ヒメサユリと眺望(サンカヨウの群生、シラネアオイの群生)      
浅草岳(標高1586b)  入叶津登山から登ってJR口田子倉駅に下山

日程:2002629日 晴れ


凄い!鬼ヶ面山の顔

 

浅草岳は標高1,586bで近くの守門岳(標高1586b)と並んでJR只見線沿線の豪雪地帯に聳える明峰で、6月下旬にはヒメサユリが稜線を飾る、浅草岳の入叶津(いりかのうづ)登山口から登り、美しいブナ林(ここのブナは美しく白神山地に匹敵する)を楽しみ山頂からは田子倉湖へ一直線に下降する。

JR田子倉駅に車を置き、JR只見線でJR只見駅へ、タクシーで入叶津、入叶津登山口から浅草岳下山後は田子倉登山口へ戻ってくるコースを選択。登り3時半、下り3時間のコースになる。

結果的に大成功で白神山地と肩を並べると言われるブナ林(沼ノ平がその中心だという)、避難小屋の雪田、サンカヨウの群生シラネアオイの群生さらに山頂周辺のヒメサユリの群落を見ることができました。

参考:20085月現在の只見線(2002年に登ったが、参考は2008年)
【只見発→田子倉間】5:488:5616:201949
【田子倉発→只見間】7:0714:2817:25 ※ 季節限定でSLなど快速が走るが田子倉駅には停車しない
参考だが:新宿発23:10ムーンライト「えちご」が20086月の金・土限定で小出駅に3:10着で停車、小出発5:30会津若松行きが各駅停車である。
帰りだが:只見発19:49は小出駅に21:10着、小出駅22:2522:59長岡駅1:10(ムーンライト「えちご」)⇒5:02池袋駅5:115:27上野駅 新幹線だと小出駅21:3421:42浦佐駅22:08Maxとき352)⇒23:34上野駅
※ ただ、2009年はムーンライト「えちご」の運行は季節運行に変わると言う

 

コース

3:30JR田子倉駅707=(JR只見線)⇒7:16只見駅7:20=(タクシー)⇒浅草岳入叶津(いりかのうづ)登山口7:30―(1:30)→山神ノ杉8:30−(100)→沼ノ平分岐9:30−(100)→避難小屋10:30−(020)→浅草岳山頂11:00→前岳の肩→浅草岳山頂手前の田子倉分岐12:20−(100)→剣ヶ峰13:15−(1:30)→浅草岳田子倉登山口14:50−(005)→15:00田子倉駅

つくば市の自宅 23:00から国道294号線で下館、国道408線で宇都宮、国道号4線の矢板ICで東北自動車道に乗って西那須野塩原ICで下り、国道400号線で田島、田島から国道289号線で南郷村を経て只見、只見から国道252号線に入り田子倉に向かう、途中、狭いトンネルの手前に田子倉レークビューの駐車場があってここが田子倉ダム、さらに幾つかのトンネルやスノーシェッドを抜けると水色の建物:JR田子倉駅の前に着く、10数台の駐車場があるが、駐車場は私だけでした。ここに駐車し7:07の始発電車を待つ。

浅草岳登山者用の田子倉登山口駐車場はJR田子倉駅からさらに小出方に進み最初のカーブに入口がある、注意する点は線路を挟んで2箇所の駐車場があって登山口に便利な方は線路を渡らない手前の入口から入る、大きな駐車場でここを埋め尽くされる事はまずないだろう。西那須野塩原ICからJR田子倉駅と尾瀬御池間はほぼ同じ距離です。

JR只見線小出駅発5:30の電車が汽笛を鳴らしてJR田子倉駅に7:07到着、乗客は2人乗ってきて、登山者がここで1人降りる、電車は二両編成である、大勢の登山者が乗ってくることを予想していたが、無人駅で料金は後払い。

冬季はJR田子倉駅に停車しないので注意!

JR只見駅では私が降り、誰も乗らない、料金は車掌さんに渡す、予約していた只見観光タクシー(Tel:0241-82-2202、駅前タクシー)の運転者さんが笑顔で改札口前にて迎えてくれる、駅前から国道252号線に出て左折、数分走り入叶津の標識を左折、運転者さんの話だと会津のマッターホルン蒲生岳と浅草岳は人気が高いという、残念ながらその蒲生岳は雲の中で見えない、後で解ったが今日は守門岳と同時に浅草岳は山開きでした

入叶津登山口は道路脇にあって、数台の車が止まっていたる、駐車場は広く20台は止められる。「浅草岳登山口」の大きな看板の右を通過し藪の細い登山道に入る、地元のご夫婦に会う、登山口から5分も経っていないのに、篭いっぱい「わらび」を抱えている、足元にはわらびが無数にのびている、山菜は地元の宝だから登山者は見るだけにしたいものです。

まもなく小さな沢に出る、ここから次第に傾斜が増す、藪の道は終わり、美林のブナ林の道になってとても歩きやすい、林から出て草原になる、山道の石を見つけ腰をおろし休憩、右側に大きな山々が見えてくる。

登山口から約1時間半、大きな杉の木:山神ノ杉に着く、小さな石の祠がある、沼ノ平は右に下るが、浅草岳山頂へは左ですブナ平尾根コースの始まりだ、ここから、「すだれの上」(すだれ岩)と呼ばれるところまで美しいブナ林が続く、尾根には所々距離標識が立てられ山頂まであと何Kmと示されている。


美林のブナ

 

ここのブナは大木で古木もあって見事なものである、山道は良く整備され急ではあるが歩きやすい、適当な石上で朝食、単独の女性が登ってくる、彼女は群馬からで関越自動車道で小出から国道252号線で来たという、小出から入叶津まで2時間半とのこと、入叶津登山口に車を止め往復するという。

平らな石がゴロゴロした道になって左上の林の中に大きな岩もある、傾斜が緩みまるで車道のような広い道になって、約20分程平坦な道が続く、日光女峰山の一里ガ曽根はシャクナゲ道だが、ここはブナとツバキ道である、白神山地の世界遺産に肩を並べる、「浅草岳の美林ブナ林」だけあって見事なものである、距離標識に「平石山」山頂迄4.5km、平坦な道が終わり登りになると、沼ノ平(この沼ノ平のブナ林が美林だそうです)との分岐、ちょっと休憩に良い、浅草岳から長く伸びる尾根が見えてくる。

かなり遠望だが右側に名も知れない滝が見える、群馬の彼女は見逃したらしい、足元には草花が咲き、「すだれの上」という所に着く、急登も無く緩やかに登り続けるが、地図にある雪田がなかなか現れない、「本当に着くのかな?」と心配そうな彼女、木々の間に雪山が見えてくる、小さい三本沢の源流に着く、雪解け水を口に含むと冷たくて美味しい、雪解けが始まったばかりか、雪が無くなった湿原は枯れ草で春の高山植物はまだ見えない、樹林帯から抜けたこともあってか素晴らしい眺めである、同行中の彼女も思わず感歎を上げる

木道に入る、すぐ雪渓に覆い隠され、踏み後を探すが見つからない、慎重に雪の上を渡る、幅10mくらい、渡り切るとちょうど避難小屋の上10mの地点、なんとここに、シラネアオイと同居してサンカヨウが咲いている大変貴重な花である、実に綺麗で可憐、登ってこなければ見らない、感動の一瞬である、梅雨の時期の花である。


雪渓を登る

 

サンカヨウはこの先下山口まで有りませんでした、シラネアオイは山頂の周辺に多い、雪渓の右側を歩きシラネアオイを見ながら登る、山道にはツバメオモトが白い小花を付けている、ショウジョウバカマは雪解けの斜面に咲いている。

木道になって、まもなく天狗ノ庭、眺めは抜群、眼下には田子倉湖、尾瀬・只見の山々が脈々と続いている、どんどん標高が上がるにつれ展望は益々拡大する。

五味沢方面から登って来たという人々に出合う。ここから山頂へは近い、周囲に目的のヒメサユリ、まだ小さいつぼみ、今日の開花は無理かなと心配しながら山頂を目指す。


ヒメサユリ

 

登るに従って、登山者が多くてなって驚く、群馬からの彼女、栃木からの単独男性と私以外は、五味沢からの人達です、「何故、こんなに大勢?」と聞きくと、何と今日は守門岳と浅草岳の山開きだそうで、そして山開きツアー約70人、山開きツアーの人達はの下山は田子倉登山口だそうです。

浅草岳の山開きは只見町と入広瀬村と別々の日に行われていると言う、今年は、只見町は728日で入広瀬村は629日です。

また隣りの守門岳の山開きも守門町と入広瀬村で異なっており、守門町は62日で入広瀬村は629日だ。

今日(2002629日)浅草岳山頂で会った山開き登山の団体さんは五味沢から登って只見尾根を下っている、例年只見尾根を下ったことが無く今年は特別らしい、また団体さんとの会話の中で「どこから登って来たの?」に対し「入叶津から」と答えると「福島がわから!」と言われ大笑い。

尾根道が主稜線になって、なんとお目当てのヒメサユリの大群が沢山花を咲かせている、浅草山山頂は満席です。

 

浅草岳から近い、守門岳がとても美しく見える、守門岳は三つの峰からなり右から大岳(標高1432b)、袴岳(守門)(標高1537b)と続く、五味沢から登って来たご婦人に「ヒメサユリを毎年見にくるのですか?」と聞くと「昨年は守門岳で、守門岳の大岳はここよりヒメサユリが多いわよ!」と教えてくれる、守門岳の手前は黒姫(標高1368b)だそうです。

 

会津朝日岳が大きく見えるが、その向こうに尾瀬の山々、平ヶ岳、さらには越後駒ケ岳が見えるはず、今日は雲の中。浅間山山頂から前岳に下る、下って行く途中に田子倉下山道を確認、下り切った草原にも人が多い、草原の左に上にヒメサユリの大群落がある、木道を前岳方向に進んで見た、雪田で高山植物の美しさはこれからのようだ、所々ワタスゲが白い穂を付けている。

前岳から浅草岳山頂方向に戻る手前に只見尾根へショートカットする道は雪渓の上側を抜けて浅草岳山頂からの下ってくる登山道に合流する、山頂で眺めた鬼ガ面を見ながらの下山です、いきなり狭い急な斜面、周りの木々や綱を頼りに下る、足場は悪い、その上ぬかっている、ここはブナ平尾根と違いシャクナゲが多い、花期は過ぎている。

山神ノ峰を過ぎて「鬼ガ面眺め」に着きほっとする、振り返ると浅草岳の岩壁が見えなかなか良い場所で、「鬼ガ面のつら」も良く見える。

ここから少し下って鞍部から再び登ったところが剣ヶ峰でここの方が「鬼ガ面眺め」より眺めが良い、剣ヶ峰から下ると展望は無くなるのでここが最後の展望台と思い最後の展望を楽しむ、田子倉湖の水面が美しい。

岩稜地帯が終わるとブナの美しい道に入る、小さな沢に出る、続いて幽ノ沢、鉄製の橋を渡り少し登ったらまた小さな沢に出会う、ここからは下りだ、広々とした大久保沢の広場に着く、大木のブナが大変美しい、後は只見沢を右に見てどんどん下る、沢幅が広がって樹林帯が終わり広場に出る。

ここが浅草岳田子倉登山口で広い駐車場、小型バス4台、他数台が止まっている100台以上がらくらく駐車可能だ。

駐車場を横切って国道252号線、振り向くと浅草岳が望め下った只見尾根も見える、JR田子倉駅までは数分だ、山頂で会った単独の男性(車を入叶津に置いて来た、只見尾根を下りたいという男)と、入叶津まで送ることを約束している、その彼も5,6分の差で駅に着く、この辺の山に付いて聞くと:彼は会津朝日岳、三岩岳に登っており、会津朝日岳は展望も良く、三岩岳は高山植物が多くお奨めだという。

 

右に田子倉湖を見ながらドライブ、行き先は只見、JR只見駅前を通過し入叶津はすぐだ、入叶津にはまだ数台の車が止まっている、彼を降ろし只見に引き返す。

国道252号線に出る手前で蒲生岳のとんがった峰が見えた、魅力的な山だ、蒲生岳は次の訪問に取っておこう。

帰路は只見駅前の交差点を田島方向に左折、ひたすら国道289号線で田島へ向かう南郷ではヒメサユリ祭りの旗が立ち並んでいた。

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