安達太良山  塩沢温泉・湯川渓谷から僧悟台を経て主脈を縦走

箕輪山 (標高1728b)鉄山 (標高1709b)安達太良山 (標高1700b)

 

日程:2009627日 (土)晴れ

1997/10/18 (日)秋晴れ:奥岳から

 

 


ハクサンシャクナゲ
僧悟台には天然記念物のヤエハクサンシャクナゲが有る所だがこれはハクサンシャクナゲ

コース

自宅 つくば市22:00=牛久IC(常磐・磐越・東北自動車道)⇒二本松IC1:20=(国道459号)=>2:00塩沢温泉・二本松塩沢スキー場・安達太良山登山口4:20―(0:15)―>馬返しくろがね小屋・僧悟台(そうごだい)分岐4:35―(0:05)―>草履(ぞうり)沼4:40―(1:05)―>見晴台5:45―(0:40)―>6:25僧悟台・八幡滝分岐6:40―(1:30)―>森林限界8:10―(0:15)―>笹平分岐8:25―(0:40)―>9:05箕輪(みのわ)山9:15―(0:25)―>笹平分岐9:40―(0:35)―>鉄山避難小屋10:15―(0:15)―>11:30鉄山11:00―(0:35)―>11:35安達太良山山頂11:45―(0:10)―>峰ノ辻11:55―(0:55)―>くろがね小屋12:50―(0:30)―>天狗ノ庭13:20―(0:20)―>5のはし13:40―(0:25)―>天狗岩14:05―(0:15)―>八幡滝14:20―(0:15)―>屏風岩14:35―(0:10)―>1530標識14:45―(0:00)―>三段滝分岐14:45―(0:35)―>崖崩れ地点(今日の入山禁止はこの崩れか?)15:10―(0:20)―>金剛清水15:30―(0:15)―>馬返し15:45―(0:05)―>15:50安達太良山登山口=(100b)⇒塩沢温泉(温泉へ)=(国道459号)⇒二本松IC(東北・磐越・常磐高速)帰路へ

 

東北自動車道二本松ICを降り、国道459号に入り、高原道路を走る、真っ直ぐ土湯温泉方面、道の駅「つちゆ」まで行くと行き過ぎ、手前で塩沢温泉へ入る、ちっと見逃し易い。

直ぐに二本松塩沢スキー場の前に飛出る、スキー場入口の広い駐車場は安達太良山の登山者用になっている、奇麗に保たれたトイレも有る、駐車場には登山の案内が立ちポストもある、「塩沢温泉からくろがね小屋間の立ち入りは禁止、、、」の説明版が貼られている。尚、このまま車道なりに曲って行くと日帰り温泉のできる塩沢温泉の大きな建物がある。

私達は明るくなるまで仮眠、満天の空。

4時 東の空が朝焼け、今日は晴れであろう、福島市は昨日は36度だたそうです、420分スキー場の中の駐車場へ車を移動し、車を安全に停め、ここから歩き出す、スキー場の中をゆっくり登って行く、まもなく、くろがね小屋方面と僧悟台分岐馬返し、ここから右の林に入り直ぐ湯川を渡って、右に草履池がひっそり、湯川を左に見て進む、しばらく急な登りも無く進み、ジグザグな道に変わり、足元にシダ類のような無数の植物、オサバグサが現われる、ジグザグが短くなって、急登。

 


松とヤマツツジが多い登山道は急坂

 

雑木林を抜け、目の前が開ける、見晴台、東北の山々が広がっている、太平洋が見えそうだが、雲が広がっている、登山道はなだらかに変わって、細い木々の林を進む、僧悟台に着く頃だが、さらに進むと、目の前に素晴らしいベニサラサドウダンツツジの木々が次々と現われ、ウラジロヨウラクも多く、その間を縫って進む、期待のシャクナゲはまだである。

 

刈込まれた後に咲く マイズルソウ

 

登山道は登山口から笹平分岐まで良く刈込みがされ有りがたい。

 


ベニサラサドウダンツツジ 花を一杯付けている

 

ベニサラサドウダンツツジに囲まれ、一人がやっと通過できる狭さ、友人が「シャクナゲ」と叫ぶ、登山道から離れた位置に沢山咲いている、足元は沢状の湿原地帯で時々木道の橋が掛かっている、水は流れてはいない。

 


ハクサンシャクナゲ 周囲はベニサラサドウダンツツジとウラジロヨウラク

 

大木のハクサンシャクナゲが現れ、美しい、ちょうど見頃です、ただ、今日歩いたコース内で満開のものはこの大きな株一本だけ、今年は咲かない年だろうか?友人も何故かなと疑問のようす。

時々、ドウダンツツジの枝が登山道を被い、トンネルになっている、このトンネルになるドウダンツツジを切らないでこのままにして置きたい所です、地図にヤブ多いと有るが、全く気にならず歩け、自然に触れることができます、ヤブの刈込みも必要最低限でありたい。

 


ウラジロヨウラクの大木

 

ウラジロヨウラクとベニサラサドウダンツツジとが交互に現われ、どんどん大木になる、ピンクのウツギも多く見られる。


僧悟台から稜線を覗く

 

前方に安達太良山の稜線が見えて、ようやく僧悟台に飛出る、安達太良山は那須火山帯の火山群で右(土湯峠)から鬼面(きめん)山(標高1482b)、箕輪(みのわ)山(標高1728b)、鉄山(標高1709b)、矢筈(やはず)ヶ森安達太良山(標高1700b)、和尚(おしょう)山(標高1602b)が連なっている、正面に大きく見えるのが鉄山です、左に乳首山と親しまれる安達太良山のピークが見え、美しい形は美人そのもの。今日は箕輪山と安達太良山の間を縦走する。

壊れかけた道標が建ち、壊れた板の上に腰を下ろし休憩、広々としたお花畑、コバイケイソウが一本だけ咲き、周囲は大木のウラジロヨウラクとドウダンツツジに囲まれている、綱が張ってあるが、しっかり踏まれた登山道が霧降ノ滝方向へ下っている、霧降ノ滝経由のコースは登りに使うことも考えたが、まずは僧悟台に登ってヤヘハクサンシャクナゲを見て、安達太良山から下山に湯川渓谷を散策すると今日は決めている。

背負ってきた重いメロンを割る、丸ごと持ってきたからまだ中身は冷蔵庫から出したばかりの冷たさ、ここで朝食をとり、再びドウダンツツジの林に入る、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、マイズルソウが次々と足元に現れる。

 


アカモノの群生

 

ツツジがブナへと変わり、周囲は一変、坂道になって、展望も開けてくる、僧悟台から見えていた稜線が近づき、斜面に残雪を残している。

森林限界近くなり、右に巻き、鉄山と箕輪山の間を目指すようになり、水場に下る、ここでは二本の沢が続く。

 


稜線と雪渓

 

真夏の空、森林限界を抜け、雪渓の真下に着く、登山道は雪の下、ここは約50b幅の雪渓、その斜面を横切る必要がある、この後下山まで雪渓を歩く所は有りません、横切って笹が多い斜面を登れば、安達太良山縦走路の笹平分岐に飛出る。

 


イソツツジ (小さいシャクナゲノようですね!)

 

緩やかな斜面を登る、土湯峠から全山縦走すると言う人々に出遭う、左に磐梯山が見える、ただ霞んでいる、晴れているといっても梅雨時であり、湿気の多い風が吹いているのだろう。

登山道脇に小さなシャクナゲ、ヒメとかミニが付き、ヒメシャクナゲ? ヒメシャクナゲは尾瀬に良く見られる湿原の花で、目の前の花はシャクナゲではなくイソツツジです。

最初のピーク箕輪山山頂に着く、安達太良山連山の最高峰です、正面に吾妻小富士(標高1707b)、一経山(標高1949b)が見え、左に東吾妻山(標高1974b)、さらに奥の西吾妻山へと続く山々が雄大に見えている、さらに遠望は飯豊連峰であろう、ここから意外と近い吾妻小富士、地図を開くと土湯峠を経て吾妻小富士への縦走コースが記されている、吾妻小富士より近いと思っていた磐梯山が意外と遠い!その横の秋元湖もぼんやりながら見えている。

再び笹平分岐に戻って、今度は安達太良山山頂へ向かって縦走する、ベニサラサドウダンツツジの多い岩斜面を登る、箕輪山の半分くらいのエネルギーで登り切れ、広い砂礫の広場に出る、ハイマツの根本にイワカガミが無数に咲き、のんびり鉄山避難小屋へと緩やかに登って行く。

 


鉄山避難小屋手前で箕輪山を振り返る

 

鉄山避難小屋の室内は広く、火山活動の急激の変化に対応して作られたのだろうか?ここから風が強くて有名なコースに変わる、沼ノ平噴火口を右に見ながらのハイライトになる、足に意識を置かないと吹き飛ばされてしまう。


鉄山から沼ノ平噴火口覗き

 

帽子をリックに入れ、強風の稜線を直進すれば鉄山山頂である。


鉄山から安達太良山への馬ノ背を望む

 

鉄山山頂から矢筈ヶ森安達太良山を望む、その奥に和尚山が美しい、このまま矢筈ヶ森方向に向かうと絶壁に遮られる、一度戻って矢印に従って、鉄山の右を巻いて行く、火山跡を示す奇妙な岩を見て進む、巻きルートが終わり強風を防げる岩壁に入り込み、休みながら昼食とする。

 


オノエラン 鉄山や峰ノ辻と山頂の間の岩場に多い

 

鉄山の砂礫の斜面を下る、まだつぼみのシモツケソウが見られ、咲いているものを探すが無い、ところが純白のオノエランが岩場の砂礫に咲いている、オノエランに初めて会ったのは谷川岳、同時に八ヶ岳で見たホテイランや庚申山のコイチヨウウランを思い出す。


安達太良山山頂

 

鞍部に降りる、磐梯山方向から沼ノ平を吹き上げた強風が間隔無く吹き付ける、カメラを向けても手ぶれでなく体ブレが起こる、友人は岩にお尻を下ろしぶれない姿勢を取る、とにかく想像を超える強風です!

左下にくろがね小屋が見え、下山道がある、ここが馬ノ背、一番狭い尾根です、矢筈ヶ森の左を通過する、今度は馬が牛に変わって牛ノ背、登山者に次々と出会い、女性は手拭いで帽子を飛ばさないようにしている、日焼けを気にしない男性は帽子を被らない、矢筈ヶ森から沼ノ平へ下る道は誰一人下らない、右の船明神山方向へは数人の登山者、馬ノ背と牛ノ背の違いを考えながら安達太良山山頂へ向かう、牛ノ背をのしのしと登って、広い砂礫の広場、前回家内と登った時は立っていられないほどの強風が吹いたところ。

強風を避け、山頂の陰に隠れてお弁当を開いている人が多く見える、安達太良山の大きな道標を回って、山頂に向かって左の岩場を登る、鉄の梯子、友人とハイタッチし今日の安全登山を喜び合う。360度の大パノラマの安達太良山山頂、安達太良山連峰の山々、磐梯山が雄大、吾妻連峰の奥に飯豊連峰が霞む。

次々と記念写真を写す登山者、私達は登ったルートの反対側を下って、薬師岳への登山道を見て、峰ノ辻方向へ下る、砂礫の登山道は歩きにくい、下るに従って真夏の日差しが襲う、強風の勢いは弱くなる。

 


コメツツジ

 

イソツツジ、コメツツジが咲く、右に沢ノ源頭、鞍部で沢を横切る、見上げると稜線が美しい、オノエランがここにも見れ、今日最後の登り。

 


シモツケソウ

 

峰ノ辻からは、シモツケソウ、ウラジロヨウラク、クロマメノキなどが沢山見られます。

私達は下りですが、くろがね小屋から登る人にとって急登のツライ砂礫です、さらに今日はカンカン照り、日陰が無くツライですね!


くろがね小屋

 

くろがね小屋はスッポリ広葉樹林に包まれ、紅葉狩りには人気のポイントです、静かな小屋を後に、勢至(せいし)平へ向かう、小さな湿原を過ぎると、八幡滝経由塩沢温泉の道標が現れる、この道に入るとスッポリ谷底に飛び込んだ気分、沢の清流から冷気が流れ涼しい、木陰も多く気分は良い、狭い道に腰を降ろしていると、二人の背年が抜いてゆく。

直ぐに天狗ノ庭、右に美しい渓谷が続き、丸太の橋、安全に渡れるよう綱が補助している。

 


のような橋が次々と現われるが危険は無い

 

今度は、福島市の若者達が抜いてゆく、美景の清流、何度か右に左にと横切ってゆく、全部お見せしたい滝が続くが紙面の都合でカット、その中でも天狗岩の道標手前の滝群が見事です。


美しい滝群

 

手を離すと滝壷の箇所を通過、見上げると天狗岩が凄い、八幡滝入口分岐から滝へ降りてみる。

 


八幡滝 見えますか滝の右上に人が、ここを左に行けば霧降ノ滝

 

先行した若者達が休憩中、彼らも僧悟台経由で安達太良山を周遊したと言う、湯川に架かる丸太の橋を渡って八幡滝の右の鎖を登り、沢に沿って霧降ノ滝へ向かい、僧悟台へ登って行けると言う。

八幡滝入口分岐へ引返し、登山道へ戻る、そして下り続ける、急な坂も無く、ブナの落葉でふかふか、歩き易い、ただ危険な所もあり慎重に通過した、雨降り時濡れた時はこの渓谷に入らない方が良いだろう。

再び若者に抜かれ、大きな屏風岩の道標に着く、屏風岩には若者達が立ち、谷底を覗いて奇声を上げる、美しい相恋(そうれん)ノ滝が見える、紅葉時に訪れ、屏風岩の上でお弁当を広げたら最高だろう、ルートを確認しませんでしたが三階滝経由で屏風岩まで登って来る道が有るそうです。

 


屏風岩 眼下に美滝

 

三階滝分岐(三階滝に下るところ)、ここは見送って、先に進む、岩の多い道が少し続く、岩崩れ危険の道標が続く、一本の木が根こそぎ崩れた所を通過、この辺り右を見上げると何時岩が落ちてきても不思議では無いところが続く、長い休憩はこんな所では避けたい、ただ登山道は安定しているから足元の不安は感じない。

 


大きな岩が道を塞ぐ 安全宣言には周囲の調査が必要だ!

 

大きな岩が最近崩れ落ちた所に突き当たる、その岩の上を巻いて通過する、特に危険は感じ無く通過する、再びブナ林の登山道が続き、小さな沢を横切る、金剛清水馬返しは近い、僧悟台への分岐が馬返し、二本松塩沢スキー場は近い。

塩沢温泉に寄って、岩風呂に入り汗を流す、ブナ林に囲まれた露天風呂はお勧めです。

安達太良山の紅葉の見頃は10月中旬からと聞く。

 

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