尾白川渓谷と日向山 美滝とミツバツツジを楽しむ |
日程:2005年4月16日(土) 曇り後晴れ
日向山山頂の鴈ヶ原
花崗岩砂の斜面はまぶしく輝き、独特な光景である
コ―ス
3:00矢立石駐車場スペース5:00―(1:20)→6:20日向山・雁ガ原6:35―(0:05)→錦滝下山口6:40―(0:35)→錦滝7:15―(0:15)→不動滝入口7:30―(0:20)→不動滝7:50―(0:45)→神蛇滝8:35―(0:20)→百合ヶ淵8:55―(0:10)→旭滝9:05―(0:15)→千ヶ淵9:20―(0:20)→黒戸尾根駒ケ岳登山口9:40―(0:10)→9:50竹字駒ケ岳神社9:55―(0:05)→登山道横切る(ミツバツツジ群落)10:00―(0:35)→炭焼釜10:35―(0:05)→林道出合い10:40―(0:10)→10:50矢立石駐車場スペース
日向山は山梨県北杜市に有る、雄大な甲斐駒ケ岳の前衛の山として入笠山、甘利山、櫛形山と並ぶ人気の山である。
八王子から中央高速に乗り大月ICで降り笹子トンネルを抜ける、ガソリンスタンドで桃の様子を聞くと「ピンクのじゅうたん、今日が見頃です」とのこと。笛吹市から御坂峠の間が桃、サクラが咲き誇って楽しいドライブができると言う。
甲府市から国道20号を走ると南アルプス市、甲斐市、韮崎市の市名を確認し車を走らせる、そして目的の北杜市に入り、甲斐駒ヶ岳登山口である、道の駅「はくしゅう」を探す。
道の駅「はくしゅう」の手前の交差点が甲斐駒ケ岳登山口・日向山・尾白川渓谷の入口で、国道20号から左折、直ぐに尾白川リゾートキャンプ場、白州・尾白の森名水公園を左に見送って、さらに直ぐ、竹字駒ケ岳神社と甲斐駒ケ岳登山口方面と別れ、日向山方向は右に曲がって行く、暗くて良くわからないが、くねくねとカーブを幾つも曲がって、やがて未舗装路になると、矢立石駐車場スペースに到着。この先に林道は伸びているが「走れるような林道 禁止のゲートもある」ではない。
矢立石駐車場スペースは車の回転場と同居しており、到着1台目は後から来る車の事を考えるとちょっと責任を感じる、従って1番手前の「駐車場スペース」のポールの直ぐ下に、下り方向に向けて停める。
何だか落ち着かない気分、車の外に出てみると、眼下に町の夜景が綺麗であり、星空、明日は雨の降るような天気とは思えない、少しでも長く仮眠しようと車へ。
4時半、歩行可能な明るさ、5時出発、林道から直ぐ本格的な登山道になる、実はこの登山道は元々、竹字駒ケ岳神社が登山口であったが、ここまで林道が伸び、今では矢立石が日向山の登山口になってしまったようである、地図にもPと記してある。
雑木林に入り実に歩き易い傾斜でジグザグに上に向かっている、左に巨岩が現れる、松林で木々の間から甲斐駒ケ岳から続く大きな山が見えてくる、黒戸山(標高2254b)だろうか?雑木林ではあるが、美林で気分は上々、朝の空気も美味しい。
松・ブナからカラマツ林に変わってくると、回りが朝焼け、5:20 雪化粧の白い姿の明峰甲斐駒ケ岳がその姿を現すが、残念!木々の合間からである。
黒戸尾根は大きく長い、幾つものピークを経て駒ケ岳山頂へと登っている、近い内にこの尾根を使って駒ケ岳山頂に立って見たいものである。2020年になっても実現していない(笑)。
明峰
甲斐駒ケ岳
そうこうしている内にピークの斜面を横切る、短い距離だが美林の上に出て、展望も良く小鳥の鳴き声を聞く、再び傾斜が大きくなって斜面はササに覆われ日向山独特の光景と変わる。
今度は右側が開け八ヶ岳が見えてくる、この辺りカラマツ色になって林床は見事なササに覆われ、鹿が逃げて行く、彼らも驚いたのだろうがこちらの方もビックリ、あまりにも近くから飛び出すので!
ササの覆われた日向山独特の光景
ササの背が高くなって、登山道は深くえぐられ時々歩き難い所も有る、地図を広げて見るとこの辺りで富士山が見えても良いのだが、上空は青空なのに富士山の方面は厚い雲、6:05
平坦なカラマツ林 優しい道が続く
ドウダンツツジの名札、カラマツ林が切れ、登山道は平坦になる、しかしこの雑木林は直ぐに終わって、またカラマツ林になって、床は背の低いササ、「うぐいす」が迎えてくれる。
左に巨大な甲斐駒ケ岳が木々の奥に見ながら、緩やかに下って鞍部、自記雨量観測計の塔が立っている。冷たい風が駒ケ岳から吹き降ろす、登り返すと平坦に変わって、ブナが多くなって、足元に不思議な光景、白い砂、白いペンキをこぼした様な感じ!
美しい白砂の海岸が高い山に現れる
6:20 目の前から木々が消え、美しい白砂の海岸と言って良い砂浜に飛出る。日向山頂(標高:1660b)に到着。
大きな八ヶ岳、甲斐駒ケ岳と雄大な展望、奇妙な岩が白砂の斜面に立っている姿は言葉で表現することは難しい。
素晴らしい展望が広がる
まるで雪渓のような斜面を横切ってゆるやかに下ると、雁ガ原下部、ここから錦滝へと下って行く。
斜面は雪渓の様です
振返ると風化した白ザレの花崗岩が今にも雪崩のように崩れ落ちるのではと思える、雪の様に滑ることは無いが慎重に下って行く。
神秘的な美しさ!
薄暗い谷に下る、大木のブナの横を登る。
雁ガ原30分−錦滝20分の地点、ここからは急坂の尾根を木々に捕まって下る、一部崩れて危険な箇所も現れる、沢の音が聞こえてくるがまだまだ下りは続く、崩れかけた木の階段が現れる、上から崩れた砂が積もって、足元が不安定、次いで短いクサリ、よやく滝が見え、すぐに滝の横に出る、錦滝。7:15 東屋が建ち、矢立石に向かう林道に飛出る(矢立石に向かうと車を停めた駐車場に着く)。
錦滝の落差数10b
錦滝は落差数10b、滝壷まで下りて清流で顔を洗う。
林道に出て左折し30b地点に水場。この尾白川林道は奥に延び、不動滝の道標が有る、昔は車が通過、危険進入禁止のゲート、錦滝を正面に見ながら橋を渡って、矢立石とは反対に向かう。
立派な東屋
尾白川渓谷は林道の左の谷底、右に苔に覆われた岩場を清流が流れ落ちる沢を見て、次いで細い糸が流落ちる沢、林道はもはや回復の手段は無いほど荒れている、だが人が通過するには広すぎる登山道である。
不動滝周辺の危険な岩場
7:30 不動滝に下る道標が現れる、危険と案内されているが、取付いて直ぐにホットする、新しい丸太の階段が出てくるからだ。
細い尾根を下って行く最初は急な傾斜は無く、日向山の稜線を見上げて進む。7:40 ところが、今まで尾根歩きだったが急に右に大きく折れ、急降下、長い鉄製の階段が現れる、20bが二本続く。
庭園風の美しさ!
次いで両側がコンクリで囲まれた木製の階段が4,5個続く、この木製の階段は古く周りの雰囲気に溶け込み美景を生み出している。
一連の階段が終わると美しい沢、平坦になって右に下る鉄の階段、下って藪を抜けると、凄い音、不動滝である。巨岩よじ登らないと滝の全景は見えない。
迫力の不動滝
不動滝から抜け出て、吊橋の根本、尾白川渓谷の案内図が置かれている、竹字駒ケ岳神社まで美しい滝が続くと言う、一人が通過できる幅の吊橋を渡る、床は木でちょっとビビル、穴も二個ほどあいている、この吊橋から見る不動滝はその後ろに巨岩壁が有って凄い。
美しい沢底、妖精が住んでいる
渡り切った所に、沢へ下りる鉄製の階段がある、ひょっとして不動滝に近づくことができるかと期待したが無理、ただ下った沢底は一見の価値がある。
吊橋に戻って、急登、不動滝の良く見えるポイントがある、急登を登り切ってしまえば平坦、谷の向い側の高い位置に錦滝から矢立石に延びる林道が見える、こんなに下ったのかとため息。
「竹字駒ケ岳神社から矢立石に停めた車へ戻るのは大変な登りになる」と頭を大きくよぎるが、次々と現れる渓谷美を見ると帳消しで頭から消えてくる、この道は渓谷道と呼ばれている。
渓谷を見ながら遊歩する
平坦な登山道が続き、渓谷は100b程眼下でその美しさに近づいて見ることができない、従って飽きがくる、アルミの橋を幾つも渡る、沢を渡る為では無く危険な岩場を渡る橋である、ようやく下りに、渓谷が美しい、直ぐ元のように平坦な登山道が続く、まもなく平らな樹林帯になって目の前に「下山は尾根道を」と案内される、尾根道を使うと滝を観ることができない、人も気配も無く滝のある道を選択、もし登ってくる人に会ってしまったら邪魔をしないと誓って選択!
最初に現れるのが、尾白川渓谷の最も美しい「神蛇滝(しんじゃだき)」、三段、言葉では言い尽くせない美しさ、大きな岩の展望台に越を下ろしシャッターを押し続ける。
神蛇滝 大蛇が渓谷をのぼる!
鉄製の階段と木の根の階段を急降下、確かに「登って来る人」に出合えばやっかいな所だ、でも良く整備され慎重に下れば全く危険は無い。
百合ヶ淵は入り組んだ箇所で踏み跡を慎重に選んで良く見える所まで下ってみる、迫力満点。
急坂を下り切ると沢に近くなって旭滝、真っ直ぐ沢に入ると足元は真っ白な砂場、大きな岩を越えないと旭滝に近づけない、一旦数b登山道に戻ると難なく滝壷の手前まで入れる、深い渓谷の岩の間から噴出すような迫力でしばらく見とれてしまう。
次々と現れる滝、現れ滝は皆美しい
滝から登山道へ、ここからは沢から近い登山道であり、崩れている箇所も多い、ここからは落差こそ短いが次々と滝や淵が現れ美景が続く、沢の対面の斜面にミツバツツジが見事に咲きピンク色に染まっている。
エメラルドブルーの水面 飛び込みたい!
対岸は日当たり、こちら側は日当たりが少ないのかツツジも数本と少ない。
ミツバツツジ
この辺り新緑もだいぶ進み、エメラルドブルーの水面に写って美しい。
黒戸尾根経由の甲斐駒ケ岳登山口が出合う。吊橋に着くと竹字駒ケ岳神社は橋の向こう側の老夫婦がこの吊橋を楽しそうに渡ってくる、橋の上から眺める景色もなかなかのものだ、右下に広い河原は広がっている。
尾白川渓谷を振り返る
吊橋を渡って、観光客4人(二組のご夫婦)に出会う。この美景に訪れる人が意外と少ないのには驚き、時期的には「里」は桃・サクラの満開で止り、この美しい渓谷に入り込まないのだろうか?
矢立石駐車場スペースへの登り口を探す、神社の水道(水飲み場)と売店の間に標識は無いが上に向かう登山道を見つける。この登山道に入って見る。
これに取付くと確かに上に向かって延びている、9:55 約5分登ると左から登山道が横切っている、ここに来てようやく「日向山ハイキングコース」の標識が現れる、どうやら、今竹字駒ケ岳神社から登って来た道は尾白川林道が建設される前から有った旧登山道の様である。
しっかり踏み跡が有ってとても歩き易い道なのに何故か「2005年版」41(最近購入した)の北岳・甲斐駒の地図にも記されていない、竹字駒ケ岳神社から真っ直ぐ十二曲りへ線を引くだけなのに。
ブナ林の黒い木々の中に可憐なミツバツツジが咲き可憐です!
本数は少ないが可憐!
急登だが気持ちの良い所だ。足元には落葉が積もっており、あまり多くの人は歩いていないようだ。
長いワイヤを横切るとまもなく尾白川林道に出合うが、ピンクのリボンは林道に出ることなく、上に行くよう案内している、踏み跡は薄いが迷うような事は無い、炭焼釜が現れると数分で林道に飛出る、ここは左折し林道を歩き、次の曲がり角で再び登山道に取付く、先ほどから気になっていた大きな姿の甲斐駒ケ岳が一段と良く見えてくると、朝歩き出した矢立石駐車場スペースに飛出る、朝は私の車のみだったが、6台、後ろに整然と一列に並んでおり、停め方に問題は無かったようで安心する。
竹字駒ケ岳神社から約1時間、ミツバツツジの咲く楽しい登りは「矢立石から日向山、雁ガ原、錦滝と経由し、さらに不動滝に下って尾白川渓谷を楽しむ」コースを選択した場合大変有効な登山道である。
矢立石から林道を車で下る、尾白川渓谷との分岐までは道幅は狭い、道の駅「はくしゅう」に立寄る、駐車場から眺める甲斐駒ケ岳はとって雄大で北杜市の誇りだろう。
国道20号を甲府へ向かって走る、笛吹市から御坂峠に向かってドライブ、満開の桃を観賞、「ピンクのじゅうたん」と言うが、その通りで見事な風景である、さらに道端には満開のサクラ。
甲府はピンク1色
新御坂トンネルを抜ける、ここも道端には美しいサクラが咲き誇る。後は三ッ峠、御正体山らの山々を眺めて大月市へ、しばらく国道20号沿いのサクラを楽しみ上野原ICで中央高速に乗れば八王子ICは近い。
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