雪化粧の稜線を行く  巻機山(標高1967b)割引岳(標高1931b)
  割引沢を遡り天狗尾根を登り詰める

 

日程:20041016日(土)晴れ 


割引沢のアイガメの滝

コース

常磐線牛久駅0:10=(国道294号)⇒下館=(国道50号)⇒前橋2:56=(国道17号)⇒渋川伊香保IC=(関越自動車道)⇒塩沢石打=(県道28)⇒早川=(国道291号)⇒清水:巻機山入口=(林道)⇒4:40桜坂駐車場500円/台)6:15−(0:01)→井戸尾根分岐6:17−(0:10)→避難道分岐6:30−(0:01)→割引沢6:31−(0:10)→吹上ノ滝6:35−(0:15)→アイガメノ滝6:50−(1:10)→落合(ヌクビ沢割引沢出合)8:00−(1:30)→天狗尾根取付点9:30−(0:45)→天狗尾根10:15−(0:40)→割引岳主稜線10:55−(0:20)→11:15割引岳11:25−(0:40)→巻機山山頂12:05−(0:20)→巻機山本峰12:25−(0:15)→12:40避難小屋13:30−(0:05)→前巻機(ニセ巻機)13:35−(0:25)→八合目14:201:00)→五合目15:20−(0:15)→四号目15:35−(0:10)→三合目15:45−(0:05)→井土尾根登山口15:50−(0:05)→15:55桜坂駐車場16:0516:30塩沢石打IC=(関越自動車道)⇒高崎IC18:00=(県道27)⇒18:10高崎駅18:40=(国道17号)⇒熊谷=(国道125号:途中仮眠)⇒23:40つくば市

友、遠征登山にやって来る、常磐線上野発23:12、牛久駅着0:06予定通り到着。一度国道6号に出て田宮交差点を左折し谷田部IC方向に走って、国道354号に出て左折、国道294号に出合って右折し国道294号で下館、後は上記のコースで巻機山登山口桜坂駐車場へ。途中、谷川岳PAで休憩、関越トンネルを抜け土橋PAで満天の星空で冬の星座を満悦、気温5℃。

関越自動車道塩沢石打ICで降り、左折し塩沢大橋線を国道291号にぶつかる迄、直進する、国道291号から巻機山入口を入ると案内図が有って、その脇を昇って行くと静岡ナンバーの大型バス(藤枝からの30名の団体登山者)が前を走っている、ここまで大型バスが入り込み人気に驚く!

既に桜坂駐車場は満席に近く、車を登山口側に停める、1時間仮眠、5時半起床。藤枝の団体、回りの登山者は次々と出発、トイレは駐車場の手前の橋を50bほど戻った所に有る。そのトイレの脇から天狗岩が望め、雪化粧の稜線が見える、その上空は秋晴れ。

615分 準備を終え出発、広い林道を行くとすぐ井戸尾根ルートの分岐、ここは左へ少し下る、カラフルな山小屋が建つ手前で登山道に入る、田んぼのあぜ道でぬかっている、沢を二つ横切って潅木帯に入る、前回:199965日は吹上ノ滝迄行き通過不可で引返して利用した避難道が出てくる、その登山道を見送り、左に大きく下ると割引沢に出る、美しい沢であるがすんなり渡れない、友人も難なくここをクリアーしてくれる、おてんばの強みである。


夢中になると、危ないよ!

反対岸に渡るが赤マークの付く岩を超えるのは激流で無理、昨日までの雨や雪の為増水している、良く見ると巨岩の裏の深い藪を抜けて上部に抜けられそう、足跡は無い。藤枝の団体らは井戸尾根を使っているのだろう、また一般の人も井戸尾根を使っている

巨岩を巻くと、一段と大きな岩の間を流れる沢が美しい、今度は岩場の鎖を使って沢を避けて上に出て行く、美しい滝、吹上ノ滝が現われる、岩を流れ落ちるその姿に目を見張る、友人はさっそく、踏跡を見つけ滝の良く見える所に下って一枚、足元がぬかって滑り易い所で注意したいが、彼女は十分承知している。


ただ、見惚れるばかり

滝上に出るには、長い岩場の鎖に、両手でぶる下がって登らねばならない、吹上ノ滝の上部に出るとその迫力は一段と増している。吹上ノ滝が終わらない内に続いてアイガメの滝が見えて来る、その滝の上側に三人の登山者が見えている。ここまでくると展望が開け、谷川連峰の峰が見えて来る。滝の左側(進行方向に向かって)で沢からかなり離れた、道を岩や草木に頼って、一歩一歩足場を探しながら進む、滝壷を大きく巻いて、上部で滝にグット近づく、足元は濡れ、危険な所だ、一番近づく足元は滝壷の上である、この岩場には短い鎖が次々と付けられている。友人も、まるで岩登りが得意の様に追いついてくる。

ようやく沢から離れ、踏跡の着く道になるが、急坂で草木を使わないと登れない、やっとアイガメの滝から離れ、周りをゆっくり眺める余裕が出てくる、紅葉に飾られた谷が私達を迎えてくれる、ここまで登って来た人しか得られない美しさである。

前方に天狗岩が現われ、左:割引沢、右:ヌクビ沢の分岐が現われる、分岐といっても休憩できるような広場も無く、落合と呼ばれる所である。大きな岩に行き先が示されている。「どちらを行こうか? 割引沢には白妙ノ池(しろたえのいけ)がある、、」と聞くと友人の乙女、「なら割引沢!」と即決で返答、まるで私が思っていた事を先読みしている、驚く存在である、割引沢もヌクビ沢も大変辛い登りで有るが、井戸尾根を往復したくは無い!

友人は登る山は事前に調査し、線蜜に計画を立てる人で、今日もガイドブックの複写を数種類持参している、だが現地で案内する人を押しのけて指図や文句を一言も言わない、だからこちらもコース選択には慎重である。

さて、左折して割引沢に入る、確かに水量は分かれた分少ないが、狭くなったので、水量は減っても深さは同じだ、傾斜も大きくなって厳しさは増している。それでも時々沢岸に現われるオアシスの様な草むらが出て、休憩に良い、谷川連峰がとても美しい、ヌクビ沢の展望に比べこちらは一級品である、流石に事前調査の友人も展望の山々までは調べられない、見えているのは雪化粧の双耳の谷川岳が特に印象深い(山頂に着いて谷川岳と判明)。その脇のツンと尖った万太郎山も美しい。

天狗岩が私達の真横の位置になって、その岩壁の凄さを見せ付ける、転石の最も美しい所だ、沢を左右に飛び越えるところが多いが、中には簡単に飛び越えられない難所が出てくる、友人、難なく越えてくるが、意地悪な箇所に足を落としてしまったが、直ぐに靴を脱ぎテッシュで中の水を吸い取る、靴下は良く絞る、、でも笑顔。

大きな文字で岩に「ここをノボル」と記されている、天狗尾根(黒ツブネ尾根)の枝尾根の取付き点である、尾根の上まで標高200bの急登になる、まずは90度近い岩登り、枝沢が流れその流れを登る必要がある、手袋は濡れる、ここをクリアーすると草付きの急登で苦しい登りだ、ひたすらよじ登るのみ。


自力で登るだけ、相棒は助けにならない

まだまだ中間点、展望は素晴らしい、一歩登る毎に谷から見える山の数が増えてくる、天狗岩と割引岳からの稜線から落ちる壁に囲まれた光景はまさにこのコース一の美景だ。


割引沢上部

細い天狗尾根の主稜線に立つとナナカマドが美しい、真赤なツツジも綺麗だ。

 

 

山の景色

自動的に生成された説明

天狗山(標高:1578b)
割引沢 黒ツブネ尾根から左に見下ろす

 

天狗岩のピークを越えた。縮布ノ滝は知らないで通過。最後の急坂。

 


左がオキ・トマの耳、中央が万太郎山、左が仙ノ倉山・平標山
その奥が苗場山ですかね?

そのピークの上に見える双耳の谷川岳は実に雄大。


紅葉真っ盛り、黒ツブネ尾根 ここまで登ると紅葉の中心部!

そして眼下にはヌクビ沢が長々と見えて来る、叫んで見たが返事は無い!ここまで誰一人と見かけない、上空を見上げると雪化粧の割引岳が見えるが、その前に一個ピークが見える、天狗尾根からの大展望を味わいながら登り続けるが、積雪で歩き難い、白妙ノ池はと探しながら登ると、そのピークに着くと、大きな地塘が現われる、この地塘を白妙ノ池と思った私達は、神秘的な白妙ノ池を探す事無く過ぎてしまった。地塘は大小三個、白妙ノ池の雰囲気は無く、疑問は残ったのだが!

地塘から深い雪道で、数十b登って見下ろすと地塘が並ぶ湿原は高原状でとても美しい所だ、妙高山、火打山、北アルプスが見えて来る、きっと山頂では富士山が期待できる、笹が深くなって、登り切ると割引岳の主稜線に飛び出る、天狗岩は眼下に見え、岩場に登り登山道を登り詰めると割引岳山頂に飛び出る、展望は凄い。


割引岳の左奥に霊峰 富士山 友人の故郷である

今まで谷川岳に隠れていた富士山がその左肩に、日本一の富士山が見えている、埼玉の男性が山々を案内してくれる、今まで疑問だった山名が全て判明する、八海山、越後駒ケ岳、中ノ岳の越後三山が美しい、そして尾瀬の燧ヶ岳、至仏山に笠ヶ岳、大きく独特の赤城山、巻機山から谷川連峰に続く稜線の先に、清水峠が見えその先に朝日岳、武能岳、茂倉岳、一ノ倉岳と続き、雪化粧の双耳峰谷川岳、目立つ万太郎山、続いて仙ノ倉山に平標山、その横に苗場山と並ぶ。そして妙高山に火打山は雲海に浮ぶ、その左には戸隠連山(高妻山)、仙ノ倉山と平標山に奥に噴煙を上げる浅間山浅間山の右には四阿山、浅間山の左に見えるのは八ヶ岳だろうか。

割引沢の辛い登りを達成した彼女、ニコニコ笑顔、このルートの選択は大成功である彼女に感謝する、同行者がここまで喜んでくれないとこの苦しいルートは選択ミスということになる。

北風が吹きつける、風を避け、割引岳山頂からちょっと下った所でお昼、大展望に気を取られ、落着かない昼食になった、今回唯一の反省点ごめん!


稜線は真冬  寒いが私の世界です

下るとヌクビ沢からの登山道が合流する鞍部、雪に埋もれた木道を緩やかに登って行く、振向くと割引岳が美しくい、登山道の左下に地塘が見える、深い雪である。登り詰めると巻機山山頂、一面雪で、牛ガ岳までその広大な稜線が続く。

ここから本峰まで稜線漫歩、燧ヶ岳があれだから平ヶ岳、会津駒ケ岳があれよね!あの大きいのが武尊山、赤城山だから、あれが至仏山よね、赤城山は大きいねとか言いながら。稜線には大きな地塘もあり、深い雪に包まれるが広大な草原である。

巻機山の主稜線を後に木道を下る、鞍部には避難小屋で今日は工事中、山頂の強風は無く、ここで休憩。

ニセ巻機に向かってゆるやかに登って行く、雪の巻機山の大きい姿を一望しながら、やがてシャクナゲに覆われたニセ巻機(前巻機)に着く、ここの展望も素晴らしい。

谷川連峰へ続く稜線が美しい、しばらく稜線歩きが続き、急降下が始る、以前登った時とは違って、潅木に入るまでの間が大きく崩れ、木道が引かれている、近年とくに崩れが激しいと、地元の男性が嘆いている。

井戸尾根の下りは紅葉狩り、割引岳が真白でヌクビ沢に落ちる斜面の紅葉と谷川に続く稜線から米子沢に落ちる斜面も綺麗だ、やがて笹に囲まれた道になって、ナナカマドが真っ赤にそまっている。


ここは、秋真っ盛り

台地状の七合目物見平、丁度、井戸尾根の中間点辺りだ、やがて潅木帯に入るとヌクビ沢の全容が見え、ここの紅葉は美景である。


何処を登ったのだっけ?

シャッターを押す回数が多くなる、大木のブナと細いブナが並ぶ地点は最高である、今度は天狗岩を正面から眺める位置になって、ヌクビ沢と割引沢を分断している様子がよく判り、今日登った天狗尾根が天狗岩から割引岳に直登している様子も良く見える、厳しい登りを思い起こす、ここが六合目の展望台であろう。


稜線は雪化粧、三段紅葉  山頂は真っ白だった!

どんどん下ると五合目焼松展望台で米沢を流れ落ちる滝が見える、急な坂は続き、辛い所だ、展望もなくなって、やや暗い四合目を通過するとまもなく傾斜は緩み、平坦な登山道になって、井戸尾根登山口に飛び出ると広い林道に成って、大きくカーブすると割引沢の分岐、朝通過した所だ、桜坂駐車場は直ぐである、大型バスも去り、駐車場には数台の車が残っているだけで静かだ。

遠征の友人を高崎駅に送る、関越自動車道に乗って関越トンネルに向かう、高崎19時発に乗ると東京駅から直通の電車に乗れるという。美しく雄大な谷川の峰々が楽しいドライブを応援してくれる、関越トンネルを抜け、渋川伊香保ICに近づくと運転者には見えないが谷川岳の姿を友人は何度も振り返る、右に榛名山が見えてくると、突然、夕焼け、素晴らしい光景で、榛名山がその主役を演じている、今日は友人を誘って本当に良かった。

渋川を過ぎると交通量が急に増える、渋川伊香保IC、前橋IC、高崎ICと短く続き、高崎駅までは直ぐである。

HP:わたしの天気予報