富士吉田駅から浅間神社、静かな吉田口登山道をじっくり歩き、日本一高いピークへ
冨士山(標高3776b)

日程:2008712-13日(土-日)晴れ

 


六合目を越え、展望が広がる

土日は晴れて梅雨の中休みとの予報、最近静かな人気になっている富士吉田駅から富士浅間神社を経て、冨士山山頂まで一泊二日で歩いてきました。かつての登山者がもくもくと、このいにしえの参道を歩いたと思うと、なんだか自分も不思議とその雰囲気に飲み込まれました、今まで無かった冨士山登山に大きな実りを得た感じです。

私のスタートは9:30と遅い為、三合目まで登山者には出会いませんが、毎年725日市政記念日冨士登山競走が予定され、試走行者は次々と抜いて行く、三合目辺りでは上から駆け下りてきます、なんだか大きなエネルギーをもらった感じです。佐藤小屋のご主人の話ですと富士吉田市役所から2時間40分で駆け上がるそうです、佐藤小屋までは早い人で1時間以内、1時間半を越えると打ち切りになるらしい、馬返しで若い女性ランナーに聞くと「私は五合目コースで、五合目に到着するとバスが待っている、、」とのことです。

コース

第一日目JR常磐線牛久駅5:34=(常磐線)⇒日暮里駅=(山手線)⇒新宿7:18=(あずさ73号)⇒8:23大月駅8:34=(富士急行 高尾駅発7:46の富士急行乗入 )⇒9:26富士吉田駅9:30―(0:20)―>北口本宮冨士浅間神社9:50―(0:05)―>富士寮(吉祥寺の女子中学・高校)前9:55―(0:05 舗装道路)―>吉田口遊歩道入口案内10:00―(0:00)―>吉田口遊歩道入口10:00―(0:20)―>東富士五湖道路(駐車場有り)10:20―(0:20)―>道路T字路10:40―(0:05)―>10:45丸太(唯一のベンチ)10:50―(0:10)―>11:00中ノ茶屋(標高1100b)11:20―(0:35)―>大石茶屋?(標高1300b)11:55―(0:25)―>馬返し(標高1450b)12:20―(0:20)―>12:40一合目12:50―()―>二合目(標高1700b)13:40―(0:00)―>林道横切る13:40―(0:10)―>三合目13:50―(0:50)―>四合目14:40―(0:15)―>井上小屋14:55―(0:15)―>五合目15:10―(0:20)―>標高2305bの五合目道標15:30―(0:10)―>15:40佐藤小屋(泊)

第二日目佐藤小屋4:00―(0:35)―>六合目(河口湖口合流点)4:35―(0:55)―>七合目茶小屋(標高2700b)5:30―(1:20)―>八合目6:50―(0:40)―>白雲荘(標高3100b)7:30―(0:15)―>元祖室(標高3250b)7:45―(0:10)―>下山道分岐7:55―(0:20)―>冨士山ホテル(標高3400b)8:15―(0:30)―>本八合目8:45―(1:30)―>10:15冨士山山頂11:00―(0:15)―>八合目11:15―(0:05)―>冨士山ホテル11:20―(0:10)―>下山道入口11:30―(1:20)―>七合目12:50―(0:30)―>六合目13:20―(0:30)―>13:50河口湖口14:15=(富士急山梨バス)⇒15:05河口湖駅15:43=(ホリディー快速河口湖2号)⇒18:04新宿駅

第一日目富士急行線富士吉田駅改札口を出ます、改札口から直ぐ右折、数bで外に、直ぐ左折、数bで十字路を右折「金鳥居(かなとりい)の道ではない」、メイン通りでないので車が少なく安全、ジリジリ照りつける太陽、散歩中のお爺さんに道を聞くと「冨士山登山ですね、解かりますよ!」と一言、親切に案内してくれる、国道139号まで直進、前方に冨士山を眺めて、国道139号出合左折、後は富士浅間神社入口まで進む、大木の杉に囲まれた参道に入る、境内に入って、突き当りを右に曲がって舗装の吉田口登山道に入る、北口本宮の案内があって、吉祥寺の女子中学・高校の富士寮の前を通過、このまま舗装道路を歩くのか?

ところが、「吉田口遊歩道」の案内が現れる、10:00 右折し、数10bで吉田口遊歩道入口、好ましい登山道、樹林が日差しを防ぎ嬉しい道です、良く踏まれてはいるが、低い背の草が踏まれておらず、余り大勢の人が通過していないようです、散歩中の女性に出会う「良いとこですね!」の挨拶。


吉田口遊歩道(中ノ茶屋まで続く)

10:10 ちょっと狭くなるが、踏み跡が薄くなり草の面積が増えただけ、ほとんど平坦、10:20 東富士五湖道路の下を潜る、道路の下は広く駐車場に使える、ここに道案内が置かれ、登山道は続く、一変し、広い道になって、美しい、左に並行して車道があり、マラソンランナーは車道を走っている、こちらの登山道は私の専用道である。

10:40 左から道路が合流、横切って、10:45 唯一の丸太のベンチに腰を下ろし一息、まだまだ平坦、一人で歩くにはあまりにも贅沢。

10:55 左の車道に車が沢山停まっている、まもなく、中ノ茶屋(標高1100b)の前に出る 11:00 雰囲気の良い茶屋、中に入りコーヒーを頂く、富士吉田駅からここまで水場はない、ここで出されたお冷を数杯頂き、さらにお願いし、水筒を満たす、この先佐藤小屋まで水場は有りません、一杯400円のコーヒーは美味しい! 真夏の今日、水は命です!、中ノ茶屋は付近はフジザクラ、レンゲツツジの群生地で知られている。


冨士山が迎えてくれる

11:20 外に出て、今度は舗装の登山道、アカマツが現れ、木々の間から冨士山が姿を現す、大勢の富士請の人で賑わった面影が足元に残る、荒れた舗装道路になって、11:30 富士林道を横切る、すこしすこし、傾斜が付いてくる、右の樹林の中に廃屋、大石茶屋だろうか?(標高1300b) 11:55

再び車が停まって賑やかになると、12:10 馬返し(標高1450b)、駐車場は満車、一寸休憩し12:20 登拝路の雰囲気が広がるところ、神社も山荘も荒放題といった感である。

いつのまにかコメツガの森、広く整備された登山道を登ると、12:40 一合目 昼食 登山者は無く、マラソンランナーが掛けてゆく、とても疲れを知らない走りだ。

傾斜はドンドン増す、樹林はより深くとても雰囲気が良く、富士浅間神社から馬返し間の登山道に比べ、ここは素晴らしい。

13:40 御室浅間神社の建つ二合目、富士吉田駅から馬返しまでタクシーのご夫婦に出会う、今朝福島からやって来たのだそうだ。

ここからお二人に同行、御室浅間橋を渡って、右下に堰堤を見て、直ぐ林道に出て、横切って行く、ツガの木が多くなって石畳を踏む、大きくジグザグする道を登り詰めると、三合目 13:50 見晴茶屋跡、四合目 14:40 五合目御座石が現れ、巨岩の岩に大きな文字が刻まれている、井上小屋の前を通過、岩や石、石畳の道が続き、小屋の倒壊跡、シャクナゲが多くなってくる、例年なら今頃花を咲かせるらしいが、今年は25日過ぎだろうと佐藤小屋のご主人は言う。


吉田口、四合目から五合目がコースのハイライト、史跡が続く

滝沢林道に飛出る、そのまま佐藤小屋への道標を見るまで林道を緩やかに登る、低い潅木の登山道を登れば、佐藤小屋の庭に到着、15:40

小屋の前から右に山中湖、左に河口湖が見え、富士吉田が広がる。残念だが雲に包まれ、展望は無いが、ご主人のお話ですと、右に筑波山、奥秩父、八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、白鳳三山と大展望とのこと、「夕方には雲が取れるよ!」と言う。

18時半 若奥さんの手料理を二合目から同行のご夫婦と頂く、今夜これから山頂への4人組み(米国人で女性一人、男性二人、友人の日本女性一人) が加わり楽しい会話が続く、夕食後、ご主人の予言通り雲が切れ、八ヶ岳と甲斐駒ケ岳が見えてくる、雲海には黒岳(標高1793b)、三ッ峠(標高1785b)、御正体山(標高1682b)などが浮かぶ。

第二日目3時半起床、4時小屋を出る、すでに小屋に泊まった人もスタートしている、ご主人らは起きてはこない、庭の道をそのまま進めば河口湖口五合目のバス停へ、冨士山山頂へは小屋の裏に回りこむ、小屋自体火山礫混じりの土地に建っており、細くて背の低い樹林帯をジグザグに登ると、日の出の時間が近づき周辺は明るくなり、経ヶ岳(標高2386b)に出る、10人程で日ノ出を待つ、丁度山中湖のやや左上から、輝きながら太陽が現れる、見事な御来光、感動の一瞬である。


赤富士雪の消えた砂礫の赤味に日の出や日の入時に、赤く染まる状態
紅富士積雪に日の出や日の入時に、ピンクに染まる状態
遠くから眺めると赤富士に見えているかもしれない!

振向くと、七合目から山頂にかけて、赤味の砂礫に日の出が当り、赤く染まっている、河口湖口からの登山道が合流する、雲海荘を超えると樹林は無く、日陰をつくる物は無い、ここから七合目までは、砂礫が崩落防止用の大きな石垣が置かれ、それに沿って登る。ほとんどの登山者は昨日七・八合目まで登っており、今朝五合目をスタートする人は少なく登山道はガラガラで八合目まで続きます。

二人の女性、一人は寝不足なのかやっと歩いている、既に友人らは七合目に達しているようです、しばらく同行し励ますが、すぐに遅れる、そうこうしている内に、七合目 標高2700bに取付く、花小屋、日の出館、そして救援所を通過する 5:30


七合目から岩場の連続

七合目には山小屋が次々と現れ、どの小屋も岩の上に建てられ、登山道はこの小屋の庭先や路地を通過してゆく、また一回使用料100円のトイレ、小屋には水や酸素ボンベが売られている、東洋館で標高3000bを越す、八合目 6:50 標高3100bの太子館 庭先は大展望です、ベンチに腰を下ろし、コーヒーを頂く、疲れが一番出るあたりで、嬉しいホットです。

更に大きな白雲荘7:30 続いて元祖室 7:45 登山者が賑わう、標高3250b  下山道分岐、10歩続けることが辛くなる、登り続ける登山者は顔見知り、抜いたかと思うと、抜かれている、本八丁(標高3400b、須走口との合流点)の冨士山ホテル8:15 御来光館から登山道は岩場の連続、休憩場も無い、狭い登り、一列で登るが誰しも一気に登れない、最後の鳥居(浅間大社奥宮)が見え、その先が山頂と知ると、周囲は笑顔。

10:00 山頂直下の鳥居、苦労して登った富士山頂は感動的、小屋が並ぶ通路に出る、お鉢巡りは半分で剣ヶ峰 10:30


冨士山火口

溶岩が冷えて出来た奇形の岩、なんだか直ぐにでも噴火しそうです、同じ道を戻って久須志(くすし)神社・山小屋と大日岳の間にある小さな下山道標識から砂礫の下山道に入り、一気にくだる、この道は須走口へ下るコースであり、常に河口湖口を意識していないと、須走口へ下ってしまう、富士山ホテルがその分かれ目です。またマラソンランナーが駆け下りるので足元から砂が舞い上がってくる、マスクを着けて歩く人もいる。残雪が登山道にあり、直ぐに八合目です。

八合目 11:15 冨士山ホテルとの分岐で冨士山ホテル(トイレを借りる)に登って、河口湖口の下りを確認し、登りの道を10分程下ると河口湖口下山道の標識があり、11:30 後はこの標識を追い続ける。眼下に緑の林が見えてくれば登山口は近い。


砦の様な山小屋、下山道から

七合目 12:50 吉田口との分岐、ほぼ水平の道、河口湖口へ向かう、これから八合目まで登る団体数組に出会う、この土日一万人の登山者、先週は三千人とのこと。

佐藤小屋への分岐を過ぎると、ゆるやかな登りになる、13:50 河口湖口に到着、河口湖駅行きのバスは14:15 列の一番最後に並ぶ、満席で、約45分立ったまま(約10人、次のバスは15:35発である)、増便のない富士急山梨バス、JRと富士急行で企画する「冨士登山ガイドマップ」にしては、サービス不足は否定できまい。

定刻15:05 河口湖駅着、フジサン特急15:13発だが15:43発のホリディー快速河口湖2号に乗る、新宿まで乗換えなし、新宿に18:04着、電車の渋滞は無い。電車から降り猛暑、富士周辺は涼いかった!

富士山には水場なし、特に下山道には小屋も無い、キュウリ、リンゴ、レモンなど効果的。高山病は一気に五合目までバスで上がり体が追いつかない、五合目で数時間散策が大事。日陰が無いので熱中症に注意!

 HP:わたしの天気予報