霞ヶ浦環境科学センターイベントin2015    霞ヶ浦自然観察会 第4回 
霞ヶ浦の水利用とスタジイ林の植物(椎尾山薬王院)

日程:2015627 (土)梅雨 小雨    睡蓮:霞ヶ浦総合公園の睡蓮 レンコンは7月上旬から!
                霞ヶ浦の水利用

 
左:市指定文化財の薬王院本堂&薬王院三重塔                              右:巨木のスタジイ

桜川市観光ガイドによると:薬王院本堂(市指定文化財)は、数度の火災を経て現在のものは延宝8年完成。本堂薬師寺如来、因陀羅大将像など指定文化財を多く納め、内陣小壁の彫刻、彩色画も見事です。薬王院三重塔(県指定文化財)は、38世紀学頭、本孝、39世紀尊孝が、大工棟梁桜井瀬左衛門安信の手により宝永元年に完成させたもの。色彩豊かな装飾建築が見事で、桜井安信は7年後に著名な成田山新勝寺三重塔を完成させており、その点でも重要な文化財です。薬王院仁王堂(市指定文化財)は、本堂に遅れること8年、同じ大工棟梁桜井瀬左衛門により完成。装飾建築とともに仁王像、長い参道石段も見ごたえがある。

椎尾山薬王院は、標高200b椎尾山(しいおさん)中にあり、延歴元年(782年)最仙上人が開山したと伝えられる古刹です。全山が樹齢500年に及ぶスダジイの樹叢に覆われ、その中に県指定文化財になっている荘厳な三重の塔が建てられています。所在地、茨城県桜川市真壁町椎尾3178 0296-55-4319

筑波山登山コースは筑波山神社(御幸ヶ原コース)とつつじヶ丘駐車場(おたつ石コース・白雲橋コース)から登るコースと桜川市側からの薬王院コース、男の川コース、筑波高原キャンプ場コース、東筑波ハイキングコースとある、今日の霞ヶ浦自然観察会は薬王院コースの出発点の「つくし湖の休憩所の駐車場と薬王院間」で実施される。この薬王院は、筑波山登山の帰りに参拝して行く人が多い、また、立ち寄らず薬王院コース登山口(林道で仁王門を見送り、その先に登山者用の駐車場)から筑波山を往復する人も多いが一度はつくし湖から歩きたいものです。薬王院境内の三重塔の周りには推定樹齢300500年の巨木のスダジイが見事で、これは周囲の木々を大切にする薬王院の基本精神で、スダジイ林のお陰で、多くの植物が観察できます。*仁王門の脇には交通安全の大きな草履が掛けられている

日時 2015(平成27)年627 日(土曜)午前9時30 (受付9時から)〜午後4時まで、集合場所 茨城県霞ケ浦環境科学センター
募集人数35人、送迎バス 途中土浦駅東口を経由(迎え:土浦駅東口午前10:00 発 帰り:土浦駅東口午後15 30 分着)
場所 茨城県桜川市真壁町椎尾
南椎尾調整池(つくし湖)〜椎尾薬王院

2015/7/8南椎尾調整池(つくし湖)〜椎尾薬王院の様子

   
左:ネムノキ(合歓木) マメ科                          右:カラムシ(茎蒸、苧麻) イラクサ科

ネムノキはマメ科、夜になると葉は両側から合わさり、眠ったようになる、梅雨に濡れ、ちょっと可愛そう。

カラムシは、別名:マオ・クサマオ、茎を熟し皮をはぎ繊維をとる、この繊維は丈夫で織物に使った、越後上布。雌雄同株、雄花と雌花は別々。枝の雄花と雌花は枝の上部と下部に別れる、別々の枝にできる。葉は互生、先は尾状にとがって、鋸歯は大きさがそろっている、表面はザラザラ、裏面は白い綿毛が密生。

 
左:ニワウルシ(庭漆) ニガキ科                                  右:ヤブカラシ(藪枯らし) ブドウ科

ニワウルシは、別名:シンジュ、葉はウルシに似ることからウルシの名がつく、ニガキの仲間なのでかぶれることはない。中国原産で庭木や街路樹として導入されたが、各地に野生化、ここ道路わきに生え、その数は多くビックリ、雌雄異株。 

ヤブガラシはつるが巻き付き、藪の植物を枯らしてしまうほど繁殖する、別名:ビンボウカズラも嫌われる植物で、家庭菜園で苦労する、その原因は地下茎を長くのばす、ところにある。だが、花はコンペイトウのようで美しい。

 
マダケ(真竹) イネ科

マダケの節の輪が2本、細めの竹は上の輪が目立つ上の輪の手触りは角がない。日本に自生する竹として最も多いのがモウソウチク(孟宗竹)、ハチク(破竹)とマダケ。ハチクも節の輪が2本だが、上の輪も比較的に角張って、幹が全体に白っぽく見えるので区別する。

 
左:ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡) ヤマゴボウ科                   右:アメリカイヌホオズキ(亜米利加犬酸漿) ナス科

ヨウシュヤマゴボウの「ヨウシュ」とは「洋種」の意味、別名:アメリカヤマゴボウ、北アメリカ原産の帰化植物の多年草。茎は太く赤みを帯び、高さ12bになる、黒紫色に熟す、果実はつぶすと紅紫色の汁が出る。漬物のヤマゴボウはモリアザミ(森薊 キク科)で、このヤマゴボウ(モリアザミ)の根は、30aほどにもなるため、深くまでよく耕すことが栽培の基本、ダイコンなどの深根性の野菜の後に栽培すると良いとか、種の販売もされている。

アメリカイヌホオズキは北アメリカ原産で各地に帰化している。イヌホオズキによく似ているが、茎が細く、しばしば多くの枝を分けて横に広がる。葉もふつう幅が狭くて薄い。花は直径25_で淡紫色または白色。液果はやや小さく、光沢のある黒色に熟す、イヌホウズキは黒色に熟し光沢はない

 
左:アカネ(茜) アカネ科                  右:カニクサ(蟹草)フサシダ科

アカネの茎はよく分岐、下向きの刺、4個輪生、2個は托葉が大きく発達、葉柄・葉の裏面脈上に下向きの刺がある。花は黄緑色で、葉脈からでた集散花序。花期は810月。ヤエムグラ、ヨツバムグラも同じ仲間。

カニクサはつる性、樹木や岩に絡みつく。地下にある根茎から1枚の葉を出しているので、茎に見えるものは葉軸。中軸から分岐した多数の羽軸(枝)に黄緑色〜緑色の羽片をつける。胞子を付ける胞子葉は小さく分裂し、通常の栄養葉は大きく、裂片は幅広く浅裂する。栄養葉を探すが雨で!

 
左:キカラスウリ(黄烏瓜) ウリ科                   右:ウシハコベ(牛繁縷) ナデシコ科

キカラスウリはカラスウリでも果実が黄色に熟す、葉の表面に短毛、濃緑色で光沢、種子にはカラスウリのような帯はない。カラスウリの葉の表面に粗毛が密生、光沢がない、果実は赤色に熟す。

ウシハコベはハコベに比べ大きいので牛にたとえた、雌しべの花柱が5個、ハコベの花柱は3。同じ仲間にツメクサ、ノミノツヅリ、ミミナグサ、ノミノフスマなど。

 
左:オニドコロ(鬼野老) ヤマノイモ科                右:ヤマノイモ(山芋) ヤマノイモ科

オニドコロの花期は78月、つる性の多年草、葉は互生、基部にムカゴがつかない、雌雄異株、雄花序は葉脈から直立、淡緑色の小さな花、雌花序は垂れ下がる。花の下に細長い実の膨らみがあり、大きくなると軍配状の羽根のようになって、3個の翼がある、上向きに付く。

ヤマノイモの花期はオニドコロと同じ、つる性の多年草、葉は対生、葉脈にムカゴが付く、雌雄異株、雄花序は葉脈から直立、雌花序は葉脈から垂れ下がる、実は下向きにつき、扁平なまるい翼が3個。ナガイモは茎や葉柄は紫色を帯び、葉は厚く、基部が左右に大きくはりだし、耳状になる。

 
左:シラカシ(白樫) ブナ科                               右:オオキンケイギク(大金鶏菊)はキク科

シラカシの材は淡紅色、アカガシと比べると淡いのでこの名がついた。葉は幅が狭く、鋸歯はあまり目立たない、葉の裏は灰緑色で無毛。アラカシは葉の先端部に鋭い鋸歯、葉裏には毛が生える。コナラ、ミズナラ、ウバメガシ、アカガシ、ツクバネガシ、シラカシ、アラカシなどドングリが着く。

オオキンケイギクは黄色い花を咲かせる、北アメリカ原産の宿根草で、日本ではワイルドフラワーに利用されていたが、外来種として野外に定着して問題となり、現在は栽培が禁止されている。

 
左:アマチャヅル(甘茶蔓) ウリ科                    右:ユキノシタ(雪の下) ユキノシタ科

アマチャヅルの葉をかむと、ちょっと甘い、山地やヤブに多い、つる性の多年草、葉は鳥足状複葉で5小葉、3または7小葉もある。雌雄異株、葉脈に黄緑色の花を総状につける、果実は球形で黒緑色に熟す。

ユキノシタは雪の下でも葉が生き生きとしているのが名前の由来。ホシザキユキノシタは筑波山周辺にのみ生育する固有種。

 
左:エゴノキ(野茉莉) エゴノキ科      右:ヤブコウジ(藪柑子) ヤブコウジ科

エゴノキの花期は56月、花を多く吊り下げる、実も、同じように吊り下げる。

ヤブコウジは別名:ジュウリョウ(十両)、赤く熟す実が可愛い、花はあまり目立たない。

 
左:ツタウルシ(蔦漆) ウルシ科                         右:マユミ(檀、真弓) ニシキギ科 

ツタウルシは木々に巻き付く、つる性植物。ここは斜面で手の届く場所、うっかりすると触ってしまう、紅葉狩りで木々に巻きつくツタウルシに出会えると、嬉しい気分になれる。

マユミは昔この木で弓をつくった、筑波山に多く見れます。ニシキギ、コマユミ、ツルマサキ、マサキ、ツリバナ、ツルウメモドキ、、など、秋の主役!

  
左:コアカソ(小赤麻) イラクサ科                                 右:オオバイノモトソウ(大葉井の許草) イノモトソウ科

コアカソは茎が赤いが、さらに秋になると茎の赤さが目立つようになり、種子をつける穂も赤くなるため、赤い糸が絡まっているように見える。アカソが草なのに対し、こちらは木の仲間だそうです。

オオバイノモトソウには翼はない、あっても短い翼だそうですが、イノモトソウは翼が目立ちます。

  
ゲジゲジシダ(蚰蜒羊歯) ホウライシダ科

ゲジゲジシダの葉は互生であることが、ムカデの仲間のゲジゲジの足の付き方に似る。

 
左:ハンゲショウ(半夏生、半化粧) ドクダミ科                                  右:ドクダミ(毒痛み、毒溜み) ドクダミ科

ハンゲショウはドクダミ科、仲間にドクダミ、このドクダミは毒や痛みに効くので「毒痛み」。半日日陰に多く生える、そして特有の臭気、茎の上部に花穂を出し、小さな花を多数つける、白い花弁にみえるのは、総苞片で4個ある。夏至から11日目が半夏生、この時期に花を開くハンゲショウ、このとき葉が白くなる、水辺や湿地に生え、全体に臭気、葉は互生、上部の葉脈から花穂をだし、小さな花を多数つける、花穂は始め垂れているが、下の方から咲きだし、立ち上がる、8月頃白さが淡緑色に変わる。ヤエドクダミ ( 八重毒痛み )があるそうです、見たいものです。

 
左:オトギリソウ(弟切草) オトギリソウ科         右:オカトラノオ(岡虎の尾) サクラソウ科

オトギリソウだそうです、花が咲かないと?秘薬の効果を漏らした弟を斬ったという伝説、飛び散った血が葉や花の黒点になったという。日当たりによい山野に生え、葉が対生、花は黄色、花弁と苞片に黒点・黒線がある。

オカトラノオの花序が虎の尾に見立てた、日当たりのよい丘陵や草地に生え、地下茎を長く伸ばしている、茎の先に総状花序を伸ばし、白い小さな花を多数つける。ノジトラノオ(葉が細く、茎に淡褐色の毛が多い花序の先が垂れる)、ヌマトラノオ(茎の基部は赤みを帯び、総状花序は直立)など同じ仲間。

 
左:トラノオシダ(虎の尾羊歯)チャセンシダ科                      右:クモキリソウ(雲切草) ラン科

トラノオシダは細長い葉の形を虎の尾に見立て、トラノオシダという名前。平地〜山地までやや乾燥した路傍、林縁に生えている、駐車場の石の隙間などによく生えているので、筑波山の登山口などでもよく見かける。

クモキリソウ2010/6/9の観察会に記録した植物リストに記載されていない、先生「今日に目玉!」に!薬王院のように、湿った林の中などに育つランの仲間。花の色は淡緑色。

 
左:イタビカズラ、テイカカズラなど          右:マメヅタ(豆蔦)ウラボシ科

イタビカズラ(崖石榴 クワ科)の葉は互生、葉身は長楕円状で,基部は円形で,葉先は尾状に長くとがる。質は堅くぱりっとした感じ。縁は全縁、表面には多少の光沢がある。葉脈は裏面にむけてかなり細い脈まで隆起するため,裏面はぼこぼこした手触り。葉身の基部から3脈が伸びる。表面は無毛,裏面も脈沿いにわずかな毛がある程度でほぼ無毛。別名:イヌビワ、ツル状の常緑低木、よく分岐、崖・岩・樹木に絡みつく、緑色から黒紫色に熟す、

テイカカズラ(定家葛 キョウチクトウ科)の葉は対生で詳細は:ここ

 
左:オオバギボウシ(大葉偽宝珠) ユリ科       右:ナガバノジャノヒゲ(長葉の蛇の髭) ユリ科 ベニシダ(紅羊歯)の後

オオバギボウシはギボウシの若いつぼみの集まりが橋の欄干につける擬宝珠に似ている。筑波山にはコバギボウシも生え、両方みることができる。

ナガバノジャノヒゲにはオオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)、ジャノヒゲ(蛇の髭)が仲間です、ガラス球のように深い青い実がきれいで、細い葉が髭のように見えるのが名前の由来。ジャノヒゲも今日観察しましたが、オオバジャノヒゲと違い、葉の中に埋まるように、ひっそりと小さな花を付けている、ジャノヒゲを覆っている葉を、少しよけさせると花の色は白ではなく、かすかに赤みがあることが判る、別名はリュウノヒゲ。オオバジャノヒゲは実はジャノヒゲのような鮮やかな青ではなく、黒に近い濃い青、ジャノヒゲより葉が太く大きいし、花も大きく、ヤブランのようにすくっと立ち、ジャノヒゲのように葉の中に埋もれることはないナガバノジャノヒゲは葉が細く長い、山の林床などに生え、ジャノヒゲの変種、ジャノヒゲは葡枝を出すが、本種は葡枝を出さなくて株立ちになる。葉の幅はジャノヒゲよりやや狭く、長さはジャノヒゲの葉より長くなる。ジャノヒゲと同じく果皮は早く落ち、果実のように見えるのは種子である。種子は碧色になる。ジャノヒゲの種子よりやや大きい。

 
ムラサキシキブ(紫式部) クマツズラ科

次のヤブムラサキに葉を触るとふわふわに感じ、こちらムラサキシキブは、その感じは無い。

 
左:ヤブムラサキ(藪紫) クマツヅラ科                     右:ミゾソバ(溝蕎麦) タデ科

ミゾソバに葉の形からウシノヒタイ、花の形からコンペイトウグサなどと呼ばれる。花期は710月で、咲かないと?

 
左:ケキツネノボタン(毛狐の牡丹) キンポウゲ科                           右:ハキダメギク(掃溜菊) キク科

ケキツネノボタンは田の畦、湿地などに生え、葉は3出複葉、小葉は3裂、鋭い鋸歯、そう実の先はほとんど曲がらない、キツネノボタンは先が巻く

 ハキダメギクは東京の世田谷のはきだめで初めての見つかった、散歩道、畑の雑草としても嫌われる、熱帯アメリカ原産の1年草、茎は2分岐を繰り返す、肥料のある畑に生えると60aを超える、葉は対生、波状の浅い鋸歯、上部の枝先に小さな頭花を1個ずつつける、まわりに白色の舌状花を5個、内側に黄色の筒状花が多数つく、総苞は半球形。総苞片と花柄には腺毛がある。そう果には白い鱗片状の冠毛がある。花期は611月。

 
左:タマアジサイ(玉紫陽花) ユキノシタ科                  右:サルトリイバラ(猿捕り茨) ユリ科

タマアジサイの花期は710月、写真のように蕾が丸いのでタマアジサイ、筑波山の裏側の沢沿いに群生で一日の半分が日陰、高さ2bほどの落葉低木、太平側に分布、葉の両面に毛がはえ、触るとザラザラする、蕾が割れると装飾花と両性花の花が美しい、両性花には5枚の花弁、咲くとすぐにぼろぼろと散ってしまう。

サルトリイバラのつるに刺が生え、猿さえも捕らえてしまう、山野に生え、つるは木質化して鋭い刺、葉は円形から楕円形で、やや質が厚く、表面は光沢。葉の付け根から巻きひげを伸ばし、縦横に伸びる、雌雄異株、花は目立たないが、秋に赤く熟す実は青空によく似合う。

 
左:ヘビイチゴ(蛇苺) バラ科                       右:アレチギシギシ(荒地羊蹄) タデ科

ヘビイチゴの実は美味くないが、毒ではない、葉は3小葉、葉腋から長い柄をだし、黄色の花を1個、果床は淡紅色でしわがあり、そう果にも、しわがある。

アレチギシギシはヨーロッパ原産の多年草、道端や川岸、鉄道沿いなどに生える、ギシギシなどに比べほっそり、花は間隔をおいて輪生状につくので花序はまばらに見える。ギシギシ、エゾノギシギシが仲間。

 
テイカカズラ(定家葛) キョウチクトウ科

筑波山の弁慶茶屋跡を後にし、つつじヶ丘方面に下ると、登山道に真っ白の花びらが落ちている、上を見上げると、このテイカカズラです。スクリューのようにねじれている、薄暗い林床をはって過ごす若木の期間が長いそうです、よい条件がそろうとまたたくまに木々を登って花をつけるのだそうです。

 
ウラジロガシ(裏白樫) ブナ科

  ウラジロガシシラカシが材の色からだが、葉の裏が白いのでこの名がある。カシ類は多くアカガシ、ツクバネガシ、アラカシ、シラカシとこのウラジロガシなど、葉の裏を返し真っ白だったらウラジロガシ、常緑広葉樹で大木になる。アカガシは中部地方以南に多く筑波山では中腹以上、このアカガシは葉柄が長く、鋸歯がない。ツクバネガシは葉柄が短く、上部に鋸歯。アラカシは葉の幅が広く。鋭く大きな鋸歯。シラカシは裏綿がやや粉白。そしてウラジロガシは裏面が著しく粉白で、葉の縁が波状にうねる。

 
アカシデ(赤四手) カバノキ科

  アカシデ、クマシデ、イヌシデは落葉高木、クマシデの葉は他の二種類より長く、基部が少し心臓形で左右不揃い、葉脈の側脈が20対ぐらい、あって綺麗に並行、筑波山の御幸ケ原にミズナラと並んでいる。イヌシデの葉は不規則な二重鋸歯、表裏とも白い軟毛がある。このアカシデの葉にも不規則な鋸歯、小型で薄い、毛がほとんどなく小型、新芽が赤い、筑波山の筑波高原キャンプ場から湯袋峠へ下だる道標になっている(道標の有る)。実穂:クマシデはやや丸、仲間で一番太い、アカシデは10aほどでイヌシデの6aほどより長い。ダケカンバもカバノキ科で果穂は910月に熟し上向き。シラカバの果穂は5aほどで垂れ下がる、サワシバは沢や川の水辺で果穂を多数ぶら下げる、他にイワシデ、ツノハシバミなどが仲間。 

 
左:隠れた小滝                               右:クサギ(臭木) クマツヅラ科

クサギの枝や葉を傷つけると悪臭、果実は塗料、根は薬用、若葉は山菜として、臭いがあっても利用価値はある。花は優しい香りがする、蝶など昆虫が集まる、果実が熟す頃が一番目立つ。ハマゴウも同じ仲間、

 
左:オカメザサ(阿亀笹) イネ科  右:タラノキ ウコギ科

オカメザサは日本原産であるが、野生種の発見く、各地で栽培されている。高さ1-2bの背の低いタケ類である。見かけが小さいのでササの名を持つが、新芽にある鞘がすぐに剥がれるのはタケの特徴である。地下茎の節間が短いため、桿(かん:タケやササの茎のこと)は密集して出る。その上、葉の幅がやや広いので葉が密集して見える。 

タラノキの葉は互生し、大型の奇数2回羽状複葉で枝先に集まる。基部はふくらみ茎を抱く。小葉は卵形か楕円形、縁には鋸歯がある。各小葉および葉軸の基部に、それぞれ棘がある、89月、枝先に大形の複総状花序を出し、白い小さな花を多数開く。萼、花弁、雄しべ、花柱はそれぞれ5個。

 
左:アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)トウダイグサ科                         右:ジャノヒゲ(蛇の髭) ユリ科 

アカメガシワは新芽の色が赤くこの名がある、雌雄異株、落葉高木、雄花は黄色、花弁がなく、多くの雄しべが小さいボール状になるり、穂状。雌花は刺状の突起、花らしい形をしていない。果実は熟くすとナガバノジャノヒゲ裂開して黒い種子をだす。写真は雄花で雌花は観察路には無かった? 

ジャノヒゲナガバノジャノヒゲの仲間。山野の林内に生え、群生している、種子が鮮やかなコバルトブルーが美しいが、寒さに耐えるためなのか、実は葉の中に隠れているので、葉をかき分けないと姿は見えないので、高尾山や筑波山を歩いていると注意しないと見落としてしまう。

以下、薬王院境内

 
三重塔

 
龍の彫り物、巨木のスダジイ(スダ椎) ブナ科

スダジイは沿海地の山野に群生、常緑高木、薬王院を囲み、ここの自然を保ち、市指定文化財の薬王院本堂&薬王院三重塔を大切に保護する。

 
左:ムクロジ(無患子) ムクロジ科               右:スダジイの森

ムクロジは三重塔を超える勢いで伸び、葉は偶数羽状複葉、互生、寺社に植えたものに果実がびっしり、山のものにはあまりつかないらしい、ここ薬王院のムクロジも多数つけている。

 
左:イノデ(猪の手) オシダ科             右:モミジガサ(紅葉傘) キク科

薬王院も石段を降りる手前で大きなイノデ、冬でも枯れる事がない。名前は茎にイノシシの手のように毛が密生することから。コゴミで呼ばれるクサソテツの芽と比べたら、まるで異様な姿、イノシシの手の名がつくのが理解できる。コゴミの生える近くにも生える。

モミジガサは葉がモミジの形をしているが、ヤブレガサにも似ている。ヤブレガサも若芽は山菜だが、このモミジガサの若芽には香りがあり、より珍重される。またオクモミジハグマにも良く似る、どれも筑波山周辺で見つけられる。

 
アリドオシ(蟻通し) アカネ科     別名: イチリョウ(一両)

ヤブコウジは十両、こちらのアリドウシは一両、小枝にびっしり鋭い刺、蟻さえもつきさす。薄暗い林内、ここも薄暗く良く写せない。常緑低木、葉と同じかそれ以上に長い刺、今日は花が終わりだが4弁の白色、普通2個ずつつく。果実は液果で赤く熟す。クチナシも同じ仲間。

 
左:サネカズラ(実葛) マツブサ科           右:ニガイチゴ(苦苺) バラ科

サネカズラの別名がビナンカズラ(美男葛)で写真では右下(つる性)、赤い実が付くと目立、樹皮から取れる粘液を整髪料として使っており、別名のビナンカズラ。雌雄異株、常緑性つる植物、つるは年毎に太くなって、古くなるとコルク層が発達、太いものは直径2aほどに、葉は楕円形で著しく光沢、やや革質、葉の裏は淡緑色、花は黄白色で垂れ下がる(8月頃)、目立ち果実は集合果で赤く熟す。

ニガイチゴは上向きに花を開く、木苺の仲間でモミジイチゴの花は下向き。カジイチゴ、バライチゴなどは横向きです。名前から苦そうだが、果肉はけっこう甘い、粒々の種の核に苦味があるため、このような名前が付いている、この日は実はお終い。

 
左:これもサネカズラ                         右:クスノキ(樟、楠)クスノキ科

クスノキは大きな木になる、常緑高木、花期は56月、葉は互生、薄い革質で表面が光沢、ちぎると強い芳香、果実は球形で黒く熟す。

以下、霞ヶ浦環境科学センターの返りに立ち寄った、霞ヶ浦総合公園の睡蓮

 

 

 

霞ヶ浦の水利用霞ヶ浦用水事業:霞ヶ浦の水を、不足している、茨城県西部に送り、農業用水・工業用水・上水道として利用。霞ヶ浦から筑波山にトンネルを掘って、今日の観察場所、つくし湖へは運ぶ、ここから各地  に水を配ります。桜川、鬼怒川、小貝川、利根川、霞ヶ浦へと流れ込む。筑波山登山で薬王院コースを歩かれる時は、このつくし湖に立ち寄てください、駐車場、公衆トイレもあって、薬王院までは林道を車で登ってよいし、登山道を徒歩で歩いて、筑波山へ、、、。

2015/7/8 半夏生後南椎尾調整池(つくし湖)〜椎尾薬王院の様子  2015/6/27 半夏生前

 
左:南椎尾調整池                               右:ヒメガマ(姫蒲)ガマ科

ヒメガマは同属のガマやコガマにも似るが、ガマやコガマの雌花群と雄花群の間にはすきまがないため、容易に区別できる。

 
                    
     左:つくし湖                     右:アメリカイヌホオズキ(亜米利加犬酸漿) ナス科

 
半夏生あと

 
左:オオバギボウシ(大葉擬宝珠)    ユリ科                      右:クモキリソウ(雲切草) ラン科

 
左:タマアジサイ               右:雨の薬王院

 
梅雨  薬王院

  
左:つくし湖へ         中央:アリドオシ(蟻通し) アカネ科  別名: イチリョウ(一両)                 右:サネカズラ(実葛)別名:ビナンカズラ(美男葛)
左:オオバノイノモトソウ(大葉井許草)イノモトソウ科                                                       右:展望台

 
左:つくし湖                                               右:アカメガシワ(赤芽柏) トウダイグサ科 雄花

 
薬王院から筑波山梅林への林道で!

 

HP:わたしの天気予報