植物観察 冬の農耕地雑草 観察会:森林インストラクター茨城主催


茨城大学農学部の校内樹木の説明

森林インストラクターいばらぎのホームページ

農耕地雑草の研究を茨城大学農学部で長年行っています。初夏にも研究の拠点である「フィールドサイエンス教育研究センター」で、農耕地雑草の観察会を行いましたが、冬に向かう雑草の姿を観察します。多くの雑草と合わせて、イチゴ等の温室栽培の研究、果樹園の中も見学しますので、是非参加願います。

日時:2013/12/7 10時〜14
集合場所:茨城大学農学部フィールドサイエンス教育研究センター(茨城県稲敷郡阿見町中央3-21-1) 研究管理棟前 10:00時集合

観察のポイント
@農道の雑草(オオバコ、ヘラオオバコ、セイヨウタンポポ、ブタナなどのロゼット)
温室栽培棟(イチゴ、トマト等の品質、研究装置など)
A休耕地の植物(カラスノエンドウ、オオイヌノフグリなどの芽生え、メマツヨイグサ、ヒメムカシヨモギ、ハルジオン、ヒメジョオン、キュウリグサなどのロゼット、ハルジオンとヒメジョオンの繁栄法の違い)
B水田雑草(イネ科植物、タデ科植物など)
C防風林と林床植物
樹木(ヒノキ、サワラなどの果実)
つる植物(ヤマブドウ、ノブドウ、サルトリイバラ、ヘクソカズラ、カラスウリなどの果実)
D果樹園の植物(果樹(ナシ、カキ)の接ぎ木)
E植物群落遷移調査地(裸地から10年目の調査地の観察、10年間の植物の変遷(資料))
・終了後、時間に余裕があれば、農学部構内を散策したいと思います。

その他 大学周辺にコンビニやスーパーはありますが、農学部が広いので、買い物には時間がかかります。飲み物・昼食は予めご用意ください。

<私の追記>
国道125(阿見美浦バイパス)と県道34東京医大西交差点、桜土浦IC方面からだち右折、県道34に関東鉄道バス停(土浦駅発阿見中央公民館行)がある、最初の信号が「茨大農学部前」で直進後直ぐフィールドサイエンス教育研究センターの看板がある、こぶし会館・茨城大学農学部図書館は後半お邪魔する。

自宅は牛久駅に近いので:帰りは茨大農学部前の交差点でつくば方面、以降県道203、変則の阿見住吉交差点でジョイフル本田にて国道6号に出るか、左折に県道25に入り「ひたち野うしく駅」方向、学園西大通りに交差する。意外と近く平日「こぶし会館」(休日は休み)に食事に行ける、、。

<樹木観察>詳細説明

周囲にはナンキンハゼ、メタセコイヤ、ヤマコウバシ、クロガネモチ、アラカシ、マテバシイ、ウラジロガシ、モミジ、コブシ、ヒノキ、モクゲンジ(参加者:フウセンカズラの様な実)、カツラ(参加者:丸い葉っぱ、無数の落葉から探してくれる、綺麗な紅葉)、ケンポナシ(参加者:これが実よと、生姜の小さい形、食べると美味しい、種はむくと黒色)、イロハモミジ、イチョウ、ハナミズキ、マンサク、ユズ(園外)、カエデ類、ツツジ類、シャクナゲ類

四季を通し植物観察に出かける絶好の場ですね。

 

<参加して>

 

準備体操後、イチゴ栽培を観察、土は使用せず、もみ殻と特別な肥料、作業し易いように腕の高さに合わせているそうです。

               

  

出荷はクリスマスに合わせている。

近年ミツバチが大幅に不足、またミツバチを飼うことは大変で、クロマルハナバチをタネ屋さんから購入、オランダから輸入されている。写真のハウスで数匹離せば充分とのこと。説明中も飛んで花粉を集めブンブン、ミツバチより数倍大きくて刺されるかなと思いきや、極めておとなしく心配ないらしい。

よく見ると、イチゴの間に数種類のハーブは植えられている、これって新しいイチゴ栽培の楽しみとのこと。イチゴ狩りでハーブの香り、イチゴハウスでハーブの香り、、、素敵ですね。

続いて、広い農耕地を歩いて雑草のロゼット探し、

セイヨウタンポポ、メマツヨイグサ、ムカシヨモギ、タネツケバナ、ブタナ、オニノゲシ、ヒメジョオン、ハルジオン、ギシギシ、ナズナ、カキネガラシ、オオバコ、ハハコグサ、オオジシバリ等を見つける、とても地味な植物観察!


オオバコ 大葉子 オオバコ科


メマツヨイグサ 雌待宵草 アカバナ科

農耕地でロゼットを探すと、ハルジオン、タネツケバナ、ナズナが多く、農耕地の道にはセイヨウタンポポ、オオバコが多い、、、。

 

つる植物:ヘクソカズラ、カラスウリ、エビズル、スイカズラを見る、エビズルの黒い実は美味しかった、口に入れる事は植物観察で大事!毒性には注意!

 

飯島先生が手がけている植物群落遷移調査地、裸地から10年目、セイタカアワダチソウ、ススキが生え、コウゾ(  クワ科)が大きく育っている、コウゾは赤く熟し甘く小鳥が種を運んで来たらしい。

 

広い農園,スギ、サワラが防風林

 

昼食は果樹園内、ナシ、カキ

ジョイント仕立て法‘ここ’ 神奈川県特許取得 神奈川県HP

ナシ園、作業し易いように仕立て、ジョイント仕立ては短期間で収穫が得られるそうです。2品種以上植えるとブルーベリーは実が沢山成る、ジョイント仕立てはブルーベリー?特許取得はまだ無いようです。

柿園で昼食、柿が食後のデザート、真っ青な冬空に熟した柿は良く似合う、、、味も格別、茨城大学農学部の柿である。

クロガネモチ 黒鉄黐 モチノキ科

午後はコブシ会館周辺で樹木観察

真冬、植物はロゼットで冬を越す、家庭菜園ではサヤエンドウ、ソラマメ、タマネギ、ニンニク、イチゴが越冬、キャベツ,ダイコン、ハクサイ、ホウレンソウ、など寒いほど美味くなる、私は近くの落葉を集め堆肥作り、根元や畝間に落葉を敷き詰め保温に!

<樹木観察>

 

 

 

 

ナンキンハゼ:南京櫨・南京黄櫨 トウダイグサ科
ロウを採るために栽培、黄色の花、紅葉が綺麗で街路樹として植えられる、ここも大木で数本。葉は互生、菱形状広卵形で先が急に尖る、一度見ると忘れない、縁は全縁、6〜7月枝先に総状花序を出し芳香り、黄色の小花が多数、雌花は花序の基部に数個、雄花は上部を飾る。果実は始め緑、熟し茶色になる。紅葉は内側から色ずく!

枝からもぎ取って朔果を割ると、白い蝋状物質に包まれた種子が3個出てくる。この種子からロウを採った。葉がほとんど落ちたが枝に残っている。聞くとこの種子は有毒。

*種子の化石が見つかるので、かつては日本にも自生していたとのこと。

 

メタセコイヤ:ヒノキ科

    1945年「活ける化石」として中国四川省で発見。筑波実験植物園の大木はシンボルになっている、紅葉し真冬に落葉、セコイヤは冬も青々。

ヤマコウバシ:山香ばし  クスノキ科

    クロモジ属で筑波山ではクロモジは沢山生え、春一番の茶花に使われる。高さ27m。樹皮は茶褐色で皮目がある。葉は互生し、長楕円形〜楕円形で両端はとがる。全縁で波うち、裏面は灰白色。葉柄は短い。葉柄が頂芽、側芽を抱くので葉柄が曲がるのが特徴。葉腋に絹毛が密生した花柄を数個のばし、淡黄色の小さな花をつける。子房と花柱は花被片から突き出る。雌雄異株だが、雌株しかない。果実は球形で、黒く熟すが種は見たことがない。花期は45月でクロモジ同じ。

    ケヤキ、ブナ、クヌギ、モミジが葉を散らしても、最後まで枯葉を着けている。

 

イチョウ:銀杏 イチョウ

   イチョウ並木、つくば市では洞峰公園、横浜市の保土ヶ谷公園、八王子市国道20号線は見事です、え!もっと綺麗な所があるって!

    

クロガネモチ:黒鉄黐 モチノキ科

   常緑高木、葉は革質で楕円形、鋸歯がなく全縁、雌雄異株であり、雌株には赤い果実がたくさんつくので、庭園木や街路樹などに植栽されている、

つくば市でも街路樹に植えられている。この実は沢山なって美味しくないのか長期間なくならない。美しい赤い実がつき、庭木としては雌株の方が価値が高い。花は56月に咲き、淡い紫色。春の新芽時に昨年の葉をいっせいに落下させるので落葉の掃除がまた大変、ケヤキやイチョウと並んで植えると大変!

 

モミジバフウ アメリカフウ マンサク科

  葉は互生しカエデは対生なのでカエデに似るがマンサク科。フウもマンサク科で樹皮は灰褐色で小さな皮目が多い。樹脂は香りが良く、楓香脂と呼ばれ、漢方に用いられた。モミジバフウは樹皮が淡紅褐色で浅く縦に裂ける

 

カンザクラ?

  ここ数日寒い、ただ今日は雑草観察にはポカポカ陽気で柿の木の下の草原は暖かい!ご覧の通り桜も美しい!

 
タイサンボク 泰山木大山木 モクレン科

   寒さに強いモクレンの仲間、樹皮は灰褐色で滑らか、老木は不規則に薄く薄く剥げる。葉は互生、薄く剥げる。質は厚く皮質、表面は深緑色でつやがあって、裏面は鉄のサビ色の毛が密生、全縁。裏面に湾曲する。
6
月頃、枝先に
芳香の大輪の白い花を咲かせる、この時期に植物観察が有れば参加したい!

  

マテバシイ:ブナ科

  沿岸に多く植えられ、防風林、防火林、神社にも多く見られる。葉は互生、全縁、倒披針状長楕円形で大きい。質はタイサンボクに良く似ている。ブナの仲間だからドングリがなる。

 

ウラジロガシ:裏白樫 ブナ科

  ブナ科でドングリが拾える、マテバシイのブナ科で孫を連れドングリ拾いが楽しめる。葉の裏が白いことから裏白樫といわれ、葉から作られたお茶は古くから結石症の薬として使われ、別名「排石茶」ともいわれているそうです。

  シロダモやタブノキはクスノキ科で家の近くに多く生え葉の裏が白(緑白)色で雌雄異株、シロダモの実は、翌年の秋に赤く熟す。従って、雌株では、赤い実と黄色い花とを、同時期に見ることができる。

 

ケンポナシ:玄圃梨 クロウメモドキ科

  隣のトサミヅキの枝に引っかかっていた写真でケンポナシの果実です。
参加者:これが実よと、生姜の小さい形、食べると美味しい、種はむくと黒色。味はナシ以上!

 

キヨスミミツバツツジ:清澄三葉躑躅 ツツジ科

  名札に:分布は関東南部〜近畿南部。花は枝先に一花づつ咲く、花冠は紅紫色でやや深く5裂

  筑波山にはトウゴクミツバツツジ。何れもミツバツツジミツバツツジ

の変種で、総半島の天津小湊町にある清澄山周辺にだけに   自生する固有種。別名イワツツジと呼ばれるが、イワツツジイワツツジ

は別に存在。養老渓谷周辺などで園芸用に栽培、販売されている

 
モクゲンジ:木患子 ムクロジ科

  参加者:フウセンカズラの様な実、写真は袋が破けたものだろう。6-8月に枝先に円錐花序を出し、黄色の花を多数つける。葉は奇数羽状複で互生し、小葉は卵形から楕円形、縁に粗い鋸歯がある。種子は数珠の材料で利用される。フウセンカズラ(風船葛)はムクロジ科でつる性。

     

マンサク:満作、万作 マンサク

   筑波山では春一番に咲き出す。刮ハは1cmの卵状球形。短い腺毛が密生する。熟すと2つに裂けて、光沢のある黒い種子を出す。写真では今年の刮ハが割れ、来年お芽が膨らんでいる。

 

カマツカ:鎌柄 バラ科

  別名:ウシコロシ、材が硬くて折れにくいので、鎌の柄に使われたことからの名。春の新葉は赤味を帯び、軟らかい。新しい枝の先に花序がつく、複散房花序を出す。45月に白い小さな花を多数。花弁は円形のお碗状で5枚、雄しべは20個、雌しべは先で3つになる。写真の様に果実はナシ状果、楕円形で先に萼片が残る。秋には赤く熟す。果柄には褐色のイボ状の皮目が多いのが特徴。牛久自然観察の森にも数株!

 

 

 

カツラ:桂 カツラ科

参加者:丸い葉っぱ、無数の落葉から探してくれる、綺麗な紅葉。

葉はハート型に似た円形が特徴的で、秋には黄色く紅葉する。落葉は甘い香り(醤油の良いにおいに似ている)と言って拾ってくれたが?雌雄異株。

 

*この他:アラカシ、コブシ、ヒノキ、ヤマボウシ、イロハモミジ、ハナミズキと植えられ、時々観察に行きたい所です。

 

 

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