草花が美しい人気の山、山頂からの展望は素晴らしい

 藤原岳(標高:1120b)

 

藤原岳山頂
大パノラマ 岩場も奇岩

 

 

  関西、鈴鹿の花、藤原岳5月の連休が見頃だと言う。

大峰山(「大峰奥駆け」14:15 から下って、国道309号で国道169号に戻って再び大台ケ原入口を経て吉野町、国道370号に入り、一度通過している、「IC」への道標を追いかけると問題無く、国道25号針ICに着く、無料で走れる亀山IC(鈴鹿ICが便利)で降り、国道1号を走り、国道306号に入る。

御在所岳(標高1212b)に登るなら途中交差する国道477号に入れば良いが、ここは真っ直ぐ国道306号を北上。

西藤原に入ると藤原岳の標識が現れる、ここで左折、藤原岳観光駐車場に入る。有料(300円)、トイレも有って広い、位置的には聖宝(しょうほう)寺から登るコースと大貝戸道コースの中間点

2005年5月3(火)晴れ 藤原岳 観光駐車場、聖宝寺を経て、天狗岩から山頂を目指し、大貝戸道を下山

 

コース

 

藤原岳観光駐車場5:00―(0:02)→鳴谷神社5:02―(0:18)→聖宝寺(しょうほうじ)5:20―(0:10)→一合目5:30―(0:15)→二合目5:45―(0:20)→三合目6:05―(0:15)→四合目6:10―(0:10)→五合目6:20―(0:10)→六合目6:30―(0:15)→七合目6:45―(0:10)→八合目6:55―(0:20)→九合目7:15―(0:30)→藤原山荘7:45(0:25)→白船峠分岐8:10―(0:05)→8:15天狗岩8:30―(0:45)→9:15藤原山荘9:20―(0:15)→9:35展望台:藤原岳山頂9:45―(0:25)→藤原山荘10:10―(0:40)→八合目10:50―(0:40)→三合目11:30―(0:15)→建築中の堰堤11:45―(0:01)→誓願寺11:46―(遊歩道 0:05)→登山口11:50―(0:20)→藤原岳観光駐車場12:10

 

石灰岩の藤原岳は花の名所 ニリンソウ

伊吹山の南に:霊仙岳、御池岳、藤原岳、雨乞岳、錦向山、御在所岳、鎌ヶ岳と気になる山々が連なっている、限られた日数で最後まで登山候補に残った山が藤原岳または御在所岳、結局「花の名山」と言うことで藤原岳に登ることに決めた、ただ歩き出してから、下山を天狗岩(標高:1165b)から白船峠経由で坂本谷を計画していたが、その楽しみの坂本谷は通行禁止である事を知り、天狗岩から引返し、大貝戸道(表登山道)を下りました。

ここ鈴鹿山脈は、北・中央・南アルプスに比べると小さな山脈である、生育する植物は2,000種を超すと言われている、関東の丹沢や奥多摩の嶺も都心から近いが、ここの様に花の多い山は無い。ここ中心が藤原岳であり、至仏山同様石灰岩の環境で植物が生育しやすい、また若狭湾から伊勢湾へ季節風が吹き、積雪が深く植物の生育にむいている、今日はそんな藤原岳を歩いてみます。

では、さっそく藤原岳に登って見ましょう;

藤原岳観光駐車場は広く、有料だが遠方から来た人にとって車中一泊でも安心でき嬉しい、5:00 料金事務所の横を通り西藤原小の前を右に折れる、直ぐ駐車場の脇を右に入ると鳴谷神社、境内に入って右に折れると約100段、80段の階段が続き聖宝寺の一角に飛出る、マスの養殖池を縫って聖宝寺に登る、公園風の境内はとても綺麗に清掃され気持ちが良い、ここには公衆トイレも設けられている。

三岐鉄道西藤原駅から徒歩、車だと東名阪自動車道四日市東か四日市ICが近い。国道306号を使いました

聖宝寺境内を抜けると左に折れ、ようやく登山道が始まる、聖宝寺(裏登山道)である。右に大穴を見ると一合目、登ると直ぐに沢、倒れた大木を越え、沢を渡る、崩れの激しいちょっと危険な所だ。

長命水から急登になる、先を急ぐご夫婦は見えなくなってもマイペースで花を探しながらゆっくりゆっくり歩きます、お花の山を登る時は花を捜す時間が必要です、特に相棒がいない単独登山では大切。枝分かれの登山道を見送る、名札が木に付けられているが高い位置で読めないのが残念です。

登山道は必要以上に整理(関東では必要以上に階段など付けられている)されておらず、自然に近く楽しめます、だから伐採されず、樹木の種類も多いことになる。二合目を過ぎると、涸れ沢に入って30bも登れば右が綱場でよじ登る。スギ・ヒノキの植林帯の登り、左には抜けた涸れ沢が続き、白い肌の岩を見せてくれ美しい

三合目で涸れ沢が二分、まだ早朝、静かな所だ。四合目はスギに囲まれ、五合目を過ぎると騒がしい、猿たちが雑木林を飛び交う、ズミだろうか花を摘まんでいるようだ。彼ら猿の世界だから彼と目を合わせないように登り続ける、やや傾斜がゆるみ樹林帯にスッポリ囲まれ新緑の美しい登山道になる。

六合目、林床にトリカブトが群生、ニリンソウが沢山咲いている、スミレも多く、花の山らしくなってくる。やがて右が涸れ沢の登りになって小さい花が無数に咲き誇る、七合目から急登、ヒノキの林を抜けると大貝戸道(下山時は大貝戸道を下る)と合流し、合流地点に七合目の案内版、展望も良い。

小さい花が無数に咲き誇る

フクジュソウの群落が現れる、すでに花期は過ぎニンジンの大様のように葉を伸ばしている、ニリンソウ、小さい花が続く。道を横切る沢状の斜面は荒れている、登山道も荒れ、一番辛い所だが花が多く、その美しさが押し上げてくれる


藤原山荘

 展望も開け、琵琶湖が輝く、登り切ると藤原山荘の庭先に飛出る。

ご夫婦と別れ、山荘の右側へ進む、花々の草原で、気持ちよく登ると視界が一段と開け、藤原岳の山容を眺めることができる。台地を登って下ると美しい樹林帯に入り込む、楽しい所だ、8:00 誰一人おらず独占の樹林道は天狗岩へと続く、白船峠経由の坂本谷は通行禁止、分岐を真っ直ぐ天狗岩へ進むとフクジュソウの大群落が現れる。


花期を過ぎたフクジュソウの大群落

隣に御池岳(標高1247b)が美しく見える展望の丘に飛出て、短い樹林を抜けると天狗岩に到着。

天狗岩からは、南の山々が目に入り、御在所岳(標高:1212b)が一番奥に見え、藤原岳へと向かってくる山々の稜線を一望。

素晴らしい展望

藤原岳のピークは高く聳え立派。残念だがここからは伊吹山は見えない、御池岳の影になっているのかガス原因だろうか?

足元の岩場にヒトリシヅカの群落、驚く多さだ。


岩場の間にヒトリシヅカの群落

藤原山荘に戻る、山荘から大きく下って、鞍部から山頂へ、天狗岩への道と全く異なって背の高い笹に囲まれた登山道が登っている。

天狗岩を振向く

登り返し振向くと山荘を中心に広がる草原風の風景は一見の価値有り。

登り切ると大展望、藤原岳山頂(標高:1120b)である。

藤原岳山頂

鈴鹿山脈は伊吹山の南に位置し、滋賀・三重県境に連なる、山脈の最高峰、御池岳の標高1247bで2000級の山は無いが、生育する植物は2000種を越すと言う、なんでも本州でもっとも幅の狭い場所で植物の移動はこの山辺りを通ることになる、近くの伊吹山も花の山で人気だ。そして石灰岩のカルスト地形で大型の森林は育たず、背の低い草花にとって嬉しい環境と言うことになる。さらに積雪も多く雪の重みで樹木が押し付けられ雪解け直後には日が良く当たる。

藤原山小屋に再度戻って、ニリンソウ、ミヤマカタバミ(山のカタバミと覚えよと教えてもらう)など楽しみながら八合目へ、どんどん増える登山者、展望は霞み、早朝登山は静かでした。

ミヤマカタバミ

8合目で聖宝寺(裏登山道)を見送り、大貝戸道を下る、大貝戸道が表道で、登った聖宝寺の道は裏だが裏の方が花も多く、変化も有って裏・表は登山者にとっては逆のようだ、藤原岳山頂から山荘の間でお会いしたご婦人「花の100名山と紹介され、坂本谷は一般に名が知れ渡り、どっと登山者が押し寄せ、かつてフクジュソウの黄金の登山道は荒れてしまった」と悲しそうである。

聖宝寺の裏道もかなり荒れていた。このような現象は藤原岳に限ったことではない。


樹林帯の床に咲く可憐な花

途中で会った、藤原岳の登山暦50回以上と言うおじさん「坂本谷は歩けますよ」と言う、このような古い考え方を持つ人は困ったものである、登山道を管理するのは私達11人である、50回もお世話になった人は、むしろこの山へ、恩返しをするべきで禁止して生態系を保護しているのに「歩けますよ」とは登山者は失格、50回は何だったのだろう。

沢山蕾みを付けたツツジの大木

大貝戸道登山口に下ると、遊歩道がのんびり藤原岳観光駐車場へ向っている、11:50 これから藤原岳を登る2人の男性(裏登山道を登る)、子供2人連れた散歩中のお母さんと杉林を抜ける。西藤原駅か登山口まで5,6分、休憩小屋があって神武神社から登山道が始まることになる。

西藤原小の裏を下れば今朝出発した藤原岳観光駐車場に到着する、広い駐車場は満杯約8割。

 

ガイドブックを開くと:1月は樹氷、2月セツブンソウ、56月は花が多いそうです。

 

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