霞ヶ浦環境科学センターイベントin2015    霞ヶ浦自然観察会 第15回 
「春を探そう!!早春の生き物観察会」
(霞ヶ浦環境科学センターの庭先にて)

日程:201635 (土) 曇り 啓蟄(けいちつ)

春なのに姿消す生き物


霞ヶ浦環境科学センターの庭先から
晴れていると、富士山が見え、
ここから、1212(次は12)前後にダイヤモンド富士が見ます。

平成27年度 第15回霞ヶ浦自然観察会

日 時 平成28 35日(土)午前10時〜午後14時半まで
集合場所 茨城県霞ケ浦環境科学センター
送迎バス 途中,土浦駅東口からも御乗車できます。
       
(行き:土浦駅東口午前9時半発 帰り:午後310分着)
場 所 :霞ヶ浦環境科学センター
内 容  :本格的な春の到来を前に生き物たちはすでに準備を始めています。
        
センターいきもののにわで,春を迎える生き物をたくさん探しましょう!!

今日は霞ヶ浦環境科学センターの「センターいきもののにわ」での活動とあって参加者は少なめ、だが、参加の子供たちが始終春を迎える生き物に興味を持ち、午前中の採集、午後の顕微鏡を使っての観察と主役を演じ、楽しい雰囲気でした。

 
庭先の池でカエルの卵を見つける

 
網と手でオタマジャクシを採集

ニホンアカガエルは塊状、アズマヒキガエルは長いひも状の寒天質の中にある。

 
左:シラカシ                  右:ヒサカキ

シラカシ(白樫 ブナ科)は材がアカガシに比べ、淡い色のため、あるいは葉の裏が、白っぽいための名。葉は互生し、狭長楕円形。縁は上部に鋸歯がある。葉の裏は、白みを帯びるため、シラカシの名が付いたとも言われる。葉の下に穂状に雄花が付く。雌花は枝の先に付くが、目立たない。堅果は秋に熟す。総苞は半球形で、横輪がある。直ぐ隣にクヌギが有って、クヌギのドングリは、直径2aと大型で、下半分はお椀型の殻斗に包まれる、並べると面白い。

ヒサカキ(姫榊 ツバキ科)は暖地の林に、きわめて普通にある、関東では少ないサカキの代用として、庭木にもされている。樹皮は、灰褐色で平滑だが、不規則な細かい縦しわがある。葉は互生。葉身は長楕円形。縁は鈍鋸歯がある。サザンカの葉に似るがヒサカキの葉柄は無毛。雌雄異株。34月に、葉腋から15個の、白い小さな花を束生する。独特の強い芳香があり、早春に林を歩くと、香りで分かる、良い匂いとは言えない。

樹木の冬越し:クヌギが落葉樹、ヒサカキが常緑樹

草の冬越し:種子で冬越し(ツユクサ、イヌタデ、ツリフネソウ)、ロゼットで冬越し(ナズナ、タンポポ)、芽生えで冬越し(ホトケノザオオイヌノフグリ)、地下茎で冬越し(フクジュソウ、カタクリ、シロツ、ススキ、イタドリ、ドクダミ)

 
左:ヘラオオバコ(箆大葉子) オオバコ科                 右:スズメノヤリ(雀の槍) イグサ科 

ロゼット状の植物が足元に多い、上の写真だが芝刈りじに切られているが、ヘラオオバコだと思います。ブタナ、オニノゲシ、オオジシバリ、オオバコ、スイバ等が足元に有りました。ロゼット:植物図鑑の用語解説には「地表面付近にあるごく短い茎と、それから出てほぼ水平に広がった多数の葉とからなる集合体」と書いてあります、冬越しの姿として見られるものです。

スズメノヤリ(雀の槍)は多年草です。日本では全国に分布する在来種です。名の由来は、頭花の形状が大名行列で使われた毛槍に似る事から、大名行列の先頭などで振り歩く時に使われました。スズメは、小さなという意味。イネ科のスズメノヒエ(雀の稗)とは大きく違いますネ!

 

オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウの三種類が霞ヶ浦環境科学センターの周りに多く、自宅の近くにも多く咲き誇る。

 
左:クサボケ(草木瓜)バラ科                           右:ヤゴを採集

 
左:エビが多く、ヤゴは少ない                   右:トクサ(砥草、木賊)シダ植

トクサは本州中部から北海道にかけての山間の湿地に自生、観賞用などの目的で栽培されることも多い。表皮細胞の細胞壁にプラントオパールと呼ばれるケイ酸が蓄積して硬化し、砥石に似て茎でものを研ぐことができることから、砥草と呼ばれる。地下茎があって横に伸び、地上茎を直立させる。茎は直立していて同じトクサ科のスギナやイヌドクサ、ミズドクサの様に枝分かれせず、中空で節がある。子供たちに茎を触らせると、ザラついた感じがし、引っ張ると節で抜ける。節の部分にはギザギザのはかま状のものがあって、それより上の節の茎がソケットのように収まっているが、このはかま状のぎざぎざが葉に当たる。茎の先端にツクシの頭部のような胞子葉群をつけ、ここに胞子ができる。紙ヤスリが一般的な現代でも高級なつげぐしの歯や漆器の木地加工、木製品の作業工程などの磨き仕上げる工程に使用されている。”砥石になる草”、”砥ぐ草”に由来し、「砥草」とも書く、「とぐくさ」→「とくさ」

 
アズマヒキガエルの確保  全員が見て直ぐ放す!

午後は、最終した生き物を顕微鏡を使って観察。

池で最終した、ヤゴ、エビ、マツモムシ、ゲンゴロウ、カゲロウ等に分類。

ゲンゴロウハイイロゲンゴロウ、体長 1214_、分布 北海道・本州・四国・九州・南西諸島、出現期 310月、エサ アカムシなど。水田に多く見られる中型のゲンゴロウ、淡黄色に黒い点刻が多数あり、灰色に見えることからハイイロの和名がある、更に黒い斑紋もある。

マツモムシはカメムシ目 カメムシ亜目 マツモムシ科、大きさ 11.514_、分布 北海道・本州・四国・九州。水面で仰向けに浮かび、長い後ろあしをオールのように使って泳ぐ水生カメムシ。池や沼に多く、水たまりにいることもある。水面に落ちた小動物などの体液を吸う。不用意に手でつかまえると口で刺されることがある。飛びたつためにクルリと反転し、けっこう飛ぶのが得意。

エビミナミヌマエビ、袋にいれて、頭のトゲと角のぎざぎざを見ると、判る。トゲが一番下・内側・内側・目上の4個で、このエビには一番下のトゲがある。ミナミヌマエビは陸封型、霞ヶ浦で

ヤゴはトンボの幼虫、前年の秋にふ化してヤゴで冬越し、春以降にトンボに羽化するものもいる。

トンボの飼育はすぐ死んでしまう、観察後はすぐ空に放すこと、ヤゴの観察は種類調べでも多くて大変です。

資料によると、大きく2つに分けれ。参考:ポールの生物調査〜ヤゴ救出作戦〜

(1)イトトンボ・カワトンボの仲間
体が細長く、腹の先に3つの尾
鰓(びさい 尻尾のよなもの)をもち、ここから水中の酸素を吸収します。
泳ぐときは体をくねらせて泳ぎます。

(2)アカトンボやシオカラトンボ、ヤンマ類など
体が太めで、尾鰓がありません。水中の酸素は、肛門から水を取り込み、直腸の中にある直腸器官鰓(ちょくちょうきかんえら)から吸収します。
泳ぐときは、肛門から吸い込んだ水を一気に噴出すジェット推進です。

カゲロウ・イトトンボの仲間

アオイトトンボの仲間

シオカラトンボの仲間

アカネの仲間

*霞ヶ浦環境科学センターの小さな沼に、上記のヤゴが幾つも見つかり面白いですね!

筑波山トンボは、オニヤンマはじめ、ギンヤンマ、ヤマサナエ、シオカラトンボ、アキアカネなど。珍しいところではムカシトンボが生息する。
        
アキアカネは筑波山など涼しい山にわたり、秋になると成長し平地に戻り、産卵する。冬には成虫は死に、卵や幼虫のヤゴで冬越しです。

 魚の知識豊なさかなクン

春なのに姿消す生き物 2016/3/5 朝日朝刊

啓蟄、冬ごもりの虫たちが動き出す時期、気象庁は1953年から、季節の移り変わりを動物の様子でみる「生物季節観測」を続けているが、温暖化や都市化の影響で身近な生き物が見られなくなっている。生物は、気象台職員が初めに見た日を「初見日」、初めて鳴き声を聞いた日「初鳴日」、植物は花の「開花日」などを記録に残す。ところが近年、観測が休止に追い込まれる事例が相次いでいる。千葉県銚子市の銚子地方気象庁では、トノサマガエル2011年以降は見られない。毎年のように確認されたが、5年間も見られないのは初めて。かつて、東京都と神奈川県を除く45道府県で確認された。しかし、15年春に観測を実施したのに22県で、姿が確認できたのは栃木や三重など5県のみ。25都道府県はすでに観測をやめている。ホタルやヒグラシも休止に追い込まれている。ホタルは14都道府県で対象から外した。44都道府県で記録があるヒグラシも、現在は37都道府県しか観測を続けていない。

東京都・大手町の管内気象台では11年、6種の観測をやめ、ウグイス、ツバメ、シオカラトンボ、アブラゼミ、ヒグラシの5種類に絞った。ただ「春告鳥」とも呼ばれるウグイスの鳴き声00年を最後に確認できない。地方都市でも変化が見られ、甲府地方気象台のヒグラシの初鳴は13年が最後だ。

生物の観測エリアは気象台の敷地内か、半径5`以内にある雑木林や水辺などで、職員が定期的に観測しにいく。敬愛大学国際学部非常勤講師の松本太さん(環境学)は「地球温暖化が進んでいるうえ、気象台がある都市部では開発による環境変化やトーヒアイランド現象で、生物が生育しにくい環境になっている」と分析している。

そして、朝日新聞はカラー写真付きで:「生物季節観測の対象動植物」を示している:

  動物・鳥・虫
ヒバリウグイス、ツバメ、モンシロチョウ、キアゲハ、トノサマガエル、シオカラトンボ、ホタル、アブラゼミ、ヒグラシ、モズ 11

  植物
ウメ、ツバキ、タンポポサクラ、ヤマツツジ、ノダフジ、ヤマハギ、アジサイ、サルスベリ、ススキ、イチョウ、カエデ 12

 

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