浅間山   標高2,568b  黒斑山 標高2404b
下合火山で円錐形、世界でも有数の活火山として知られる。
車坂峠から黒檜山をへて浅間山

日程  2001826 (日)晴れ

●コース

車坂峠515―(表コース)→530最初のピーク:車坂山→鞍部→552最初のガレ場→622槍ガ鞘(やりがさや)避電小屋→630赤ゾレの頭→635鞍部(表・中コースとの分岐)→640トーミの頭→湯ノ平分岐→700黒斑山山頂(標高2,404メートル)→725蛇骨岳(標高2,366メートル)→ピーク1(仙人岳(標高2,319メートル)、トラバース)→ピーク2(休憩)→800Jバンド上(標高2,262メートル)下山開始(鋸岳手前)→820Jバンド下→830浅間山荘とJバンド登山道分岐→923前掛山(標高2,524メートル)と山頂分岐→浅間山940前掛山と山頂分岐→1045浅間山荘とJバンド登山道分岐→1130湯ノ平―(草すべり)→湯ノ平分岐→1150トーミの頭1210鞍部(表・中コースとの分岐)―(下りも表コース)→1300車坂峠



車の音で目を覚ます、車坂峠の駐車場515スタート、道路を横切り表・中コース分岐、展望の良い表コースを選択、足もとにはマツムシソウ、シラタマノキ(実)が咲いて、昨日登った水ノ塔山・篭ノ登山が実に美しい。

最初の小さなピーク(車坂山)を越え、鞍部へ、急な坂が始まる、何度かガレ場にでる、人影はまったく無い、尾根に出ると黒斑山がでっかく見え、中コースからは人の声が聞こえる、中コースは表コースより10分程度短いが展望は表の方がだんぜん良い、ゴゼンタチバナが沢山赤い実をつけている、樹林帯を抜け、シャクナゲが多くなり尾根に出る、滑りやすい急坂を登ってゆくと大きな浅間山が見えてくる、まもなく槍ガ鞘避電小屋、浅間山の噴火時の避難小屋、すぐ赤ゾレの頭に出て、浅間山外輪山の南端になっている、浅間山上空には日が昇り、30分ほど早く着いていたら浅間山山頂に掛かる日の出を見ることができたであろう、雄大な浅間山を見ながら鞍部に下る、イワインチン(イワヨモギ)が岩の陰に咲く、10数名の登山者が登っているトーミの頭に着く、一段と浅間山が美しい。

トーミの頭からすぐに湯ノ平に向かう「草すべりコース」を見過ごし、10分程で黒斑山山頂、山頂からは、浅間山山頂から長い裾野が湯ノ平まで続く様子が見渡せ雄大な風景を楽しむ。

車坂峠の駐車場でお会いした男性と女性が中コースを登り、先に出発した私を抜いていた、彼らは直ぐ下山し八ヶ岳の麓:清里に向かうという、別の若いご夫婦が地図を広げている、この先の山道は地図には無い、「Jバンドまで行き浅間山へ行く、、」のですがと、話し掛けると蛇骨岳を目指すことに決定、この二人は私に影響され予定を大幅に変更し結局、浅間山に立つことになる。

黒斑山山頂から先に進む、最初は樹林帯の細い道だが直ぐに明るい尾根に出ると快適な稜線歩き、先にスタートした二人は快調に飛ばしている、眼下に広がる湯ノ平はジュウタンのような草原で、それを囲む外輪山、絵巻のようである、真正面には大きな浅間山、この霊山浅間山を登って良いのかとさえ思う、美しさと雄大さに圧倒される、少し下り気味になると、大きな岩のある蛇骨岳に出る、浅間山にさらに一歩一歩近くなった感じです、岩の後ろにシラビソが卵形の大きな実を付け樹林帯が広がっている、浅間山側と反対の斜面は別世界。

蛇骨岳から少し下る途中、崩れが激しいのか「むしろ」がひかれ、山道は工事・整備中、鞍部に着く、次の峰がきっと仙人岳(標高2,319メートル)だろうか、トラバースの道が左斜面に引かれ難なく通過、また次の鞍部に下る、今度は低いピークなので登ってみた、休憩するのに良い場所だ、

先に行った二人がJバンド下りの先の岩で休憩しているのが見える、また「この霊山浅間山を登って良いのか」が頭をよぎる、少し休んだら急に力が出てきた、清い心で登ろう!!

眼下にはJバンドから延びる歩道が湯ノ平方向の林に続き、林から約45度の傾斜で登山道が浅間山山頂に延びている、そこをゆっくり登ってゆく登山者の姿が小さく見える。

鋸岳(標高2,254メート)から急な坂を下り、Jバンドに向かう、大きな岩の壁に「Jバンド」と大きな字が書かれている、外輪山の南端赤ゾレから北端まで縦走したことになる、ここまで来ると浅間山は見上げる位置、富士山の五合目から山頂を眺めるのと同じ感覚です、一気にJバンドを下る、もー後戻りは考えられない、浅間山の頂上だけを思う、危険な箇所は無くJバンド下に到達しそうである。

大きな岩の横を通過し、Jバンド下に降立つ、上から見た歩道に出る、月面に降りた気分をちっと味わう、左に浅間山、右に外輪山を見ながら進む、見慣れない光景です!

裾野から山頂に一直線に向かう道を登って行く人がはっきりと見える、登山者の声が聞こえてくると、ヤナギのような樹林帯で湯ノ平からくる登山道に合流する。

後はたんたんと登るだけ、ときどき振り返ると外輪山が一望できる、西部劇の映画を見るような光景です、道の角度45度を越えると急にキツクなる、砂で足を取られる、つまり海岸の砂場が傾いた感じの登山道です、浅間山は生きて今も活動している活火山である。

10人ほどの団体さんを抜く、三人の男性が休んでいる、彼らは浅間山荘からだという、蛇骨岳周辺からの浅間山の眺めを話すと「そうだよな、ここでは浅間山は見えないよね」と残念がり、なんども納得している、抜いた団体さんも追いついてくる、彼らも浅間山荘組。

長い長い単調な登りが岩場の道になると、前掛山と山頂の分岐に着く、この先は山道が細くなり山頂まで斜めに続いている、ゆっくりゆっくり登ってゆく、ご夫婦が下ってくる、「噴火口をのぞくと、凄い有毒ガスで、、」という、分岐から約10分噴火口の渕につく、浅間山の山頂は確認できない!岩が積んである大きな岩に両手を付きながら恐々と噴火口をのぞく、悪臭が襲う、一瞬で身を後に飛ばし、逃げ出す

今日は風が登山道側から吹き、噴煙が逆だからよいが、風が反対から吹いたら一瞬に登山者は、この硫黄の有毒ガスに飲み込まれるであろう、完全解禁になるのは21世紀末?どうかな!自然の力は数世紀で変わることは無い!

前掛山と浅間山の間は大きくえぐれ、火山の凄さを思い知らされる、日光男体山、那須の茶臼岳など浅間山に比べたら静かなものである、前掛山は山頂との分岐から5,6分で立てました、ここからの浅間山は迫力です。

長居できる所ではない、下ることにする、Jバンドで引き返したかと思ったご夫婦も笑顔で登ってくる、「Jバンドの上から眺めたら、下のほうをあなたが歩くのが見え、私たちも来ました、、」とニコニコ笑顔。当初の計画を変更するのは良くないが、今回の判断はすこぶる良い!

浅間山にはオンダテ(ウラジロタテ?)が無数に生え、すでに黄色になってしまい緑色の草は一本も無い、他に生きた生物は私ら一時登ている人間だけである。

湯ノ平とJバンドの分岐から樹林帯の中を緩やかに下る、マツムシソウの群落を通過、湯ノ平は外輪山の壁に囲まれた広場、小さく「黒斑山へ」の案内もある、ここから草に覆われた道を黒斑山に向かう、草すべり、下り40分登り60分という、あまりにも細い道で大丈夫かなと思ったら一人の青年が下ってきた、相手も私と出遭いほっとしたようす、素晴らしいお花畑が待っている。

枯れ沢を横切ると本格的な急坂、見上げると黒斑山山頂・トーミの頭だろうと思われる岩場から何時岩が落ちてきても不思議ではないくらいの怖い風景だ、ここは悩まず・迷わず、どんどん登るしかない、数本カラマツとシラビソがはえ枝を伸ばしている、トリカブト・アザミ・ハクサンフウロ・オヤマリンドウが咲く、黒斑山の稜線では生えない花である。

登山道は稜線のどの辺り岩場にたどりつくのか解らないが、上のほうで人の声、家族3人が下ってくる「これから浅間山に娘さんを連れてゆく」という、「沼田からで毎日浅間山を眺めて生活している」と言う家族、「あそこに登った、、」と娘さんと思い出を作りたいと言う。

彼らに聞くと「ここを登り切ると、トーミの頭にあった湯ノ平への分岐」に飛出るとのこと、安心して登ることにする、今度は大きなカメラをもった小学校2,3年生とそのおじいさんが下ってくる、年に一度は孫を連れて山登りを続けたいと言う。

草すべり」終盤で、稜線に残り10b辺りでウメバチソウの群落に遭う、疲れがスーッと消える、トーミの頭から黒斑山山頂方向へ5,6歩進んだ合流点に到着、湯ノ平から一時間の急坂登りは終わる。

まだ12:00、どんどん黒斑山を目指しての登山者が登ってくる、無情にも浅間山はすっぽりと雲の中。

帰りも表コースを選択、表・中・裏コースとあり表コースは車坂峠からで見晴がよく人気が高い、中・裏コース車坂山荘からでちょっと表コースとは違います、裏コースは蛇骨岳へのコースで通行不明、中コースは黒斑山には一番短時間で登れます。

かまぼこ形の避難小屋に着いた途端に雨がポツポツ降ってきた、振り返ると浅間山は雲の中、黒斑山にも霧がたちこめてきた、高峰山や篭ノ登山方向も雲がかかり視界がわるくなる、さらに男女5,6人のグループが登ってくる、ガレ場に出た頃、今度はご夫婦が登ってくる、ちょっと気の毒な空模様になってくる。

車坂山鞍部へ下り、最後の登り、中コースを歩く人が見える場所だ、数人が下ってくるそのコースとは最後まで合流はしない。

ピークを過ぎると車坂峠の建物が見えてくる、足元にはマツムシソウやシラタマノキが多い。

車坂峠に着く、雨が本降りになり回りの山々が雲に隠れてきた、観光客の帰る時間ではなく道路はガラガラ空いており小諸へと下る。

HP:わたしの天気予報