大峰奥駈道 弥山・八経ヶ岳:大峰山の二つのピーク
弥山(標高:1895b)・八経ヶ岳(標高:1915b)

行者還トンネルの手前300b辺りで通行止めだった!

 

 

山岳信仰行者が歩いた大峰奥駆道

 

 

  大峰山の主なる山は、弥山と八経ヶ岳である。また大峰山の標高:1,915bと記されるが、大峰山の最高峰「八経ヶ岳」(八剣山)の標高である。

大峯奥駈道(大峰奥駈道)全山縦走

近鉄吉野線吉野駅、青根ヶ峰、山上ヶ岳、大普賢岳、行者還岳、弥山、八経ヶ岳、釈迦ヶ岳、涅槃岳、行仙岳、笠捨山、地蔵岳、玉置山、大森山、熊野本宮大社

 

近鉄吉野線吉野駅から百貝岳を歩いた時、大峯奥駈道の案内、この辺りが吉野山、ここからは山上ヶ岳への道が始まる。吉野山を起終点とし、熊野まで約170`、山上ヶ岳・弥山・八経ヶ岳・釈迦ヶ岳の標高:2000b近い山々の尾根を歩く修験道・・

 

大峰山の隣に大台ケ原、薊岳、高見山など聳えている。

2005年5月2(月)小雨のち晴れ 行者還トンネルから往復 弥山と八経ヶ岳

コース

国道309号駐車場「天ヶ瀬」5:00=(国道309号)⇒5:30行者還(ぎょうしゃかえり)トンネル手前(西口では有りません)6:00―(0:01)→登山口6:01―(0:15)→天ヶ瀬の分岐6:15―(0:50)→大峰奥駆け道出合7:05―(0:25)→行者還トンネル西口分岐7:30―(0:15)→石休ノ宿跡7:45―(0:15)→弁天ノ森8:00―(0:30)→聖宝(しょうほう)宿跡8:30―(0:45)→弥山(みせん)小屋9:15―(0:01)→弥山山頂9:16―(0:01)→9:17弥山小屋9:30―(0:25)→9:55八経ヶ岳山頂10:40―(0:15)→弥山小屋10:55―(0:35)→聖宝宿跡11:30―(0:30)→弁天ノ森12:00―(0:10)→石休ノ宿跡12:10―(050)→行者還トンネル西口分岐13:00―(0:20)→大峰奥駆け道出合13:20―(0:25)→天ヶ瀬の分岐13:45―(0:05)→登山口13:50―(0:05)→13:55行者還トンネル手前

 

大峰山の最高峰が八経ヶ岳、近畿の最高峰です、弥山(標高1895b)八経ヶ岳(標高1915b)が大峰山の二つのピークです、山岳信仰行者が歩いた大峰奥駆道がとても魅力です。

大台ケ原駐車場12:25発し、大台ケ原ドライブウェイを走り降り、国道169号に下ったのが13:00わさび谷から左折し国道169号を南下し天ヶ瀬に出るが、これでは夜中十山の中であり、土地勘も無いので、右折し、吉野川を下って、吉野町に入り、岡崎から国道309号を走り黒滝村へ入って見た。

行者還トンネルの手前300b辺りで通行止めを知る!

道の駅「吉野路 黒滝」で休憩、さらに国道309号を天川村川合へ向かい、県道53号を見送り、次いで県道21号、この21号の方が広くこちらに入って上って行くと洞川温泉に着く。ここが稲村ヶ岳の登山口になっている。更に大峯山公園線は大峰大橋に伸び山上ヶ岳の登山口である。

今回は大峰山の最高峰八経ヶ岳が目標であり洞川温泉から国道169号へ引返し、再度、大台ケ原ドライブウェイの入口を経て、上北山村側から国道309号に入り、行者還トンネルの手前から登る事にして20:45 国道309号入口近くの駐車場、トイレ付きにて熟睡。大台ケ原から一番近い方法で来れば良いことになったが(笑)。

行者還トンネル西口の反対側

 国道309号駐車場「天ヶ瀬」の朝、昨夜は小雨から大雨になっていたが、どうやら雨が上がったようだ、トイレをお借りし、車は国道309号に入る、高度を上げるにつれ大台ケ原方向の雲が切れ美しい風景が広がっている。行者還トンネルの手前に駐車エリア数台、後で解ったがこのトンネルを抜けた所が西口(行者還トンネルの手前300b辺りで通行止めなので行けたネ)でここより大きな駐車場が有ったらしい、でもこの間違いが幸運と変わる。

大台ヶ原方向はいやな雨雲が停滞する

国道309号を離れた時は快晴だったが、行者還トンネルに着くと、小雨が降りだした、車内で30分待つ、天気予報は昼前から晴れると言う、小ぶりになり、駐車場から左の車両通行禁止の林道に入り、最初はちょっと下るが、直ぐに登山口、急登が始まる。

車を停めた所は:「行者還トンネル北山出口」、ここを登れば大峰奥駆道に出合ことが判明

 道は良く整備され歩き易い、天ヶ瀬からの登山道が合流し尾根に出る、美しい新緑で感動的である。時々ミツバツツジが咲き新緑をさらに美しく飾ってくれる。大木にヒメシャラ、雨に肌を濡らし美しい。

一度止んだ雨が再び降ってくる、木の枝に付けられたリボンは白(関東ではあまり見られない色)、笹やヤブが有ると濡れる所だが全くその心配は無い、広くて歩きやすい。大木の木々が何本も倒れ昨年の台風が近畿地方を激しく襲った事を裏付けている。

落葉の多い登山道は少しくらいの雨では滑らない、スミレの群落、弥山2時間15分、八経ヶ岳2時間45分の標識を見る、カメラを出すことを忘れさせるほどの美しい樹林が続く。

美しい新緑、足元は落葉でふかふか

ツツジの大木、シロヤシオだろう、このツツジが咲く頃ここを訪れたら感動物であろう。

大峰奥駆道に出合、ここから行者還岳への登山道が続き、大普賢岳を経由する峰奥駆道が吉野山に続いている

美しい尾根道を登った為か、大峰奥駆道出合に意外とあっけなく到着。

右は行者還岳・大普賢岳・山上ヶ岳へ続く長蛇の大峰山脈のルートだ、昨日車で通過した山上ヶ岳の登山口に続いていると思うと行者が歩いた大峰奥駆道の古道をしのぶ思いです。

弥山は左に折れる。強風が襲う、大木のブナとツツジの大木、足元には背の低い笹、強風でも雨でも苦にならないほどの美しさ、西口から登った人はここを通過しない、とても幸運なコースを歩いた事になる。

行者還トンネル西口分岐

 小さな上下は有るものの、ほとんど水平道、まもなく行者還トンネル西口からの登山道が合流する、行者還岳から縦走した若者、続いて東京からの若い夫婦が行者還トンネル西口から登って来る。「雨が何時止むのでしょう?」と言う、「10時半頃でしょう、あまり早く行くとまだ雨ですね!」と答える、強風と雨はまだまだ続く。

石休ノ宿跡辺りは平坦な所で美しい樹林が印象的だ、やがて登りになって、雨の多い山地らしく、倒れた木々に苔が生え神秘的な光景が広がる。

登り切ると弁天ノ森(標高1600b)。三角点が有る所だ。少し下って開けた平坦な箇所を通過する、この辺り樹林がとても美しい。

座った銅像、聖宝(しょうほう)宿跡に到着。ここから聖宝八丁と呼ばれる急坂が弥山まで続くらしい、「大峰奥駆け」の難所だ

石のゴロゴロした登山道が続き、深い樹林帯で木々の美しい、だんだん視界の開け雨は小降りに、風もだいぶ弱くなってきた。やがて丸太の階段が続くようになる、勿論昔は階段が無いから文字通り八丁のキツイ登りだった事だろう。

ここを登り切れば弥山に到着する

大峰奥駆けの主部を歩く男性3にお会いする「行者還小屋で同僚の1人がリタイヤ、八経ヶ岳を経て釈迦ヶ岳へと大峰奥駆道を歩く」と言う。

聖宝宿跡から約30分ようやく主稜線に出る、さらに右斜面に移って登り切ると弥山小屋の建つ台地に飛出る。天気予報が当たり雨の止み、風も弱くなり嬉しい気分です。先行した若いご夫婦も先に到着し休憩中。

弥山小屋から数分で弥山山頂、天河弁財天社の奥宮が建つ、大きな建物で何処が山頂点か解らない、三角点は見つからなかった。

国見八方睨が小屋の近くに有って大峰山脈の主稜線の行者還岳から大普賢(だいふげん)岳、山上ヶ岳への大峰山脈が見え、大台ケ原も雄大に望めると言う箇所は見逃してしまった。

弁天ノ森でお会いしたテントを背負った男性も笑顔で登って来た。


八経ヶ岳山頂 これでは展望を楽しめない トウヒやシラベの原生林を実感し下山する

八経ヶ岳を目指す、小屋の前は深い針葉樹林帯、この林を抜け短い急降下で古今宿(ふるいまじゅく)の鞍部、トウヒ・シラベの中を登り返す、オオヤマレンゲを保護する柵の出入り口を抜ける、積雪、さらに岩場を登り切ると八経ヶ岳山頂に到着。

近畿の最高峰標高1915bで岩に隠れそうな二等三角点が置かれている。八経ヶ岳(はっきょうがたけ)は紀伊山地の一角として奈良県吉野郡天川村と上北山村の境に位置する山である。奈良県および近畿地方の最高峰である。八剣山(はちけんざん)とも呼ばれるほか、役行者が法華経八巻を埋納したと伝わることから仏経ヶ岳(ぶっきょうがたけ)とも呼ばれるそうです。

ここでも大きなリックを背負った「大峰奥駆け」の男性、後から男性3人組も登ってくる、遅れて、ご夫婦が登って来ると、皆が望むよに、雲が切れ大展望が目の前に展開しそうになる(?)。丁度10時半頃かな。

釈迦ヶ岳の方向の景色、大台ヶ原方向は見えません

登山口の行者還トンネル西口に奥さんを置いて登った水戸市の男性、昨日は四国の剣山・石鎚山を登って来たという、なんでも淡路島を高速で駆け抜け、松山自動車道を利用すると楽に2山を登れるとのこと、但し奥さんは強行工程に疲れたようである。これから四国に渡るご夫婦はフェリーで和歌山市から渡るという。ちょっと四国に引かれるが改めて計画を立て鳥取の大山と合わせて登りたい、しっかりした計画を立てないと単にピークを登っただけで終わってしまう、そんな奥の深い大峰奥駆け道の最高地点でした。

弥山小屋

快晴傾向、弥山小屋に引返す10人程の登山者、聖宝八丁を下る、次々と登山者、朝の天候が快晴に変わって今日は遅いスタートが良かった、でもやはり登山は早い方が良い。「大峰奥駆け」の主部を楽しみながら下る、バイケイソウの群落に日が差し込み、登り時には味わえなかった林床の美しさを満悦。

晴れている時に再び歩きたい

聖宝宿跡を過ぎ巨岩が三個ほど続く辺りで振向くと小さく、弥山小屋が見える。大きな荷を担いだ先輩に会う、天川川合から上り昨日は狼平泊、今日は行者還岳方向へ向かう。「川合から熊渡まで車で入り、弥山川を遡って狼平経由で弥山へのコースがお勧め」と言う、大峰奥駆け道出合まで同行して大峰奥駆道のお話を聞く、自慢・自信の世界遺産である

古道から眺める展望

行者還トンネル西口への登山道を見送り、大峰奥駆け道出合間は今回のコースで一番美しい所と言って良い、大木のツツジとブナに囲まれた登山道をのんびり、走ることなくじっくり味わいながら、何度も「ここは良いところだ」と繰返す。先輩も何度もうなずく、関東で言うと塔ノ岳と丹沢山間の日高辺りはブナが美しい所、そこを引き伸ばした感じです、そう言えば丹沢表尾根にも行者ガ岳(標高1180b)が有りますね丹沢は富士山展望抜群

大台ケ原方面の展望

左奥に金剛山方向の山々が見え、右には大台ケ原の大きな山容を望む、文字通り大きな台地で素晴らしい。大台ケ原ドライブウェイがその山容を食い荒らすアリの通り道に見えるのは私だけだろうか。

大峰奥駆け道出合で先輩と別れ、1人下る、この下り道は朝付けた踏み跡のみ、スミレが小さな花を広げ、ミツバツツジが咲き誇り、新緑がとても素敵である。

明るくなった樹林帯

チークダンスをするかの様に抱き合った大木の脇を下る。ヒメシャラが多くなれば尾根から左に折れ、斜面に付けられたなだらかな登山道を下る。

美林

登山口に到着、駐車場(以前は有ったようだ)へ上って行くと、谷を挟んで大台ケ原がとても美しい。

車に戻り休憩、山頂で別れたご夫婦が行者還トンネルを抜けてやってくる、車を停め大台ケ原を望む「あそこから大峰山が美しく見えているのね」と奥様。山を越してやって来る人々の思いは一致するモノが有る。

大台ヶ原を望む

大峰山と大台ケ原の間を縫う様に国道169号が走っている

大峰山から吉野町に戻るには、長いドライブが続く

この国道169号で吉野町方面に戻って宮滝大橋北詰から国道370号(伊勢街道)に入り、近鉄大阪線榛原で国道369号に移り、針ICを目指す、針インターから国道25号(名阪国道)に乗れば、亀山市で国道1号に合流し、以降はお好みの路で我が家に!

【参考】
熊野古道:延喜七年(907年)宇多法皇御幸に始まる大自然信仰の熊野詣での参道で、京から八十里以上、往復約一ヶ月を要しましたと言われる。その「熊野古道」には:

大辺路:紀伊路方面から紀伊半島海岸沿いに回る道
中辺路:田辺から本宮へ向かう道
小辺路:高野山から南下して熊野に至る道
伊勢路:紀伊半島の東海岸沿いに伊勢神宮に向かう道
十津川街道:吉野から大峰山脈の西側を十津川沿いに南下する道
北山街道:東側を北山川沿いに南下する道

そして、「大峰奥駆け」と呼ばれる、山岳修行のルートが今回登った大峰山が、その中核であった訳である。吉野山:吉野から熊野への行者が越えるスタート地点、世界遺産の熊野古道のスタート地点と言っても良い、最近、吉野から大峰山を越えて熊野に抜ける縦走路が大変人気らしい。熊野本宮大社からは小雲取越・大雲取越を経て熊野那智大社を越えようやく熊野古道は終点となる。

 

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