犬吠埼の海岸植物「イソギク,ハマニガナ,ネコノシタ,マルバグミ,ハマゴウ」 |
銚子電鉄 君ヶ浜国有林を抜けると民家、君ヶ浜駅近くの踏切 |
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犬吠埼は関東平野の最東端に位置する銚子半島の太平洋に突出する岬。 犬吠埼の周辺には海岸固有の植物を多く見ることができます。 大変希少なものが多いので、大切に見守って行きたいものです。
静岡・神奈川・千葉各県の海岸に生育し、銚子は分布域の北限にあたる。 |
つくば市を6時。 自宅から国道408号は近い、しばらく国道408号を走る、利根(長豊橋)川の手前でR11、常総大橋を見送り、神崎大橋を渡って国道356号へ移る、国道51号の水郷大橋を左に、香取、水郷、国道356号は利根水郷ラインと呼ばれる、小見川、、、道幅が狭くなって、銚子市内、犬吠埼の案内に従う。銚子電鉄の本銚子駅近くの清水坂上で銚子漁港へ。 犬吠埼が遠くに見えます 写真では確認できませんネ 車を銚子電鉄の駅に停め:銚子鉄道を利用する場合は海鹿島駅(あしかじまえき)に車を停め犬吠駅まで乗って海岸を歩く方法はあるが、海鹿島駅または海岸近くに車を停め海岸を歩き、犬吠駅から銚子電鉄に乗って戻る方法もある。 銚子駅に電車で来られた方:銚子電鉄で海鹿島駅まで乗れば良い、駅から海岸まで伊勢大神宮経由で小川芋銭碑まで約1`、後はのんびりイソギクを見て、君ヶ浜を散歩する人々に地元の情報をお聞きするとよい、しおさい公園から君ヶ浜駅(きみがはまえき)の間の君ヶ浜国有林には自然歩道がある、この情報は愛犬散歩中の人にお聞きした。 今日は車で動いてみたが、銚子電鉄に乗った方が楽しいと思います。 直接、犬吠崎に行っても途中の植物を見逃すので、まず、犬吠埼が遠くに見える海岸に車で降り、植物を探して行く事にする。まず、8時半、海鹿島海水浴場手前の銚子市黒生町に着く、ここから、海鹿島海水浴場、伊勢大神宮、小川芋銭碑(牛久沼の墓地)、君ヶ浜しおさい公園(君ヶ浜駅近く散策)、犬吠埼 11:30、長崎海水浴場、 外川の長崎鼻11:50 屏風ヶ浦周辺12:25と車を移動してイソギク始め多くの植物観察を楽しんできました。 途中、車を停めたので観察した内容を説明します。 美加保丸遭難の碑 邪魔にならないよう、美加保丸遭難の碑から離れ車を停める。銚子漁港方向へ散策。マルバアキグミ、トベラ、ラセイタソウが海岸から離れ生えている、ツワブキがまだ蕾です。足元にワレモコウのような小さな花を沢山咲かせている。 イワダレソウ(岩垂草)クマツズラ科 地面をはい、岩から垂れ下がるように生え、名前がつけられた。 乾燥に強く、繁殖力が強いことから、 ヒメイワダレソウと共に、土壌流出防止やグランドカバーとして利用、おそらく君ヶ浜の整備で活躍したのかな?それが何かの原因でここまで運ばれたのかも知れない。 次に目を引くのが、コマツヨイグサ、マツヨイグサ同様に、しぼむと赤くなるという。オオマツヨウグサ、メマツヨイグサはしぼんでも赤くならない、、、。オオバナコマツヨウグサは花が淡黄色。 コマツヨイグサ(小待宵草)アカバナ科 花は2〜3a、草丈は約30aと小さい。ヒルザキツキミソウは昼も花を開き、 シロザ 白藜 アカザ科 荒波になると、海水につかる、そんな場所で生えています、 ツルナ(蔓菜)ツルナ科 太平洋の海岸で砂地に生える多年草。 キャプテン・クックがニュージーランドから持ち帰り、ニューランドのホーレンソウ、日本でも食用にされた、私は食べたことは無いが! タイトゴメ(大唐米)ベンケイソウ科 大唐米は小粒で味が悪いが、炊くとよく増える米のこと、小さな厚い葉をこの米にたとえた。霞ヶ浦にはコモチマンネングサが多いがダイトゴメは見たことが無い。 トベラ(扉)ベラ科 トベラの葉は革質で光沢、先は丸く、一度確認すると忘れない! ラセイタソウ(羅背板草)イラクサ科 夏の海岸で縮緬状の葉に肌色の花穂をつける多年草。 花が咲くと、山に咲くテンニンソウに似ている、一度確認すると忘れない!それにしても奇妙な植物です。 ジシバリかヤクシソウに似たハチジョウナを見て海鹿島海水浴へ車を移動。駐車場は広く便利です。ここで道路と堤防の間にイソギクの群落を見付けるがまだまだ蕾状態です。11月10日頃が見頃のようです。 クコ(枸杞)ナス科 海岸に近い道路だが海側と反対の藪に生えている、茎は根元から束生し弓状に曲がって垂れ下がる。 愛犬散歩の男性、カメラを携帯しリンクサックを背負った男性が道路(銚子漁港方向へ)を徒歩、堤防にてイソギクを観賞地中で、お二人に、お話を聞けなかった! 車の中からその後、犬吠埼経由外川方向(男性)、逆に外川方向(女性)から歩かれる人を見かける、犬吠埼では観光バスが一台。
伊勢大神宮 車を走らせると、カーブのところに数台の駐車場とトイレが有る、停めて見るとイソギクの大群落!ここで伊勢大神宮と海岸を散策。 イソギク 磯菊 キク科 海岸を走る道路から伊勢大神宮の斜面に植物観察には十分過ぎる大群落、しかも、伊勢大神宮と道路を結ぶ箇所には海岸を代表する植物が多く、しかも道路沿いにトイレは用意されている、但しここは駐車場が狭いので、海鹿島海水浴場か君ヶ浜しおさい公園に車を停めのんびり観賞したい所です。 ハイネズ 這杜松 ヒノキ科 ハイネズは雌雄異株、海岸の砂地に生える、4〜5月に花を付け、球菓ははじめ緑色、今日は緑、これが翌年の9〜10月に熟し、黒紫色になり、白粉をかぶる。葉は、びっしりと3輪生し、写真のように鋭く尖り、気孔帯が中央に白く目立つ。名のネズとは、同属のネズミサシのことで、ネズミを刺すほど葉が硬いことに由来する。どことなく高山のハイマツに似て、ハイマツも雌雄異株。
ヒサカキ 姫榊 ツバキ科 ハマヒサカキ(浜姫榊)かと思ったが、葉の先が凹んでいない、質も厚くなく、ヒサカキだろう。 シャリンバイ 車輪梅 バラ科 常緑低木 シャリンバイは暖地も海岸に自生、北茨城では移植したようだったがここは自生。枝は車輪状、葉は枝先に密に互生、質は厚く、光沢がある。果実は球形、黒紫色に熟す、白粉をかぶり、美味そう!シャリンバイと言う名は一箇所から多数出る小枝が車軸のように見えること、花が梅に似ていることから付けられました。 上右の写真はシャリンバイの花でこの次に訪れる小川芋銭碑で咲いましたものです、花期は5月頃。 カントウヨメナ 関東嫁菜 キク科 長い石段、イソギクが飾り、混ざってカントウヨメナが印象的、イソギクはちょっと早く、見頃は11月10日頃。 ノブドウ 野葡萄 ブドウ科 茎の基部は木質化、蔓は長くジグザグに曲がる、葉に対生し巻くひげをだす。 カラスウリ、スズメウリ、ヤブガラシ、カナムグラ、アオツヅラフジなどつくば市には今頃多いのだが、ここ犬吠埼や北茨城、鹿島灘などにこのノブドウが多い。 ソナレムグラ 磯馴葎 アカネ科 ソナレムグラは海岸崖地の岩の割れ目・隙間などに生育する。茎は其部から分かれ、岩の隙間を埋めるように生える、葉は密生して対生、多肉質で光沢があり、基部は細くなって短い柄がある。8〜9月にかけ、枝の先に白い花を咲かせる。トイレ下の海岸で二輪だけ咲いている。短い花柄があり、花冠の先端は4つに分かれて直径4_程度。名は「磯馴れムグラ」、磯に生育するのに馴れているムグラ類。 ソナレムグラはアカネ、ヤエムグラが身近に有るが想像もつかない雰囲気です。 左:小川芋銭碑の道標 右:君ヶ浜 手前の広大な駐車場 再び車の移動、小川芋銭碑が目に入る、ここには駐車場が無い、すぐ先が君ヶ浜、その浜の手前に広大な駐車場(入口はガタガタ道)、ここに停め小川芋銭碑へ戻り散策します。 急な岩場を登る、従って自信が無い人はピークに上るのは止めた方がいい、今日も誰もいません!だが見晴は犬吠埼以上で、小川芋銭碑が建てられる大展望です。 左:ピークには小さな祠が祭られている 右:ツワブキ 石蕗、艶蕗 キク科 ツワブキは荒れた海がよく似合う、銚子漁港辺りは蕾でしたがここは見頃。 左:ピークに立てば、太平洋の風は吹きつける 右:マルバアキグミ
丸葉茱萸 グミ科 マルバアキグミはアキグミの変種、海岸近くに生え、葉は対生、開花は4〜5月、10〜11月に赤く熟し、口に入れて味わうがまだまだ甘くなっていない。 マルバアキグミは君ヶ浜の道路脇に群生、子供達を連れグミ摘みも楽しいかも知れない!10月21日北茨城で見たグミはマルバグミで4〜5月赤く熟し食べられる。 ハチジョウナ 八丈菜 キク科 ジシバリかヤクシソウに似たハチジョウナだが、海岸の砂地や原野などに生え、茎の高さは30〜100a。茎先に、直径3〜4aの黄色の花を数個つける。頭花は舌状花だけからなり多数。総苞は綿毛が密生し、総苞片はふつう4列に並ぶ。葉は互生し、長楕円状披針形で、縁に欠刻状の牙歯がある。基部は茎を抱き、耳状にはりだす。葉裏は粉白色を帯びる。名の八丈は、八丈島原産と誤り伝えられたもので、実際は北海道など北部に多いという。花期:8〜10月。 岩壁にイソギクが密集、とても危険です! さて下山はと探す?登った道の反対は民家の屋根、こちらの民家には降りれない、従って危険だが海側に下るしか無い。 ハマエンドウ 浜豌豆 マメ科 開花は4〜7月、雰囲気でハマエンドウ、晴天時には葉を上に上げて折りたたみ、 ハマエンドウはソナレムグラの間から生えている、これは海岸砂浜の水不足に耐える戦略かも知れない? ネコノシタ 猫の舌 キク科 ネコノシタは別名:ハマグルマ(浜車)。茎は長く地をはい、節から根を下ろす。葉は対生し、卵形または楕円形、質はやや厚く、短い剛毛がある。花期は7〜10月、斜上する茎の先に黄色の頭花を1個つける。海岸の砂地に生え、名は葉がネコの舌のようにざらつくことによる。別名のハマグルマは、舌状花が管状花群の周辺に出るようすを車輪に見立てたものである。ネコノシタの葉に触ると、ザラザラし、猫の舌そっくり、あまり気持ちのよいものではない。 廃業の建物 海岸には廃業の建物 この下を潜って道路に戻る。 ハマエノコロ 浜狗尾草 イネ科 エノコログサの変種で、海岸の岩場などに、背丈を低く穂も小さく、 ハマエノコロはエノコログサのように群生せず、ポツポツと生え、探してもすぐは見つかりませんでした。 左:ハナヅルソウ 花蔓草 ツルナ科 別名:アプテニア、花期は夏 右:バクヤギク 莫邪菊 .ハマミズナ科 小川芋銭碑から海岸淵に下り、海岸から道路に戻って、車を停めた君ヶ浜駐車場へ、駐車場から徒歩で再び海岸に降りる、地元の釣り仲間が数人集まって強い波に向かって糸を投げ込んでいる。左の岸壁にイソギクの大群落が満開見頃の日を待っている。 イソギクの群落が岩壁を覆う 足元にはハマゴウが砂地に懸命に咲き、可愛い。ネコノシタ、ハマエンドウ等の海浜植物の領域です。 ハマニガナ 浜苦菜 キク科 海岸に生え、葉がイチョウに似てハマイチョウと言われる、 車に戻って、すぐ先の君ヶ浜しおさい公園駐車場の入る、広大な駐車場、数台停まっているだけ。周囲がトラべ、シャリンバイが密集して囲んでいる。 ハマゴウ 浜栲 クマツヅラ科 海岸生の低木 君ヶ浜は道路、砂地、散歩道、海岸の組み合わせ、散歩道には地元の人々が自由に行き交う、砂地は広く、ハマゴウ、ネコノシタ等が広がる海浜植物の世界です。 マルバアキグミの群生 一方道路の海側と反対側には、防砂林の松、マルバアキグミ、トベラ、シャリンバイが密集、海辺から離れると、君ヶ浜国有林の看板を発見!
君ヶ浜国有林に遊歩道に入って見る、一変、海浜植物は無いようです。愛犬を連れた女性が国有林に現れビックリ、、、聞いて安心「銚子電鉄の君ヶ浜駅が直ぐ、、」とのこと、地元の人が毎日の散歩で、ここを行き来しているそうです。 タンキリマメは草地・林縁で日当りのよいところに生える、ここは国有林が大きく開けその環境、周囲を見回すと豆果は赤く熟し、2つに割れ、黒く光沢の種子が顏を出す。 ここを散歩する人々は、黄色い花、青い豆実と熟した今の姿を知っている。更に進むとヤブコウジが林床を埋め尽くす、実のつく株は多くは無い。 ミゾソバ 溝蕎麦 タデ科 葉は互生し、卵状矛形で先端はとがり、基部は三角状耳形に張り出す。葉質は薄く、 国有林を抜けると、ミゾソバの大群落に出合い、畑があって、その先に銚子電鉄が走る、運良く、銚子行の電車がやって来る。 サルトリイバラ 猿捕茨 サルトリイバラ科 サルトリイバラは茶花、10月21日の六角堂観月会での天心邸茶会 に見事なサルトリイバラが飾られていた。この果実が可愛く、重宝されている。
君ヶ浜国有林 海岸から離れたい気分になれば、ここがお勧め! 君ヶ浜に戻って車を犬吠埼へ、灯台の近くに停めたが、戻っての君ヶ浜側の海岸に下り車を停める。犬吠埼(いぬぼうさき)は関東平野の最東端、太平洋に突出する岬。世界灯台100選に選ばれた犬吠埼灯台がる。 他の国内灯台で世界灯台100選に選ばれたのは、姫埼灯台(新潟県佐渡市)、神子元島灯台(静岡県下田市)、美保関燈台(島根県松江市)、出雲日御碕燈台(島根県出雲市)。。。? 世界灯台100選は、国際航路標識協会 が1998年(平成10年)に提唱した「世界各国の歴史的に特に重要な灯台100選」のことです。 左:犬吠埼灯台 右:やや荒れた犬吠埼 ウチワサボテン サボテン科 ウチワサボテンは中部以南の温暖な地方で植栽されているが、 カタバミ 酢漿草 カタバミ科 雑草の中の雑草と言えるほど繁殖力が強く、どこでも成長、植物観察に出かけると必ず生えている。 カタバミは自宅の近くに今でもイモカタバミが咲き、春は筑波山に出かける登山口に白いミヤマカタバミが咲きます。
外川 長崎鼻辺り 遠くに風車が見える! ハマゼリ 浜芹 セリ科 根生葉には長い柄がある。茎葉は互生し、羽状複葉で小葉は羽状に切れ込む、質は厚く、 悪く環境にもめげない:ハチジョウナ 右:悪く環境にもめげない:イソギク
太平洋岩壁、ちょっとでも根がはれると、イソギク、ハチジョウナ等が生えている。 イソギクは11月10日頃が見頃!他の植物も多く今日はとても楽しい植物観察ができました、チャンスがあれば何度も訪れたい所です。 帰路は銚子内を通り、国道356・408号で真っ直ぐつくば市へ。。。。 |
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