駿河の人気、安倍奥の最高峰 安倍川を遡る 山伏(やんぶし) (標高2014メートル)

日程 20011230日〜31日 快晴 

 富士山の雄大な姿は皆さんに見せてあげたい、山頂は笹原・黒木・立ち枯れの広がる高原で、ヤナギランの群生地山伏

 昨夜まで降った雪の山頂から、富士山の雄姿を満悦して頂きます。

 <東>:富士山の雄姿、十枚山、下十枚山、ヨモギ沢ノ頭、大谷崩ノ頭、安倍山系の山々

 <北>:双耳峰の笊ガ岳と手前の布引岳、その奥に北岳、塩見岳、悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳

 <西>:上河内岳、仁田岳、光岳、大無間山・小無間山、前黒法師岳、朝日岳、沢口山

 

雪が積もっている山の風景

自動的に生成された説明

山伏山頂から2001年の雄大な富士山

コース

30日>新田20002010ワサビ田⇒大谷川に架かる橋⇒2040戻り:ワサビ田で車中泊


31日>ワサビ田620⇒大谷川に架かる橋⇒大谷崩・山伏分岐630山伏登山口:徒歩開始645―(030)→730ワサビの小屋―(040)→900蓬峠1417b―(025)→945ブナの大木―(045)→1105市営山伏小屋・山伏分岐―(010)→1120山伏2013.7b1230―(060)→1345蓬峠―(020)→1425大岩―(110)→1450山伏登山口

<新田まで>

 丹沢連邦の大山が良く見える国道246号、秦野では富士山大きく見え、新松田を過ぎた頃から夕日に輝く富士山を見ながら御殿場から沼津を通過する頃には日が落ち、今度は満月が昇る、清水港に立寄り夕食、大きな月がとても印象的、家内とここまでやって来た!

 清水港から山伏の登山口へ向かいます。

JR静岡駅前の松坂屋を見て国道1号から右折、安倍街道に入る、約50`で新田に着く、山伏入口の標識は無いが大谷崩の案内が立っている、舗装された道だが幅は一台の車分です、すぐに右側にワサビ田がある、大谷川を渡る橋の手前で林道が分岐橋を渡ってみると積雪があり、心配なので今夜はワサビ田に引き返し、少し広い場所に車を止め一夜を過ごすことにした11月末、2001年も終わる、そのお月さんが回りの山々を美しく照らし幻想的、夜中目がさめ空を見上げると月明かり、明日は快晴だろう、夢を見たかかどうか?

<山伏登山>

530起床、朝食、600頃一台の車がノンストップで通過してゆく、私たちも登山口を目指す、大谷川に架かる橋を渡る、狭くて少し長い、渡って直ぐ急坂、ここに積雪があり注意したいところ、坂を登り右に曲がり、すぐ大きく左カーブ、その後はなだらかな林の中を走る、再び登りになったところが大谷崩・山伏の分岐、右:大谷峠、左が山伏方向、道は狭く左に少し下ってゆく、この道は積雪、ありがたい事に砂利道で滑らない西日影沢沿いで奇麗なところ、駐車場には心配ない、林道脇にも駐車スペースがある、林道の左に登山者用の駐車場、沢側が崩れているが20台は駐車可能、ここに車を止めました、山伏登山口だろう

歩き出す、車道はさらに続いている、一台の車が止まっている、沢(日影沢)を渡るとすぐ山伏登山口、登山計画書の木箱もある、登山道に入る、ワサビの運搬用と思われるモノレール(一本のレール)に沿って登る。

沢から離れ、杉林の中をゆるやかに登って行くと、林の右奥に小さな滝が現れる、林を出たところにワサビ田がありワサビがビニールで覆われている、左側のワサビ田は休田のようだ、今度は沢に下り、第一の木製橋を渡る、奇麗な滝を見る。

橋を渡り急な坂を登るとまたワサビ田に出る、第二の木製橋を渡る、「大石」が「大岩」に訂正されている標識、すぐ上が大岩、岩の左に小屋があるが登山道は右に登る、大岩は数個、沢に下り第三の木製橋を渡る、ここから急な坂が始まる。

右側の沢を渡り、再び登ると今度こそ本当の最後の水場になる、小さな沢を渡ると数段の鉄製の梯子。

積雪が多くなって、先行する足跡もここからアイゼンを着けたようだ、家内もアイゼンを装着する

登り切るとやや右側が明るくなり、展望が開けそうになるが雑木林にさえぎられてダメだ。頭上は青空が広がり雲ひとつ無い好天気、今日は美しい富士山が見えることを期待し登り続ける。家内も笑顔が出てくる。

また急な斜面になって、なかなか峠に着かないなと思う頃、やっと「よもぎ峠」に着く標高1471b、大谷崩が樹林の間から見え、大谷崩ノ頭が雄大で日本三大崩壊地だという、よもぎ峠は登山口と山伏山頂の中間点、期待の富士山はまだ姿を現さない、方向としては、大谷崩の後ろだろう。

今度は登山道が斜面の右側をゆるやかに進むようになる、すぐ急登になって積雪も多くなり歩き難い、その後左斜面を巻くよう登って行く、左側が開け、見晴らしが良くなって、振り返ると、初めて富士山の姿が現れるブナの大木、枯れた木々がある、ここが稜線かと思わせる箇所を二回ほど繰り返す、そのたびに裏切られる、近そうな市営山伏小屋分岐になかなか着かない。ツライ所です。

一人の男性が追い抜いてゆく、この人が今年50回山伏を登った人だった(山頂で山伏の詳細を彼が教えてくれる)と後で教えてくれる。

急な斜面を木の根を頼りに登る、コメツガやウラジロモミが多くなってようやく山頂部の尾根に着く、積雪が深まる、まるで車道のような幅の道で、深い雪、数名の人が通った踏み跡だけに少し踏まれ歩き易くなっている。

広いゆるやかな道をゆっくり歩いてゆくと、市営山伏小屋分岐に着く、小屋からの足跡があり、昨夜ここに泊まった人がいたようだ。この小屋なかなか人気の無人小屋とのこと。

ここからは笹原の道、ヤナギランの群生地の案内が立っている、一面笹に覆われた広大な草原に出る。雲ひとつ無い青空が大きく広がる、風も無く、日が当たりポカポカ陽気。

突然!目の前に雄大な富士山が姿を現す、さっきまで眺めた富士は山頂部のみだったが左右対称の裾野を広げ素晴らしい姿になっている

一本の大木(登ったひとならこのポイントは誰しも感動する場所だろう)の根本から眺める姿は格別、ここから山頂は近い、広い山伏山頂(標高2013.7b)に到着。

富士山とは反対側に南アルプスの峰々が並んでいる、特に聖岳と赤石岳が大きい、大笊・小笊の双耳峰の笊ガ岳が印象的、笊ガ岳(標高2629メートル)は正面に富士山、後ろに南アルプスの峰々を眺める大展望が得られる人気の山だと、先行した登山者が教えてくれる、その奥に頭をのぞかせる北岳。北岳は私達も登っており、こんな遠くから遠望でき心踊る気分になる。

 先行の男性、最近山の写真を撮り始めたらしい、山伏の撮影ポイントを教えてくれた、そこは山頂の手前で登山道から10b程笹原に入りベンチがあるところだ、カメラを構えるためのベンチらしい。先行した人、今年だけで山伏に50回登ったという人、単独の男性2人、後から登ってきた老ご夫婦と私たちだけ、静かな山頂、雪に覆われ座るところが無い、お待たせの甘いインスタント「しるこ」は体が暖かくなってくる、美味し!

快晴で360度申し分の無い展望、遠くに駿河湾が見え、南方向には静岡市方向の海も大きく広がる。富士山の右裾野側には箱根連山、その手前に愛鷹連峰が望める、さらに遠くに、伊豆の山々も見えている、静岡市を囲む無数の山々も全てそろって見える、遠くから山伏に来て良かったと思う瞬間である

大展望を惜しみながら下山開始、途中、今夜山小屋に泊まるのだというご夫婦が大きな荷物を背負って登ってくる、日の当たるところはすっかり雪がとけポカポカ陽気だが、日影は深雪(深いといってもアイゼンは必要ない:10センチ程度)

下山は予想以上に歩き易く、2時間半で駐車場に着く。

車に合うこと無く狭い林道を新田まで下る、左に曲がり梅ガ島温泉に向う、温泉の入り内に観光案内、「よしとみ荘」tel054-269-2202を紹介してもらい、渓谷美を遡ること5分、有料駐車場の看板のある「よしとみ荘」入口を右に下る。

広大な駐車場のある「よしとみ荘」の前に着く、さっそく風呂に飛び込む、こんこんと湧き出す湯船、男湯・女湯が揃っている。

「ああー良い気分、、」である、目の前に露天風呂もあるが今日は寒く眺めるだけ。荘の裏側には八紘嶺(はっこうれい)が聳え、左側に安倍峠への林道が通じているが、今日は冬季で通行禁止だそうです、安倍大滝(日本の滝100選)入口でもある。

梅ガ島温泉は静岡市から約50`、安倍川の源流、梅ガ島温泉を離れる山伏入口を過ぎると「赤水滝」の二段の滝が安倍川の反対側に見える、コンヤ温泉もある、安倍川の水量は少ないが驚くほど川幅が広く雄大なものである、お茶畑がとても美しく印象的

静岡から国道1号を離れ清水で夕食、国道1号で箱根峠へ、峠から十国峠方向に数100b向かい、駿河湾周辺の清水・沼津・富士方面の夜景を楽しむ、月明かりの富士山が夜空に聳える。芦ノ湖を経て小田原、交通量は少ない、小田原、大磯、、、すいすい国道1号を走り、東京へ。

山伏周辺

静岡の山に登って見たい、地図を広げると静岡市を流れる安倍川を遡ると多くの山々が連なっている、ガイドブックを開くと安倍奥は西と東に別けて説明されている、山伏は西山陵の筆頭である、東山陵には七面山が有名。

静岡市を北に向うと安倍川に沿って走ることになる、突先山(とつさきやま:標高1022メートル)、竜爪山(標高1051メートル)、真富士山(まふじやま:標高1343メートル)、二王山(標高1208メートル)、篠井山(標高1394メートル)、十枚山(標高1726メートル)、笹山(標高1763メートル)そして目的の山伏(標高2014メートル)その奥に八絋嶺(標高1918メートル)、七面山(標高1982メートル)と数えればきりがない、また富士山の眺めが良く、静岡市民の人気であり自慢でもある。

 梅ガ島温泉の手前の新田メモ:

静岡からバスで約2時間、距離にして50`、ここから山伏登山口へ、新田で左折し、大谷川を遡り、大谷崩方面(大谷崩林道)と山伏方面(西日影沢林道)の分岐の辺に車を停めたいが駐車場が無ければ山伏方面に向かい西日影沢の山伏登山口の駐車場を利用する、駐車場は充分ある。西日影沢に沿って登る、ワサビ田を過ぎ、大岩を見て、幾つもの沢を渡り、少し登ると蓬峠。尾根の南側に出るとだんだん急登になる、まもなくブナの大木に着く、休む暇もなく急登が続く、ダケカンバ、ブナ、コメツガ、トウヒ、ウラジロモミなどの広葉樹林が入れ替わり美しい林が続く、市営山伏小屋と山伏の分岐に出ると、まもなく山伏の山頂は近い。安倍奥の山の中で1、2を争う展望が待っている、大谷崩(日本三大崩れ、この崩れを見に登ってくる登山者が多い:下山に通過)、安倍峠、バラの段、大光岳、十枚山、下十枚山と続き、南アルプスの主峰が峰を連ねる。山頂は静岡・山梨両県の境、大谷崩は山梨県側、ヨモギ沢ノ頭、鹿ノ踊場(大平沢ノ頭)、新窪乗越で大谷崩に向かう、慎重に下りたい、扇ノ要(おおぎのかなめ)に出ると駐車場がある、ここから見る大谷崩の風貌は凄いにつきる、後は自家用車の置いてきた場所に下ろう。下記は大谷崩を通過するコース、冬季は時間が長いので勧められない。

 

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