幾つかあるが、出口に橋(扇沢橋)があっって橋の手前に駐車場ですぐ解る、登山口の標識もある、この駐車場は5,6台です、登山口側の駐車場はタクシーの旋回場所で駐車せず、橋を渡ると大きな駐車場(数10台)があって、ここは静かで車内をジロジロ見られなく、ゆっくりできます。扇沢バス停は徒歩10分の所です。

第一日目扇沢出合駐車場から扇沢の右側を緩く登ります、すぐに右の斜面に取り付く、樹林の中をジグザグに登って行く、幾つか梯子(壊れかけた)がある、左に曲がるカーブで二回大町市が望めるポイントがある、この辺りショウジョウバカマ、イワウチワ、シャクナゲが多い。やがて眼下に扇沢バスターミナルが見え、ちょっと休んでいたら、おばさんが登って来る、キッレ小屋まで行くという、まもなくケルンが積まれたところに来ると、岩小屋沢岳が見えてくる、種池山荘も稜線に見える、まだ登り坂は楽にはならない。


針ノ木岳 大雪渓を望む

「枚岩」と呼ばれるところを過ぎると、登山道が石畳状になってくる、まもなく「石畳」と記されたところに着く、ここが中間点とのことだ、蓮華岳(標高2799b)から針ノ木峠(標高2536b)、針ノ木岳(標高2821b)、スバル岳(標高2752b)、赤沢岳(標高2678b)、鳴沢岳(標高2641b)、岩小屋沢岳(標高2630b)そして種池山荘までグルリと展望。

夜行新宿発のバスでこられた男性は、種池山荘から爺ヶ岳と岩小屋沢岳辺りの紅葉を撮りに来たという。今日は新宿発栂池(一台が扇沢経由だったらしい)行きは5台だったそうです。キレット小屋まで行かれる彼女もバスで来たそうです。バスだと爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳を経て五竜岳を縦走しても交通機関があるので便利だという。

石畳はそう長くは続かない、傾斜が無くなって「水平道」と呼ばれるところに着く、ちょっと足を休めることが出来る、長くは続かない。

「ガラ場」という崩れたところを渡る、扇沢源頭である、上に遊ぶ猿や鹿が岩を落とす事があって危ないと注意書きがある。ここにお花畑がある。展望も良く油断しないように渡る。種池山荘で「ほんと猿が上から岩を落としたら、、」と楽しそうに笑っていた人がいましたね!

左側が大きく開き、針ノ木岳を眺めながら登って行く、三個の石のベンチがある、展望も良くゆっくりして行こう、今日は爺ヶ岳を登ってその後針ノ木岳へ、針ノ木小屋に泊り、針ノ木雪渓を下るという男性、なんでも数年に渡って、白馬から登山道をつなげながら登っているという。

ここまで、爺ヶ岳の尾根山腹をなだらかに登っていたが、急に斜面をジグザグに登る道になって、最後は真っ直ぐの登り、キツイ、樹林帯から抜けお花畑になって、山荘が見え、階段状の道を登る、針ノ木岳の展望が素晴らしい種池山荘庭先に着く、本日:種池山荘受付一番乗りは私だった。


剱岳と種池山荘

早く着き過ぎたが、遊び場多い、まず:爺ヶ岳方向に数分行くと高台から剣岳の展望が楽しめる、双耳の鹿島槍ヶ岳も大きく見える、次は:針ノ木岳方向に向かう、数分下ると棒小屋乗越で、お花畑が広がる。


双耳の鹿島槍ヶ岳 双耳の間の雪渓がオシャレです!

夕飯は5時、同席になった三人のご夫人:八方尾根から縦走で今日着いた人たちだ、五竜山荘、キレット小屋と泊って、唐松岳―五竜岳―鹿島槍ヶ岳―爺ヶ岳と縦走とのこと、唐松岳頂上山荘には泊らずコーヒだけ飲んで来たという、ここ種池山荘に泊って明日は下山。夜は「百名山(五竜岳、鹿島槍ヶ岳、剣岳、立山、薬師岳)」と「彼女らの縦走コース」の放映。13日(とざんのひ)の抽選会が行われた。

ビデを鑑賞中外は雨になり、夜中、大荒れになった、明日が心配だが、天気予報は晴れだ。

第二日目:早朝3時準備をし、4時ころ出かけてゆくグループ、朝食は5時、雨が激しく降っている、しっかり食べ5時半出発したい、外に出てみる、雨は止んだ、雨具なしで予定通り、歩き出す。

ハイマツ帯の中のウラシマツツジが赤く染まって紅葉が始まる、爺ヶ岳を目指す、360度視界ゼロ、爺ヶ岳南峰へ、下ってゆくと、コマクサ保護地、鞍部に下ってちょっと行くと中峰への登り口、数分でへ爺ヶ岳中峰だ、ここも視界ゼロ。

冷池山荘へ向う、視界の無い中、足元に雷鳥が、ハイマツの中に逃げたかとガッカリしたが、すぐ目前のハイマツの岩場に現われる、夫婦である。

コースは北峰を巻いて登らない、砂地の斜面を下ると赤岩尾根の分岐、樹林帯が鞍部になってちょっと登ると冷池山荘に着く、ここで種池山荘でもらった1g券を出し、500mlの水+500ml券に変える、帰路に500ml券が水に変わる、有り難いシステムだ、冷池・種池・新越山荘(鳴沢岳と岩小屋沢岳の新乗越にある)は兄弟山荘だからできる。冷池山荘は改造中で宿泊が出来ない、山荘から樹林帯を登り、テント場を過ぎると、いきなり、ガスが切れ、素晴らしい光景が演じられる、鹿島槍ヶ岳の東尾根が見える。振り向くと赤岩尾根もガスの中に見え隠れし、その上に爺ヶ岳も姿を見せるがすぐガスに飲み込まれる、その繰り返しが続く。


晴れてきた!剱岳、大日岳が姿を見せる

足元にはお花畑が広がる、花とガスの切れ間を眺める忙しさである、前方に鹿島槍ヶ岳も姿を現す、左が剣岳だ、ガスが切れ始めた、雄大である、別山から雄山までが並ぶが、剣岳と雄山の山頂は雲に隠されている。布引山(標高2683b)に立った時は、ガスが安定し、剣岳の迫力、立山三山の優雅さを楽しむ。

鹿島槍ヶ岳山頂が見える、見えてからが、なかなか着かない布引山から緩やかに登って、傾斜がだんだんキツクなってザラザラした歩き難い山道で、急斜面、振り向いては景色を楽しんで登る、ようやく人の声、鹿島槍ヶ岳南峰だ、一番高いところに立つと北峰が聳えている、休まないでまず北峰へ、ちょっと足を滑らすと自分の足が落石を生む、そんな岩場を下って、吊尾根に下る、二つほどピークを越えると、鞍部で雪田がある、ちょっと登るとキッレトからの道が合流し、北峰の付け根から数分で北峰に着く。


鞍部がキレット、そして五龍岳

南峰とはまた違った角度で五竜岳が迫る、戸隠連峰もここの方が美しい、山頂の広さは南よりはかなり狭いから、ゆっくりするなら南峰の方が良い。

下って、鞍部の雪田に下ってみる、この大きさなら新雪まで融けないだろう、その上がお花畑になってウサギギクが美しい。


鹿島槍ヶ岳の核心部

南峰に引返す方が大変だ、ペンキの案内に従って南峰へ、南(標高2890b)・北(標高2842b)その差48b。

展望を楽しもう、眼下に八峰キレット、すぐ下にキレット小屋が岩場にしっかり張り付いているそして五竜岳(標高2814b)が雄大、その先が尖った唐松岳と続き鑓ガ岳、はっきりしないが白馬三山と続く。白馬三山から折れる、清水岳、雪倉岳、朝日岳、と峰々が続く。北峰の奥には上越の山々、雨飾山、乙妻山・高妻山、妙高山、戸隠山と続き我が虫倉山は確認出来ないが見えているだろう。振り返ると:剣岳(剣岳の右は:小窓ノ頭、池平山)、別山、真砂岳、富士ノ折立、大汝山、雄山、薬師岳と続く、そして、蓮華岳、針ノ木岳の稜線、日本海(魚津周辺)も見えている。しかし、槍ヶ岳、穂高連峰、富士山方向は雲に覆われ見えない。昨日は種池山荘で大天井岳と常念岳は見えたが!残念。

さて下ろう、爺ヶ岳経由をもう一度越えねばならない、山頂から牛首尾根が黒部川に向っている、この尾根は美しい、鹿島槍ヶ岳にアクセントを付けている。冷池山荘まで紅葉を楽しみながら下る、黒部川側が印象的で美しい、信州側は厳しい岩場だ。ウラシマツツジは赤く染まって美しい。


ウラシマツツジ

布引山では大谷原から赤岩尾根を登って来た女性(登山口まで飯田から旦那さんに送ってもらったとうい)は鹿島槍ヶ岳から、五竜岳を越え、遠見尾根を下るという。布引山からお花畑を通過、冷池山荘まで二つ池がある、冷池山荘の前にもある、この池に小さな魚を見つけて教えてくれた、見ると沢山泳いでいる。小屋で最後の水を受け、冷乗越、種池山荘まで爺ヶ岳が待ち構えている、迂回路も巻き道も無い、朝はガスで見えなかったが今は全景。

美しい剣岳、立山の光景がなにより、一歩一歩進むしかない、爺ヶ岳の稜線の先には種池山荘が望める、爺ヶ岳の北、中峰は巻く、ただ南峰岳は立ち寄った、浅間山が綺麗な姿を見せてくれた、その手前に木崎湖も光っている。期待した富士山は見えない、針ノ木岳の後方に当る槍ヶ岳、穂高連峰も雲の中だ。

種池山荘で預かってもらった荷物を詰め込み下山、開始14:1517:00前には駐車場に戻れるだろう、ガラ場で針ノ木岳や蓮華岳を眺め、水平道、石畳、枚岩と下って、扇沢バスターミナルが見え、ここから本格的な急坂、二ヶ所の大町市展望を楽しみ、下ってゆくと、八王子から来たというご婦人三人(昨夜は種池山荘でお話し、今日は山荘を4時発とのこと、鹿島槍ヶ岳山頂直下9:00頃会った)に追いつく(別に追っていた訳では無いが!)、日帰り温泉に寄って、三人で交代し車で戻るという、三人「良い山だった!」としみじみ、この秋は岩手山・八幡平、岩木山へまた三人で出かけるという。今回の登山中で、ご婦人グループ3人が二組(八方から扇沢縦走一組)、 4人グループ一組(種池山荘二泊)とご婦人パワーを見せ付けられた、そして、登山出かけるには、いろいろやりくりし、時間を美味く使っているそうだ!

暇で暇で困っていて登ってくる様な人は北アルプスには来ないそうだ、確かに、簡単に誰もが登れるものではない。

扇沢出合駐車場16:25、大きな駐車場は余裕あり、登山口に近いほうは満杯

国道147号に出て、木崎湖から鹿島槍ヶ岳の双耳の姿を見ようと北上雲が掛かり無理でした、青木湖の佐野坂トンネルから長野・美麻方向に曲がって道の駅「ほかほかランド美麻」で温泉に入って、汗を流す。そのまま、長野、軽井沢、高崎、館林、古河と経てつくば市へ戻る 夜中の2:00

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