三岩(三ツ岩)ブナと原生林と高層湿原 小豆温泉スノーシェッドから登山開始 三岩(三ツ岩)(標高:2065b) 小豆温泉バス停からスタート、黒檜沢を進み、その後登り詰める |
三ッ岩山頂から 左は会津駒ケ岳
標高2065bの三ッ岩岳は駒ヶ嶽と呼ばれ信仰の山。山上に湿原が点在し、高山植物の群生が見事。小豆温泉から三ッ岩岳〜窓明山までの縦走コースは「第50回大会(平成7年・1995年開催)の福島国体山岳競技コースでした。
尾瀬御池や会津駒ケ岳に遊びに行く時、小豆温泉から山が、「福島国体山岳競技コース」だったそうで気になっていました、紅葉狩りに登って見たい山でしたが8月下旬に登って見ました。
コ―ス
つくば市自宅22:30=(国道408・4号)⇒矢板IC=(東北自動車道)⇒西那須野塩原IC=(国道400・352号)⇒道の駅「田島」1:40=(国道352号)⇒内川2:18=(国道352号)⇒2:40小豆温泉バス停登山口5:00−(0:25) →黒檜沢出合5:25−(1:15) →旧道分岐6:40−(1:40) →三ッ岩岳避難小屋・窓明(まどあけ)山分岐8:20−(1:05) →9:25三ッ岩岳10:45−(2:40) →三ッ岩岳避難小屋10:20−(1:00) →旧道分岐11:15−(1:00) →NTT鉄塔12:10−(0:15) →小豆温泉スノーシェット高畑側12:25−(0:05) →12:30小豆温泉バス停登山口
国道400・121号沿いの道の駅「田島」を過ぎると福島県会津地方に入ったなと思う、都心から東北自動車道を利用し、塩原温泉または鬼怒川温泉を経由して尾瀬に入る場合もここを通過する。
道の駅「田島」の先で三差路を左折し直ぐに野岩鉄道会津鬼怒川線「会津高原駅」(会津高原尾瀬口駅)の入口を見送り中山トンネルで中山峠を越え田代山登山口の湯ノ花温泉入口、伊南村に入って国道401号(只見へ)と分れ高畑スキー場を通過するとスノーシェットが幾つも出てくる、小豆温泉スノーシェットを探しながら走ると直ぐに現われる。
尾瀬御池の往復をするとその都度この小豆温泉のスノーシェトの下を通過する、小豆温泉・三ッ岩岳登山口は桧枝岐に向かって1個目のスノーシェットと2個目のスノーシェットの間に有る。
その2個目が小豆温泉バス停で広場があり、登山者用の駐車場がある、トイレは無いし水場も無い。
手前のスノーシェットが新設され、ちょっと登山口が解り難くなったが案合いが有るので問題は無い。この駐車場は意外と広く約25台のスペースがある、後から来る人の為に出来るだけ端から停める。既に数台の車が停まって、テントで寝ている人もいる、ガイドブックにも幕営と紹介されている。
左:登山口のスノージェットの上はこんな感じ! 右: 三ッ岩岳登山口の道標
4時半準備、5時出発、駐車場から見て右方向に向かう、黒檜沢が伊南川へ勢いよく流れ落ちる、スノーシェット入口の斜め道(階段)登ってスノーシェットの上に出る、スノーシェットの中央まで進み階段を越えると三ッ岩岳登山口の道標が有って数10bの鉄製階段、この階段が登山道の取り付き口になっている。
左:ブナの大木 右:夜明け
登山道は黒檜沢に沿う、直ぐに大木のブナが迎えてくれる。
ブナは夏日を遮って涼しく、気持ちがとっても落着く所だ、最初のカーブで眼下には黒檜沢の滝が見える。
黒檜沢の徒渉点
黒檜沢へ流れ込む枝沢を3度横切ると黒檜沢に出合う、ここは橋が無く増水時は渡れないかもしれない、橋が付けられない岩場です。今日は静かな沢である。難なく渡渉、黒檜沢を左眼下に見ながら緩やかに登って小さな上下を経ると右に曲がってジグザグな登山道に変わる、前方の山々が見え出し、ちょうど道の中央に岩があり息を整えるには良い所だ。
美林のブナ
大木の2本のマツが立つ尾根に出る、帰りに通過する尾根(帰りは旧道を予定)が見え、広葉樹林に覆われた谷は紅葉の季節は最適であろう、ここから尾根道でブナ林が美しい、20分の尾根道登り後、平坦になる、ブナ林が一段と美しくなって緩く下ると沢に出合う、冷たい水が欲しい頃です。
貴重な水場
冷たい水で嬉しい水場だ。
左:展望も開ける 中央:木道 右:イワショウブが咲く
しばらくトラバース道で左の山を巻いてゆく、数箇所沢を横切って下るようになると目の前に木道が現われる、イワショウブが沢山咲いている。
旧道分岐
ここは小さな谷越えのようなところで次に二本の沢を横切ると旧道分岐に飛び出る。山頂3.3`―登山口2.7`の地点。
左:ツルリンドウ(蔓竜胆)リンドウ科 右:ツバメオモト(燕万年青)ユリ科
巻道が終わって本格的な尾根道になる、ブナ林がとても美しい、ツバメオモトが青い実を付け沢山登山道に生えている、ショウジョウバカマやイワウチワも多い。
左:福島の山々が脈々と続く 右:マイヅルソウ(舞鶴草)ユリ科
登山道は急坂になって福島の山々が脈々と眺めが良くなってくる、登山道脇に展望の良い場所がある、残念なのはひとつの山だけがスキー場で削られて、風景を壊しているが最近珍しい風景ではない。
左:ゴゼンタチバナ(御前橘)ミズキ科 右:オオシラビソの針葉樹林帯
何時の間にかブナ林がオオシラビソの針葉樹林帯に主役を取られ、空気もヒンヤリとなっている、左に三ッ岩岳が見えている、登山道は傾斜がゆるみ、なおも登り続けると湿原に飛び出るオヤマリンドウ、オニシオガマが美しい。
長い登り、窓明山の分岐、湿原が有ってしばらくお花化け:
左:オヤマリンドウ 右:やや傾いた木道
地塘も有って、気分が良い
オタカラコウ(雄宝香)キク科が続く
オニシオガマ(鬼塩釜)ゴマノハグサ科
ミヤマシオガマやヨツバシオガマ と同じ高山植物だが、これは湿地に生える。
1bもの背丈に成長するものもあり、シオガマの仲間では一番大きい。
茎は太く、白い長い毛が密生する。
左:三ッ岩岳避難小屋 右: 窓明山への分岐から登り
三ッ岩岳避難小屋は湿原の直ぐ上に建っている、中に入ると綺麗に利用され、二階になっており20人程は泊まれそうだ、非難小屋が建って小屋の前に湧き水があって休憩にはベスト、ただこの水は少ない!ここに荷物を置き、窓明山への分岐を見送ってぬかるみの登山道を登る。
左:キンコウカ 右:イワショウブ
左:窓明山 右:稜線に出る
2個目の湿原が直ぐに現われる、イワショウブが咲いく傾斜湿原窓明山が綺麗に見える、稜線に出るが直ぐにぬかるみの登山道に入り、展望は無くなる、登り切ると3
目の湿原が現われここは展望が良い、さらに登ると、四個目の湿原が出てくる、イワショウブ、タテヤマリンドウ、キンコウカが数は少ないがとっても綺麗に咲いている、全て規模が小さな湿原だがこの4個目の湿原は一番規模が大きい。
左:オトギリソウ 右:小さい高層湿原が次ぐ次ぐと現れる
稜線の高層湿原
左:会津駒ケ岳 右:稜線漫歩 三ッ岩岳の山頂は近い
左:タテヤマリンドウ 右:イワイチョウ
山並みが続く
稜線の湿原を通過し、ピークに立つと主稜線になって三ッ岩岳山頂が目の前になってくる、ここから山頂までは素晴らしい展望が広がる。
三ッ岩岳山頂からの展望
最後の湿原(ここの湿原は涸れている)を見ながら緩やかな登りを行くと、三ッ岩岳(三岩岳)山頂(標高2065b)に飛び出る。山頂からの会津駒ケ岳は雄大で素晴らしい、隣の峰を越えて稜線を行けば会津駒ケ岳に容易に行けそうだが、1時間前に着き展望を楽しんでいた男性二人の話ですとルートは無いと言う。
近い! 会津駒ケ岳だが!
尾瀬の巨人:燧ヶ岳の双耳峰は会津駒ケ岳の稜線奥にクッキリ見えが、平ヶ岳や巻機山、谷川岳方向はその稜線に隠されている。窓明山方向を眺めると坪入(つぼいり)山、丸山岳、会津朝日岳(標高1624b)、飯豊連峰、吾妻連峰と雄大に続く、眼下の高畑山はスキー場で山肌をあらわにしている。那須連峰の茶臼岳、高原山も続いている。
その向こうが七ガ岳(標高1636b)へと続き、さらに田代山、帝釈山と続く。その奥に日光連山の女峰山が聳え、残念だが男体山は雲の中、その右には雲の上に日光白根山が姿を現している。
会津駒ケ岳の右奥は木々で隠されているが、山頂からちょっと離れると越後三山の中ノ岳、越後駒ケ岳が綺麗に見え、その間にツンと尖った峰が荒沢岳が印象的である、八海山は荒沢岳の後で見えない。さらにその右には只見の山々、浅草岳、守門岳などが見えている。
以前、二岐山(標高1544b)に登っているが、ここも福島、日光、尾瀬、新潟の山々を展望するには三ッ岩岳より良いかもしれない、ただしこちらの方は日光、尾瀬には近い位置である。
左:三ッ岩岳のシンボル 右:下山開始
下山開始、三ッ岩岳避難小屋から荷物を担いで同じ道を旧道分岐(旧道と言わず尾根道)まで戻って旧道を下る、旧道とは失礼な呼び名、とても快適なコースである。
緩やかに1308bのピークに登って行く、小さな大木の松が有る小さなピークを二つ越え、時々、三ッ岩岳が美しく見える、分岐からから5分程でそのピークに着く、その後は凄い傾斜を下る、美しいブナ林が続き、急坂を忘れてしまう、傾斜が有る為ブナ観賞には適しているコースになる、ブナを上から下から横から立体的に眺められるからだ、旧道どころか整備が良く快適な登山道が続く。丸木の階段を下るようになって最下部から少し登り返すと尾根状の道になって、美しい天然のカラマツ林が続く、時々シャクナゲも現われる、分岐から約1時間、このカラマツにマツも混ざってなかなか美しい尾根で、また木々の間隔が狭く興味の印象深い所だ。
深い森 ブナ林は綺麗
ただ気になるのは大きな動物のフンである、熊かも知れない、勿論鈴を鳴らして歩く、今日は三ッ岩岳で遭った登山者は10人程、この尾根道を歩く人は私のみようだ、同じ黒檜沢沿いの登山道を往復している、是非、この尾根道を歩いて欲しい、旧道と呼ぶにはもったいない美しいコースです。
深い森
尾根道も終盤、急な坂が目の前に現われる、この転がってしまいそうな坂を見て、大木のヒノキの下に思わず腰を降ろして、一息休憩となる。
大木が続く
登った黒檜沢沿いの登山道は水場が多く水の心配は不要だが、この尾根道には沢も無く水は得られない。登りは黒檜沢沿い、下山は尾根道を歩くと三ッ岩岳の素晴らしいブナ林を充分に味わう事ができます。
左:NTTの鉄塔 右:NTTの鉄塔の後は良く整備
この坂は短い、再び登りになってNTTの鉄塔に着く。
高畑側の登山口?
NTTの鉄塔後は良く整備された登山道を下るとまもなく国道352号が見え、美しい樹林帯を下り切ると小豆温泉スノーシェット高畑側登山口に着く。ただ最後の下りは階段が造られており、疲れた足には答えますが、ブナの落葉が造るジュウタンがそれを和らげてくれた。ただ、気になるのは、この尾根道は最近歩いた跡が少なく無く、何時までも美しい登山道であって、欲しいなと思うのは私だけでしょうか?
三ッ岩岳避難小屋から窓明山(標高:1843b)経由で家向山(標高:1526b)を経て下る保太橋登山口がどうやらこの高畑側登山口らしい。
左:早朝通過したスノーシェット 右:その時上がった登山口の階段 「山開きの旗」
駐車場の小豆温泉スノーシェットは1個目のスノーシェットを抜けると直ぐである、暑い夏の日差しをこのスノーシェットが遮断してくれる、このスノーシェットは最近新しく造られたもので、左側には歩道も用意され安心して歩けます。
このスノーシェットを5分程で通過、左眼下には伊南川の美しい渓谷を見る。まもなく、朝出発した駐車場に着く、車の台数は2台程増えている。
国道352号は地図上で追って見ると、新潟県柏崎から尾瀬御池を経て日光市、栃木市を経由し、宇都宮市(真岡市の近く)まで通じている、越後駒ケ岳、平ヶ岳、燧ヶ岳、会津駒ケ岳、日光白根山、男体山、そして筑波山の登山をされた方が一度は経由し利用しているだろう、つくば市から尾瀬、日光方面に時々向かう私にとって比較的空いている便利な国道です、自然豊かでドライブにも良いですね!
現在は全面開通と標識が出ており、難所の枝折峠も通行可能である、連休の週は全国からやって来て、この国道を使って登山を楽しむ人々が多い。
HP:わたしの天気予報