霞ヶ浦環境科学センターイベントin2012    霞ヶ浦自然観察会 第8回 
冬の湖岸植物 馬掛不動(まがきふどう)
(茨城県美浦村馬掛)

日程:20121114 (水) 快晴

 
湖岸の植物
左:サクラタデ                                        右:コモチシダ

平成24年度 第8回霞ヶ浦自然観察会
日 時 平成241114日(水)
集合場所 茨城県霞ヶ浦環境科学センター
送迎バス 途中,土浦駅東口からも御乗車できます。
       
(行き:土浦駅東口午前925分発 帰り:午後330分頃着)
場 所 :茨城県美浦村馬掛
内 容  冬の湖岸植物 馬掛不動(まがきふどう)


 
霞ヶ浦 湖岸植物観察    右:ノササゲ  花は薄い黄色

 

土浦駅東口から国道125号を走り、R120に入り最初の出っ張りの馬掛へ、国道125号の反対側には中央競馬会美浦トレーニングセンターが有り、周辺にはゴルフ場が多い所です。

 

 
茨城県 美浦村馬掛 馬掛不動と霞ヶ浦湖岸で植物観察             右:サワヒヨドリ(澤鵯)キク科
霞ヶ浦と筑波山

 

まずはトイレ休憩、準備を整え、湖岸は後にし、見晴のよい高台へ、上がる。登り途中で足止め、多くの植物が現れる,ベニバナボロギク、メヤブマオ、アメリカイヌホウズキなど。

 

  
ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)キク科   アキノノゲシ(秋の野芥子)キク科        カキドウシ(澤鵯)キク科

アキノノゲシは残り花、後ろに広大な霞ヶ浦、遠望の筑波山、左に見えるのが宝篋山、カキドウシが来春をまっている、ホトケノザはチラホラ花をみせている。

 

 
ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)キク科     コセンダングサ(小栴檀草)キク科

 

ヒメムカシヨモギとオオアレチノギクは同じ草丈で同じような感じで見分けがつき難い。観察熱中度が高い人ほど衣服に引っ付き虫は着く、これを予想しナイロン製の付き難い衣服を着てくる人も多い、、、。

センダングサ属にはタウコギ、アメリカセンダングサ、コセンダングサがあって、今日配布に資料に表で比較されている。

 

引っ付き虫は:アメリカセンダングサ、コセンダングサ、ヒナタイノコズチ、ヒカゲイノコヅチの種子、今日の観察道の縁に生えるから大変です。

 


ゼニゴケ(銭苔)ゼニゴケ科

 

斜面にギッシリ生え、コケガールの標的かな?雌雄異株で、雄株からはヒトデか破れ傘のような形をした雌生殖器床と呼ばれるものができ、この中に精子をつくるそうです、仲間にはフタバゼニゴケがある。コケガールさん:神社・お寺に行かれてもコケを気にする女、ここは馬掛不動があって面白いですよ

 

  
ヤブコウジ(藪柑子)ヤブコウジ科     アキノウナギツカミ(秋の鰻掴み)タデ科
大きな木々は植えられ、筑波山、霞ヶ浦の展望が楽しめる

 

オトギリソウ、ゼンマイ、イヌタデ、ゲジゲジシダ、ヤブコウジ、ツルマサキ等を見付ける。

 

イヌタデ、サクラタデのタデ科は今日の観察の大きな目玉、アキノウナギツカミが右カーブの斜面にギッシリ。ウナギを捕まえるに都合の良い刺がある。衣類にはヒナタイノコズ等の引っ付き虫が付き大変だが観察は始まったばかり、気にしてはいられない。展望台に着くと、シロダモ、トベラ、エノキの大木、霞ヶ浦・筑波山連峰の眺めは素晴らしい。足元にはヒメジソが紅葉、、、ちょっと花を残しているものもある。

 

    
チチコグサ(父子草)キク科              タチチチコグサ(立ち父子草)キク科          コナスビ(小茄子)サクラソウ科

 

先生がオカトラノオを見付け「変わった果実をつけている、、、」と説明、確かに面白いが撮影に失敗!

ヌルデ、ヤマハセの紅葉は美しい。

 


ヘビイチゴ(蛇苺)バラ科

 

ヘビイチゴがギッシリ、実を付けている、美味しくはないけど食べられる、確かに美味くはない。

コナスビはアメリカホウズキのように黒く熟す、この果実がナスに似て名がついたらしい。オカトラノオと同じ仲間だそうです。

 

一旦、バスから降りた道路に下り、今度は田んぼ道を経て湖岸へ

 


アメリカタカサブロウ(亜米利加高三郎)キク科

 

タカサブロウの仲間、アメリカタカサブロウとモトタカサブロウが比較される。鋸歯は明瞭、翼が無いのがアメリカタカサブロウだそうです、自宅の散歩道にも多く見られます。

 


ツタ(蔦)ブドウ科             別名:ナツツタ

 

面白い!流石先生、吸盤を説明「葉に対生しでてくる巻きひげの先端に吸盤がある、、、」これで電柱にもよじ登るのだそうです、解りますか?カエルの手の様な吸盤が!

 

       
ミズワラビ(水蕨)シダ科          ヒメクグ(姫莎草)カヤツリグサ科          キクモ(菊藻)ゴマノハグサ科

 

ノミノフスマ、タウコギ、ヒメシバ、ナナイバナ等お馴染みです。

 

先生が田んぼの中にミズワラビを見付ける、葉は23回羽状に分裂するが、水底から水面に生育している場合には羽片の幅は広く、葉が水面より少し上に出ると細くなる。稲刈りが終わり、水から出て葉は棒状になる。今は葉が棒状で、とても同じ植物とは思えない。

トキワハゼは小さな花を懸命に咲かせ、キクモもなんとか自己主張をしているがあまり目立たない。

 

ミズワラビの側でキクモが一輪咲いている。

 

     
馬掛第一機場を通過              シロネ(白根)シソ科

 

馬掛は「まがき」と読む!

 

この辺りエノキグサ、オヒシバ、ハナイバナが見ます、このハナイバナは葉内花が和名だが、先生は「葉+無い+花」と覚えたらとご説明、花の直ぐ下に葉が無い為だそうです。キュウリグサの花は真中が黄色、ハナイバナと違う。

 

先生はキカシグサ、間違えて別の植物を撮影したかも知れない。アメリカキカシグサは田の畦に群生していた。比較的新しい帰化植物、日本では1993年横浜市で初めて帰化が報告されたそうです。葉は対生し線形〜広線形、花弁は4枚で薄ピンクがかった白色とのこと、、。?

 


ヤノネグサ(矢の根草)タデ科

 

葉の形を矢の根(矢じり)に見立てた、茎には下向きの小さな刺、下部は地をはい回る。

 

ミゾソバ、タニソバ、イシミカワ、ママコノシリヌグイ、アキノウナギツカミで見分け方は研究しないといけません。歩く道から沢を渡る岸に群生、渡りたいが簡単ではない。

 

      
ヒメサルダヒコ(姫猿田彦)シソ科    オノエヤナギ(尾上柳)ヤナギ科   ウシハコベ(牛繁縷)ナデシコ科

 

 

ヒメサルダヒコの花期は810月とのこと、葉の脇に小形で白色の唇形花をかためてつけるとのこと、植物観察は気が長くないとできません、来年見にきたいものです。

 

今度はノイバラの刺を気にして湖岸に、オノウエヤナギ、カワヤナギが生え、オノエヤナギは枝を細く真っ直ぐ立つ、とても綺麗です。

 

ハコベ、ナンバンハコベなど、ウシハコベは雌しべは5個、ハコベは3つに分かれている。ナンバンハコベは大きく実になるとハコベと姿が違ってくる。

 

 
サクラタデ(桜蓼)タデ科

 

今日の観察でタデ科のサクラタデは需要ポイント、実に綺麗で可愛い!

 

  
シロバナサクラタデ(白花桜蓼)タデ科           右端:イヌタデ(犬蓼)タデ科

 

シロバナサクラダテも直ぐ脇で咲き誇る、こちらの方が多く生えている。シロバナサクラタデは白、サクラタデは淡紅色、昼休みに花柱を数えるとシロバナサクラタデは2,3本でサクラタデはそろっれ3本、大きな違いは豪華さ、サクラタデは好んで茶花に使われる。

 

ヤマギタデは田んぼに生え、撮影忘れでここに貼れない、噛むと忘れられない辛さ、試さないことにする!

 


スズメウリ(雀瓜) ウリ科

 

散歩道に多く生えているのに認識しないのが、このウリ、可愛いと思わない人はいませんね!

 

 

コモチシダ(子持羊歯)シシガシラ科

ご覧ください、背中に無性芽と呼ばれる子供の芽をつけ、これを地面に落として繁殖することからきた名前、まったくその通り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

植物観察後は馬掛不動と霞ヶ浦の鼻について歴史を学ぶ:

 



   

 

馬掛は牛込と大山の間で霞ヶ浦の対岸は牛渡(うしわた)、馬掛不動堂は対岸の藍見崎観音と共にかつて茨城48景の一つの場所に安置されている。

 

古代に京と国府(現石岡市)を結ぶ官道が馬掛を通り、当地から船で対岸の牛渡に渡ったといわれる。馬掛不動堂は高台にあって、霞ヶ浦を見下ろす位置にある。

 

「苫舟に暮らし」(桜井隆雅さん)のお話、馬掛と大山の間の湖の底には面倒な岩、この岩を見極め、洲引きをこなす腕のよい魚師の話があった。昔、対岸に徒歩、牛、、で渡ったのかも知れません!

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