梅ヶ島温泉・安倍峠から大光山
一日中富士山の展望が楽しめた

 

静岡・清水市民の山 バラの段(標高1648b)大笹ノ頭 (標高1672奥大光山・大光山 (標高1661

日程 2007318日 (日) 快晴  


バラの段から大光山まで富士山展望

コース

梅ヶ島温泉(よしとみ荘)6:45=(小型トラック)⇒安倍峠取付点6:55―(1:00)―>林道出合7:55―(0:15)―>登山口入口(旧歩道入口)8:10―(0:02)―>沢を渡る8:12―(0:01)―>巣箱の藪坂8:13―(0:32)―>吊尾根・ブナ林の段8:45―(0:20)―>美林のブナ林と笹原9:05―(0:05)―>稜線9:10―(0:01)―>安倍峠からの登山道合流9:11―(0:16)―>9:27バラの段9:30―(0:15)―>ピーク9:45―(0:25)―>急坂・ピーク10:10―(0:05)―>ワサビ沢ノ頭10:15―(0:30)―>大木のヒノキ林10:45―(0:15)―>11:00明るい窪地11:05―(0:10)―>大笹ノ頭11:15―(0:20)―>奥大光山の鞍部11:35―(0:20)―>三河内分岐11:55―(0:05)―>奥大光山12:00―(0:25)―>大光山の鞍部12:25―(0:05)―>ダマシの大光山12:30―(0:12)―>12:43大光山12:44―(0:01)―>大光山展望地12:45―(0:25)―>植林帯入口13:10―(0:05)―>稜線終点・草木へ下る13:15―(0:20)―>13:35水場の小屋13:45―(0:10)―>東峰分岐13:55―(0:20)―>沢を渡る14:15―(0:15)―>堰堤上14:30―(0:10)―>駐車場14:40―(0:05)―>三差路・民家14:45―(0:20)―>15:05草木バス停15:39=(静鉄バス)⇒17:18新静岡―(0:05)―>JR静岡駅18:57=(東海道新幹線)⇒20:25JR東京駅

 

 6時、明るい、今日は素晴らしい天候に恵まれる、6:45 「私も山登りを少しやるので、早く出発したい気持ち、良く解る」と言いながら食事を部屋に運んでくれる、食事が終わると、おにぎりを持って、若旦那が現れ「準備ができたら出かけましょう!」、早速準備し、皆さんに送られ小型トラックで梅ヶ島温泉のバス停から大きく右折、「右の稜線が今日歩く所ですよ」と案内しながら昇って行く、八紘嶺から続く稜線が樹氷で眩しい。

急な坂を上がると一台の車が停まっている、「ここから歩いてください、上の林道に出たら林道を行きなさい」と言いながらお別れする。

安倍峠取付点から杉林の中の急登、適当な大きさの石が敷かれ急だが歩き易い、左の山の稜線は、昨日の雪で樹氷景色で綺麗です、実に見ごたえ。桧林が続き、そろそろ中間点辺りかなと思う頃、雑木が混ざってくる、このコースは八紘嶺へのルートでもある、2人の足跡、同じ歩調で歩いているのでご夫婦だろうか、左方向の展望が開けてくると道は短いジグザグとなってまもなく平坦になってピークを越えると二俣になる、先行の2人の足跡を追って右に登る、想像以上の大駐車場に飛出る、林道出合7:55

林道はスッポリ雪に覆われ、2人の足跡が残っているのみ、同じ方向に進めば八紘嶺登山口がある、予想通り安倍峠に向かうのは私のみ、綺麗に雪で飾られた林道を踏んで行く、左の斜面の木々に綺麗な樹氷、蔵王などでご覧になる重く豪快なものではなく、キラキラ輝く桜吹雪の樹氷と言ったら良かろう、日が当りアット言う間に解ける短い命でもある。

橋を渡る8:05 上から見る山伏方向の稜線も樹氷でまだ輝いている、ここからは山伏は見えない、大きく尾根を巻くように進んで行くと頭上に林道のガードレールが見える、そのガードレールまで登るには数回曲がって上がることになる、宿の若旦那は「林道を行きなさい」と忠告、8:10 旧遊歩道入口(安倍峠登山道入口)の標識が現れる。ガイドブックに「標識に従がい、山道へ入る。沢を渡りキャンプ地を過ぎ、ゆるく登っていくと安倍峠だ」とある、林道歩きは単調で面白くない、それにこの雪は融けだすと大変である。

この標識に従がって山道に入る、一度小さな沢に降り、登り返し、本流の沢を右下に見て下り、沢底に着く、雪で道は隠されて行き先不明、沢底に下り、沢を真っ直ぐ渡った所の木にピンクのリボン見付ける、真っ直ぐ登ると木の裏に巣箱、薮の斜面を登る、細い吊尾根に出る、左下は渡ってきた沢、右下はバラノ段から落ちる谷、沢からずいぶん離れ高い位置、木々を伝わって吊尾根を行く、登山道らしい跡も無くリボンもさっき有った一本だけ。

それでも人の歩いた跡が時々目に付く、とにかく前方の峰に向かっていることは確かだ、樹氷に飾られるツツジの大木、きっとヤシオツツジであろう、そして花期にここを通過し楽しんでいる幸せ人が存在する。樹氷の美しい林を今日は楽しむ。

8:45 中段、ブナ林が美しく、梅ヶ島温泉から安倍峠を経て身延へクネクネと谷を抜けて行く林道が眼下に見える、登山道はまだ不明確。


眼下に小屋が見えるけど、ここはどのあたり?

尚 尾根状の急坂を登る、八紘嶺、七面山への稜線が見え、眼下に安倍峠の小屋なのか見えてくる、木々に囲まれ樹氷のトンネルを登る、ツツジの大木、花が咲いたら見事であろう。

ガサガサと数個の物体が逃げて行く、鹿だ、やや傾斜も緩んだところ、鹿が上に向かって稜線を越え消えてゆく、獣道か登山道か、ここは鹿の登った方向に登る、彼らが住む良く知った土地だ。9:05

とうとう稜線に飛出る、鹿の姿も足跡も無いが、立派な登山道の上に立つ、安倍峠からに急勾配の道を登ってしまったことになる、結果的に最短コースを登ったことにもなる。

9:10 稜線に出て右へ30b進むと、安倍峠から登ってくる登山道が合流、覗くほどの急勾配、雪道で登れなかったかもしれない。その先細い吊尾根状になる。


 
南アルプス一の展望台の笊ヶ岳

左は八紘嶺から七面山への稜線、その奥に笊ヶ岳が頭を見せている、まもなくバラの段への最後の厳しい登りとなる、何度も手でつかんだ岩を確かめ、雪を取除き上に、ただ体が宙に飛出るような箇所は無い、ただし、四足です。

登り切ると平坦になって、木々の間からの展望だが雄大な富士山が迎えてくれる、ここから大光山まで常に富士山を見ながらの楽しい登山となる(正確には一部の鞍部では見えないが)。9:27 バラの段到着、しばらく富士山の良く見える峰に留まる。

標高1648bから標高1550bまで、約100b急降下する、一度ピークを越える、9:45 山伏方向と富士山がとても印象的な美しさ、そしてどんどん急降下、ここには長い綱が置かれている、ツツジ類の木々、ブナも見事、樹氷もまだ綺麗だ。


樹氷 満開の桜!

鞍部 左右から交互に風が吹き抜ける、この鞍部(ここが標高1550bだろうか)からの登りは足場が無く辛い急斜面、四足でよじ登る、登ってしまえば好ましい稜線漫歩、ここで初めて山伏が見える。

10:15 そんなプロムナードにワサビ沢ノ頭の標識が建てられている、大木のブナ林に囲まれているが明るく、富士山、南アルプスが見え、360度の展望と言って良い。

 

笹が刈られ、3人並んでも十分な道幅、足元は真白の新雪、大木が横たわる、小動物の足跡はその大木の下を抜け、私は、またがって越えなければならない、この大木の辺りが一番明るい所です。

足跡は小動物のみ、バラの段辺りからずっと続き、私より早い時間に同じ方向に向かっている、勿論姿は見えない。10:30 木々が切れ富士山の展望ポイント、腰を下ろすところが無い、樹氷が桜の満開を連想させる、少し富士山が真横から後方に見える位置になって笹の原に周りがなってくる。

大木の桧が多くなって、10:45 枯木&富士山の光景が美しい、美景が続き足は止まるところです。

先ほどから小動物の足跡が消えている、探すと右のやや窪んだ辺り沢が見え、足跡はその水場に下っている、彼らも水を雪に頼らず、沢で飲んでいるようです。

ゆるやかに登る、この辺り一番の積雪、ここには根雪もあり、歩き難い、山伏辺りの奥に真っ白い巨峰が姿を現す、南アルプス南部の塩見岳、赤石岳、聖岳などであろう、大木の桧と逢って素晴らしい。


真白な巨峰 南アルプス南部の山々

緩いピークを越えると窪地、ここは雪がなく横たわった木に腰を降ろす、宿のおにぎりを頂く、サケの程好い塩気が食欲を呼ぶ。11:00

11:08 久しぶりの急登、アイスバーンなって簡単に登れない、2度ほど大きく滑り、もがくことになる。

大木の左のルートを取った方が良かった、11:15 大笹ノ頭(標高1672b)の標識、字のごとく周囲は笹原。

左にどっしりした篠井山、その右方向に十枚山、そのもっと先に大平洋「駿河湾」が輝く、その駿河湾から愛鷹山連峰、長い裾野から雄大な富士山、そしてまた長い裾根続き、毛無山へと続く一連の大パノラマは実に素晴らしい。

プロムナードと言い切ってもここは深い山、大笹ノ頭から奥大光山の鞍部まで大きく下ります、11:35 鞍部 登山道から離れ富士山方向に入ると大展望、今日最後の富士山の良く見えるポイントです、毛無山、天子ヶ岳、思親山などを従がえた富士山です。

再びアイゼンを付け、急登、途中ワイヤ(何を引き上げたのだろう)を一本越える、一歩一歩富士山を見て登り詰める、11:55 ここも笹に囲まれたピーク、三河内からの登山道、人の足跡が新雪に付いている、12:10 奥大光山山頂 カラマツが目立つ、再びノンビリコース、下って登る、ここから大光山山頂手前まで富士山の展望、南アルプスの展望の良いポイントが次々と現れる。

旦那様が先にドンドン先に行ってしまう、ご夫婦、奥さんに追いつく、聞くと、三河内から4時間、危険なコースとのこと、大滝の様子も聞くと「安倍大滝」は一見の価値充分とのこと、ご夫婦は藤枝にお住いで良くこの地に来られるそうです。

大光山とダマされるピークを越える、12:25 そしてゆるやかに下って、展望の良い鞍部から急斜面を登って、やや細い尾根を行くと先行した旦那様の待つ山頂に着く 12:43

山頂からは篠井山が見え、さらに大きな十枚山と下十枚山が見えるが、他の方向は良く見えない。

ご夫婦と十枚山から縦走の男性らと充分なご挨拶もしない内に彼らはドンドン下ってしまう、私の方は草木バス停に15時半、場合によっては18時でも良い、草木バス停まで大光山から約2時間である。12:45


十枚山と下十枚山 縦走路が見えますね!

山頂から数b進むと十枚山縦走路分岐、引き込まれそうな美しい稜線、稜線に沿って十枚山まで延びる登山道、十枚山まで、ここから2時間、夏の日の長い時季なら充分可能だ。

12時を過ぎてから南アルプス方向に黒い雲が広がってきた、笹原の尾根道を登る、山伏−大谷嶺−八紘嶺−大光山と馬蹄形に並ぶ稜線が見事、その奥の白い巨峰に日が当って神秘的、富士山方向は木々がのびてきたがその姿は誰にも負けない美しさ。

ピークは笹原の尾根道、左にでっかい十枚山を見ながら急降下、彼らの姿は無い、雑木林の坂、背の低い植林帯で平坦になる、13:10 まもなく稜線を離れ草木に下る。13:13

暗い桧林をジグザグに下る、ちっぽけな造林小屋、まもなく沢が現れ、12:35 水場の小屋に到着。二個目のおにぎりを頂く(梅)。13:45まで休憩。

  沢から離れるところが荒れたガレ場で道幅が狭い、道が良くなって東峰分岐に到着、丸太の椅子が数個並んでいる、ガレ場を通過、周囲の岩壁が何時崩れ落ちても不思議ではない状態、続いて、たおれた桧の横を通過、倒したのは台風だろうか。

またジグザグ下り、14:15 沢を横切る、続いて二本目を横切る、二本目は崩れが激しい、尾根を乗越す、ジグザグ下り、長い下り、今度は枯れた沢を横切る、14:30 右眼下の沢は美しい、道はこの辺りは比較的安定している、眼下に見えた沢に降り横切る。

 桧や杉林の下りに飽きた頃、堰堤のダムに降りる、ダムから正面に立派な稜線を見せるのは笹山(標高1763b)、山伏から縦走もできそう、静岡県民の森から井川峠経由で登るのが主流らしい、何時か登って見たい南アルプスの展望台。ダムの右端を下って、14:30 駐車場に到着。

 草木まで20分地点、林道歩きが始まる、茶畑と小屋が現れ、14:47 桧伐採地、民家、三差路、ここから草木バス停5分程。

 15:04 バス待ち小屋(屋根だけに等しい小屋)、静岡駅行きは15:39発、体が冷え切ったころ定刻に5,6人の客を乗せやってきた。

バスは安倍川沿いにクネクネと走り抜ける、六朗木バス停で十枚山の登山者が乗ってくるかと期待したが、やはりマイカー登山だけだろうか。

 

 

 安倍奥の山、静岡市の最北、安倍川沿いに並ぶ、七面山・八紘例・山伏・安倍峠と大光山、十枚山、笹山、青笹山と展望の良い山が集っている、今日縦走した安倍峠から大光山のコースは梅ヶ島温泉からバラの段さえクリアーすれば歩き易い、稜線に立てば一日中富士山の展望を楽しめます。

 山伏・大谷嶺・八紘嶺そして安倍峠から大光山・十枚山と馬蹄形を構成する、今日は梅ヶ島温泉に前泊(前日は竜爪山と真富士山を登って)して早朝からスタート、でも十枚山での縦走は無理だろう、安倍峠は閉鎖、昨日までの雪で路面が埋まっている、途中まで八紘嶺と同じで林道出合から別れ安倍峠に向かう、旧遊歩道入口から沢に下って本来なら安倍峠経由だが、カットしてバラの段へ登る、こちらの方が木々が多く楽に登れる、ただ登山道は無く、踏み跡程度ですが、展望も良く、ツツジも多く楽しい登りです。

  バラの段からワサビ沢ノ頭までは緊張の連続ですが、ワサビ沢ノ頭から大笹ノ頭、奥大光山、大光山とプロムナードです、富士山の良く見えるポイント、南アルプスの良く見えるポイントが次々に現れ稜線漫歩と言ったところです。

  大笹ノ頭を下り始めた辺りから十枚山が大きく見え、大きな重そうな篠井山がとても印象的に見えます、そして奥大光山の鞍部では富士山の展望が素晴らしいですね、登山道からちょっと離れた位置です。

  大光山は十枚山と篠井山が良く見えRますが、他の方向は樹林に囲まれます、ここより標高の高い十枚山は魅力ですが、今日は大光山の展望台を通過し、草木バス停へ下る、山頂から草木まで2時間50分と地図に有るがタップリかかります、想像した以上に急斜面が続きます、バスの時間に余裕を持ってノンビリ下りたいところです。途中新田バス停に分岐するT字路もあります、おそらく山頂から急いで下ったご夫婦はこちらに向かったかと思います。

   HP:わたしの天気予報