登山口から下山まで花の道が続く

至仏山 ( 標高2,228b) 鳩待峠からオヤマ沢田代を経て、小至仏山 至仏山と縦走、山ノ鼻に降り、鳩待峠へ引き返す

 

 

日程 2004710    晴れ 下山後 暴風と大雨

 


オゼソウ 地味だが貴重です!

 コース

常磐線牛久駅23:10=(国道294号)⇒日光市=(国道120号)⇒いろは坂=(国道120号)⇒片品村=(尾瀬戸倉経由)⇒戸倉スキー場4:40=(マイクロバス)⇒鳩待峠5:05=(1:30)⇒オヤマ沢田代6:35−(1:00)⇒小至仏山(標高2162b)70:20)⇒手前のダマシピーク8:10−(0:10)⇒8:25至仏山山頂(標高2228b)8:30−(1:00)⇒9:40標高1800b中間点10:05−(1:00)⇒11:10山ノ鼻−(尾瀬ヶ原散歩)⇒12:00山ノ鼻12:05−(1:55)⇒鳩待峠14:00−(0:30)⇒14:30戸倉スキー場

先週は燧ヶ岳に登りましたが、山頂周辺の高山植物の共通点はハクサンシャクナゲくらいで全く違った種類が咲き、こんなに近いので不思議だ。

ここ数日猛暑が続く、10日頃から前線が南下し、梅雨空に変わると言う、そんな中 友人を誘って常磐線牛久駅で待ち合わせ、花の至仏山へ向かった。

日光いろは坂を通過する頃には月夜で星も見えているどうやら今日一日は晴れそうだ、友人も私もこのところ「晴れ男」の状態が続いている。

戸倉スキー場、すでにバスは運行され満席になると出発している、今年は例年無く客が少ないという、またやってくる登山者もほとんどが日帰りで尾瀬ヶ原や尾瀬沼の山小屋も空いているらしい。ニッコウキスゲは先週に数本咲き出し、今日辺りから見頃だと言うが霜の被害で少ないとのことだ。そんな訳ですぐ満席になるマイクロバス(団体はバス、一般はマイクロバスで並ぶ列が異なる)は20分ほど待たされた。鳩待峠から一度尾瀬片品方向に戻って右折し、途、中湯の小屋温泉からの林道と合流し鳩待峠へ、大勢の登山者が休憩中、さっそくトイレと準備を済ませアヤメ平、尾瀬ヶ原を確認し、至仏山への登山口に取り付く。

タケカンバとコメツガの樹林に入ると足元には花の終わったマイズルソウの群落が現われる、同様にエンレイソウやゴゼンタチバナもある。鳩待峠でも至仏山の山頂は見たが、小至仏山から至仏山の稜線が見えてくる、「あそこへこれから登るんですよ!」、友人「あそこですか!」と答える。


至仏山

大木の下で木階段が現われる、傾斜はキツイ、木階段を登り切って左に曲がると日光連山が良く見える、しばらくすると笠ヶ岳のツンと尖った峰が見え、その左に上州武尊山がぼんやり雲の中に姿を現す、また樹林に入る、今度は針葉樹であり、林間から至仏山が再び見えてくる、綱の張ってある右側の谷に遠くて良く見えないがサンカヨウが白い花を付けている、ここのマイズルソウは白花を幾つも付け、ゴゼンタチバナも負けじと咲いている。

まもなく巨岩(とかげ岩)の有るピーク、この岩に登ると後方の隠れた位置にタカネバラが綺麗な花を咲かせている、ただ、ここでタカネバラを観賞するには岩の上でトカゲの様な姿勢を取らないと見れない!冒険心の持ち主は是非登って見たい。

水の少ない水場:オヤマ沢に着く、狭い岩の間を登ると木道になってオヤマ沢田代、ワタスゲが多いが露に濡れてちょぴり淋しそう、地塘もあって美しい。ただ燧ヶ岳が雲に隠れ展望は無い。

その先に笠ヶ岳分岐でその方向に入るとオヤマ沢田代の上部に出る、時間の余裕の時は立寄る価値充分。前方に至仏山への長い稜線が見え、樹林から抜けると主稜線になってくる。尾瀬ヶ原が右眼下に広がって、左斜面がお花畑で、木道沿いに巨岩があってその上が休憩に良いが満席である、お花畑で花が多くシナノキンバイ、チングルマの羽毛の実、ミツガシワ、イワイチョウ、ウラジロヨウラクツツジ、オゼソウ、イワカガミ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、 そして木道の右下にはハクサンコザクラと数えきれない程だ。

「これ何?」と訪ねると「○○です」と即座に答える、お花の先生と生徒にお会いする、花名の知らない私にとって有り難い存在、この後、尾瀬ヶ原までお二人にお世話になりました。今夜は尾瀬ヶ原の中央、竜宮小屋に泊まって明日は尾瀬沼だと言う、心配事は「登りたい山が多いこと、、」と言う、テニス仲間の美人さん。アヤメ平への長沢の散歩?それとも冷たいビールの方が先でしたか?白砂乗越を無事越え、尾瀬沼の大江湿原のニッコウキスゲにお会いできましたか?


タカネツメクサ

お花畑は木階段沿いに続く、この木階段は結構キツイ、展望も良く右に燧ヶ岳、振り向くと日光連山と雲の競演が見事だ。見上げたピークは小至仏山の1個手前のピークで騙される、そのピークを右に折れ、岩の間をさらに登るとようやく小至仏山、展望が良く大勢の人々が休憩中、多くの小さな花が沢山岩場に咲く。


ホソバヒナウスユキソウ 見落とせない可憐な花

ホソバヒナスユキソウホソバツメクサが多いところだ、下って行く。西面は「ならまた湖」へ続く谷で足元から谷に崩れ落ちている、ならまた湖が穏やかに雲の切れ目から見えている時々平ヶ岳や巻機山が見えその間の奥に越後駒ケ岳に荒沢岳が見え隠れしている。

小至仏山から見えたピークは至仏山ではなかった、前方に至仏山が見え振り向くと小至仏山が美しい、この蛇紋岩の岩場を下って、大きなピークを巻いて行く、ダイモンジソウが岩場に咲き、イワマツの間にハクサンシャクナゲ、タカネバラ、コメツツジと咲く。


ハクサンシャクナゲ 美しい優雅な姿にウットリ

ここは左側が切れ落ち、岳ーと呼ばれる岩の斜面が良く見える、凄い迫力である。

鞍部に下って、砂礫の道を登る、至仏山の人気物、ホソバヒナスユキソウが多くなり、匂いの有るイブキジャッコウソウ、葉がモズクの様なミヤマウイキョウ、黄色いタカネスミレを足元に見てようやく至仏山山頂、展望は言うまでも無い。

お花の先生(お仕事は小学校の先生)と友人、前後して登った団体、ニコニコ笑顔、山頂の岩は満席である。


山頂から尾瀬ヶ原へ 良く似合う帽子、尾瀬にピッタシ

友人と高天ヶ原を山ノ鼻へと下る、木階段が続く、この木階段がだいぶ壊れている、環境の厳しさを知る。クモニガナ、ウサギギク、ジョウシュウアズマギク等が咲く、展望は至仏山から笠ヶ岳方向に続く稜線は素晴らしい、その稜線から川上川に流れ落ちる斜面は笹に覆われ、一度下ってアヤメ平へと登り返している。高天ヶ原を下り、山ノ鼻との中間点にベンチが有って山頂の賑わいは無い、ここで早いけれどお昼、お花の先生と友人も下って、休憩、とても気持ちの良いところだ。

ここからは急な坂を下るようになる、高天ヶ原からこの一帯は高山植物の宝庫、足元には無数の花が咲き、楽しい所だ、蛇紋岩の岩場道で鎖が有り、岩が濡れ時々尻餅を突く、本人は「坐って見たのよ」と笑うが、周りの人は誰一人と信じない、誰もが尻餅を突くからである。小さな展望台、ベンチが置かれて尾瀬ヶ原の展望が素晴らしい、この後さらに傾斜がキツク、辛い蛇紋岩の下りが続く。

右の高い山はアヤメ平の稜線、木道がクッキリと見えている、燧ヶ岳の山頂は切れそうで切れない雲がまだ覆う、眼下の尾瀬ヶ原は下るに従って、詳細に見えてくる、山ノ鼻から下田代十字路に伸びる木道と周りに散らばる無数の地塘が美しい、ハイカーの姿も見えている。

岩に捕まって下る、その岩にコメツツジが鼻を突く、可愛い白い花である。今朝、鳩待峠から先に山ノ鼻に入り私達と逆コースの人(団体)達が登ってくる、お花の先生も、私も友人を案内して、逆コースを歩きたくない所だ。きっと団体のリーダーは、登りの方が危険は少ないと判断して選択しており正解である。

それにしても登りも下りも大変な所である、「また、坐っちゃった!」が連続。この辺り蛇紋岩は滑り易いので充分足元に注意しお花を見るときは足を止めよう。

登山道の脇にクルマユリがポッツンと咲く、続いてハクサンシャジンが見えると、水場が出てくる、これから登ると言う団体が一休み中、振返って見上げると、かなり下った地点、彼らは大変だ!水場を過ぎてもなお下り坂は続く。

ニッコウキスゲが美しく開花、尾瀬ヶ原でも咲いているぞと期待が膨れ上がるが、今度は石畳の階段で足底が硬く、負担が大きい、この石畳が出て山ノ鼻は直ぐかと思い喜んだがそう簡単ではない、しかも回りはナナカマドなどの樹林で展望も無く笹に囲まれた道である、長い!木の梯子を数回通過し、石畳が終わってようやく大木の樹林帯、直ぐに抜け橋を渡ると尾瀬ヶ原に到着、ニッコウキスゲはポツポツ咲く木道を50bほど行くとベンチ、荷物を投げ出し休憩。


この花が開く時刻だ!  ヒツジグサの季節です

地塘にはヒツジグサ、オゼコウホネが咲き尾瀬ヶ原に来た事を実感する。

お花の先生と友人と別れ、山ノ鼻でコーヒーを頂き休憩、暑い!上田代に入る、オウギアヤメ、オゼヌマアジサイの咲く木道を行くと、ヒツジグサが沢山咲く地塘がある、隣の地塘にはオゼコウホネが黄色い花を見せている。友人は先に行く、その間ヒツジグサの写真を写していると、友人は尾瀬ヶ原三又の手前で引返してくる。

雄大な至仏山と尾瀬ヶ原を楽しみ山ノ鼻に戻る、途中、お花の先生と友人と最後のお別れ、彼女らの一泊する竜宮十字路は直ぐである。

【竜宮小屋周辺】鳩待峠から鳩待山荘の裏からアヤメ平に向かって富士見小屋から尾瀬ヶ原に下る、登山道が長沢に沿って進む所は燧裏林道と並ぶブナ林の美しい所です、今日ならサンカヨウを見て、尾瀬ヶ原中田代の一角に飛出る、尾瀬ヶ原でミズバショウとリュウキンカの多い所です、しかし観光客は竜宮十字路・竜宮小屋までは来ても長沢まで入って来ない、残念である。さらに竜宮十字路から真直ぐ下田代十字路に行く登山者が多いが、ヨッピ川のヨッピ吊橋を渡り東電小屋の庭先を通過し、尾瀬ヶ原橋を渡ってから下田代十字路に向かうと、ニッコウキスゲの多い所を通過します、また東電小屋から尾瀬ヶ原橋間は尾瀬でもお花の多い事で人気のスポットです。ヨッピ吊橋は美しく、尾瀬ヶ原橋は尾瀬沼と尾瀬ヶ原を流れるヨッピ川と沼尻川が合流し三条ノ滝へ流れる只見川のスタート地点です。


山ノ鼻へ引き返す

私達は山ノ鼻に戻って、持ってきた食べ物を全部お腹に入れて、鳩待峠へ向かう、ビジターセンターの前を通過し、川上川に掛かる橋を渡って、長い木道歩きになる、暑い日差しは樹林で遮断され有り難い、テンマ沢、ヨセ沢と幾つもの沢を渡る、ゴロゴロと鳴って大粒の雨、至仏山の峰は黒い雲に覆われるが、通り雨と判断し雨具を着けず先に進む、止んだり降ったりが続く、やや傾斜がキツクなって雨は上がり、しばらく木階段が続き、石畳の階段に変わると、後5,6分で鳩待峠

バスの乗車券を買って、二人が乗りすぐ満席、眠気が襲ってくる、戸倉スキー場でバスから降りる、突然大粒の雨と暴風が襲う、車にそのまま乗って、トイレに立寄って、着替えは晴れた時と日光金精峠へ向かう、金精峠を越えると湯ノ湖が雨雲の下に美しい姿を見せている、友人が湯ノ湖の旅館で風呂に入る間仮眠。

この後、日光市を通過するころようやく雨が上がり、宇都宮駅まで友人を送って、国道408号をひたすら走りつくば市へ戻ります。

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