会津駒ケ岳(標高2133b)  名花ハクサンコザクラは見頃!
 中門岳(標高2060b)を往復し、大津岐峠からキリンテに下る。

日程 20057 23日 (土)晴れ  


中門岳の手前 ハクサンコザクラ

会津駒ヶ岳の名花として知られるハクサンコザクラを見に登ってみました、先週は飯豊山にイイデリンドウを見に登り、北限であるハクサンコザクラも見てきました。さて名花会津駒ケ岳の様子はいかに!19969月に登っており、9年ぶりある。

会津駒ヶ岳、尾瀬御池が近く、燧ケ岳や至仏山、さらに平ヶ岳も国道352号に登山口が有って、これらの山々を駆け足で登ってしまう登山者が多い。
そして今日は数十人の団体が2組、1組は中門岳も回るが、他の組は駒ノ池に荷物を置き山頂のみ、ハクサンコザクラを見に来たなら中門岳に行かないと、個人の登山者(前回私達がそうであったように)の多くは山頂のみの人が意外と多いのは残念です。

山頂から中門岳を歩いて初めて「日本百名山会津駒ケ岳」を登ったと言えるのではないでしょうか。特に中門ノ池周辺は一見の価値、美しい高原のオアシスでさらに木道の終点は素晴らしい展望が広がっています。

コース

つくば市22:30=(国道2944号)⇒東北自動車道矢板IC=(東北自動車道)⇒西那須塩原IC=(国道400号)⇒会津高原駅=(国道352号)⇒内川=(国道352号)⇒4:20桧枝岐会津駒ヶ岳登山口駐車場4:40―(0:05)→桧枝岐会津駒ヶ岳登山口バス停4:45―(0:01)→トイレ4:45―(0:15)→登山道近道分岐5:00―(0:15)→会津駒ヶ岳登山口5:15―(2:25)→湿原入口7:40―(0:20)→駒ノ池8:05―(0:10)→手前の駒ヶ岳山頂と中門岳分岐8:15―(0:10)→会津駒ヶ岳山頂8:25―(0:05)→奥の駒ヶ岳山頂と中門岳分岐8:30―(0:35)→中門ノ池・中門岳9:05―(0:05)→中門岳木道終点9:10―(0:40)→奥の駒ヶ岳山頂と中門岳分岐9:50―(0:10)→手前の駒ヶ岳山頂と中門岳分岐10:00―(0:05)→10:05駒ノ小屋10:35―(1:25)→大津岐峠12:00―(1:40)→キリンテ13:40―(0:55)→14:35桧枝岐会津駒ヶ岳登山口駐車場

バスの利用者は都心から尾瀬(尾瀬御池)行き、電車で会津高原駅からバスになる。車だと会津駒ケ岳登山口まで上がって、登山口周辺に車を置いてピストンする人が多い。今日も昨夜新宿を23時頃出て、4時頃着いたというご夫婦、日帰りで16時のバスで帰るとのことだ。

今回は国道352号の桧枝岐会津駒ヶ岳登山口バス停から手前(徒歩5分)のテニスコート前の駐車場を借りる、トイレ、水道施設も有る。バス停まで徒歩5分弱。大きな「会津駒ケ岳登山者用駐車場」と国道沿いに案内が立っている。


会津駒ケ岳滝沢登山口の梯子

バス停から20b地点にトイレ施設、綺麗な下ノ沢を右に見て、林道をゆっくり登る、数回カーブすると駒ケ岳の近道表示、近道は林道から離れ、カラマツの林を登る、良く刈り込みが行われ、登山道は安定。10分程で林道に出る、多くの車が沢山停まっている。林道を右に一回カーブし緩やかに登れば、登山届ポスト、数十段の梯子が現れ、この梯子が登山口取付点

何故梯子が有るか?林道が登山道の後に建設され、遮断されたためだ。林道は直ぐ先で終わっている。梯子を過ぎるとジグザグの急登、新宿から夜行バスでやってきた奥さんバスの中でよく眠れなったご様子、この後駒ノ小屋から中門岳周辺で見かけなかったが無事登って帰られただろうか。

30人の団体、後から来た人を「急行」と呼び、抜かしてくれる、急登で足場が悪く、狭いところで「どうぞ!」と言われ抜いて行く、この人たちはマイクロバスで都心から夜行、流石に団体となると目的は明確、ハクサンコザクラの鑑賞である。

登山口から一時間程登ると登山道は急登から開放され、広くなってくる、「ブナの実」に付いて団体のリーダーが説明している。


ツルアリドオシ(蔓蟻通し) アカネ科  

「この小さい白い花は?」と聞くと「ツルアリドオシ」と言う花で、二輪咲き実になる時は二個が一緒になって赤い実になる、この為に実は目が二つ有るという、ガイドのおじさんとメンバーの女性が教えてくれる、この花、普通の山道で見かけるが、この辺りこの花しかないので話題になった、少し登ると赤い実が一つ、良く見ると目が二つ有る、流石にこの団体は目的を定め登っている。

 
左:ツマトリソウ(褄取草、端取草)サクラソウ科        右:ミツバオウレン(三葉黄蓮) キンポウゲ科 

登山口から1時間半程、都心から車でやって来た3人、先輩が後輩を連れており、早速お花の勉強、マイズルソウ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウと尾瀬周辺では定番、さらにミツバオウレン、イワカガミと現れる。

見事な原生林、ブナ林、ジグザグが続き、広葉樹林と針葉樹林が混在すると、左に遠望だが日光連山が勢ぞろい、ベンチの置かれる水場は見過ごすほど美しい展望。

 多くの花たちが迎えてくれる!

 
左:ベニバナイチゴ(紅花苺)バラ科                     右:エゾノヨツバムグラ(蝦夷の四葉葎) アカネ科

 
左:エンレイソウ(延齢草) ユリ科         右:イワカガミ(岩鏡) イワウメ科

 
左:アカモノ(赤物)ツツジ科             右:傾斜湿原に着く

ここを過ぎると前方に駒ケ岳の頂上が見えてくる、アカモノ、イワカガミが多くなって、やがて目の前に木道が現れ、サラサドウダンツツジの大木、続いてピンクのウラジロヨウラクツツジと咲き、まもなく傾斜湿原に飛出る。

ベンチと椅子が置かれ、先行の登山者が休憩中、地図にはミツガシワと掲載しているがイワイチョウが咲いている、ミツガシワの方が花期は早いのだろうか。


池塘を見て、湿原を歩く イワイチョウ

湿原を少し登ると駒ノ小屋が見えてくる、コバイケイソウに囲まれる、左に燧ケ岳、その奥に至仏山も見える所だが雲の中、お目当てのハクサンコザクラが早くも現れる、今年は残雪が遅くまで残って融けたばかりで少ないらしい。そのかわりチングルがまだ綺麗に咲いている。

振向くと池塘の散らばる傾斜湿原、鬼怒沼山や田代山などの奥に日光連山が雄大に顔を揃えて見えている、近い尾瀬方面の雲が何故か切れそうで切れない。


   ハクサンコザクラ 会津駒ケ岳の名花 雪解けで絶えず湿って日当たりが良い場所に咲く

湿原を登り切って駒ノ池の淵に出る、下山時再びここを通過するので、尾瀬方面の雲が切れることを期待し、休まず駒ケ岳山頂へ向かう。


駒ノ池

駒ノ池の上部には大きな積雪、湿原を上下して横切る、ハクサンコザクラもちらほら咲いている。駒ケ岳を直登せず、木道は左に回りこむ、この辺り日当たりが良いと見えハクサンコザクラとイワイチョウの群落。木道は樹林に入る、駒ノ小屋と駒ノ池が美しい所だ。


   
会津駒ケ岳山頂直下から   燧ケ岳とハクサンシャクナゲ

直ぐに中門岳と駒ケ岳山頂の手前の分岐、右に折れ駒ケ岳山頂へ、突然ハクサンシャクナゲが現れ、株に寄ってピンクとシロの二種類、振向くと期待通り尾瀬方向の雲が強風に流され、燧ケ岳から雲が取れ、シャクナゲと燧ケ岳の組み合わせ、俎ー(まないたぐら)と柴安ー(しばやすぐら)の二峰からなる燧ケ岳は美しい双耳峰。


標高:2133b 会津駒ケ岳山頂

アッと言う間に再び雲に覆われてしまう。小刻みの木道になって大きな標識が立つ会津駒ケ岳山頂に到着。周りの笹は、前回は秋で背が高く展望は無かったが、まだ笹の背が低く尾瀬や日光の展望は素晴らしい。


中門岳へ下る

燧ケ岳周辺の雲は激しく流れている、中門岳へと下る、短い樹林帯を抜けると、広大な湿原が広がって、遠くへ続く稜線と池塘が見えている。

先程別れた木道に合流、ここにはベンチが置かれている、鞍部に降り、残雪に覆われた木道、湿原に入らないように先に現れている木道に渡って行く。大きな上り下りは無いが、ここから中門岳までは距離的には尾瀬沼の長蔵小屋から沼尻平、戻りを入れると尾瀬沼をちょうど一周するくらいだろう。湿原、展望、お花畑、池塘が散らばって長大な山稜は魅力タップリ、駒ヶ岳の山頂を登って終わるのは残念です。

 
この残雪はハクサンコザクラを生んでいる

ゆるやかに下る、大きな池塘の上部は残雪、そこを横切るとハクサンコザクラの群落、登山道の右下に残雪に埋まった池塘、後方の山、三ッ岩岳とのバランスが美しい。この辺り例年ハクサンコザクラが多い所だが残雪が遅くまで残ってこれから咲くのだろうか?

 
左:中門岳 標高:2060b                        右:中門ノ池

登って池塘沿いにハクサンコザクラの美しい小群落、さらに下って、小さな樹林帯を抜けると、高原のオアシス、中門ノ池が見えてくる、ここに中門岳の標識が立つ、高原のオアシス、中門岳山頂5分程先、大きな池塘が有って木道はその周りを回って往復できるようになっている。

 
展望とハクサンコザクラを思う存分楽しむ

 ここで道は終わり、時間の許す限り、充分に楽しんだら、往路を引返す。


尾瀬の主役 燧ヶ岳

往路を駒ノ家まで戻るが、雲がどんどん切れ、燧ケ岳、尾瀬ヶ原、至仏山、平ヶ岳、越後三山、奥只見方面の山々が見えてくる。


駒ノ小屋と大津岐の中間の湿原   ハクサンコザクラと尾瀬の山々

駒ケ岳と中門岳分岐辺りからの燧ケ岳は実に美しい。

 
左:これから進む稜線 右:サワギク(沢菊) キク科

駒ノ小屋でお昼、10:35 小屋の右側を下る、ここに入る登山者は少なく急に静かになる。

 
左:可愛い、お馴染みの花が足元を飾る                      右:ハクサンフウロ クルマユリ

小屋の裏に回ると前方にこれから進む富士見林道が大津岐山(大津岐峠:おおつまたとうげ)まで続き、その奥に燧ケ岳が望める。

  
コバイケイソウ(小梅尅吹j ユリ科 が咲く、美しい稜線漫歩

樹林帯を抜けると尾根道、ヤセ尾根を越えて行く、岩場にはハクサンシャクナゲが見事、足元には黄色いニガナが咲き誇る。

 
左:ウラジロヨウラク(裏白瓔珞) ツツジ科           右:ハクサンシャクナゲ(白山石楠花) ツツジ科

岩が露出、梯子登りもあるが、11:30 前方に湿原が見え、下って登り返すと小さな湿原、池塘の横にハクサンコザクラが咲く、意外と大きな湿原。

 
左:続く稜線             右:タテヤマリンドウ

緩やかに登って笹林に入り、再び湿原、タテヤマリンドウが群落。


大津岐の大きな標識

次にコバイケイソウの多い池塘を過ぎる。ここから小さく下って、上下を繰返す、平坦な道になって草原が広がる。広い傾斜湿原に出る、ここを登って、背の低い樹林帯に入れば大津岐の大きな標識が見えてくる。大津岐の標識の脇にハクサンコザクラが群落、大津岐は大杉岳経由尾瀬御池、キリンテへ下る登山道の分岐点。12:00

右に大杉林道を見ながら狭い登山道を急降下、ただ10分程下ると、快適な登山道になる、傾斜もキツクなく、岩場など無く、燧ケ岳が見えなくなると、12:40 、ブナ林が美しい、いくぶん、傾斜がキツクなる頃、水場が登山道左下に有る、美味い水ですが残念標識が無く見逃してしまうだろう。13:05 登山道から20b入る。


静かな雰囲気を味わう

沢の音が大きくなって、沢が見えると、沢に出合う、冷たい水で汗を流す、稜線で数人に会ったが、人の気配も無く静かな尾根歩きでした。キリンテ登山口に到着13:40

キリンテバス停で先行して下った若者が13:40のバスを待っていた、尾瀬に寄って帰るそうである。尾瀬は明日も天候は良さそうです。

尾瀬御池発、田島行きのバスは 13:07の次は15:07前回は家内と歩いた道、今日も桧枝岐まで歩きます、夏日が背中を照らし、さっき下山時の水場で満タンにした水が大助かり、約50分で桧枝岐会津駒ヶ岳登山口バス停へ到着する。

駐車場には10台程停まっている。駐車場を出る時、キリンテ(始発は尾瀬御池)からのバスが通過して行く、、、これが会津の故郷です!

HP:わたしの天気予報